2018/09/24 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にルヴィエラさんが現れました。
ルヴィエラ > (――少し、娼館からは離れていた。
其れは、此処最近で娼館に携わる者が少し、増えたからでも在る
元々館は、ハイブラゼールの中でも指折りに大きな建物だ
カジノや食事の提供、遊興施設や宿泊施設に加えて、娼婦たちが居る
其れでも拡大の一途を辿るのは――其れだけ、長く続くと言う証拠でも在り
或いは――其れだけ、「娘」が増えたと言う事でも在る。)

―――……一人で居るよりも、二人で居る時の方が目は付けられ辛い物だ。
やぁ、お疲れ様だね、調子は如何かな?

(暗がりから、ふわりと浮き上がる様にして現れる。
普通の人間ならば、其れを気取る事も出来ないだろう、が
二人に為らば、その直前の、独特な魔力の変化が感じられるだろうか。
響く声とともに、二人へと向けて、労いの言葉を掛けては
そっと、両腕を広げて示すのだ――帰ったよ、だなんて)。

リュシー > (―――――ふ、と鼻腔を擽る香りに気づく。
それはもしかしたら、本当は「気配」と呼ぶのが正しいもの。
あるいは彼に限っては、「魔力」とも呼びかえられるもの、かもしれない。
ともあれ、並んでブドウを摘まんでいた二人は、ほぼ同時にそれに気づく。
広げられた腕のなかへ屈託なく飛びこむのは、働いている彼女のほうであったけれど。)

そりゃ、そうかもしれないけど。
ていうかむしろ、ぼくじゃいざって時に、囮にすらならない気もするし。

(女を買いにくる男が求めるのは、やはりたいてい、彼女ぐらいの年頃の美女だろう。
たぶん己では、危ない客に対する防波堤にもならない気がする。

また、そんなこと言ってる―――――なんて、彼の腕のなかから彼女が笑った。
ひとしきり彼の温もりを堪能すると、彼女は仕事に戻ると言いおいて、先に建物へ入ってしまう。
あとに残った己はほんの少しだけ、ばつの悪そうな顔をして)

………えっ、と。
おかえ、り、……ルヴィ。

(相変わらず、なんの生産も労働もしていない居候である。
おかえり、ただいま、なんて当たり前のやりとりにさえ、まだ身構えてしまう。
ほんのり、頬っぺたに赤みさえ差して。)

ルヴィエラ > (駆け寄って来る娘の一人を、微笑みながら抱き締める。
其の頭を柔く撫ぜ、其の背をあやすように撫ぜてから
頬へ、そして、其の唇へ口付けを柔く重ねて。)

―――……おや、心外だね。
其れは其の身体を与えた私の、美的センスへの挑戦状かな?

(くすくすと、笑いながらそんな事を告げる辺り、其れは当然ながら冗句だろう
きっと、腕の中、笑う娘と同じ様な――慈しむ瞳で。

そうして、腕の中から娘が離れ、先に館へと戻るなら
其の背に軽く掌を振って見送り、改めて、残ったもう一人の娘へと視線を向けて。)

―――……ふふ、娘に迎えられるのは、何時まで経っても嬉しい物だ。
リュシー、元気だったかな?

(――そうして、再び両腕を広げるのだ。
当たり前の遣り取りだけじゃない、きっと、其れも日常の遣り取りなのだとばかり

飛び込んで、おいで、なんて)。

リュシー > (すきんしっぷ、という言葉が、カタコトじみたアクセントで思い浮かぶ。
もっと爛れた関係ならいくらでも築いてきたのに、真っ当な人間関係にはおそろしく疎い。
だから、彼女ほど素直に、飛びついてキスをねだったりはできないのだ。)

………いや、だから、ほら、…単純に、性癖として。
やっぱりふつうは、女の子より女の人だと思うわけで。

(己がそれを言うのか、というツッコミが、後頭部に突き刺さってきそうではある。
当然、彼の腕のなかから振り返った彼女の笑みが、更に深くなったりもする。

彼女が、軽やかな足取りで館へ戻った、あと。
己のほうを向いて、今度は確かに己のために広げられた腕、から、
彼の顔まで、じ、と見つめて。
たっぷりと間を空けてから、おずおずとその懐へ、小柄な身体を埋めようとし)

……ふつう、だよ。
あんたは、―――――なんて、訊くまでもないか。

(彼が弱っているところなど、少なくとも己はまだ見たことがない。
それでも、そろりと伸ばした両腕は、彼の背中を労わるように辿りはじめ)

ルヴィエラ > (――笑っている。 穏やかに笑っているが。
多分、この笑顔は近しい人間にこそ判るだろう
全部『判って居るからこそ、敢えて求めているのだ』と。)

――――……ふむ、だがそうだね、御前はまだ気付いて居ないかも知れないが…。
……以前に比べれば、御前が言う「女の人」には、随分と近付いた様に思うのだがね?

