2016/11/29 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にルキアさんが現れました。
ルキア > 不夜城ハイブラゼール。
眠ることのないダイラスの歓楽街は店の明かりが煌々と灯され、行き交う人が絶えることはない。
店舗が折り重なるように乱立し、ひとつの城のようになったその街のとある娼館。
ただ一つ違うのは、ここが現実であれどひとつの現実とはまた違った現実であること。
もうひとつの現実の中に娘はいた。
とある男を待ち続けるために、その男と交わした条件のために。
今宵、この現実に登場する人物がどのような者なのか今はまだ分からない。

『はぁー昨夜のおやじったらしつこくてまだ疲れが残ってるわ』
『わかるぅ。年がいくと回数かせげないから、ねちっこくなんのよねぇ』

「はぁ…そういう、もの…ですか…」

すぱーっと紫煙を吐き出しながら、豊満な胸を強調したドレスに身を包んだ娼婦たちが歓談する中に娘もいた。
昨夜の男のアレのサイズがどうだった、だのプレイの内容など赤裸々な話に赤面しながらも、相槌を打つ。

『やだぁ、赤くなって。まだ慣れないの?』
『そぉいうところがいいって客もいるから、いいんじゃないのぉ?でも、いつまでもそんなんじゃ客に逃げられるわよ』
「はい…そう、なんですけど。でもやっぱり、恥ずかしいです」

気のいい娼婦たちにからかわれつつも、先輩からのアドバイス的な言葉もかけられつつ長い耳を困ったように下げて。
そんな歓談の中、店主がやってきてそろそろ開店するから解散するように言われる。
娼婦たちは、それぞれ返事をするとソファや椅子から立ち上がり客を迎える準備を整える。
娘もまた、返事をすると一つ密やかに吐息をこぼして座っていた椅子から立ち上がる。
身を包むのは、スレンダーな体型と足を魅せる為の深いスリットの入った身体にフィットするドレス。
店の前で呼び込みをするために、ファーのショールを肩にかけるとほかの娼婦たちとともに、店の外、入り口近くへと出て行く。

ルキア > 「…っ寒い」

暖かな娼館から外に一歩出れば、夜の冷たい風が吹いてふるりと体を震わせ。
娼婦たちはすぐにしなを作り、男に擦り寄っていく。
旅人風の者、商人風の者どの男も美しい女に擦り寄られて鼻の下を伸ばしっぱなしだ。
何人かは、すでに客として男を捕まえて娼館の中へと消えていく。
ぽつん、と突っ立っているのは娘だけだ。
声をかけなければ…
そう思うが、娼婦たちが簡単そうにやってのけるがこれがなかなかタイミングをつかむのが難しい。

独りは嫌だ…
独りは、寂しくて、寒くて…痛い…

見知らぬ男に抱かれる恐怖は潜在的に存在している。
それでも、肌を合わせれば暖かい。
それでも、快楽に溺れればひととき寂しさも痛さも少しだけ忘れられる。

「あの、今夜…一晩、いかがですか?」

通りがかったひとりの男にそう声をかけて

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にイニフィさんが現れました。
イニフィ > 眠らない街と銘打たれている街、ハイブラゼール。
いくつもの娼婦の館や、いかがわしい店が立ち並び、ネオンの明かりが耐えない。
夜だというのに、まるで昼のように明るい町並みを、イニフィはのんびりと歩いていた。

「うん、ここからは一人で大丈夫よ。」

今ではすっかり、貴族としての暮らしも慣れてきた。
もうかなり長い間、旅行をしていないとあればさすがにどこかへ出歩きたくなるというもの。
無理を言ってこの眠らない街に出かけさせてもらったけれども、随分とそとは冷えていた。
風邪を引かないようにと手渡されたコート、暖かくて実はかなりお気に入り。
まあ、さすがというところかなと上機嫌で街を歩いていると、呼び子が何人も並んでいる通りに出てきた。

(あー、このあたりは娼館の並びね…。
昔だったらちょっと覗いたけれど…。)

最近は、食事も滞り気味。
というのも、貴族の中で奴隷を拝借することが多く、お気に入りも何人かいるという現状だった。
まあ、そんなこんなで食事にも困っていないのだが、興味を引かれたのかふらり、とこの並びに足を運んだというところだ。

(ん~……、やっぱ眼福ねえ。)

久しぶりに、性器の宿っている顔を眺めながら、上機嫌で歩いていく。
そんな彼女が、ルキアの目の前を通り――――そして、振り返った。

(………えっ!?)

