港湾都市ダイラス　“ハイブラゼール” 2017/06/13

2017/06/13 のログ

レア > 眩いばかりに煌めく装飾とそれを取り巻く喧騒、歓声、嘆き、矯声。欲望と感情が巡り渦巻く巨大なカジノの中にその女性はいた。

「あら、お久しぶりです。お元気でしたか、今日は奥様とご一緒に？」

落ち着いた様子でルーレットに没頭する恰幅の良い男に話しかけたのは、北方で見られるサイドに大きくスリットの入ったドレスを纏った女性。
二言三言と言葉を交わし、最後に挨拶を交わすとテーブルを離れ、ゆっくりと様々なコーナーを巡りそして時折世間話を交わしていく。

レア > マグメールが王国一魔導具が集まる都市であるとするならば、ここダイラスは王国一魔導具の情報が集まる国だ。
物好きな貴族、魔導を悪用せんとする魔族や悪党、それに一攫千金を狙う冒険者達…。

無名遺跡の存在もあってか、それら全員が欲を隠そうともせずダイラスも言う巨大な賭博都市に集まってくる。言うなればダイラス自体が巨大なカジノと言ってもいいだろう。

レア > 「なるほど、九頭龍山脈から出た発掘頻繁にのオークションの為に滞在されてると、。目当ての商品はなにか……」

故にその女性はひたすら話を聞いて回る。ここで得られる話は表の仕事にとっても裏の仕事にとっても価値のあるものばかりだ、酔っぱらい半分ヤケになって賭けに向かう冒険者、大負けした人間はいないか気を巡らせ続ける貴族、お忍びというていながら豪遊する王族。あらゆる人間に話しかけ、何かを引き出そうと繰り返す。

派手を信条とする怪盗業に取って非常に地味な作業であるがこればかりは仕方ないのである。

ご案内：「港湾都市ダイラス　“ハイブラゼール”」にノアさんが現れました。

ノア > カジノのチップも増やしたい､情報は.. もっともっと欲しい。そんな女が此処に､もう一人来ていた。きらびやかなカジノの中､見覚えのある姿を視界に捉えると.. にやり､不適な笑みを浮かべつつ背後より忍び寄って

「 .....ふーん､九頭龍山脈の発掘品 ? 」

貴女の話を長々と盗み聞き､肩越しに其れを復唱した。もしも貴女が振り返ったなら､調子の良い笑みを浮かべ

「はぁい､久しぶり♡ 」

ゆるり､首を傾げて見せた。

レア > 聞き覚えのある声に思わず振り向いた女は視界に見覚えのあるドレスのシルエットを捉えると露骨に眉を潜めてみせた。

「…見世物台なら下のフロアよ」

先程まで話しかけていた貴族と挨拶もそこそこに会話をと切らせると、不遜な顔を崩さないまま女の方へ歩み寄り

ノア > 互いに正体を知る者同士､同じ獲物を狙い揉めたなんて事も度々.. しかしながら､必要以上に潰し合う事もなく。こうして表で会えば､会話も出来る関係だった。ただし ── 表情や言葉の裏には互いに､たっぷりの皮肉を織り混ぜて。

「ん､よく聞こえない.. ココはいつ来ても賑やかね。それにしてもレア "お姐様"..... そのドレス､とってもお似合い♡ 男の目を惹くセクシーなドレスで情報収集だなんて､情報は専ら.. ベッドで集めるタイプ ? 尊敬しちゃうー」

女は相変わらずにこりと笑みを作ったまま､いつも通りつらつらと毒吐き。貴女にとってみれば､これも数年続く毎度お馴染み小娘の戯れ言か

ご案内：「港湾都市ダイラス　“ハイブラゼール”」にレアさんが現れました。

ノア > 毎度お馴染みのやり取り､ともなれば.. 貴女から返ってくる口撃にも､其れなりに身構えてはいたけれど..

「 .........っ､」

その内に､貴女の方が一枚上手となり。笑顔を作ってみせていた女も次第に.. 目元を細め､つんと唇尖らせて始めていた。更に残念な事に､歩み寄った貴女に見下ろされてしまう。こればかりは身長差故に仕方がない､とはいえ.. いつもいつも､どうにも気に入らない。

「何よ､このっ..... ぴちぴちスーツ !! 」

こうして女が先に牙を剥き出しにしてしまうのもまた､いつもの事。人生経験も豊富な貴女には､いつだって何処か叶わなくて.. 怪盗としての腕は勿論､同性として羨ましいくらいの美貌やスタイルもまた..... 悔しいけれど､認めざるを得ない。毎度貴女に噛み付く癖に､最後には決まって稚拙な悪態を吐くのだった。

「発掘品だか魔導具だか知らないけど..... 誰かに横取りされないよう､せいぜい気を付ける事ね.. おねーさまっ」

歳上だとの皮肉を込めて､きゃんきゃんと捨て台詞を残し。かつかつと華奢なピンヒールを鳴らしながら､カジノの賑わいの中へ.. 紛れて消えた。

ご案内：「港湾都市ダイラス　“ハイブラゼール”」からノアさんが去りました。

ご案内：「」にレアさんが現れました。

港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”

港湾都市ダイラス　“ハイブラゼール”