2019/04/22 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 礼拝堂」にシスター・マルレーンさんが現れました。
■シスター・マルレーン > 不夜城として名高い歓楽街、ハイブラゼール。
その片隅に小さくスペースが取られた礼拝堂が一つ、ぽつんとある。
右隣が酒場で、左隣が娼館で、向かいが賭博場というとんでもない立地条件の礼拝堂。
「ふぅー……」
片付けが終わって、ようやく吐息をつくのは金髪シスターが一人。
冒険者兼シスターとして、闘技場にも出場した経験まである何でもやるシスターである。
「………これでなんとか、形はできましたかね。
もー、かけ事に負けたからって暴れるのはホント………」
溜息。壊れていた椅子を全て片付けて、古びているが綺麗な椅子を並べて、なんとか礼拝堂の形を整える。
騒がしいことと、酒の匂いがすることを除けば……まあ、礼拝堂だ。
■シスター・マルレーン > ここはそういう店? シスターはいくら?
この質問を2回されて、笑顔でお帰り戴いた。
本物の礼拝堂です、って張り紙をするのもバカらしい話。
正直、ここで祈るのは次の勝負に勝ちたい、という欲望を丸出しにした人ばかり。
身を滅ぼさぬ程度に、と口にしても聞く耳も持ってもらえない。
………まあ、そうですよね。
ため息交じりに長椅子に腰かけて、少し疲れた身体を背もたれに預ける。
んー、っと伸びをすれば、大きめの胸を揺らして長い髪を地面につけて。
「綺麗にはしましたし、あんまり需要が無いようならそうやって報告した方がいいですかね……」
■シスター・マルレーン > 下心満載といった目線でお酒を勧められたけれど、それも丁重にお断りして。
自分で持ってきた水を軽く口に含んで、廊下から外を見る。
ここらで薦められた飲み物を飲んで、酩酊状態になって娼館に連れ込まれそうになったことがあっての、自衛手段である。
華やかな街並みを入口の椅子に座りながら、ぼんやりと眺めて。
ここはここで、ある意味バランスがとれている場所かもしれない、とは思えた。
悲喜交々で、楽しんでいる人も悲しんでいる人もいるけれど、それはどこでも同じで。
ただちょっとだけここはその振れ幅が大きいだけ。
「あはは……」
娼婦のお姉さんにウィンクされて、苦笑いで手を振っておく。
働かない? って言われて、それも丁重にお断りした。
■シスター・マルレーン > 「……さて、あれですね。ここに座っていても本当にこう……。」
神頼みをするのはかけ事をする人ばかり。
歓楽街の端っこに座っているのは、どうしてもいたたまれなくなって。
「今日はもう閉めちゃいますか。」
荒れ果てた場所をなんとかしろ、が指示である。
夜まできっちり開いて、そこに座っていろ、とは言われていない。
しっかり封鎖して、酔った人が入り込めないようにすれば安心だろう。
「ちょっと分厚い扉を据え付けて、鍵を取り付ければ……」
自分が立ち寄った時だけ開放できるようにすれば、安全な礼拝堂として活用できる。
そんなアイデアを思いつけば、せくせくとシスターは立ち上がって。
大工仕事は割と得意。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 礼拝堂」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 礼拝堂。
このあたりでそんなものといえば、ここくらいしかない。
それにしたってまぁ…酒場と娼館の間とはついてない。
向かいが賭場のおまけ付きでロクでなし包囲網の完成といったところだ。
そんな礼拝堂。コンコンと大きめなノックが響く。
「さーせん、お届け物なんだけど」
小さな荷物を小脇に抱えた冒険者の姿。
お世辞にも信心深いとは言い難い姿というか
以前教会は嫌いだという話を聞いているだろう。
■シスター・マルレーン > 「…このような場所にまでお届け物、ありがとうございます。
幸運がありますよう。………………お礼参り、は逆ですね?」
やってきた訪問客に、すう、と振り向いてすごいこう、作った顔と作った声で厳かな雰囲気を出してみるシスター。
確かに黙って動かずに、穏やかな声で発言する姿は立派な聖職者に見えなくもない。
ただ、相手が知り合いだと分かってから首をこてん、と少し傾け。
尋ねるように問う言葉は、若干聖職者らしくない、喧嘩屋らしいものだった。
「ふふ、ありがとうございます。 お届け物ですか?」
■ブレイド > 「…猫かぶったままでも良かったのによ」
厳かな語りから、顔を見るなり瞬時に砕けた近所のお姉さん然とした空気に。
苦笑しつつも、礼拝堂…その中へと歩んでいく。
静謐…荘厳…神聖…どれもそぐわない空気。
まぁ、そりゃ廃れるわなといった環境。
彼女以前のシスターも神父も色んな意味で丸裸にされてここを去ったのだろう。
「こないだ帰ってからすぐ受けた依頼でさ
タイミングは良かったみてーだな。面倒事、手伝わされなくて済みそうな」
■シスター・マルレーン > 「割とまあ、ここでならやれなくもないですけど。
でも、それはそれでお互い疲れますよ?」
あはは、と笑いながら招き入れて、工具やら木材やらが散らばった区画の前に座って。
どうぞ、と座るように促す。
「そうですね、もうおおよそこっちの仕事はおしまいです。
むしろ、なんでしょうね、悪いことに巻き込まれるっていうより、関係ない、って思われるのかあんまり絡まれないですね、ここでこうしていると。」
闘技場の勝利の証のコインが普通に飾ってあるせいでもあろうけれども。
■ブレイド > 「それもそうか。つか、座ってもいいか?
