2016/11/30 のログ
■イニフィ > (ほんとはそうでもないんだけどねぇ…、やっぱり気のせいか…。)
以前の、イニフィのことをお姉様と慕っていた投じの彼女ならば、出来たこと。
どうすればいいのかを教え込み、それを理解して男を誘うことも出来た。
なのに、それが今は出来ないという事は、やはりあの投じの気を区がない、という事。
少し期待したけれど、もともと駄目元。
だから、イニフィは少しだけ――そう、ほんの少しだけ肩を落として、首筋に少し噛み付いた。
「んふふ……あら、もう濡れてる?
なぁに、私と一緒に寝ると思って、期待でもしちゃったのかしら?」
既にショーツの奥から、蜜が滴るほどに濡れ始めていた。
このあたりの敏感なところは、以前とそのままだなとイニフィは思う。
開いた割れ目に、下着を食い込ませながら――それを上へと上げて、さらにきつく食い込ませる。
断続的に、下着で秘所を開き、まるで縄でも食い込ませているかのように。
「…いいわ、貴女を買ってあげる。
いくらかしら、言い値でいいわよ?」
お金には、今はさほど不自由していなかった。
ミンクのコートの内側から、財布を取り出すと2000ゴルドほどを差し出す。
――ルキアの値段からしてみたら、もしかしたら破格かもしれない。
■ルキア > 「――んっ…ぁ…はぁぁ…
そっ、そういうわけでは…ぁ、でも、その、体が熱くて…切なくて…。
んんぅぅっひんっ…あぁぁ…」
首筋に噛み付かれて、びくんと体を戦慄かせ。
濡れていることを指摘されるのに、かぁぁっと羞恥に顔を赤らめながら否定するものの、次いで出るのは素直な告白。
ぬるぬると蜜で濡れたショーツを上へと引き上げられ、秘所にきつくくい込みがくがくと膝を震わせて、イニフィに縋りつき。
ぱた、ぱたたっと小さな雫が地面に落ちて吸い込まれていく。
「はぁ…はぁ…ありがとう、ございます…。じゃあ、お店の中に…いえ、そんなにいただくわけには…」
一旦ショーツを引き上げられるのをやめられ、その場に座り込まなかったのは運がよかった。
なんとか震える膝で立つことができている。
娼館自体は中の上から上の下程度の店ではあるが、娘自身の値段はその店の中で、中の下程度の値段だ。
娼婦としてのスキルがもっと高くなれば、値段もあがるのだろうけれど。
店の受付で先払いで金を払い、娼婦の部屋に案内される。
普段であれば、ベッドが一つあるだけの部屋だが上客とみた店主が風呂付きの広い部屋へと彼女を案内するだろう。
■イニフィ > 噛み付いた際でも、快楽を感じるのか。
それとも、これは今は痛みと感じているのだろうか。
戦慄く体を、ショーツが食い込むことで支えられていた体は、すっかりと出来上がっている。
指に絡んだ愛液を、イニフィは軽く舐めた。
地面に落ちていく雫を見ながら、もう一度妖艶に笑う。
「いいのよ、これはサービスなの。
貴女が頑張ってくれたら、私も嬉しいしね?」
ニコリ、と笑って2000ゴルドをルキアに握らせる。
このお金は、店に支払うものではなくルキア自身に渡すもの。
所謂チップというヤツだが、その額を大目にしているのは、イニフィ自身の感情だった。
店に入り、金銭を支払えば店主は随分と媚びているような、謙った態度でイニフィを迎えた。
こういう態度は、正直あまり好ましいものではないが、今はそんなことはどうでもよかった。
通された、風呂付の広い部屋は十分寝泊りできるもの。
今日は帰れないなぁ、などと頭の中で考えながら、ミンクのコートを脱いだ。
「あ、これもあげるわ。暖かいわよ?」
その下は、いつも愛用している街娘ふうの、ラフな格好だった。
