2017/07/06 のログ
■レア > 背後でグラス片手に酒を嗜む出資主にチラリと視線を向ければ空いた手で続行を支持するサインが見えた。
それだけではない、今まで同じ卓を囲んでいた者達も勝負に乗る素振りを見せず、只々何かを期待するような眼差しを少女と商人2人へ向け、
その裏方では何やらスタッフが勝敗を明確にするため敗者の席に快楽を伴う魔力を流し無準備をしているのが魔力の流れで見える
少女が絡んで来たことにより超高レートのギャンブルは二人の女どちらかの破滅を掛けた一発勝負の場へと変化させられてしまった。
「……わかったわ。受けましょう。」
――もはや逃れられない。そう察し観念したのか女商人は持っているチップをすべて宅の前に押し出すとカードを一枚受け取って
■アンネリーゼ > ――受け取ったカード。ちらりとめくってみれば、それは下から2番目の札。
これは負けかしら、と内心で呟きながらも、その実は至って冷静だ。
今回、この勝負に限っては、錬成によるいかさまも使うつもりはなく、純粋な運勝負。
彼女が目配せする先にいるのは、恐らくスポンサーなのだろう。
少女もまた、優美に視線を合わせると、魔眼など使わずに微笑みかけて。
やがて、ディーラーがショウダウンのコールを告げると、少女は手早くカードをめくる。
「……あらあら、下から二番目なんてついてないわねぇ――お姉さんの勝ちじゃない?
だって、お姉さんが負けるパターンはたった一つ、一番下をひいちゃったときだけよぅ?
でもでも、まさかそんなことありえないでしょうし……あぁ、私、これからどうなっちゃうのかしら?」
その声がどこか芝居がかったように聞こえるのは、気のせいか、或いは。
ともあれ、この場の全ては彼女の握るカードに託される。
ペンダントの不運に打ち勝てなければ、そのカードは必然的に、最低の札。
彼女の身柄と多額の富が、少女のものになってしまうことだろう。
■レア > 少女の捲ったカードによりおこったどよめきをそのままに女は受け取ったカードを見ないままゆっくりテーブルに滑らせ、自らの指で抑えつける。
昂る鼓動を抑えながら縁に爪先が掛かりゆっくりとカードが捲られるその瞬間――その体に悪寒が走った。
「なっ…これ、っは…」
悪寒の根源、それは女は身につけていたペンダント。悪意によってペンダント内の宝石に満たされていた魔力が急激に消費され、失われていく感覚。
慌ててカードを伏せ直そうと手のひらを机に押し当てようとするが時すでに遅く。
カードはひらりと掌を避けるかのように翻り、最低値を示す柄を卓上へと晒した。
「――なっ、そんな、この目で負け……ん、んおお゛おおぉぉぉぉっ!」
出てしまった最悪のカード。そして狼狽える間もなく容赦なく流し込まれる快感。
敗北のショックを味わう暇すらなく女の思考は快楽でショートし体は大きく仰け反る。
大きく痙攣する彼女の身体その下腹部にはハート型の紋様が白いドレスの下から確認出来る程に発光し浮かび上がる。ハート型のそれは女の絶頂に合わせて左右に翼のような紋様が追加されて。
■アンネリーゼ > 計画通り、と少女は微笑み、彼女の財産全てを手元に収める。
こうして彼女の身柄は、掛け金と共に少女の物だ。
どうするのも自由だが、まずは快楽に悶える彼女を眺めよう。
「ふふ、ふふふっ、最悪の札ねぇ――さて、まずは全て総取りして、これは後でぱぁっと使っちゃいましょうか。
本来の持ち主である貴族様にも、ある程度いい目を見せてあげなきゃいけないし」
目の前で悶絶する彼女の、その下腹部に刻まれた刻印が進化する。
ハート型――子宮だけから、翼を生やして卵巣までを支配の領域として取り込んで。
その様子を満足げに眺めながら、少女は細い指で彼女の下腹部――瞬くピンクを指さしながら。
「ふふ、それ、淫魔にでも刻まれたの?さってと、それじゃ、お姉さんは私の物。
お金の契約は、簡単に出来て何より重いから楽でいいわぁ♪早速だけど、来ている服は全て没収ね。
そして、貴女のパトロンさんに所有権を預けるから、たっぷり愛でて貰いなさいな。
