2017/10/10 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”/カジノ」にラティスさんが現れました。
■ラティス > カジノにも、庶民が入れる場所から服装の指定があるような場所まで様々だ。
彼女が働いているのはどちらかと言えば後者になるだろうか。
スタッフの教育も行き届き、内装も煌びやかで、その気になればディーラーを指名して個室に行くことまでできる。
そんな店の今は客のいないブラックジャックのテーブルで、彼女は佇んでいた。
■ラティス > 「はぁ……また勝たせてあげてしまいました……」
先ほどまではルーレットのディーラーをしていた彼女。
当然、店からはたまに数人に当ててやるだけでいいと言われている。
それを、露骨ではないものの結構な人数に勝たせてしまったものだからポジションを変えられてしまったわけで。
どうして自分はこう甘いんだろうと毎回思うのだが、どうしても可哀想になってしまうのだ。
それが原因で魔族の国にいることができなくなったのに、それでも変わることはできないようだった。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”/カジノ」にザイケルさんが現れました。
■ザイケル > 王都から少しはなれた港湾都市ダイラスへ。
やってきた理由は任務の一環である情報収集のためであり、
何軒かの酒場で仲間や商人と話し情報の交換や噂を仕入れて。
そして最後に足を運んだのはカジノ。
貴族や大富豪、騎士なども顔を出す場所だけに色々な噂を聞くには混まらず、
客の中を抜けて歩くだけでも有意義な話を聞くことが出来る。
「折角だ、少し遊んでくか……確か…あそこか」
ある程度仕事の目途がつけば稼ごうとカジノ内を見回し、
必ず勝てるというルーレットは確かアレだなと話しにあった台へと足を向け。
「一勝負頼めるか?」
台にチップを置きティーラーに視線を向けて。
■ラティス > 『ええ、勿論です。』
今ルーレットにいるのは、ベテランの男性ディーラーだった。
他にもかける客がいないかひとしきり確認した後、ボールを手に取り台を回し始める。
そんな様子をすぐ近くから彼女は見ていたわけだが…
「……う…?」
何だか急に体調がおかしくなった。
今まで人ごみに酔ったり、勤務中に体調不良を起こしたことはないのに。
■ザイケル > 「悪いな、頼むな。マスは……」
ディーラーの言葉に一声かけてどの色のどこと伝えコインを数枚置き。
ボールが台を回るのに目を向けていれば何かを感じ一瞬視線をさ迷わせ。
「まさかな……」
僅かに感じたのは自分が刻む淫紋からの魔力。
刻んだ相手は何人かはいるが一人は王都、後はこの国にはいない筈。
しかし気になればその原因を知りたくなるのは仕事ゆえ。
淫紋の効果が増す術式をこっそりとカジノ内に放って見る事に。
■ラティス > 『畏まりました。』
ディーラーは言われた通りのマスにコインをきれいに積んでいく。
集まった客がベットし終わったのを見ると、台にボールが投入され客たちの視線は台に集中する。
そんな中で、たった一人男だけが周囲を見ていて。
一方のこちらはというと、男の放った術が見事に効果を出し挙動が完全に不審になっていた。
もじもじと膝を寄せ、沸いてくる衝動に必死に耐える。
それと同時に思い出した。昔同じ感覚を味わっていた時のことを。
■ザイケル > 自分のかけたマスにかける客は他にはいなく、
もしこれが当たれば大勝ちになれるだけにボールが落ちる場所は気になる。
しかし感じた魔力はもっと気になってしまいルーレットに集中できず。
「なるほどな……」
術式を放ち直ぐに一人だけ様子の変わるアッシュブロンドの髪のディーラーを見つけ、
その顔に納得をしたと笑みを見せる。
「そこのディーラーもこっちで見ないか、遠慮せずにな?」
それが判れば挙動が変わってしまった女ディーラーを指して呼び寄せて。
