2019/09/17 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にオリヴィエさんが現れました。
オリヴィエ > 歓楽街はいいカモが多い。
特にこういった娼舘に入る客も、出てくる客も、それぞれ違う意味で気がそぞろになっている。
丁度今、身なりのいい男が商売女と腕を組んで出て来た。

「あ、どーも。ごめんなさい」

自然な通行人を装って、男の方と軽くぶつかる。
すぐさま詫びて、少し先の路地に入り込み……

「ふうん。結構いいもの着てた割には……まあまあかな?」

手の中で、今しがたスリ盗った財布の中身を改める。
冒険者をメインの生業にしていないシーフの仕事など、こういったものだ。
鼻歌を歌いながら、少し離れた別の娼舘に向かう。

オリヴィエ > 娼舘の多い界隈だが、娼館しか無いわけもなく。
様々な雰囲気の男女とすれ違うが、そういった者たちからは財布を抜かない。
あまり派手にやると、後で騒がしくなるってやり難くなるし、
同業者からも睨まれてしまう。
というわけで、指先がうずうずするのを感じながら、目当ての娼舘の辺りに到着。
不審に思われないように、路地裏を通り抜けて裏手に回り、正面に戻り、
と、ゆっくり繰り返す…。

オリヴィエ > しかし、ずっと同じルートでぐるぐるしていると…
それはそれで、注意を引いてしまう。
たまに、全く関係の無い建物を回り込んだりしながら、
いいあんばいのカモを探す。
カモが見付かっても周囲の状況次第で、スリ盗るのが難しい事もある。
一晩に二件で十分、三件で多すぎるかといったところ。
今日は一件済ませているから、あと一人は獲物を見付けたい──

「ふんふんふーんっと」

焦りは禁物、鼻歌を歌ってリラックスしながら練り歩き。

オリヴィエ > と、丁度良く向かいから、カモがやって来る。
いい具合に弛緩した雰囲気で、見るからに財布の紐が緩そうだ。
ぺろりと下唇を舐めて、少年はそちらに何食わぬ様子で歩いて行く…。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からオリヴィエさんが去りました。