2017/02/27 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にリスさんが現れました。
リス > 久しぶりにこの町の空気を吸う気がする。
 歓楽街の町並みを歩きながら少女は思い、軽く笑みを浮かべる。
 今日は、父親に任されたマグ・メール店での収益や品物の売れ行き等の報告を兼ねて実家に戻ってきた。
 報告や次への改善点などを行って終わったのが今さっき、気晴らしに夜の街に出て歩こうかしらなどと思い立って、やってきた。

 カジノ、娼館、酒場……いろいろあるけれど、どうしましょう。

 とはいえ、賭け事にうつつ抜かす商売人はいないし、賭け事自体面白みを感じない。
 小さな頃に両親に社会勉強だとお金を握らされ、その手持ちがなくなるまで向かわされたが……なぜあんなものに熱狂できるのかがわからない。
 それは今も同じだし、最初にそれを弾くことにする。
 剣闘場というのもあるのは覚えているけれど……夜の部のショーは見ていると切ない。
 そうなると、お酒か娼館か、というところかしら。

 お酒はあまり強くもないし、甘いお酒ならいいけど誰か護衛のひとりでも連れてきて飲みたいところ。
 酔ったら家に帰るの大変だし治安もいいわけでもないし。
 まあ、飲みたいといえば飲みたい気分ではあるのだけど、それなら家に戻って飲んでもいいじゃないという思考。

 娼館か、もしくは何か面白い店があるといいかも。
 旧友に会うのもいいけど、普通に考えれば今は遅いわねぇと考えつつ歩く。

リス > 「……あ。」

 気がついてしまった。
 お酒を飲めば自然と『したく』なる。
 そう考えてしまうと一択と言っていいような気がしなくもない。
 むむむ、と小さく唸ってみるが、特に何か良い案が浮かぶわけでもない。
 仕方がないかしらね、少女は軽くため息を吐き出す。
 友人とか『オトモダチ』だったら、懐痛まずに思う存分やれるから、そういう相手とお酒を飲むのもいいんだけれどねとか。

 そんな折にくぅ、と小さくなる音。

 少女は自分のお腹に視線を這わす。
 周囲を見回してみる、誰も気が付いていない模様、恥ずかしさを覚えながらも良かったと安堵。
 そういえば、報告とかで仕事していたから、食事を忘れていた。
 実家で摂ってくるのも忘れていた。

 まずはお食事してから考えましょう。
 そう思い、たしかあそこが美味しいのよね、と少女は踵を返して慣れ親しんだ歓楽街のひとつの店に入っていく。

リス > お店に入ると、食事をメインとしているところからか、店員の気軽い声。
 一人だと告げつつも、見ると席がほぼ満席で奥のボックス席へ案内される。
 もしかしたら相席とかあるけど御免ね、と言われながらメニューを受け取って眺める。

 久しぶりの地元だし……と、新鮮な魚と野菜を使ったサラダと小さめのパエリアを注文する。
 どうせならひとりで食べるよりも誰かと来たかったなぁ、とか、出された水で口を湿らせる。
 しかし、人気の店なのはわかったけれど、本当に人が多いわねぇと旅行客だろうか、客の多い店内を眺める。

 なんか楽しそうで羨ましいなぁ。
 こう、喧騒の中一人というのは孤独感が強く感じられてしまい、視線を店の中から窓の外へと移動することにした。

リス > 窓の外をなんとなく眺めていたら、声がかけられた。
 先程注文をしたパエリアと魚と野菜のサラダが出てきた。
 店員にお礼を言って、少女はそれを食べる事にする。

 久しぶりの味というのは、なんと言えばいいのだろう。
 慣れ親しんでいるのに新鮮な感じがしてとても良い。
 帰ってきたんだな、という気になる。
 家の食事は基本的に父親の気分に左右されるので魚と決まったわけではない。
 高級食材が出てくることも多いので実際に地元の味となるとこういうふうに食べに来たほうがいいわね、なんておもう。
 しばらく地元の味に舌鼓を打ってから、ふぅ、と小さく吐息。

 お腹がくちくなれば次は。
 もとより、食事はお腹が減ったから軽く食べたいとはいっただけなので、食べ終わればもう、用はない。

 受付で代金を支払い、店を出て再度歓楽街へ。

 今日はどうしようかしら、と気分を新たに歩き始める。
 泡風呂もいいのよね、とか、よくよく考えればこっちにいた時に結構来ていたのね、と思い返す。

 結構風呂好きなのかも、と関係ない思考。

リス > 考えがまとまらないままに、ふらりフラフラと夜の歓楽街を歩く。
 衝動買いにも似たような感じか、それとも、ウインドウショッピングか。
 どちらにしろ、決まらない。
 できるだけ楽しみたいと思うと、選択肢が多くて迷ってしまう。
 名所と言われるだけある品揃え、右の店に行けば、女の子の一覧を眺めてみて。
 左の店に行けば、プレイスタイルの一覧を眺める。
 あれも、これもと考えてしまうのは、お金をかけるからだろう。
 丁度いいというのが見つからず、少女は軽くため息を吐く。

 色々と要求が高いからかもしれない。

 悩みながら歩き、ひとつの店を目にして、その中を眺める。
 待ち時間長そうだからやめておきましょうと結論。

 これだけ客が居るのは、人気の娘でもいるのかしらと最近の歓楽街の娼館の事情は把握しきってなかった少女は考えて。
 まあいいや、次にしましょう、と足を進めた。