2018/07/16 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にアリアさんが現れました。
■アリア > 港湾都市ダイラスのハイブラゼールに店を構えるカジノの一つ。
その一角にあるテーブルで、今まさに一つの勝負の勝敗が決した。
相手は服装から見て貴族か何かの地位を持つものだろう。
対するディーラーは、他のディーラーと違って指定された服装でないドレス姿の少女だった。
その結果は優劣のない、所謂ドローゲームだった。
「ま、なかなかえぇ勝負やったね、おにーさん?
ウチを相手になかなかの大健闘や、なぁ?」
ケラケラと笑いながら、席を立ち上がる相手に言葉を向ける。
そんな言葉を向けられている相手はといえば、満更でも無さそうな表情だ。
この店でもトップクラスのディーラー、それがこの少女。
それを相手でのこの結果なのだから、確かに大健闘といえるだろう。
去って行く相手を眺めながら、にこやかな笑顔を浮かべていたのだが…姿が見えなくなった途端に、大きな溜息を零した。
「店の指示とはいえ、あんな雑魚相手にウチがドローなんてあったまくるわぁ。
もうしばらくは、あんな相手寄越さんよぅに店長に伝えとき。
ほな、ウチちょっと散歩行ってくるから」
近くに居た従業員へとそう伝えながら、しばらくは相手も来ないだろうテーブルのディーラー席から立ち上がる。
自分も適当に何かやってこようと、席を離れ歩き出した。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にサフィニアさんが現れました。
■サフィニア > 「お疲れ様。トップディーラーさん」
彼女が歩き出した所で声をかけたのは、マント姿の少女……に見える者だった。
カジノ側に雇われた臨時雇いの、警備の増員。そういう人間は入れ替わり立ち替わりだから珍しくもないが、
勝負を行う彼女の周辺で“お痛”をする客が居ないか視線を配っていた姿は、視界に隅に映っていたかも知れない。
彼女が何か独りごちながら立ち上がるのは見えたが、溜息をついているのは分かったので、そう声をかけた。
「……ん、今の言い方は嫌味っぽかったかな。他意は無いんだ。ごめんね」
店から稼ぎ頭だと聞いていたので、一方的に顔を知っていた。
だからつい軽々しく声をかけてしまったが、聞きようによっては嫌味に聞こえたかと思って謝る。
彼女の勝負が終わったらあがってもいいと店に言われていたので、丁度仕事が終わった事になった形だ。
とりあえず、息抜きにでも向かうのだろう彼女の足を止めさせるのも悪い気がするので、
彼女が足を止めなければ何となくついて行くだろう。取りあえず着替え用のロッカーやらもそちらに有る。
■アリア > 「…あ?」
掛かる声に何とも嫌そうな表情を隠す事無く浮かべてみせる。
その理由を知っている従業員ならば、決して使わない呼び方なのだ。
声の主を探して振り向いてみれば、そこに居るのはマント姿の少女だ。
「ま、一度だけは見逃したるけど、次はないで?
ウチは呼ばれた時の相手以外、その呼ばれ方するのめっちゃ気にいらんのや、えぇな?」
臨時雇いの警備員だ、それだけは聞いていて知っている。
自分の事を詳しくしらないのだから仕方ない事なのだけど、自分にとっては気に入らない事は気に入らないのだ。
それが例え気を利かせての言葉であっても。
とはいえ、それを引き摺るような性格でもないのか表情はすぐに戻る。
「で、ウチに何か用?」
足を止め、そうしたのがどんな相手なのかと確かめる様に見詰めながら理由を聞いてみた。
■サフィニア > 「ああ、大変失礼した。二度は無いと約束するよ」
相手の気分を害する呼び方だったのは、失敗したな、と胸中で思ったが、
見逃してくれるというのだから、くどくどと言葉を重ねることはしないでおいた。
何でそんなに気に入らないのかは純粋に気になったものの、初対面でそんな事を聞いたら、
洒落じゃすまないことくらいは人付き合い知識的にも、本能的に察せられた。
「いや、あえて呼び止める程の用でもなかったんだけど。
あなたが今さっきゲームを終えた後、何だか溜息をついていたようだったから、
お疲れ様という意味を込めて声をかけたんだ」
特に変わったところのないマントで地味な装いをし、
マントの前の合わせからは得物の柄が覗いている。少なくとも見た目的には、
評する言葉は地味な感じ、といったところだろうか。
特殊な魔力な類も持っていないので、雰囲気的にも特に何もない普通。
「あと、何となく視線が辺りに行ってたから、休憩中にどこかでゲームするのかな、って。
人によるんだろうけど、ディーラーってゲ遊戯を仕事にして、息抜きにもゲームをするの?
っていう興味本位の質問……が、強いて言えば用かな。
こっちはあなたの先のゲームが終わったらあがりだから、完全に暇人の興味本位」
■アリア > 「そんならえぇよ」
その一言で済ませた。
終わった事をグチグチと穿り返す性格ではない。
寧ろスパッと面倒は終わらせる性質だ。
因みに少女の考えていた事は正解、続けて面倒な事をさせられたら間違いなく怒っていた。
「当たり前やん、ウチがギャンブルやってて楽しいんは勝つか負けるか分からないギリギリの勝負やで?
あんな勝って当たり前の雑魚なん相手したって楽しくない。
そう思わん?」
至って普通の護衛、それが率直な感想だ。
自分には特別な力なんてものはないのだから当然か。
本人も居ないのだからと思った事をそのまま伝えながら、逆に聞いてもみた。
「そんなんでよぅ分かるもんやね?
もしかしたらトイレってのもあるやろし、飲み物を運んでるおねーちゃん探してるだけかもしれんやろ?
後、ウチにとってカードを使ったギャンブルは遊びやない、仕事や仕事。
こんなん腕さえあれば運なんて関係あらへんやん?
でも、ここには運を持っとらんと勝てへんギャンブルもある、ウチはそういうのが好きなんや。
勝ち負けの見えないギャンブル、最高やと思えへん?」
チッチッと立てた指を振りながら少女の言葉に対しての他の可能性を示唆してみせる。
後の質問にはこんなもんなんだと答えておいた。
話がギャンブルへと傾いていけば、どことなく徐々に熱が入り始めている様子を見せて。