アンタが来るときゃ馬車だったかもしれねーが
オレはここまで歩きでクタクタでさ」
荷物を長椅子において
返事もまたずに腰を下ろし大きなため息。
ほんとうにこの街にたどり着いたその脚で礼拝堂にきたようだ。
「はー、そりゃむしろ良かったじゃねーか。
こんな立地で何事もねーとか奇跡に近いんじゃねーの?」
もっと夜が深くなれば、左右の店からはそりゃもういろいろ聞こえそうなものだが。
■シスター・マルレーン > 「どうぞどうぞ。いやまあ、ここは荒れ果てていたんで、ずーっと片付けていたんですよ、これでも。」
もうすっかりくたくたですよ、なんて笑いながら。
肩をぽんぽん、と自分で叩く。 ずっしりと重い感覚はある。
「そうなんですよね、でもよくよく考えれば、賭け事をしようとしている人が、曲がりなりにも礼拝堂で暴れるってあんまりないんですよね。
勝ちたいです、って拝まれてもそれはそれで困るんですけどね!」
はっはー、と自棄のように笑って。
「まあ、娼館の人からは夜はこっちで働かないかと言われましたけどね。
ははははは。」
乾いた笑いで遠い目をした。目のハイライトが良く消える系シスター。
■ブレイド > 「そりゃおつかれさん。おとなりどうぞ?
ま、当たり散らすってならその場でやるよなぁ…」
長椅子の自分の隣を叩く。
荒れ果てているとは言うが、今は…まぁ…なんというか…
落ち着けなくもない。
「それでもまぁ、逆恨みってのはあるからな。これからかもしれねーぜ?
『勝ちたいってお布施までして祈ったのに負けたじゃねーか!』とかさ」
そうなったら、シスター自慢の拳が唸るだけだろうが、それはそれ。
娼館からのお誘いも…まぁ、当然といえば当然か。
すっかり死んだ目で乾いた笑い。
なんかこの表情見慣れたな…。
「んで、シスターはいくらだーなんて言われたりってか?」
■シスター・マルレーン > 「そうですねえ、困ったときというか、困っている人ほど、神頼みというか。
ツキを少しでも、と思っていると案外暴れたりはしないものですね。
逆に暴れるときは、賭場の方で暴れてくれるみたいですし。」
案外案外、思っていたよりは快適ですよ、と笑う。
酒の匂いが強いけれど。
「あー、そういうお布施は断るようにしてます。
賭け事についての加護は無いですよ、ってちゃんと言ってますよー。」
時々いる。神様は何でも屋じゃないんだぞ、とため息をついた。
私、何でも屋だったわ。改めてもう一度ため息。
「あー、それは2回ほど。
………殴ったりはしてないですよ?」
高いですよー、なんて冗談っぽく笑いつつも、帰るまでに何回言われるかナー、と苦笑交じり。
「で、本当にお届け物なんです?」
■ブレイド > 「ゲン担ぎってやつかね?
ま、思った以上に地獄ってわけじゃねえならいいんじゃねぇか?」
酒の匂い。
隣の酒場からだろうか。いや、だろうかじゃない。
十中八九そうだろう。
「へぇ、汚れた金の洗浄業はどうしたんだ?
