2017/07/05 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」にアンネリーゼさんが現れました。
アンネリーゼ > 今宵、退屈しのぎにやってきたのは、不夜城の一角だ。
ドレスコードはいつも通りに顔パスで、適当に目についたカジノに潜り込む。
懐から宝石を数個取り出してチップに換金すると、店員にも心づけとばかりに一枚渡して。

「ふふ、私の両替に付き合えるなんて運がよかったわね。
 取っといても、賭けても、好きになさいな。それはもう貴方のものだから」

それじゃ、と別れてホールの中、探すのは賭けの卓――ではなく、可愛らしい少年少女、あるいは鳴かせたら楽しそうな女性だ。
奴隷市場よりも随分と多種多様な人々が、悲喜交々に乱れる戦場。
金に命を乗せて賭けに興じるような、どこか狂気じみた雰囲気はなかなか楽しいものである。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」にレアさんが現れました。
レア > 日々人が尽きることのないこのカジノで商人は珍しく背中に固い汗を掻くのを感じる。

きっかけはいつものようにダイラスで遊ぶ貴族相手の仕事。
いつものように港で商品を取引し、それをカジノで滞在する貴族へ売る、商品にとってはありふれた業務。

しかし今回ばかりは事情が違う。
食事に誘われ、酒を誘われ、あれよあれよと流されるうち、いつの間にか高レートの卓へと腰を下ろす羽目になっていて

「…これもこの前のアレの呪いかしら…」

否が応でも思い出されるのは、少し前の王都での出来事。その記憶に微かに眉をしかめるが、やがてそれを振り払うように卓へと視線を落として。

アンネリーゼ > 少女は賭けの一席に混ざりこむと、圧倒的とも言える豪運を見せる。
その実は万象錬成を用いたカードの作り替えや、催眠による宣言の誘導によるもの。
まずは、場を引っ掻き回しつつ種銭を稼ぎ、周囲の注目を集めながら漁るのだ。
そうして稼いだ額面は、このカジノに貢がれた売り上げを十で割ったほどの量。
普通ならばオーナーが真っ青で出てくるところだが、そうはならない。
何せ少女はここの上客、稼いだ分を全て使い尽くして、身軽で立ち去る存在だ。

「さて、それじゃこれで、勝ち負け考えない豪遊に――あら……?」

ふと卓から顔を上げると、先日呪いをかけた女性が、別の卓で貴族と賭けに興じている様子。
座っているのは、どうやらこの店の中でも最高額のレート――貴族ですら下手を打てば全財産を失いかねない鉄火場だ。
これは何とも楽しそうだ。混ぜてもらわなければ、絶対に後悔する。だから――。

「こんばんは、素敵な夜に混ぜていただけないかしら?種銭はこれだけ。
 全て身包み剥がれて、その上で負けたら私を好きにしていいって条件で、いかが?」

ディーラー、というよりは、同じ卓にいる貴族めがけて言葉を作る。
明らかに助平な、鼻の下を伸ばした雰囲気から了承を得られるのは時間の問題なはず。
その意図は単純、卓のレートをさらに釣り上げて、狙いの相手を困らせるため。
悪意に満ちた不幸を背負う羽目になった彼女は、いったい何を思うだろうか。

レア > 「あの子…ッ…あの時の…!」

卓を崩壊させんと乱入して来た少女が視界に入るや否やあの夜の記憶が蘇る。
自らの立場もカジノのマナーも放り出して立ち上がりそうになる自らを堪え、平静を取り繕う。

なにせ自らはお得意様の貴族から種銭を受け取り卓についている状態だ。
奴隷や冒険者、あるいはカジノスタッフ等、適当な相手に金を握らせて賭けを行い、勝って金を得るもよし、負けて痴態を晒すも良し。
金持ちの間で度々行われる酔狂な遊び。そういう意味では自らの今の立場は奴隷と変わらないとすら言える。

「…面白そうね。でも貴女のチップと張り合えるほど賭けられる人はこの卓にもいないんじゃないかしら?」

さも初対面かの如く、商人はその少女に賭けの成立の是非を問いかけて

アンネリーゼ > 「ふふ、御機嫌よう、お姉さん。賭けの調子はいかがかしら?
 それにしても、随分とお高い卓にいるのね。そんなに高額の賭けがお好きなの?
 ――まぁ、ここに座った以上、やることは一つ。お姉さんも座ってるなら、逃げ場はないわよ?」

柔らかな微笑みを浮かべながら、少女はそれが当然とでも言うかのように全額を前に投げ出す。
その表情に浮かんでいるのは愉悦。気負いなど一切見られない、慣れを窺わせるもので。

「ん、別にいいのよ?お姉さんがその体を私の為にかけてくれても。私も掛けている訳だし。
 さぁ、私も含めてこれだけのチップ、全部手に入れて見せなさいな……♪」

賭けの内容は簡単だ。それぞれが1枚ずつカードを握り、その大小を比べるだけ。
本来は掛け金による駆け引きが発生するのだが、今回は少女がカードを見る前に全額をかける暴挙に出たため、勝負は純粋な運となる。
さぁ、受けるのか逃げるのか。受けるならば、互いの手元にカードが配られることだろう。
果たして彼女は、不幸に打ち勝てるのだろうか。