2018/11/08 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にティリアさんが現れました。
ティリア > (途方に暮れる。仕事…ではないが、ともすれば其処に繋がるかもしれない、謂わば見回り。
そんなつもりで夜の街に出たのだが。
――正直、港湾都市の賑わいを舐めていた。
既に幾度と無く訪れているというのに。或いは閑散とした港湾部であり、亦或いは殺伐たる裏町であり…
此迄己が目にしてきたのは、本来の不夜城都市ではなかったのだと。
否応なく思い知らされていた。)

…いや…本当に、ちょっと、っ。
まずいかも――――何処だよ、此処……

(何せ。この歳になって、迷子等という情けない有様を晒す事になると。
全く以て、考えていなかった。
いや、基本はアーケード街なのだ。然るべき案内や、見覚えた店舗も有るだろう。
それ等目印になる物さえ見付ければ、直ぐに、現在位置を把握して。
買い物も出来るだろうし、宿舎代わりの宿にも戻れるだろう。

……そう、見付ける事が出来れば、だ。
程々の背丈が有る筈の己ですら。人混みに呑まれると、完全に埋もれてしまう。
年末年始の王都も斯くやの流れに飲み込まれ、もみくちゃにされ。
頭上を仰ぎ見る事も、周囲を見渡す事も侭成らない。
兎に角、圧し潰されてしまいかねない、この雑踏から脱しようと。
さながら産みで溺れるような有様で身藻掻いていた。)

ティリア > (やがて。)

った、と ――――

(何とか、人波の切れ目が見えた。
彼処迄辿り着けば、少なくとも、一息…一呼吸する位の猶予は有る筈だ。
まろび出る足元は、だが――残り数歩。そんな僅かを歩みきる事すらも赦されずに。
次の瞬間、横合いから合流してきた新たな人の流れに、飲み込まれる事となる。)

え、ちょ――ぅ えぇっ!?
待って、僕はあっち、行くつもりで――離し、て、てば…!

(別に、掴まれ連れ攫われている訳ではないのだが。
押し合いへし合いもみくちゃに、誰ぞと手脚がぶつかり絡まり。
そんな風にも思えてしまう、とでも言うべきか。
目的方向から直角、たちまち支流へ押し込まれ…

這々の体で宿へと戻る事が出来るのは。きっと、当分先の事となるだろう。
疲れ切り、彼方此方擦り切れんばかりの有様で。
辿り着いたその直後、寝台へと倒れ込む事だけは確定だった。)

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からティリアさんが去りました。