上に送らねーと怒られるだろ。つか、二回もあったのかよ。
ここに来て何日もたってねーのに…ま、災難だったな」
高いと言っても、その代金はおそらくは授業料。どこかの骨でも持っていかれるのだろう。
「ん?あー、そうそう。届け物の依頼ってのはホントだけど、そりゃもう終わってんだ。
こいつはアレだ。近くまで来たついでの…引越し祝いってわけじゃねぇけどまぁそういうやつだ」
抱えた荷物の封をとけば、でてくるのは生菓子の店の箱。
■シスター・マルレーン > 「そうですね、まあ、鍵のかかる扉を作って、私がここに来る際に開放して使おうかなって思ってます。
私も、ずっとここにいるわけにもいきませんしね。
まあ………明るい街ですね、いろんな意味で。
賭け事をいまからしよう、って人のお布施ですもの、銅貨1枚とかそんなところですよ。
もっと大きなものであれば、こういった礼拝堂ではなくて、直接送りますからね。
どこへ、とは言わないですけど。」
少しだけ困ったような笑顔を見せる。
そういった送金があることはよくよく知っているが。
「あ、……ふふふ、ありがとうございます。
ただただ、引っ越しといっても、私ずーっとここにいるわけじゃありませんからね。
他のシスターじゃきっついからお前旅の途中に寄って手入れしろや、ってい………
……丁度旅の試練を受けている私へ、欲にあふれたこの町の礼拝堂をまた改めて綺麗にし、人々が信仰を取り戻すきっかけを与えることができるかどうかの、これもまた試練ですね。」
口汚い言葉になりかけたところで、ふふふふ、と遠い目で敬虔な言葉を語る。
今まで通り動きながら、この場所での拠点を頂いた、といったところのよう。
■ブレイド > 「…鍵もかかんねーのかよ。ほんとに廃墟みてーな状態だったのか?
よくやるもんだぜ…教会専属の土建屋扱いされてねぇか?」
橋やら礼拝堂やら…
自分が知らないだけで、おそらくもっとなんか修理させられてそうだ。
そういうものを断らないということは、そういう仕事をやるやつだと思われるもので
そう思われれば最後、その手の話がじゃんじゃか飛び込んでくるものだ。
「それもそうか。しょぼいお布施じゃ洗う気もございませんって…
わかりやすいな、なんか…」
彼女の言うことはわかるが、上の方の意識としてはそんなとこだろう。
「そりゃ前聞いたさ。だけどまぁ…礼拝堂任されるってのは節目みてーなもんかなってよ。
つか、今更猫かぶるなよ」
言葉を正す彼女に向かって笑いつつ、菓子店の箱をずいっとシスターの方へと押し出し。
■シスター・マルレーン > 「大変でしたよ。
なんかここで飲んだらしくて。ゴミだらけでしたし。
いや流石にそういう扱いは……されて……されて………無い、と、いいんですけど。」
自信はなかった。いやーはっはっは。
「……農業もやりますよ。」
親指を立てて死んだ目でどやっておいた。
「………節目、節目だといいんですけどね。
いや、流石にぶっちゃけすぎるとまずいかな、と。
………ありがとうございます。 紅茶でも入れますね。
そういえば、薦められたものは飲んだらダメですよ、ここでは。
一回くらっときて危なかったんですから。」
よいしょ、と立ち上がって紅茶を準備しながら。
ここの心得を伝授するように世間話。
■ブレイド > ゴミだらけ。
それでもまだマイルドな言い方だと思う。
「やりますよじゃねえよ。土建屋どころじゃねぇよ
ただの便利な力持ち程度にしか思われてねーよ」
なぜドヤる。
呆れを通り越して哀れになってくるレベルだ。
人の良さもここまで来ると、もはや悪徳かもしれない。
主に、自分の体や安全を顧みないというあたりだが。
「紅茶か…いただくぜ。
アンタから薦められたもんは飲んでいいんだよな?