やっぱりこの格好だけは、どうしても外すことができない。
ただ、頭のナプキンだけは、はずさざるを得なかったけれども。
■ルキア > 噛み付かれた感覚すら、ぞくぞくとしたものが駆け抜ける。
「えっ、花代ではなく、ですか…?…えと、喜んでいただけるよう頑張ります。」
2000ゴルドはチップだという彼女。
花代よりもかなり多いチップに戸惑うが、ここで断って問答をすることで相手の機嫌を損ねてはいけないと素直に受け取り。
「ぅわぁ…この部屋、初めて入った…。え、いえっ、あのとても高価そうですし、お帰りの際に寒いですし…。」
コートを脱ぐのを手伝い、手にもったそれをハンガーにかけていく。
コートを脱いだ下に着ている町娘風のラフな衣装。
その格好のほうが、彼女にしっくりくるような見慣れているような感覚がする。
また少しの間だけじっとその姿を無意識に見つめてしまう。
「えっと、この部屋ならお風呂もありますけどどうしますか?」
話している間も、娘の息は乱れている。
躰は完全に発情しており、ひくっひくっと小さく戦慄いており。
■イニフィ > 「大丈夫よ、貴女なら絶対に私を喜ばせてくれるって知ってるから。」
2人っきりになった部屋、広いけれども。
そこにルキアがいるというだけで、随分と狭く感じる。
浅く、早く呼吸をするルキアの息遣いを感じながらも、イニフィは服を脱ぎ始めていた。
下着姿になり、そのまま裸になると、風呂のほうへと向かっていく。
その甘い香りと、特有の美しすぎる体を晒しながら。
「じゃあ、お風呂に入るわ。
よかったら、私の体を洗ってくれるかしら?」
ソープのようなサービスもあると踏んでいた。
眠らぬ街は、金さえあればいくらでも豪遊できる場所。
ソープランドのようなサービスもあるならば、ルキアに最初に頼むのは、それだった。
「全身くまなく使って、私の体を綺麗にしてちょうだい。
ただし…貴女は気持ちよくならないでね?」
気持ちよくなったらお仕置きしてあげる、とウィンクして見せた。
かつて、彼女に何度も見せたウィンクだ。
風呂場の入り口に立つと、さてどうするのかと肩越しに、赤い瞳で彼女を見つめる。
■ルキア > 確信めいた言葉に少し首をかしげる。
具合がいいと悦ぶ客は多いが、店の外で評判になるほど娼婦としてのスキルは高くはない。
…と、そんな疑問を口にする間もなく彼女が服を脱ぎ始めるのに赤くなり。
晒される肢体と服に遮られることのなくなった甘い香りが満ちて、どこかうっとりとするように目を細め。
「あ、はい。分かりました。」
声をかけられてはっとしたような表情をすると、一つ頷いて。
…けれど
「ぜ、んしんを使って…ですか?」
てっきりスポンジを使って洗うものと思っていたが、彼女の言い方からすると違うらしい。
気持ちよくなってはいけない、とそう念押しする言葉から想像できる手段は多くはない。
そして見せられたウィンク。
やはり、見覚えがあるように以前見慣れていたような気がする。
記憶を手繰ろうとするものの、糸は見つからずそうしている間も彼女を待たせてしまっている事に気づくと慌てながらドレスのホックを外す。
けれど、これを脱げば濡れた下着を晒すことになるわけで少し躊躇いながら羞恥に頬を染めながらドレスを脱ぎ落とす。
胸の下着はつけておらず、桜色の蕾がつんと上向き細い蜜の筋の伝う大腿、ぐっしょりと濡れたショーツを晒し。
彼女の視線を受ける中、おずおずとショーツも下ろせばにちゃりと細い糸を引く。
女性相手だからと思ったが、やはりじっとみられるのは恥ずかしい。