淫紋も成長したみたいだから、排卵の速度も上がるし、何より雄を求めて体が疼く様になっちゃったはず。
まずは淫らに変わった自分の体を嫌ほど使われてから、私の元に帰ってきてね?」
優しく命じると、彼女の服を錬成で分解してしまう。一糸纏わぬ姿にして、しかしこの場に置き去りにして。
そしてふと、思い出したかのように彼女に手を伸ばすと、首元のペンダントに触れて。
「これは置き土産よ。また、一番致命的な時に不運が来るようにしてあげる。
逆に、それ以外の時は運がよくなるかもしれないから、頑張ってね?それじゃ♪」
少女は手を振ると、多量のチップを抱えてこの場を後にする。
その後、彼女に怒りをぶつけるだろう貴族に、いい見世物だったとそのままそっくり資金を返すのはまた別の話。
ともあれ、今夜はまだ、彼女に直接手を下すことはない。
次か、あるいはそのまた次か、彼女がより淫らになった時に、どん底まで落とす未来を想像しながら、ただ眺めるだけで――。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」からアンネリーゼさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」からレアさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”/酒場」にピアさんが現れました。
■ピア > ビギナーズラックというものだろうか。
カジノで少し儲けた分を持って宿へと戻ってきた少女は、
2階の部屋へ向かう前に1階を賑わせている酒場に寄ることにした。
「お酒…は何かオススメを。デザートみたいなものありますか?」
カウンターに腰掛けながら女性店主に注文。
間もなくして出された薄青のカクテルと果物をたっぷり使ったタルト。
カクテル一口飲んでから、タルトにサクッとフォークを刺し、口に運ぶ。
栄養摂取せずとも生きられる人形である少女、実は数日ぶりの食事だったりして。
「んー!美味しいです。」
店主に笑いかけているとステージでショーが始まる。
大事な所だけを隠したような、ほぼ裸の女性が煽情的に踊り始め、
酔った男たちが低い歓声を上げる、少女には馴染みのないショーであった。
面を食らっている様子の少女に店主は耳打ちする。
『あの娘はカジノで莫大な借金を作っているのよ。
アレはもう病気ね。稼いでも借金に充てず、また賭けに使ってしまうの。』
「それは………怖い。」
歓楽街の闇を見た気がした。
心なしか緊張帯びる喉を通るタルトの感触がざらついて、ごくんと呑み込む。
■ピア > 空腹感というものに無縁なのでゆっくり、戯れるように食べているから時間がかかる。
苺の果肉にぷつ、とフォークを食い込ませ、それを揺らしながら少女は思案げ。
(十分羽根を伸ばしたし、そろそろ王都に戻らなくちゃかな。)
根無し草なのでいつまでもどこにでもいて良い身というのは気楽だが、全てはお金次第というところもある。
娯楽施設の多いここでも生きていけそうではあるけれども。
(船に………乗りたくない…。)
帰るにも行きと同じような船酔いを味わわねばならないのか。
それは本当に憂鬱なので、盛り上がるステージ側とは裏腹に少女の顔は暗かった。
■ピア > 吐いた息が重かったからだろう、優しい店主に気遣われて、少女はふるっと首を横に振った。
背後では女性が遂に何も隠さぬ姿となり、男の1人と絡み始めていた。
そうなると熱気の色合いは少し変化してくるものである。
「ごちそうさまでした。」
それを察知し、綺麗に食べ終えたお皿と一口だけ減ったカクテルグラスを店主側へと寄せて、料金も傍に置いておく。
騒乱に巻き込まれないうちに、少女は宿となっている2階へと上がり、就寝するのだった。
床を響かせるような男たちの声にも負けず、ぐっすりと――。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”/酒場」からピアさんが去りました。