ルキア > 客がすぐに捕まるかどうかは、その日の男の質による。
男の好みにもよるといったほうがいいか。
肉感的な躰を好む者であれば、肉付きの薄い躰では選択肢に入らない。
それでも、人外の容姿、美しさというのは人目を引くため一晩中客が取れないということは今のところないが。
遠慮がちな呼び込みが悪いのだと分かっている。
もっとほかの娼婦のように積極的に、魅力的に男を魅了しなければいけないと。
これでも、マシになったほうだ。
最初の頃は声すらまともにかけられなかった。

「そうですか…。また、よろしければいらしてくださいね」

声をかけた男は残念ながら、時間がないという。
残念そうなそぶりをみせてから、笑みを浮かべて次の機会に繋げるための言葉を紡ぐ。
まだ大分ぎこちないが、先輩娼婦の仕草を見て学んだ技の一つだ。
声をかけた男の方も、後ろ髪を引かれながら去っていく。
ふぅ、と小さく吐息をこぼす。
ほかの男に声をかけなければと、再度視線をめぐらせた視界の中どこかで見覚えのあるような気のする女性が視界に入った。
夢の中であったような、そんなおぼろげな記憶。
おぼろげというのは、語弊がある。それが現実だったのか夢だったのか今では分からない。
気になるが、不躾に見るのはいかがなものかと思いすぐに視線は女性から外れる。
声をかけられなければ、そのまままた違う男へと声を掛けようとするだろう。

イニフィ > (あれって…あの子、よね?)

視線が外れても、イニフィは彼女をしっかり、じっくりと見ていた。
以前、かなり以前の話に成るが、彼女と一緒にいたことがあった。
今ではすっかりと、夢の中の出来事だったと認識されているだろうが、彼女の体の味は、イニフィはいまだによく覚えていた。
しかし、イニフィは彼女を手放した。
あの時は、かりそめの自我が崩壊を起こしかけて、手放さなくてはいけない状況に陥ってしまったから。
それを、後になって後悔していた。
イニフィが生きている中で、何度もした後悔だ。

だから、どうしても彼女とはもう一度、話がしたかったのだ。

「……ねえ、貴女?」

イニフィは、ルキアに近寄り声をかけた。
うっすらを笑みを浮かべ、今まで何度もかけてきた声をかけるが、無駄なことは解っている。
だけど、久しぶりの彼女の顔に、どうしても嬉しくなってしまうのだ。
例え、これがイニフィの『現実』でなくても。

「貴女…娼婦よね?
もっと積極的に、男を誘わないとお客なんて取れないんじゃないの?」

ここで娼婦をしている理由は、定かではない。
ただ、此処にルキアがいるということ事態、イニフィにとって最重要だった。
以前のような、怪しげな笑みと『甘い香り』を漂わせながら、ルキアに近づいていく。

ルキア > 「はい?」

その女性の事がなぜか気になっていた。
自分の勘違いでじろじろ見るのは失礼になると、声をかける男を捜す視界の端に彼女をちらちらと移して。
そんな彼女から声をかけられ、上ずった声が出てしまった。
上質な生地のコートに身を包んだ女性。
記憶が揺さぶられる。
もっとラフな格好をしていたように感じるのは気のせいだろうか。

「あ、はい…。こちらの娼館で働いています。
 …あはは…そう、ですよね。これでも、積極的にできるようになったほうなのですが。」

フリーの娼婦ではなく、娼館に属していることを店を指差して示して。
問いかけには苦笑が浮かぶ。
相手が女性ということで、少し緊張が解ける。
…というよりも、やはりどこか懐かしさすら感じるのは何故だろう。
ふわりと紅茶のような甘い香りが鼻腔を擽れば、気温の低さから感じる寒さとは別に、躰の奥のほうがじわりと熱を帯び始める。

イニフィ > 「………そう。」

くす、とイニフィは笑った。
あの後、どこに言ったのか何も分からなかったし、何より自分が放っておいてしまったから。
彼女から貰った能力を全て返して、そして自我も元通りに。
だけど、あの日のことは決して忘れることはなかった。
だから――――、願っていたのかもしれない。

「積極的に出来るように、ね?
じゃあさ、私を誘って見てくれるかしら?
これでも、私は女のこの方が好きだからね、上手に誘ってくれたら…んふふ。」

イニフィは、怪しく笑った。
懐かしさすら感じているなんて、そんなことは気づいてすらいない。
何しろ、自分のことは綺麗さっぱりと忘れてしまっていると、そう思っているから。
だからこそ、本当はもう一度彼女が欲しい、なんて思っているけれども。

「たーっぷり、チップをサービスしてあげちゃうんだけどなぁ?」

なんて、紅茶のような甘い香りを漂わせながら、上目遣いになるように課が見込み。
その赤い瞳で、ルキアを誘う――。

ルキア > よく笑う女性。
目の前の彼女の印象。それも第一印象ではなく、その笑顔を知っている気がする。
くすっと笑う目の前の彼女を、少しのあいだじっと見つめてしまった。

「――え…。えっと…うーんと…」

妖しい笑みを浮かべる女性、自分を誘ってみろと唐突に言われてすぐに言葉が出てこない。
積極的に、積極的に、と難しい顔で暫し考え込んでしまう。

「…一夜の甘い時間を、私と過ごしませんか?」

屈み込み、上目遣いに見られるのにどぎまぎしながら少し首をかしげてそう言葉を紡ぐ。
本来なら、もっと甘ったるく強請るように先輩娼婦が男に言っていた台詞だが、ぎこちない。
我ながらぎこちない、と言ったあとに耳を下げてしゅんと落ち込み。
けれど、漂う甘い香りが、見つめる紅い瞳がきゅぅっと躰の奥を切なくさせる。
それによって、表情だけはどこか艶めき発情したように頬を赤らめているか。

イニフィ > (……あら?)

