2017/01/07 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にルヴィエラさんが現れました。
ルヴィエラ > (館の様子が何かおかしい――事務役の娘から、そう連絡を貰って戻って来たのは数刻前
確かに、彼女の言う通り己が経営する娼館は、少々おかしな事になっていた
否、もう少し正確に言うならば、娼館の周辺、か。 館だけではなく、周辺の建物を含めた一つの区画内で
喧嘩や略奪、或いは陵辱と言った荒事の類が異常発生していたのだ
当然その影響は、娼館の中でも起こっていた。 普段は友好的な上客達が、突然娘達に傷を負わせる
或いは唐突に騒ぎを起こして拘束される、等-―普通ではない状況
そうして、其の原因を探るべく一旦店を閉店させてから、街中へと出張ってみた訳だが――)


――――――………成る程ねぇ…、……この辺り丸ごとに、錯乱魔術を掛けた訳だ。


(誰の仕業やら、どんな理由やらは判らないが。 巧妙に隠されている其の魔術の発動だけは感知出来た
魔術耐性の無い者達では、簡単に影響されて気付く事も儘為らない筈だ
幸いにして、範囲が広大な分、其処まで強力な効果にはならなかった様だが
――ふむ、と、一寸思案しては、路地を歩む。 探すべきは、この術式を展開している『核』か、或いは術士本人
そして、見つけた暁には――相応のオシオキをせねば、と)。

ルヴィエラ > (歩みを進める間に、解析する魔術の構成要素――感情の偏向、理性の低下、所謂本能を剥き出しにする性質
淫魔が良く行う行為に似ているが、ソレとは根本的なやり方が異なる
淫魔の其れは魔力を基にした呪いから魅了から、全てを基本的には自己完結で為す事が出来るが
此れはもう少しだけ入念な準備を施した、どちらかと言えば儀式めいた物だ
そもそも同族が付近で出しゃばっているのなら、己が判らぬ筈も無い上に
先ずこんな回りくどい事はしないだろう、己でもやろうとは思わない
と為ると、考えうるのは魔術素養の在る何者か…大方魔術師辺りなのだろうが
其れにしては、少々効果の程度が残念だから、きっと「流れ者」辺りだろうか
―――そんな風に予測を立てながら、ふと、一見の食堂の前辺りまで来た所で、不意に魔術領域を抜けた事に気付く
成る程、ここまでが範囲か、と見当を付けたなら、再びもと来た道を少し戻って、今度は反対側へ、恐らくは、魔術の中心だろう位置へと歩みを向けて。)


――――……しかし、誰が行っているにしても…我の館を含めたのは、思慮が足りないと言わざるを得ないな。
他の店の輩も、もう対処を始めて居るだろうに。


(ハイブラゼールには、店とそれなりの権力が結びついている場合も多い
当然高級カジノや娼館ともなれば、用心棒や魔術師を囲っている場合もある――特に、こう言った事態に備えてだ
ふと、丁度視界の端から、喧嘩をしていたらしい集団から、流れ弾的に何かの瓶が飛んでくるのを、ひょい、と軽く避け)。

ルヴィエラ > (かしゃーん、と響いた音は、多分瓶が路地に転がり割れた音だろう
やれやれ、と一寸集団の方向を見やる物の、実際彼らもこの魔術に影響されているのだから致し方ない
咎めるのも放置して、道の先を進み――ある所で、ふと、路地裏へと入って行く
大通りから多少逸れた程度の場所、決して人気が全く無い訳では無いのだが
其の路地の隅っこに、建物の壁へと立てかけられた、廃棄物らしき大きな板が在り
其の板を倒そうと手を伸ばしたなら――刹那、ばちりと、弾ける小さな火花。)

――――ほう、此方の方が確りしている。 さては、得手不得手があるな?

(それなりに、強い結界。 触れるものを拒む其れ。
言葉通り中々に強力なシロモノの様だ、が。 逆に言えば、其処に何かが在ると教えているような物でも在る。
次の瞬間、口元に弧を描きながら、片腕へと纏う漆黒の魔力
再び結界へと向けて掌を翳せば、先刻よりも更に強い火花が一瞬弾け散り
――次の瞬間、硝子が割れるような音と共に、砕け散った。)

――――……上等だ、が、呆気ないね。 ……さてさて、当たりかな…?

(もう、阻む結界は無いらしい。 再び板へと手を掛けては、がらりと地面に倒してしまい
――其処に隠されていた物、目の前の壁面に描かれた、2m級の魔法陣に、小さく口笛を鳴らした)。

ルヴィエラ > ――――――ふむ、構造は単純だが、手間は掛かっているね。
壊してしまうのは簡単だが…、……さて。

(構造把握、其れ自体は非常に容易い。
但し、術式自体は何かの焼き回しとかではなく、ちゃんと研究された物だと判る
其れは其れで少し興味を惹かれたのだが、何せ現在進行形で迷惑極まりない物
少しばかり考えた後、まぁいいか、と魔法陣の上から掌を乗せて――

魔力を、「反転させた」)


――――……ふむ、此れでよし。
確か東方の言葉だったね、「人を呪わば孔二つ」…いや、此れは文字を知らねば判らないか、ふむ。


(――当方の諺で、人をのろいならば、自らも呪われるものだ、と言う意味をもつ
かの魔法陣は、術者と直接リンクしている類の物だった、なら、其のリンクを辿って呪いを逆流させてしまえば良い
今頃、元凶は何処ぞで、己の仕掛けた術式を一人で抱え込んで居るに違いない
術式が大きければ大きいほど其の反動も強く、加えて其れを為したのは、他ならぬ己だ
今頃は、其れ相応の罰を受けていることだろうと、肩を竦めて踵を返し)

――ふむ、此方は終わったようだ。 暫く様子を見て、又店を開ける準備をしよう。


(――何処かへと、繋いだ念話。 程なくして騒ぎも収束するだろう
一旦館に戻るかと、再び大通りの喧騒にまぎれては、姿を消して――)。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からルヴィエラさんが去りました。