手で隠すように風呂場の入り口で待っている彼女のもとへといく。
一緒に浴場に入りたっぷりと浴槽に張られた湯の温度を確認すると桶にくんでそっと彼女の肩口にかけていく。
「熱くないですか?」
相手に温度を確認しつつ、何度か湯をかけて体を温めるとスポンジでソープを泡立てる。
それを相手…ではなく自らの躰にこすりつけるとイニフィの身体に密着していく。
手についた泡で彼女の腕を洗いながら、こういうやりかたでいいのだろうかと彼女の反応を伺い
■イニフィ > 記憶の糸、薄くどこかで千切れてしまって、思い出そうにも思い出せないか。
それとも、イニフィが一押ししてやればいいのだろうか、と考えていた。
記憶が無い、だけれどあの視線はどこか既知感を持っているような、そんな瞳にも見える。
――――思い出して欲しい。
思い出して、またお姉様とよんでほしい、と願わずにはいられない。
だけど、叶わない願いだと、わがままなのだと解っているだけに、余計に寂しい。
はぁ、とため息をつきながら風呂場の前で待っていた。
少し、それが待たせていることに対する苛立ちのように見えるかも。
ドレスを脱ぎ、既に濡れそぼっている下着すらも脱いで、ようやく開かれた風呂場の入り口。
この宿にしては上質なのだろう、湯気の立ち上る浴槽は広く、一人で使うには広すぎるといってもいいもの。
掛けられた、湯の心地よさにほっこりとため息が漏れる。
「ええ、大丈夫よ。」
決して、熱いとは思わないほどの湯加減だった。
いつもなら、ここでさっさと体を洗って愉しむところだけれども、今日は少し勝手が違う。
手を取られ、其処に塗りつけられていく石鹸。
力を要れず、されるがままに。
「洗いながらでいいから、ちょっとお姉さんの独り言に付き合ってくれるかしら?
昔ね、私がまだ貴族になる前の…まだいろんなところを旅行してたときの話。」
さて、次はどこを使ってくれるのだろうか。
そんなことを考えながら、イニフィは唐突に話を始めた。
■ルキア > 「よかった。体が冷えてると熱く感じますし、遠慮なくいってくださいね」
溜息にもたついてしまったことに、苛立たせてしまったかと思ったが怒ってはいないようでひと安心。
掛けた湯の温度もちょうどよかったようだ。
温まった身体に、腕に石鹸を塗りつける動作に彼女は何も言わずにされるがままになっている。
これで正解ということだ。
とりあえず、腕から肩、背中へと手で石鹸を塗りつけていく。
「はい?…旅行ですか。…ん…」
独り言といって話し始めた彼女に、一旦手の動きがとまるが少しの躊躇のあと背中にふくらみの薄い胸を押し付けて上下に動かしていく。
前に回した手で、少し遠慮がちに豊かな胸に触れるとそこにも石鹸をぬりつけて。
硬くなった胸の蕾が、石鹸でぬるつく感覚とイニフィの背中にこすりつけられてぴくっぴくっと小さく体を戦慄かせ。
■イニフィ > 「うん、そのときはそういわせてもらうわね。」
本東亜、冷えてきたところに湯船に漬かったときの、あのビリビリとした官職が好きだった。
じんわりと、皮膚から体内に向けて奔る電撃が非常に心地いい。
胸が泡塗れになり、その胸に触れて背中に当たる、こりこりとした感触。
その感覚が、非常に心地いい。思わず悪戯したくなるほどに。
「うん、私ね…今でこそ貴族だけど、昔はただの旅行者だったの。
そこでね……貴女にそっくりな、エルフの女の子を拾ったことがあるのよ。」
どうやって、というところは暈しておいた。
ただ、そう。拾ったという事だけしか、伝えなかった。
背中が泡塗れになり、次はどこを洗うのだろうか、とじっと待ちながら。
