2017/07/23 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (以前には買ったばかりの少女を賭け、夜通しカードゲームにのめり込んだこともある。
しかし、さすがにこの風体の「少女」には、そんな豪遊のしかたは出来るわけがなかった。

一種異様な熱気が渦巻くカジノの片隅、カウンター席のみのバースペース。
脚の長いスツールにちょこんと腰をかければ、両脚はぶらりと宙に浮く。
ぶらぶらと華奢な足先を揺らし、カウンターテーブルへ頬杖をついた己は、
上機嫌とはとても言えない膨れっ面で、目の前のグラスを睨みつけていた。
なめらかな丸みを帯びたグラスの中身は、翡翠の色の炭酸水。
可愛らしい真っ赤な果実が飾られているそれは、当然、アルコールではなく)

――――だぁから、さあ。
さっきから言ってるじゃないか、僕がリュシオンなのー。
正真正銘、間違いなく、こんなナリしてるけど本人なのー。

(顔馴染みだった筈のバーテンダーに、もう何度繰り返したか知れない主張をもう一度。
先刻、己がオーダーしたのは確かにアルコールだった筈なのだが、
勝手にオーダーを変えられて今に至る。
ニヤニヤしながら「黙ってそいつを飲んどけ」と言わんばかり、
顎をしゃくってみせるバーテンダーに当てつけるよう、がじりとストローに噛りついて。
わざと派手な音を立てて、翡翠色の液体を啜ってやった)

リュシー > ぅ、……あっ、ま。

(かつて、遠い昔の子供時代には、こうした味を喜んだこともあったろう。
だが、久々に口にした甘ったるい液体は、なんというか―――刺激がないのが刺激的、で)

これさぁ、ちょっと甘み強過ぎない?
こんなもん毎回飲んでたら、あっという間にぶっくぶく、だろ。

(ぶっくぶく、のくだりでわざわざ身を起こし、両手で曲線を描いて、
おもに膨らむであろう部分を表現してみせる。
見た目、年端も行かぬ小娘が、中年太りを気にするさまが面白いのか。
話し相手であったバーテンダーだけでなく、やや離れた席に座る誰かまで、
おかしげに肩を揺すっているようだ。
おかげで己はますます不機嫌に唇を尖らせて、再びストローに食らいつき)