2019/01/04 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にティニーさんが現れました。
ティニー > 大きめのローブをすっぽりと被り、お腹を擦りながらゆっくりとした動きでやってくる。
足は自然と飲食店が連なる道へと向かってしまうも、こんな時間では開店しているのは飲み屋ばかりの様子。

「んー…お腹減ったぁ…。」

賑わう酒場の窓を外から覗きこみながら呟き、小さくため息をひとつ。
酒場に入ったことはなく、どうしようかと扉の前でそわそわ。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にマヌエラさんが現れました。
マヌエラ > 夜と昼とで、街の顔が違うのは当然のこと。
昼間は色々な人で健康的にごったがえすこの通りも、今歩いているのは酔客ばかり。
その中で、小柄が酒場の前でそわそわしているのは、それなりに目立つ光景だった――周囲の人々は基本的に酔っているので気にしていないが。

「まあ、どうなさったのですか?」

その中にあって珍しく、気にかけた者がいた。
丁寧でおっとりした、若い女の声が、ティニーの背後から響く。

ティニー > 店内の酔っ払いの姿に若干怯みつつも空腹には勝てず、店内に踏み込もうかと思った瞬間。
背後から聞こえた女性の声に振り向く。

「おっ、お腹が空いたのだけど、酒場は初めてで緊張して…」

視界に入った声の主は素敵なお姉さんで。
僅かに緊張した声音ながら、素直に答えた。
最後にお腹を撫でながら照れ笑いをこぼして。

マヌエラ > 「まあ。それは大変!」

お腹が空いた、という言葉に目を丸くすると、手を取った。

「私もこれからご飯なんです。ご一緒しましょう?」

笑い、手を引いて酒場の中へ堂々と入っていく。
入ってしまえば、別に酔客たちはいまさら新客に注目するでもなくすっかり出来上がっていて。
早速テーブル席に陣取ると、店員を呼んで素早く注文してしまう。

「何がお好きですか? 私は、今日はお魚の気分です!」

にこっと笑って――おっとりした顔立ちだが、結構強引な模様だった。

ティニー > 手を取られ、引かれるままに店内へ。
促されるままに席につくと、ぱちぱちと瞬きをして。

「お魚好きだよ。お肉も大好き。
何でも食べたい」

質問されれば思わずそう答える。
見かけによらない強引さと、潔い行いに楽しそうに笑って。

「お姉さん、一緒に入ってくれてありがとう」

マヌエラ > 「健康的で、よいですね。若いうちは食べられるものはたくさん食べましょう!」

簡潔単純な答えには、嬉しそうにそう返す。

「どういたしまして! 店員さん、これとこれとこれとこれ、くださいな!」

お礼には一礼しながらにこにこ笑顔で注文すると、早速運ばれてきたものをお互い楽しむことになるだろう。中々の量だが、腹ペコで育ち盛りな少女なら、きっと無理ではないだろう。
女も女で結構な健啖家だった。

注文したお茶も一緒に飲んで一息をついて――。

「ふふ、美味しかったですね!」

ティニー > たくさん注文した料理が運ばれてくると目を輝かせ、嬉しそうに食べ始める。
食べ方こそキレイに食べるが、女性にしては大量の食事が腹に収まってゆく。

「ごちそうさまでした~!
ほんっとにどれも美味しかったですね。
でも食べ過ぎちゃったかな」

黙々と食べてしまった事に気付き、今更ながらやや早口で相手に話しかける。
幸せそうな笑みで返し、自分もお茶を飲んで。

マヌエラ > 「ごちそうさまでした! ふふ、本当ですね。
 これくらい、育ち盛りですから。
 でも、良かったです。やっぱりティニー様には、笑顔が一番ですものね」

と、笑顔で、名乗っていないはずの彼女の名前を口にして。

ティニー > はじめましてだと思っていた相手に名前を呼ばれると、きょとんとして。
少し首を傾げながら、相手の顔をまじまじと見つめて。

「…私、お姉さんにお会いしたこと、あった…?
わ、どうしよう、失礼ですよね。
うーん…えっと…」

僅かに眉を寄せて、なんとか思い出そうとしている様子。

マヌエラ > 「ああ――あのときは、この姿ではありませんでしたね」

にこっと笑って、瞳を見返すおっとりとした目。

「この前は、“ありがとうございました”」

不意に、ティニーの足元に違和感。
使い込まれたフローリングの床があったはず。しかしそれはどこかぶにぶにとした触感に変わっており。更に、そのタイルの隙間からは――無数の触手が這い出して、ティニーの足を絡めとり、這い登り始めていたのだ。

「マヌエラです」

和やかな自己紹介。気付けば、周囲がぼんやりとぼやけて、隣のテーブルも見えなくなっている。

異界に、取り込まれていた。

ティニー > 相手の言っている事がよくわからず、不思議そうな顔で見つめ返すも、足元の違和感に視線を向ける。
瞬間、脚に絡まる触手に気付き、聞き覚えのある名前が耳に届いた。

「マ…マヌエラちゃん…?!」

驚いて再び顔をあげると、先程までの酒場とは違う世界のようだ。
色々と思い出し、微かに涙目になって。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からティニーさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からマヌエラさんが去りました。