■ラティス > 独特の音をさせて、ボールは台の淵を滑り続けている。
客達は客層がいいからか、見た目には余裕のある様子でその様子を見守っていて。
「あぅ……」
居る。確実に近くに。
主人の人間性が嫌いで逃げたわけではないが、奴隷の身で逃げた以上見つかればどうなるか分かったものではない。
でも仕事を放棄するわけにもいかない、どうしよう。
そんなことを考えている間に、声をかけられた。
----聞き覚えのある声で。
「あ、の……その……」
滑稽なほどに視線を彷徨わせ、仕事を口実に断ろうとするも彼女のテーブルには未だに客はいなかった。
他に口実を見つけることもできず、下を向きながらおずおずと近づいていく。
■ザイケル > 勝てば大取り、負けても些細な出費なだけに当たれば運がいい。
それだけの気構えで余裕な姿でボールの行く先を眺め。
微かに聞こえた声にそれが誰なのかと判れば口元に笑みが浮かぶ。
かつて貰った奴隷だった同族、逃げられてから探しはしたが見つからなかっただけに他国へと逃げていると思っていた。
しかしこんな場所にいたのか判然に予想外であって。
「早く来い、ラティス」
視線を彷徨わせて何かを考えている姿に言葉を僅かに強めて名を呼び。
近づいてくれば逃げられないように腰に手を回して引き寄せていく。
■ラティス > やっと、ボールの勢いが落ち始めてきた。
カツン、カツン、と小気味のいい音をさせてボールがポケットの淵を跳ね始めて。
徐々にその間隔が短くなり、やがてこつん、という音とともにポケットに入った。
そこは、男が小銭を投じた場所だった。
そんな横で、蛇ににらまれたカエルが1匹。
語気を強めて名前を呼ばれれば、びくっと肩を跳ね上げ。
「はっ…はぃ……」
逆らうことなどできるはずもなく、正面に立とうとすれば腰を捕まえられて。
しかし周囲の客は特別不思議な顔もしない。
ただ、この男がこのディーラーを気に入ったのだろうと思うだけなのだろう。
■ザイケル > 「俺の一人勝ちみたいだな」
小気味のいい音を立て跳ねるボールが入るのは自分が告げたポケット。
それを確認すれば他の客は悔しがる者から祝福を告げるものまで様々。
少なかったコインが一気に多くなり前に押されてくるのを傍目に、
腰を捕まえて抱き寄せた女ディーラーに目を向ける。
「本当に久しぶりだな。何年ぶりだ?
また会えてうれしいぞ」
このカジノではよくある光景なだけに気にするものもおらず。
だからこそ堂々とこうして捕まえることが出来て。
■ラティス > 『おめでとうございます、お客様。
…いかがですか?彼女が気に入ったなら個室指名など』
ご一緒にポテトはいかがですか?とでも言うくらいの調子でディーラーが勧めてくる。
こちらは確実に怒られるものだと思って完全に縮こまっているのだが。
「ごっ…ごめんなさいぃ……!
……ふぇ……?怒って、ないんです……?」
怒られるどころか、うれしいと言われれば恐る恐る顔を上げて。
半泣きになりながら怒ってないのかと尋ねてみる。
尤も、笑いながら怒るタイプだったとしても逃げようもないのだけれど。
■ザイケル > 「悪いな一人勝ちさせてもらって。
そうだな…それじゃこのまま借りてくぞ」
軽い口調で薦めるディーラーにそれじゃという感じで個室指名を告げ。
縮こまっている女の尻を撫でるようにして笑みを向け。
「いきなり謝られても困るんだが…な。
逃げた事を言ってるなら怒ってはないな」
顔を見上げ様子をうかがう女に首を軽く横に振り答え。
逃げた事に関しては本当に怒ってはいないと。
パッと見ればルーレットに勝った機嫌のいい姿に見えるはずで。
■ラティス > 『ありがとうございます。
……お客様に失礼がないように。』
何かとやらかすことが多い彼女に釘を刺しながら、ディーラーはカウンターで手続きをするよう男に案内をして。
こちらは尻を撫でられれば、顔を真っ赤にして見せ。
「ほ、ほんと…ですか…?
