2016/11/19 のログ
■セイバー > 時間が経てば経つ程に身体が軋んでいく……気がする。
現状の体積とレベルを考えればそんな筈はなく、万が一そうであっても表層を剥離させ、剥離したモノを取り込んで溶かせば問題は無い。
………要は気持ちの問題だった。
――さて、同じ場所でじっとしていても出会い、という物は中々遭遇できないものである。
あの晩のように運よく共鳴でも感じられれば別、そんな幸運は早々無いと、またゆっくりとずりずりと地面を這って、軒下から軒下へ、為るべく人気がありそうで無さそうな人間観察が出来そうな場所を探して這い進む。
(――表面上だけでも人になれるように考えておくべき?)
と、再び心の中に去来するネガティブな思考。
所詮は武具であり、人に使われてこそ真価が発揮される存在。
なので、誰かに触れて求められ振るわれなければ、それこそ死んでいる事と大差がないのだ。
しかし、それも矢張り縁が巡り巡らなければならず、今できるのはこうやって色々な土地を巡り、色々な人と出会うだけのチャンスを作ることだけ。
ゆら、ゆら、と身体の中央に浮かばせたビー玉サイズのコアを右に左にと移動させ、辺りにそれだけの実力者がいないか眺めている。
■セイバー > 今宵は一先ずチャンスは転がってこないようだ。
そう判断した水飴の塊りみたいな魔法生物は次なる都市を目指して這い進む。
己の存在が魔剣となるか聖剣となるか、それとも別の何かになるか、少しだけ不安を感じながらも、そう生まれた生物はそうするしかなくて……
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からセイバーさんが去りました。