(――それは、飽く迄感覚の問題も在るし、彼女自身の自覚の問題も在るが。
本来、もう少しだけ幼さを帯びて居た其の肉体は、今は違う雰囲気を帯びている。
無論、成熟した大人の身体とまでは呼べずとも、だが。

広げた腕の中、時間は掛かりながらも、ゆっくりと、其の体躯が委ねられるなら
掌が其の背を抱き、支え、労いあやすように、柔く撫ぜて。)

――私を労ってくれるのかな? ……ふふ、何も問題は無い、至って何時も通りだ。
だが…、……有難う、リュシー。

(労いを、向けてくれたことへと、唯問題無いと告げるだけでは無く。
その気持ちに対して、感謝を述べる其の声音は――娘を愛する、父親としての其れ、か。
舞い上がった掌が、其の髪糸に触れ、後頭部を撫でて
屈み込む様に僅か目線を落としては、其の額へ、そして、唇へ
優しく、口付けを重ねようと)。

リュシー > (慣らすつもりか、それともなにか別の意図もあるのか。
どちらにしても、彼がいったん、そう「させたい」と思ったら、
きっと強情など張るだけ無駄であろうから―――――ぼふり、と。
彼の腕のなかへおさまって、ゆるく目を伏せながら)

……自分の身体のことだけど、よく、わかんないよ。
とりあえず、ほかのお嬢さんたちより、確実に色気は足りない気がするけど……

(とはいえ、少しばかり成長しつつあるのは確かであろう。
自分で気づくより先に、「お嬢さんたち」に指摘されたのだが―――――
いきなり胸を鷲掴みにする、という指摘のしかたを思い出して、
きゅ、と眉根を寄せてしまってから)

―――――あんたに問題が起きたら、お嬢さんたちにも一大事だからな。
ここじゃゴクツブシはぼくだけだから、せめて、ナデナデぐらいはしとかないと。

(それだけだ、なんて不貞腐れたような口調は、多分に照れ隠しである。
まだ、どうしても、娘として愛情を向けられることに慣れられない、ゆえに。
髪を梳き撫でてゆく手指に誘われるよう、そっと顔をあげて。
額に触れる温もりを感じると、それでも、無意識にそれ以上を求めてしまう。
そっと爪先立ち、彼のくちびるをくちびるで迎えにゆき。
ちゅ、と微かな、甘ったるい音を奏でて)

―――――だか、ら。
ちゃんと、確かめたい、から……ルヴィ、……中、入ろ?

(中、という言葉はこの場合、単純に館のなか、という意味ではなく。
もっと私的な、もっと寛げる空間のことを、暗に示して。
そろりと見あげる双眸はまだ、常のごとく碧いまま、ではあるけれども。)

ルヴィエラ > (――きっと、意図なんて簡単な事だ。
それが、己にとって娘たちに対する愛情表現の一つであり
そして何よりも、彼女もまた、等しく愛すべき娘で在ると、示す為だ。
だから、最近になって漸く応えてくれる様になった事には
いたく満足げに口元へと弧を描き。)

確かに、自分の身体とは、往々にしてそういう物だ。
だがね、もっと自信を持ちたまえよ。 ――ほかでもない、私の娘なのだからね。

(自分の娘で在るならば、将来を悲観する必要など皆無――なんて
堂々とそんな事を言ってのける辺り、彼女とは真逆の自信さ
生憎ながら、館で起こった事を全部が全部把握して居る訳では無いから
スキンシップめいたセクハラに関しては、特にコメントは出来なかったが。)

―――おや、まだそんな事を言う。
私の娘たちに、本当の意味でのゴクツブシ等存在しないのだよ。
――顔をあげなさい、リュシー。 御前は、自分が思って居るよりも素敵な娘なのだからね。

(小さく、笑って撫ぜる髪糸。
片眼を瞑って見せながら、もっと自信を持つようにと囁けば。
――重ねる唇に、柔く双眸を細めた。

求められる言葉は、まるで甘えるような声音
一度其の頬を指先で撫ぜ、其の瞳を眺めては。。)

―――おいで、私の部屋へ行こう。

(囁く声音と共に、其の身体を、ゆっくりと姫抱きに抱き上げて
――そして、路地裏に広がる闇の中へと、共に沈んで行くのだ。
まるで、其処に扉が存在するかのごとく、建物の影へと飲み込まれては
――後に残るは、静寂だけ)。

リュシー > (彼と、彼の「娘」たちとが、それぞれ、どんな経緯を経ているかは知らない。
きっとそれこそ千差万別なのであろうし、いまに至るまでには、
さまざまな紆余曲折があったのだろう、とも思う。
―――――だから、己のこの遠まわりにも付き合ってほしい、と願うのは、
やはり、己が彼に甘えている証拠だろか。

とはいえ―――――彼が「創った」身体なのだから、自信を持て、というのは。
ううう、と思わず、低く唸ってしまうのだが。)

だからさ、……あんたのその自信は、どこから来るんだろうなぁ。
ぼくが働いてないのは事実だし、働いてないけど食べさせてもらってるし、
―――――甘やかしたって、増長してますますワガママになるだけだぞ?

(つまりは何ひとつ、良いことなんかないのだ、と訴えながらも、
結局、己はまだ彼の腕のなかに留まっている。
掌で彼の身体に触れて、くちびるで温もりを食んで、それから―――――

頬を撫でる掌に、なかば無意識のまま擦り寄る仕草。
それでも、抱きあげられて運ばれる、という体勢には、ほんの少し、
「ふつうに歩ける」という主張をしかけたけれど。
まるで大切なもののように、腕のなかへ守られて運ばれる。
こそばゆいような、切ないような、たぶん、それを幸せというのだろう、と、
頭の片隅では理解していながら。
気づかぬふりで、与えられる喜びにひたる欲張りを、責められぬのを良いことに。
彼自身と同じ、優しく包み込むような闇のなかへ呑まれて、
―――――彼と共に、娘の姿は路地から消えた。)

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からリュシーさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からルヴィエラさんが去りました。