2018/07/29 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にリュシーさんが現れました。
■リュシー > (不夜城と名高いこの街にも、朝は来るし、昼もある。
明るい時間帯だからといって、まったく安全、ということもないのだろうが、
すくなくともひとの姿は、夜よりもずっと少なく、閑散とした印象がある。
そろそろ日が西に傾こうかという頃になって、ようやくベッドから抜け出した己だが、
シャワーを浴びても拭えなかったけだるさを抱えて服を着替え、
階下へ続く階段をふらつく足取りで降りて―――最後の数段で、見事に足を踏み外した。
どたたたた、などという品のかけらもない音を立てて滑り落ち、
尻餅をついた体勢でしばし、背中を丸めて俯き、小刻みに肩を震わせて)
―――――ぃ、たいいいぃ………
(正確に言えば、痛い、だけではなく熱い、というか、ジンジンする。
お尻が、というよりも、ずっと奥の方までが痺れて、疼いて―――
恥を忍んでバスルームではしたない体勢をとり、洗い流したはずのものが、
まだ、残っていてじわりと浸み出してきたような錯覚さえ覚えて。
頬どころか耳朶まで赤くしながら、凶悪な熱感が引くのを待っている。
―――――うずくまる己の正面には、この安宿の入り口扉、そのすぐ脇にカウンター。
いま、客人が扉から入ってこようものなら、何ごとかという眺めではあるけれど)
■リュシー > (―――――どのぐらいそうしていただろう。
カウンターに出てきた宿の主が、階段下でうずくまっている己に気づき、
あきれ顔で声をかけてくる。)
………んでも、ありませ、んー…。
もぉ、放っといてください、いいぃ。
(顔をあげて主を睨む眼差しは、ほんのり涙目になっているが。
精いっぱいの憎まれ口を投げつけておいて、手摺りに掴まりながら、
よろよろと立ちあがってドレスの埃を払う。
―――とたん、今度は立ち眩みのような感覚が襲ってきて、
たった今立ちあがるために掴まった手摺へ、べったりと懐く羽目に陥り)
―――ああ、もう………
やっぱり、もう少し寝てよう、かなぁ…。
(ガキのナリして酒なんか飲んで帰ってくるからだ、とかいう台詞には、
あえて無視を決めこんだ。
確かに酒も飲んだが、ダメージの原因はそれではない。
けれど、わざわざ説明したいようなことでもなく―――――)
■リュシー > (ほう、と洩らした吐息にも、まだ熱がこもっているような気がして。
小さくかぶりを振ってきびすを返し、降りてきたばかりの階段を、ゆっくり上がりはじめる。
また踏み外せばどれだけ笑われるか知れないから、一段ずつ、慎重に。
今夜も泊まるのなら宿代を忘れるな、とか何とか、
背後から聞こえた声にはやはり、無視を決めこんで―――――。)
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からリュシーさんが去りました。