「…その子とは、ほんとに楽しく旅行したの。
…方向音痴だったから、目を放すとすぐ迷子になったけど…ね。
その子とは、別れてそれっきりだったけど…久しぶりに会えたらなぁって、時々思うわ。」
■ルキア > 「んっ…ぁ……っっ…」
胸の蕾からくる電気のような感覚と、泡でぬるぬるとした感覚とともに肌を滑るのにぞくぞくする。
とろぉっとまた新たに大腿に蜜が伝い落ちて、息を呑み。
「ご結婚、されたとかですか?私そっくりの、エルフ…」
時折感じる既視感や懐かしさが浮かぶが、夢でみたような感覚だ。
世の中には似た者が三人はいるという。
人間だけでなくエルフにも当てはまることだろう。
そう思いながら話を聞いているあいだに、背中は泡だらけになった。
少し迷ったあと、彼女の前に回ると上目遣いに一度その瞳を見つめて手で泡を広げた胸元に今度は自分の胸を押し当てて動き始める。
「んっんっ…っぁ…っ…方向音痴って、わたし、も…方向音痴なんです。そんなところ、んっ…まで似ているんですね…。もし、…ぁっ…よかったら今夜は、その子だと思って、私と過ごしてください」
彼女の豊満な胸が柔らかくてきもちいい。
そして、彼女の胸の蕾と娘の蕾とが擦れ合いより一層電気のような快楽が走り抜けていくのに動きが止まってしまう。
■イニフィ > 「違うわよ、その貴族の娘に気に入られてね、姉として迎え入れられたのよ。」
だから、今は王都の貴族外でゆったりと過ごしている、という事だ。
ただ、いろいろと面倒なことが多いので、時折こうして息抜きで出かけることが多い。
今回、たまたま此処に来たという事だ。
胸元が重なり合い、乳首同士がこすれあう。
ぬるりとした泡の感触、そして前からこすれあう皮膚。
湯船とは違う心地よさだけれども、その赤い瞳はしっかりとルキアを捕らえていた。
じわり、じわりと魔力を注ぎ込み始める。
快楽にあわせて、ルキアの中へイニフィの魔力、淫魔の魔力を。
「んふふふ……そうね、そのこの事はたっぷりと可愛がってあげたわ。
壊れかけるまで犯してあげたり、裸で後援に突き出して、皆に犯させたり…。
けどね、それでも私のことを、お姉様って慕ってくれてたわ。」
それを、何故手放してしまったのかは、言わなかった。
前で胸を擦り合わせている彼女の股間に、手を滑らせる。
淫核を摘み上げて、こりこりと転がし、ぬるりと愛液で滑らせて――。
「………思い出さない?」
■ルキア > 「はぁっ…ぁ…そういう、こともあるんですか…ぁぁ…」
貴族の仕組みというのはよく分からず、結婚以外で貴族になる方法もあるのかと納得するが、肌が擦れ合い、蕾同士がこすれあうのに掠れた甘い声があがる。
上目遣いに見上げた紅い瞳に吸い込まれてしまいそう。
じわじわと流し込まれる魔力に比例するように、蜜は大腿をししどに濡らし喘ぎ声が徐々に我慢しきれなくなって、高くあがりはじめる。
とろんとした蒼銀の瞳がイニフィを見つめ。
「可愛がって…あっ…んんっ…じゃあ、今夜は、お姉さまって呼びますね…んっんっ…」
壊れそうになるほどに犯され、野外であまたの男に犯される。
聞いただけで、ぞくぞくとしてその感覚を体感したような気になる。
はぁ、はぁと熱い吐息を零してお姉さまと、あの時分と変わらぬ声が彼女を呼ぶ。
「はぁぁぁっあっ、ああっ…んっくぅぅっ思い、出す…?な、にを…」
するりと股座に彼女の手が滑り込んで、そこも充血し尖りきっている秘芽を摘まれ転がされるのにびくっびくっと小さな痙攣を起こし。
ぎゅっとイニフィにしがみつくようにして尻を突き出して。
思い出さない?
と彼女の声が聞こえる。
何を?
