2020/01/19 のログ
■八蛟 > ダイラスにて初めて足を踏み入れた場 ハイブラゼール 何度か顔を合わせた酒場の呑みの顔見知りらはこう言う
『アンタならきっと一度足を運んだほうがいいよ』
何人もそう言うなら興味はあるが、バウンサー側と遊ぶ側、どっちで進めてんだかわかりゃしない。
2m巨躯と傷だらけの体躯に熊の毛皮を肩にはおる姿は歩けばたいていが道を譲る。
こんな場所で端から喧嘩を売りにくる奴はどうせ負けが込んだヤケか振られた腹いせだ。
勇も友もない喧嘩なんぞ冷めきった飯か酸っぱい酒と一緒だと思いながら練り歩く。
「まぁアタシ向きってのはわかるんだけどねぇ」
酒場にカジノ 娼館。 肌が合いそうな場所だ。楽しい場もあるだろうよ
そんな中でカジノ内に足を踏み入れたのは気まぐれだった。
ドレスコードは存在せず、いつもの身なりのまま入ればまずはカジノに設置されたバーで一杯引っ掛けようか。
のしのしと歩いていけば丁度席は空いている。
まだ熱を冷まそうって奴らはいないらしいや。
「邪魔するよ。」
腰を下ろし、長太い手綱煙管を取りだしながらボーイが傍によるなら適当な琥珀酒を頼む。
刻み葉を入れるや、ボーイがマッチの火を近づけてきたのに合わせ。
「あんがとさん―――フゥゥゥゥゥ……。」
さて、どこで転がそうかねえ。
バカラ辺りがわかりやすそうか?と琥珀が注がれたグラスを受け取れば、賭場を見ながらカパッと一発で空にしてしまい。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」にyadutiさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」にyadutiさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」にyadutiさんが現れました。
■八蛟 > 「ごちそうさん」
手綱煙管の灰を灰皿に叩きつけるや管の残滓を吹き散らし、片手に弄ぶ。
グラスを下げ、ゴルドを支払っておくとチップを変える場所へ行き、暇つぶし程度故溺れることもない。
手持ちの余分な分で換金しようか。
チップを一枚弾き、手のひらの中では妙に小さいそれ。
呑みの顔見知りが一人近づいてきては、上機嫌に声を交わす。
一人と賭けで女を使ったらしい。
こういう場所でそれが成立するには相手が潔いことが重要なもんだが、あえて口には出さなかった。
「そうかい、おめっとさん」
ニッと笑いながら、相手が裏路地で肉になってんのかはいざ知らずだ。
一杯奢ろうかと言われると、顎を撫でながら悩むも。
「それよか、どっか楽しいのはあったかい?
最初は遊びできてんだけどさ。」
そう言われると顔見知りも眉を掻きながら、バカラとルーレットで大勝ちしてる男が二人いる。
そいつらの見物が多いよと言われるとこっちも眉を八の字に。
「見世物になってんのかい。ま、行ってみるかね」
そう言ってその場へ赴けば、確かに人だかりができている。
バカラは客と配る側で勝ち負けを予想するだけの札勝負なもんだから、なんでそうなってんだと背丈が大きい分楽にのぞき込めた。
■八蛟 > 見るとチップが縦に積まれてるのが目立つ中年男と、苦々しい顔をした若者がいる。
他も席に座っているものの、客としてその勝ち組を眺めている方を主としているように表情は気楽。
「姐さん、火を貸してくれないかい?」
傍にいた煙の臭いが濃く付いた身なりが良い綺麗に皺を増やした奥方風に葉を詰めた煙管を見せる
すると笑顔と共にマッチを貰い、プカリと輪をつくる。
煙を吐きながら礼と共に場を聞いてみる。何で盛り上がってんだと。
奥方は負け込んだ男と勝ち積んだ男がどうなるかということになっていると囁かれる。
勝ち男が負け男に意識され、仕切り役も少し焦り顔のようだ。
煙をゆっくり口の中で転がし燻らせながら、背丈がある分周りに煙を浴びせる必要もない。
逆転か大勝利か。全員大勝利望んでんだろうねえと、蜜の味を望んでいるのは顔でわかった。
負け男のどん底が望まれているのがわかるのか、そいつの背中は痛々しい。
何人かの娼婦風が周りにおり、おこぼれにあずかるつもりなのか勝ち男の背中を舐めるように見つめている。
後で誘うつもりなのだろう。それなりに高そうな位の肉付きと顔立ちだ。
仕切り板のはめ込まれた札の枚数は残り僅か。
丁か半かを決めるってところかと思えば、火を借りた姐さんがどっちか当てないかと囁かれる。
「あれじゃあ決まったようなもんじゃないのかい?」
そう言うと やっぱり? と小声同士、群れていた見物人らも傍で聞いていた数人が小声で鼻で笑っていた。
■八蛟 > 賭けが締め切られ、最後の勝負となったときは、偶然にも若者が勝つことになった。
鼻息荒げに勝利者となるも、大局を見ればその最後の博打を少ない額で抑えた勝ち男は大量のチップを手に換金へ。
負け男は一度きりの勝利といえど、手持ちの少なさからして微々たるものへ収まるのみ。
仕切り役がレートを上げることもできぬまま終わってしまった最後の勝負。
周りは拍手と共に最後は堅実的にしてみせた勝ち男へ賞賛するも。
「なんだい、最後は勝ち逃げかい。」
大きな最後の一勝負とやらはいかなった。
しらける結末だったが途中から見ていればこんなものだろう。
勝ち男が去ると見物人も散り始め、アタシもその皺の刻まれた夫人といっしょに手持ちを適当に消費して遊びきった。
「そういや姐さん
おすすめの店とかはこの辺りなんかあったかい?」
帰る前の備えられたバーカウンターで一杯飲みながら、向ける足を決めて別れていった。
後に腕っぷしに自身があるなら紹介しようかと夫人から誘いがきたとか。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」から八蛟さんが去りました。