2018/09/08 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 酒場兼宿屋」に光流さんが現れました。
光流 > カジノからほど近い酒場。
近頃国内を騒がせる事件や、それに連なる出来事のせいで
隠れて生きるミレー族にも物流の滞りなど、影響が有った。
その件でハイブラゼールまでやってきた鬼であったが、仕事を終えるとご褒美とばかりに酒を浴びている。
これで何杯目か数えるのもバカバカしいほど飲んだ鬼に、マスターはとうとう口を出す。

『兄ちゃん、そろそろ終いにしな。宿は1番奥があいてる。安くしとくから。』

「あ~…………悪いな。」

上機嫌に席を立つと、千鳥足で階段を上っていく。
ふらふらなので、上りきるまでマスターの心配そうな視線が
背中に突き刺さるが、本人は気づいていなかった。

―――幼子より時間をかけて上った先で、マスターの視線が店内へと戻った瞬間。
ぱたり。その場で横になってしまう。
酒精で火照った体に床の冷たさは気持ちよく、頬もぺったりとくっつけて、へらへらしながら目蓋を閉じる。
男にしては柔らかな顔つきで、女にしてはしっかりと筋肉の
備えられた脚を浴衣から覗かせた、鬼の行き倒れ。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 酒場兼宿屋」にエズラさんが現れました。
エズラ > それみたことか――そう言いたげなマスターが酒瓶を片手に、先ほどからカウンターで飲んでいる男の方を見る。
同じく、浴びるように酒を食らっていたが、幾分意識ははっきりしているらしい――カジノで負けたくだをまいている。
その男に栓を抜いた瓶を放りながら、マスターがくい、と顎を上げる。

「……おい、なんでオレを見る――おまけに人を顎で使いやがっ……――」

手の中に、酒瓶を受け止める。
手間賃代わり、ということらしい――

「おいおいおいおい、酔客の介抱は店のモンの仕事――いや、そう怖い顔するなって、ツケが貯まってンのは覚えてるって――」

凄味をきかせたマスターの視線を受け、席を立ち――酒瓶片手に階段を上がる。
さて、床の上でだらしなく酔い潰れた何者かに対し――ともかくしゃがみ込んで、その片方の頬をぺちぺちと叩き。

「おい兄ちゃん、とっとと起きな――オレは酔っ払いの面倒見るなんてまっぴらだぜ――」

光流 > 冷たかった床も泥酔した鬼の火照りっぷりに、すぐ生ぬるくなる。
それでも。心地いい夢を見ている最中であった。
にへらぁと緩んだ唇が、それを表している。

――――頬への刺激は、その夢を突如遮断した。
重たそうに開く目蓋。開ききりはせず、半目。

「んぁ~………?酔ってねーっての……。」

発言からして面倒くさい雰囲気を醸し出す、酔っぱらい。
ずり、ずり、匍匐前進のような動きで床を這う。
一応1番奥の部屋に行くべしという目的は憶えているらしく。

が、すぐにまた力尽きる。
匍匐前進の途中で再び目蓋が閉じて、寝息に変わる。

エズラ > 「この野郎……酔っ払いの吐く常套句を恥ずかしげもなく吐きやがって……――」

酒精に呑まれているのはこちらも同様なので、のそのそと這い進む姿を呆けた様子で眺めていたが――
ほどなく、その匍匐前進が中断され、健やかな寝息が聞こえてくる。
ちらり――階下のマスターを見ると、相変わらず険しい表情でこちらを見ているではないか。
降参したように両手をあげ、床に突っ伏した身体を起こしにかかる。

「おらっ、部屋はむこーだな、ったくよ~……――」

戦場で負傷兵を担ぎ慣れている男は、そばにしゃがみ込んで手慣れた様子で腕を取り、腰を抱きつつ立ち上がる。
そして、半ばずりずりと相手の身体を引きずるように進むのである。

「ったく、こーいう連中は酒に強いってのが定石じゃ――ン」

うなだれた額から伸びる角を眺めながら呟いたが――ふと、気付いた。
しっかりと鍛え上げられた腕の筋肉に反して、どこか艶めかしい腰のくびれ。
態勢のせいでしっかり視界に入るうなじ。
妙な民族衣装めいた衣服から覗く脚も、張り詰めてはいたが、やけにしなやかである。

「……お、オレにそっちの趣味はなかったと思ったがよ……――」

妙な邪念を振り払いつつ、部屋へ到着――丁度仰向けになるように、相手の身体をベッドの上に放る――

光流 > 「うー………」

今度は無理矢理立たされ、呻く酔っぱらい。
筋肉は有るが、背は高くない。女性としては平均的。
介抱してくれる男と並べば、むしろ低く見えてしまうのだろう。
それ故に、本物の男を引きずるよりは楽かもしれないが、歩く気の無い者を歩かせるというのは重労働。

男の苦労と邪念を知りもしない鬼は、自らは何も労せずしてベッドへと辿り着いた。
ドサッとその身を放られれば、スプリングが跳ねて鬼の体を揺らす。

「っあ~……、……」

冷たい床でも気持ちよかったが、やはりベッドには勝てない。
幸せそうに紅潮した頬を緩ませて、肩口をポリポリ掻く。
楽な服装だが、男装しているからにはそれなりの対処が施されている。
サラシに潰された胸元や、男なら有るはずの膨らみが存在しない股間が見えることは無いだろうが、
汗ばんだ鎖骨だったり、筋肉だけでは無く女の脂をのせた褐色の太ももは
鬼が身じろぎするたびに見えるのかもしれない。

だが言動、仕草に女らしさは見えない。
また半目となったブラウンの瞳を、ぼんやりと男に向けてひらひら手を振り。

「……誰だっけ? ま、いーや……わりーな、……明日何か奢ってやるよ……」

連れて来てもらった自覚は有る様子。
上から目線で感謝して、また目蓋は今にも閉じそうに重たくなっていく。

エズラ > 「ふー……ったくよー……――」

ベッドに寝っ転がってくつろぐその粗野な姿はやはり男のもの。
並んでみれば小柄であったのが意外であったが、やはり自分が酔っ払っているせいか――とも思っていたのだが。

「……おお、明日な、明日――」

受け答えはするが、男の視線は最早相手のいやに艶めかしい肢体にしか注がれていない。
そんなつもりじゃねぇ、いやしかしこれは――胸の奥に去来する奇妙な違和感と対峙しつつ、そんな気を知りもせずいよいよ深い眠りに落ちそうな相手にじりり、と迫り。
のど元から鎖骨にかけてのライン、部屋のぼんやりとした照明でも分かる艶やかな褐色の腿――

「……そ、そのままじゃ寝苦しいだろ――え~っと、そうだよなぁ?」

そんなことはない――相手の衣服が明らかにゆったりとした楽そうなものだというのに、後ろ手に部屋の扉を閉め、ベッドの上へと腰を下ろし。
チョット確かめるだけ――酒に酔った女に強引に迫る時の常套句を吐いてしまったことに気恥ずかしさを感じつつ、相手の胸元をはだけようと腕を伸ばし――叶えばそのまま左右におっぴろげてしまおうと。