記憶の糸を辿ろうとするが、水飴の糸が途切れるように細くなって切れていく。
■イニフィ > 赤い瞳の魔力、そして流し込んでいく魔力。
昔は、こうして何度もルキアを喜ばせた。
しかし、あの事件をきっかけに、その関係はぷっつりと途切れてしまった。
「…ええ、そう呼んでちょうだい。」
お姉様、ルキアにそうよばれると、心のどこかで満足感が生まれる。
そして、もうひとつ――ルキアに対しての支配欲が生まれる。
忘れようと努力した、けれども出来ない。
イニフィ自身も、女々しいとは思っているけれども、やはりそうだった。
大事だと思っていたからこそ、あの事件は本当に心に堪えた。
お尻を突き出すように、縋りついた体をイニフィは抱きしめる。
後ろの孔に、指を添えて――泡に塗れたその場所へ、指が滑り込む。
ゆっくりと、穿りながら徐々にその穴を広げて見せて――。
「…………よく見て。」
イニフィは、赤い瞳を光らせた。
じっくりと、その蒼銀の瞳を見つめ、まるで水あめのような弱い糸を補強していく。
頭のどこか、既知感があるならと、イニフィはどこか意固地になっていた。
(ほんっと、私って我侭よね……、ほっといた所為だって言うのに。)
■ルキア > 「あっ、あぁっ…んっんぅぅっ、おねえさ、ま…おねえさま…あっぁ…お、しりのあな…ひろがって…ぁ、ひんっ」
泡で滑る肌は、すがりつく腕も滑り落ちさせていく。
滑り落ちては縋りつき、落ちてはすがりつく。
それはイニフィの肌を擦り。
突き出すようになった尻に、その孔にぬるりと細い指が滑り込む。
抵抗はほとんどなく、ぬるぬるとした指が出入りするのに徐々に孔を広げられる感覚に、だらしなく唇の端から唾液を零して甘い声をあげ。
「あっ…は…イニフィ、おねえさま…」
紅い瞳から蒼銀の瞳へと魔力が流し込まれ、とろりと水飴を足すかのように糸が繋がれる。
魔力に酔ったように、とろんとした瞳が微笑み彼女を呼ぶ。
胡蝶の夢の記憶が、再び娘を蝶にする。
魔力で補強された水飴のような糸は、ただひと時結ばれそしていずれまた切れるだろう。
■イニフィ > 魔力の扱いは繊細で、補強を続けないといずれまた切れてしまう。
出来ればこのまま、と思うものの――果たして。
以前、放っておいて壊れかけてしまった彼女を、もう一度繋ぎとめておくことは出来るだろうか。
出来ればそうしたいと願うものの、一度壊れてしまった魂は、時間をかけないと修復することは難しい。
「……久しぶりね?」
だけど、名前を呼微笑を浮かべる彼女の顔を見て、確信した。
確かに、彼女は自分のことを忘れてしまっている。
だけど、一緒に過ごした時間は、確実に彼女の中に蓄積されているのだ。
それが、なんだかとても嬉しくて――。
「…ごめんね?」
ただ一言、それを言うだけで精一杯だった。
淫魔である彼女が、涙を流すことは非常に稀である。
その涙が、ルキアの頬を伝った。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からイニフィさんが去りました。
■ルキア > 「お久しぶりです…長い夢をみていた気がします…」
胡蝶の夢。どちらが夢で、どちらが現か分からない。
『今』もまた、異なる現実に位置する。
それでも、今この時だけは彼女と過ごした日々を思い出し彼女に微笑みかける。
曖昧な記憶でしかなくとも、彼女に刻まれた快楽は躰の記憶として留まることだろう。
ぽたっと、頬に彼女の流した暖かな涙が雫となって落ちる。
そっと彼女の頬に手を添えて
「おねえさま、泣かないで…。ルキアはここにいますから」
細い糸の記憶を辿っても彼女の泣き顔は、記憶にない。
泣かないで欲しくて、慰めたくてぎゅっとその躰に抱きつく腕の力を強めて。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からルキアさんが去りました。