2018/05/15 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にグライドさんが現れました。
■グライド > (要人の護衛…騎士団から態々依頼が来た時は、何事かと訝しんだ物だ。
騎士を公に動かす事が出来ないが故に、傭兵を雇うのだとだけ伝えられれば
其れが要するに極秘行動だと言うのは言われずとも察せられた。
何と無く――嫌な予感はしていたのだ、そして大体そう言う勘は当たる。
決して狭くは無い廊下に立ち、目の前に並ぶ”襲撃者”だろうローブ姿の者達を一瞥しては
やれやれ、と、小さく溜息を零した。)
―――……下がってな。 他の奴と行け、脱出しろ。
此れで全部じゃねぇだろうが、其れは何とかしな。
(他の護衛は2人。 そして、護衛対象たる女が一人。
其れが誰かなんて己は知りはしないし、聞きもしなかったが
兎も角、この場から離れる様に伝えては――背に携えた巨大な盾を
己が片腕だけで軽々と構え、道を塞ぎ、進路は与えぬとばかりに示した。
――もし、この状況を騎士団の連中が予期して居たのだとしたら
これほどまでに、己が適役な事も無いだろうと、兜の中、ふ、と皮肉めいて嗤った)。
■グライド > (後ろを振り向く事はしない、気配が遠ざかって行くのを見送るだけ。
じりじりと、対峙しながら距離を詰めて来る襲撃者達を兜の奥で観察し
其の身体つきや装備、構え等からどんな手で来るかを想像する。
目的は、此処で己を倒すことでは無いだろう、あくまで逃げた女の筈だ
なら、奇襲や絡め手で突破してくる事も十分に在り得る。)
―――……さて…どうする? 此処で待ってても、奴さんは逃げちまうだけだぜ?
(だから――挑発する。 戦闘の切欠を自ら作り、策を練る暇を削る。
そうして、鍔迫り合い染みた空気が一瞬揺らぎ、変化したなら
――来る、と、盾を前面に構え、文字通り壁となって立ちはだかる。
動いたのは、3人。 一人ずつなんて騎士道精神に溢れている筈も無い
同時に仕掛け、隙でも生まれれば押し通る心算だろう、其れは予測している。
だから、出鼻を挫く。 3面からの剣と短剣による同時攻撃が繰り出されるよりも早く
己から踏み込み、構えた盾によるぶちかましで3人ともを纏めてふっとばせば
強烈で鈍い衝撃音の残響が残るうちに、残る一人へと、勢い其の儘の後ろ回し蹴りを放つ
強靭な体躯に加え、全身鎧の重みを乗せた蹴りは、当たれば其れだけで事故の様な物だ
先の三人よりも、更に遠くに吹っ飛んで行く襲撃者が、廊下の床にどしゃっと落ちる
――と、同時に、其の奥から更に追加で増援が現れ。 ――まぁ、そうだよなと、此処までは織り込み済み)。
■グライド > (まだノックアウトには至らず、起き上がろうとしていた三人へと向けて、盾を平面に振り回す。
其々が頭部へと打撃を受け、今度こそ昏倒して床に沈めば、再び盾を構え直す。
盾兵が行う、もっとも堅牢で、拠点防衛に適した構え――決して、後ろには通さぬ意志。
再び、増援部隊が複数人で切りかかって来るのを、盾でまた吹き飛ばす
――シールドバッシュ。 其れは攻防一体、己の代名詞とも言える戦技。
相手が1人か多数かなど無関係、近接戦闘に置いて侵攻を許さない絶対の防壁。
3陣、4陣と攻め掛かってくる襲撃者を、戦車の如くに蹂躙し、叩き伏せ、吹き飛ばしながら
逆に廊下を攻め上がって、押し込んで行きすら。)
来い…! この俺様の前で剣を抜いた以上、泥を啜る覚悟をしな…!
(3人が振り下ろしてきた剣を受け止め、そう唸れば。
盾をかち上げ、前蹴りで一人を蹴り倒し、ぶん殴る事で地面に伸す。
騒ぎを聞きつけ、逃げ惑う宿泊客を、己が背後へと逃がしては
残り数人となった手合いの姿を、睨みつけた)。
■グライド > (ただ同時に切りかかるだけでは通用しないと踏んでいるのだろう
相手は波状攻撃を止め、様子を伺いながら、間合いを計っている。
確かに、一般的に盾とは防具であり、受身の装備であり、カウンターが主だ
シールドバッシュも、相手の攻撃に対して仕掛けるのが最も威力を発揮する。
――だが、其れは「一般的な」盾兵に相対する場合だ。
己が、この盾しか獲物を持たない理由。 防具でしかない盾のみを扱う理由。
それは、盾が必ずしも守るモノではないからだ。)
―――――………止まっちまったら、隙だらけだな。
(一言、そう呟き終わる頃には。
既に一歩、けれど大きな距離、間合いへと踏み込んでいる。
盾の掴み方を変え、まるでアームブレードを携えるかに振り被れば
其の先端を真横へと一閃――其の切っ先で、構えていた剣の全てをまとめて、砕き折る。
それが、相手の戦意を折るのに時間は掛からなかった。
撤退を即時判断し、廊下を逆へと駆けて往く其のスピードだけは
己が目を細める位には素早かったけれど。)
―――……さて、こっちは終わりか…後は、向こうだな。
(――後には、倒れ臥した襲撃者達。
其れを放置して、己が守り通した背後の通路を漸く振り向けば、先に逃がした護衛対象へと追いつくべく、駆けて行こう
まだ、此れで終わりでは無い、護衛の仕事はまだこれからも続く。
さて、長い夜になりそうだと、そんな事を考えながら
喧騒を残して、廊下の奥へと消えて行き――)。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からグライドさんが去りました。