どこか違和感のある瞳だった、どんな違和感かと問われると、そう。
まるで、なにかの言葉を喉に詰まらせているような、そんな瞳だった。
覗き込んでいた赤い瞳が、少しだけ疑問を投げかける。首を傾げる。
違和感の正体に気づけないまま、イニフィは少しだけ顔を離した。

「う~ん…ダメね、ぜんぜんダメ。
それ、多分その辺の娼婦が言ったのを真似ただけでしょ?」

そんなんじゃ、イニフィは靡かれはしない。
そんなオリジナリティのない言葉では、男は引っ掛けれてもイニフィは引っ掛けることは出来ない。
気に入っているからこそ、かつて一緒にいたからこそ。
もう一声を、イニフィは望んでいる。

「ねえ、ルキ……じゃなくて、貴女。
もっとこう、自分がどうされたいのかとか、その辺を絡めて、もっと甘い声で言ってみて?」

艶めいて、発情しかかっているような表情だからこそ。
その先を求めてしまうあたり、イニフィは自分自身の未練と言うものを感じていた。
そして、未練がましく彼女に近づいてしまった、自分自身も。

(……ルキアちゃん、頑張って。)

ルキア > 「う…。ダメ、ですか…。まあ、そうなんですけど。お姐さんはもっと色っぽいです。」

他人の言葉を真似ただけ、と見抜かれてしまったのにバツが悪そうに視線を少しだけ彷徨わせて、苦笑い。
本当はもっと色っぽくないとだめだと、真似きれていないことも白状してしまう。
その間も甘い香りは、娘の全身に絡まりじわじわと皮膚から鼻腔から侵食していく。
じくじくと子宮が熱い。
心拍も早くなり、呼吸も浅く早くなっていく。
下着には、少し濡れた感触がある。

この感覚を知っている――気がする。
どうされたい?と問う声も

「はぁ…ぁ…体が、熱くて…きもちいいこと、したいです…。あったかい肌に触れて、抱きしめてほしいです…」

一瞬強烈な感覚がフラッシュバックする。
瞳を潤ませ、呼吸を乱しながらドレスの上から子宮近くを手で押さえ欲望を口にする。
それと同時に、人肌のぬくもりを求める。

イニフィ > 「ノンノン、色っぽいとかそういうのはいいのよ。
男って言うのはね、支配欲の固まり、欲望に忠実なの。
だから、それをちょっと刺激してやればいいのよ、オーケー?」

指を左右に振りながら、色気などは置いておくことを教え込む。
人真似で客を引き入れられても、それはただ単に御姐さんの劣化コピーでしかない。
スタイルを考えても、勝てるものではないのだから。
だからこそ、ルキア自身はどういったもので勝負するのか、である。

だが――その感覚を、覚えているのか。
それとも、刻み付けた快楽の傷跡が、疼いているだけなのだろうか。
イニフィは少しだけ、望みがるのかなと思ってしまった。

「うん……其れでいいのよ、ルキアちゃん。」

思わず、名前を呼んでしまった。
聞かれてもいないのに、名前を言い当ててしまったのは本当に無意識だった。
抱きしめて欲しいと、子宮を手で押さえながら願うルキアを、真正面から抱きしめる。
後ろの肉、尻肉を両手で揉みしだきながら、首筋に舌を這わせる。
たっぷりと、甘い香りを吸い込ませながら、ドレスの上から割れ目を開いて――。

ルキア > 「支配欲…。うーん、それを刺激するのが難しいところです…。」

普通のお店で呼子をするのとはわけが違う。
ほかの娼婦は、自分のどこに魅力があるのかどれだけの技をもっているのか、自分でよく知っているだけにアピールするのも上手い。
魅せ方が上手いともいえる。
自分にどういう魅力があるのか、と問われれば考え込んでしまう。
潜在的な男性への恐怖も、消極的になる原因だろうけれど。

「ん――ぁっ…んっんっ…」

とりあえず合格をもらえたようだ。
名乗っていないのに、呼ばれた名前に不思議と違和感を感じずにそのまま受け入れて。
ふわりと、近づくことで濃くなる甘い香りとともに躰を抱きしめられる。

温かい…。

触れ合う人肌のぬくもりに小さく吐息をこぼすが、そのぬくもりに浸る間もなく躰の奥で燻る熱を煽られる。
尻肉を揉みしだかれ、首筋に濡れた感覚が這うのにぞくぞくとした感覚が背筋を駆け上る。
全身に染み込む甘い香りに、つつ…とショーツの隙間から大腿に蜜が伝い。
くちっくちっと揉みしだく動き、割れ目を開く動きに微かな水音をたて。
上せたように頭がぼうっとなるのに、感覚はどんどん鋭敏になり吐息のような甘い声をとぎれとぎれに零して。