流石にここで一服盛りはしねーだろうけど…
むしろ、そんな目に合うのは女くらいだろ。
オレにそんなモン飲ませたって、毒だか酒の無駄にしかなんねーよ」
からからとわらいながら、長椅子に体を預けて。
お届け物は半ばついで…ではあったものの、ダイラスにたどり着いた脚でここまで来たのは本当。
もちろん、洋菓子屋にも立ち寄って。
どっと疲れたといった様子で長椅子に体を預ける。
■シスター・マルレーン > 「ですよねー。 ですよねー。」
遠い目をして肩を落とした。まあ、わかってました、わかってました。
そう、ムキムキマッチョマンがやるような仕事をやるお姉さんですよ、フフフフ……
目のハイライトがまた消える。最近明滅が激しいな。
「ええ、大丈夫ですよ。
ああ、そういう目的もあるそうですけど、賭け事にふわふわとしたまま参加させてとんでもない額の勝負させられてた、とかあるらしいですよ。
まあ、女性の方が圧倒的に多いそうですけど。……それを逆手にって奴ですかね。」
よいしょ、と紅茶を二人分。
少し甘くしてみました、と微笑みかけて。
■ブレイド > 「ま…えーっと…なんつーか、な…。筋肉痛とか、腰とか…気をつけろよ?」
また目が光を失ってる。
冬のまつりで街に浮いてる魔力光球じゃあるまいし。
こんな細腕…に見える体のどこにあんな力が眠っているのかが不思議だが
とりあえず、それこそ肉体労働者に対してのねぎらいしか言えず
なんだか逆に落ち込ませてしまいそうだなと思ったり。
「そりゃたまんねぇな。
貧乏人から金毟って何が楽しいんだか…もっと毟れるやつ狙えっての。
奴隷として売っても二束三文じゃ、手間も含めりゃガキの駄賃程度にしかなんねーってのに」
だったらどうせならお楽しみできたほうがお得だろう。
このシスターであれば大丈夫だろうが。
「お、ありがとよ…ん…はー、甘いな。いいぜ。甘いは美味いだ」
紅茶を一口。あまい。疲れた体にしみるようだ。
■シスター・マルレーン > 「ええ、気を付けてますよ。
腰は一度やっちゃってるので………」
経験済みだった。はっはっは、と自棄になった笑顔も日常の風景になっている。
「……そうですねえ、まあ、………
そう考えると女性なんでしょうね。
……思い切り飲まなくて良かった。」
ほ、っと安心をする。
一口飲んだだけで酩酊しかけて足がふらついたのだから、一気に飲み干していたら、今はもうすっかり意識が無いだろう。
「そうそう、あんまり甘くし過ぎると大変ですけど。
疲れた体にはこれが一番です。
今日はこちらに泊まっていくのです? それとも、すぐにお帰りに?」
■ブレイド > 「やってんのかよ…」
やはり、扱いそのものはシスターというよりは肉体労働者のそれ。
しかも闘技場にまで出場させられるとか
なんというか、不憫というか。
いや、闘技場に関しては少し楽しんでるふうにも見えたが。
「むしろ、一口で自覚が出る程度の効果ってことは
本来なら一口でも十分なもんだったんじゃねぇか?
全部飲ませてやっとってもんなら、全部飲ませなきゃ意味がねーんだから…
夜にも使えてよく働く。力仕事も得意な元シスター。
バフートあたりで高額取引されそうだな」
そういう意味で、運がいいというか…色んな意味で頑丈なシスターである。
「甘いのは好きだぜ?こういう店に行くのは男でこんな風貌だと抵抗あるけどよ。
ん?歩いてとんぼ返りじゃ流石にぶっ倒れちまうから泊まってくつもりでいるぜ?」
■シスター・マルレーン > 「ええ、あれは……えーっと、屋根から落ちた時でしたっけ。
いやー、頑丈で助かりました。
あー…、アブナイところでしたね。
じゃあ、相手がびっくりしてたのはそういうことだったんですかね……?」
あはは、と笑いながらも、ジト目でじろーっと見て。
「夜にも使えるんですかねー。
ほー、へー、ふーん。」
自分でも冗談にするけど、他人に言われるとそれはそれでちょっと恥ずかしいので攻撃する。
「…あー、なるほど。 奥にベッドありますよ?
まあ、鍵はこっからつけるんですけどね。」
■ブレイド > 「いや、頑丈とかじゃなくて…骨とか折ってねえのか?それ…
なんだよ、鉄でできてんのか?毒にもつえーとか…
そりゃ驚くだろ」
高さはともあれ、頑丈さは折り紙付きのようだ。
なんだかそういう扱い受けてても仕方がないような気すらする。
お姉さん的な気さくさはあるものの。
「……あー…えー…そ、そりゃーまあ、奴隷として捕まりゃ?
そういう用途もあるかなー的な…」
そんなふうに責められると流石に気まずい。
視線をそらしつつ紅茶を一口。
何を想像したかはあえて言うまい。
「ん?いいのかよ。鍵もねーのに男なんて泊めて」
■シスター・マルレーン > 「それが案外なんとかなるもんでして。
不思議なものですよねー。」
とりあえずひたすら頑丈らしい。鉄の城みたいなシスターだった。
「そういう用途。ほー、ふーん、へー。」
ジト目でつつきまわせば、ぷ、っと吹いてしまって。
「あはは、すみません、ちょいと意地悪しちゃいましたね?