…あ、一人勝ち…おめでとうございますっ」
遅くなりましたけど、と勝てて機嫌がいいと見える男に言いつつも膝を寄せるのは変わっておらず。
ヒールを履いた足が僅かに震えているが、誰もそんなことには気が付かない。
気が付くとしたら、目の前の男だけだろう。
■ザイケル > 「こいつはい奴だからな。失礼はないと思うぞ」
ディーラーの言葉にまるでよく知ってるという様子で返し。
顔を真っ赤にしている女の尻を撫で続けてカウンターへの案内を女に頼み。
「俺が嘘をいった事があったか?
今回は運が良かっただけだが…もっといい事もあったな」
お祝いの言葉を告げる女に笑みを向けて言葉を受け取り。
膝を寄せて脚を震わせる姿に以前の淫紋はそのままだと判り。
それを褒めるように頬を撫でて。
■ラティス > 『左様でございますか。
それでは、後の事はこの者にお申し付けくださいませ。』
ディーラーはそう言って丁寧に頭を下げると、業務へと戻っていった。
「こ、こちら……です…」
カウンターへの案内を頼まれれば、先に立とうと手をカウンターのほうへ向けて。
笑みを浮かべ、頬を撫でられればやっと怯えは収まってきた様子。
まだ、男が本当に喜んでいるのは何なのかには気が付いていない。
■ザイケル > 「用があるときはこいつに頼むよ、ありがとうな」
業務に戻るディーラーにチップを握らせて見送り女に目を向け。
「そう言う訳だから案内を頼むな、ラティス」
先に立とうとする女に案内を任せ先にカウンターへの方へと歩かせ。
優しく撫でていれば怯えた様子も落ち着いてき始めて。
今日はこの後は娼館に行くつもりだったが予想外の大収穫に足取りも軽くなり。
■ラティス > 促されれば、若干おぼつかない足取りでカウンターへと男を案内していく。
カウンターのスタッフに指名を受けた事を伝えると、スタッフは男にリストを差し出し。
内容は部屋の料金や内装がずらりと並んでいる。
純粋にディーラーと二人きりでゲームをしたい客のための部屋から、果てはゴシックな内装の調教部屋まで、結構なニーズに対応していて。
どこに行くのだろうと、男とリストを交互に見ている。
■ザイケル > 「ここで手続きをするわけか」
あんなにされたカウンターでリストを受け取れば目を通し。
料金や内装、使い方などが書かれているのを一折りに眺め。
「それじゃこの部屋で頼む。代金はさっきの勝ち分で大丈夫か?
日数はそれで取れるだけな」
選んだのはごシックな内装の調教部屋、先ほど勝ったコインを全部おいてこれで払うとスタッフに告げて。
■ラティス > 様子を見ていれば、とんでもないことが目の前で起こった。
あまりのことに、一瞬何が起きたかわからなかったほどだ。
固まる彼女の目の前で、スタッフは何食わぬ顔で手続きを進めて食事を持っていく時間などを確認していく。
「え、え……」
蘇るあの日々。
それに困惑している間に、男に鍵が差し出されていて。
『お部屋はこちらの通路の突き当りとなります。
チップを数えさせていただきまして、1週間ご滞在が可能でございます。
ごゆっくりどうぞ。』
聞こえてきた滞在日数に、意識が遠のいた。
■ザイケル > スタッフに告げられる内容を聞き、食事の時間などをっ細かく話し合い決めていく。
何やら女の声が聞こえるがそれよりもこれからの楽しみの時間をどうするかと考え。
鍵を受け取り日数を聞けば踊らく今日一番の笑みを浮かべて。
「それだけあれば十分楽しめるな。
さて、それは行くぞ」
心ここにあらずという様子の女に声をかけ腰を抱き。
告げられられた部屋に向け、半ば無理矢理という様に女を連れて歩き…。
■ラティス > 思考を停止させていれば、突然腰を引かれたように感じて。
男がスタッフと話していた内容など、全く頭に入っていなかった。
ただただ、1週間という単語だけが頭の中に響いていて。
「ごめんなさいぃぃぃ~~~!」
そんな情けない声をあげながら、通路の一番奥の物々しい扉の奥へと連れられて行った。