まあ、ここにいたり闘技場で歩いてりゃ、嫌でも耳には入ります。
それにまあ、そういう言葉自体は案外慣れっこってもんでして。
教会に座ってると、無抵抗だと思って結構言われるんですよね……」
今度は肉体的じゃない苦労だった。
「…ん? ああ、いいんですよ。 私、鍵つけたりとかいろいろしてますから、ちょっとうるさいかもですけど。」
■ブレイド > 「ふつーはなんともならねーもんなんだがな…」
ここまで来ると逆に感動すらしてしまう。
人体ってすげーと。
「くっ…そういう弄り方はよせよ。なれてねーんだ」
なんというか、弟をからかうようなやり方。
悪い気は全くしないが、むしろなんか気恥ずかしい気分のほうが強い。
少し頬を赤くして、紅茶を飲み干して。
「はー…まぁ、いくらか聞いてくるやつがいるくらいだしな。
闘技場の…飾ってんのにな。イメージってのはこえーな。
神聖都市のこともあるしシスターに対してそういうイメージ強いやつってのは結構いるんじゃねーの?」
肉体的にも精神的にも気苦労が絶えない様子。
生来の気質がそれらをはねのけている感はあるが、普通だったら気を病んでても仕方ないところで。
「あー…そうか?じゃねぇな。手伝うよ。早く終わらせちまったほうがゆっくり寝れそうだ」
■シスター・マルレーン > 「あっはっは、すいません、ついつい。
………そうなんでしょうね、
いや、ほんと。 最近は王都を歩いていても声をかけられることもあって。
旅の者だと言ってもなかなか聞いてもらえないんですよね。」
ははは、と力なく。
シスターという存在がそういう扱いをされている、というところはかなり効くらしく、割としゅん、と元気がなくなっていく。
ぼやきながらも愚痴りながらも、それは辛いらしい。
「……え、いえいえ、大丈夫ですよ。
それに、交互に寝た方がいいですよ、この場所では。
野営と同じ気持ちでいた方がよいですから。
あとベッド一つしか置いてないです。」
任せなさい、と胸を叩いて。
■ブレイド > 「気ぃ落とすなよ。すくなくともそうじゃねぇ奴らも……
……ま、まぁ…すくなくとも、オレはわざわざシスターに声かけるようなこたしねーから…
あー…元気出せよ。オレが寝たら、菓子でも食ってさ」
なんと声をかければ良いものか。
そう思ってない奴らというものを思い浮かべようとしたが
信心深い連中だって『そう』扱ってるのに、そのように扱わないものなんているのだろうか。
自分のように、教会嫌いか、女を買うということをあまりしない人間か
女が嫌いか…といったところか。それをいったところで慰めにはなるまい。
「…ベッド一つしかねーのかよ!!
じゃあいい、長椅子かしてもらえりゃそれで…」
流石に彼女が寝ているベッドだ。
いろいろな意味で借りるわけにも行くまい。
いろいろな意味で。
それを言及されたらさらにからかわれそうだ。
■シスター・マルレーン > 「大丈夫大丈夫、仕方ないですもんね。
私がその分頑張って、そうじゃないのもいるってわからせればいいんです。
そうです、それが使命だと思って。
よし。」
気合を入れて早口でまくし立てて、ぺちん、と己の頬を両手で叩く。
露骨なまでのカラ元気。 とはいえ、むん、と気合を入れてしまえばしっかりと目に力は戻るわけで。
「……気にしますねえ? 私は気にしませんけど。
んじゃ、毛布でも持ってきますから。
ゆっくり寝て、そろそろ大丈夫だ、ってことになったら今度は私が寝ますね。
……それまでに鍵をつければ大丈夫でしょう、ええ。」
よし、と腕まくりをして。
「あとでお菓子もありますしね。」
ふふーん、と上機嫌。
■ブレイド > カラ元気であれすぐに前向きになるのは
精神的タフさの現れ。
丈夫なのは体だけじゃないということか。
しかし…
「張り切りすぎんなよ?使命だかなんだか知らねーけど
一人でできることなんざそう多くねーんだからさ」
それはつまり、頼る存在はなく
自分の強さのみで立っているということだ。
強さ、頑丈さ、タフさ、悪運、その他諸々…彼女は恵まれているとは思うのだが
そういう点が気がかりで。
「そりゃな。変なふうにからかわれた後にねーちゃんのベッドで寝ようなんて弟はいねーだろ?
毛布はありがたく借りとくぜ。あと、アンタは寝るときはちゃ~んとベッドに戻れよ?
新しい鍵もバッチリかけといてな」
上機嫌な彼女。
まったく表情がコロコロと変わるものだ。
みていて飽きない。
■シスター・マルレーン > 「……農業に土木工事に、最近お皿を作ったりもしまして。
闘技場で戦った経験もありますね。
実はこう見えてシスター的な仕事もできるんですよ。
………ふっふっふ、多いでしょう。」
一人でできることの多さは屈指である。
どやぁ、死んだ目だけど。
「はいはーい、それじゃあ、ゆっくりと休んでくださいね。」
なんて、工事に戻るシスター。一寝入りして終わったころには、しっかりカギが付いているのだろう。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 礼拝堂」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 礼拝堂」からシスター・マルレーンさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にルヴィエラさんが現れました。
■ルヴィエラ > (街中、壁際にて佇んでいる所
駆け寄ってきた一人の男から、一枚の手紙を受け取る。
対価のゴルドを渡せば、直ぐに立ち去って行く男を尻目に
受け取った其の紙に目を通せば――ふむ、と小さく頷いた。)
「――――やれやれ、真っ当な手続きを踏むと時間が掛かった物だ。
どうして、こういった話には常にお役所仕事なのだろうかねぇ。」
(ふぁ、と、其の背後にて大欠伸を零して居た娘の一人が
お、と興味を引かれたように肩越しに覗き込んで来る。
其の眼に見える様に、紙面の内容を掲げてやりつつ。)
「漸く、王都の方にも進出出来る様だ。
ファタール二号店、運営の許可が下りたとの事だよ。」
(「ワオ、長かったねぇ」なんて響く娘の声に、フードから覗く口元が弧を描く
紙を折りたたみ、懐へと仕舞えば、共に路地裏の方へと入って行きながら。)
「私の名で申請は出せぬからね、そんな事をすれば間違い無く却下だ。
其の分、あの子には苦労をさせたが、まぁ、此れも良い勉強だろう。
あちらの運営は、基本的に任せる事になるからねぇ。」
■ルヴィエラ > (元々、王都側に店を増やすにあたって
責任者などの名義を、このハイブラゼール本店で取り纏めをしていた娘にしている。
既に運営や管理などの業務に携わって居る彼女ならば、間違い無く適任だが
新たな土地での活動と為れば、今までとは異なる問題に対処しなければならない。
そういう意味でのフォローは、何よりも己が補い支えてやらねばならぬ所だが。)
「なに、子供とは、何時か独り立ちをするものだよ。
そして、例え其の時が訪れても、我が子が我が子である事に変わりは無い。」
(何時の間にか、おぶさるみたいに背中へと張り付いて居た娘に
言い聞かせる様に、穏やかな声音で語り掛ければ。
其の肩にぽむと掌を乗せて、此方へと意識を傾けさせて。)
「早速だが、この言付けを館の方へ伝えてくれるかな?
予定通り、王都への移動を希望する娘達には、近日中に王都へ出向いて貰おう。
ま、急ぐ事は無いがね。」
(軽く、其の頭を撫ぜれば、良いかな? と。
ふんにゃり笑んだ娘が、はいはーい、と快活に返事しては
娼館の在る方向へと向けて、軽やかな足取りで歩いて行った)。
■ルヴィエラ > (娘の背中を見送れば、再び路地裏を歩きだす。
――元来この計画は、ハイブラゼールの館では、娘達には少々手狭になって仕舞った事に在る
今はまだいい、が、此れから先の事を考えれば、ハイブラゼールで新たな館を立てるよりも
土地を変えた方が、何かと都合が良いのだ。)
「――――さて、人の世は、未だ栄華の最中に在り。
例え目の前の輝きが斜陽の証だとて、美しい事に変わりは無い。」
(まるで、舞台役者めいた台詞を一人呟きながら。
被って居たフードを外し、素顔を晒す。
月を見上げ、双眸を細めながら一度微笑めば、右腕に、ふと影で造った蝙蝠を這わせて
ひょい、と夜空に放った。 ――此れからの動きを、様々な場所へ。
己に関係する者達の所へと、伝えさせる為に)。
■ルヴィエラ > (――そして、再び。
路地裏を何処かへと歩み、去って行く
此処最近にしては、ひどく上機嫌そうに笑みを浮かべながら――)。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からルヴィエラさんが去りました。