2016/10/11 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」にリンジーさんが現れました。
■リンジー > 用事を済ませ、すぐに船に乗れば良かったのだろうが、なんだかんだと酒を飲めば
いい心地になり、こうして―――賭博にまで手を出してしまった。
と言ってもそこは大人だ。賭け事に没頭しているわけではなく、雰囲気を楽しむ範囲。
使う金額も無理の無い額だが、どうせこんな場所にいるなら一晩くらい豪勢に飲める
勝利の苞でもと考えるのは万人の性ではなかろうか。
「―――あぁ、でも無理はいけないわね。一旦休憩。」
人々の熱気にあてられた頬を冷ますためにベランダへと出た女の足取りは、
一度ゆらりとぐらついたもののしっかりとしている。
雲は殆ど見えない夜空を見上げて息をついた。
――――たまには王都以外で過ごすのもいいものだ。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」にルヴィエラさんが現れました。
■ルヴィエラ > (喧騒に包まれた賭博場では、其処彼処で勝利を手にした者と
或いは敗北を喫した者との明暗が分かたれている
一度大きな歓声が響いたのは、当にギャンブル、と言えるだろう大きな賭けが行われた証
その結果が、勝利か、敗北かまでは――見届ける事無く、のんびりと人気を離れ行く
近くに注がれた葡萄酒のグラスを手にしては、軽く煽りながら
ただ当て所無く彷徨う其の末に、ベランダへと、避難染みて辿り着くのは
きっと、先客が夜風を浴び始めてから、僅か後に)
―――……さて…栄光を掴むか、転落を歩むか、どちらだろうねぇ…?
(殆ど独り言の様に呟きながら、ベランダを吹き抜ける風に双眸を細める
唯一といって過言ではない程に、熱気から逃れる事が出来る場所
其の僅かな広間を歩めば、其の視線の先、夜空を見上げる女を一人、目に留めた
――この辺りでは、余り見かけぬ顔。 遊興の客だろうかと推し量りながら
其の傍へと、静かに歩み寄って行けば――掛ける、声音ひとつ)
―――……月から金貨でも降って来るのを、待っているのかな?
■リンジー > ゆったりと振り返った顔は目をしばたたかせ、まるで子供のようにきょとんとした後
歳相応の―――、一癖ありそうな微笑みを浮かべる。
身なりや声は男性だろうが、顔立ちは女性にも見紛えるものだ。
世界には狭間の性別を持つ者もいると知っている。
―――どちらと決めてかかるのは失礼にあたるかもしれないと、辺り障り無く。
「…ふふ、残念ながら今夜は降る様子は見られません。
ですから、そろそろ私が地上に降りる時間みたいです。
なんだか此処は熱っぽくて、浮かれてしまった一夜でしたけれど。」
すっからかんとまではいかずとも、遊びに使える金額は使い果たした。
此処を出れば仕事のこと、明日のこと、日常に戻るのだと思えば少し物憂げ。
夜風のお陰で頬は大分冷めてきたが、もう暫くはこうしていたい。
もう賭博に興じるつもりは無くとも未だその場から動かなかった。
夜風が耳裏まで通り抜けて、髪が翻った。
■ルヴィエラ > (振り返る其の姿、此方へと向けられた其の瞳は柔和で在り
酷く穏やかな印象を感じさせる――けれど、一見歳若くも見える其の姿とは裏腹
其の身に纏う雰囲気や落ち着きは、若い生娘達では醸し出せぬと思う程。
決して悪い意味ではない、自然と己からも微笑返しては、互いに向き合う形で佇み
其の言葉へと耳を傾ければ、其の合間に又、くい、と葡萄酒のグラスを傾けて煽り)
―――……興じている間に過ぎる時は、存外早い物だからね。
ふふ、まぁ、貴女の場合は、随分と良い愉しみ方をした様だ。
ただ…まだ、明日を憂うには、少しばかり早い様な気もするが。
(女の身の上なぞ知る由も無い。 この場を離れ、日常へと戻った暁に
何が待ち受けているのかを想像するのも、流石に難しい事だ
けれど、己にしてみれば…まだ、憂うよりも寧ろ、愉しむべき時間だろうと
軽く笑みながら諭す様に伝えては――ふと、賭博場内へと向けて、振って見せる掌
葡萄酒のグラスを運ぶ給仕から、グラスをもう一つ受け取ったなら
女へと、如何?だなんて、勧めて見せようとする、か)。
■リンジー > 「――――…貴方は人間…ですか?」
不意に探るような質問になってしまったが、浮かべる表情は怪訝ではなく、覗く好奇心。
浮世離れした物言いに生臭い人間とは違う匂いを感じたせいだった。
人間なら誰しも、例え貴族王族であっても生活の匂いというものが伴いやすいが、
彼(彼女という可能性も捨てきってはいないが)にはそれが無い。
「憂うというよりは…寂しい、と表現するべきでしょうか。
溺れているつもりはないんですけど、とっても昂揚しました。
これが消えてしまうんだと思ったら、少し。
働くことは嫌いではないのに、不思議ですね。」
己でも理解しきれていない複雑な感情を吐露しつつ、断るどころか躊躇い見せずに
グラスを受け取れば、やや掲げて、早速一口飲もう。
今夜は浮かれていたから紅が濃かったようだ。
グラスに薄く刻まれた口唇の痕を、きゅっと指で消して。
■ルヴィエラ > ……ふふ、さて、如何だろうね?
(僅かに傾げて見せる首と共に、口端は軽く吊り上り
人間なのか違うのか、はっきりとは答えぬ曖昧さで見詰め返しては
グラスを受け取り、一口を煽る女の其の頬へと、穏やかに指先を伸ばす
揺らぐ風に泳ぐ其の髪糸を、自らの指先で柔く梳き、其の肩へと流そうとして)
……日常から離れ、普段味わう事の出来ない高揚を堪能すれば
例え普段に不満が無くても、其の冒険を惜しむのは無理も無い。
……なら、もう少し羽目を外して、非日常を最後まで愉しむのも
明日に悔いを残さない為に、必要なのかも知れない――なんて、ねぇ?
(惜しまれるならば、それはきっと、まだ愉しんで居たいと言う
女自身の素直な気持ちなのではないか、と――己が持つグラスを、合わせる様に女へと軽く掲げ
其れから、そっと、其の瞳を覗き込む様にして、自らの顔を寄せたなら
――其の目元を、指先で柔く、擽ろうとする、か)。
■リンジー > 真実のほどはわからない。これはただの勘だ。
―――が、恐らく彼は人間ではないのだろう。
そんなことをぼんやり考える最中、髪に指先が触れるとぴくりと肩を震わせて
反応するが、それ以上大袈裟なことは無い。
彼が向けるものは敵意ではないのだから。
「それって、まだもう少し博打に賭けてみろって仰っているのですか?
それとも…―――――貴方のような方を存じています。
悪魔。」
人間を二枚の舌で唆すのはいつだって悪魔の役目だ。
擽られて睫毛揺れる目許が細められ、確信にも似た色が距離の縮まった彼を見る。
――――正直なところ、正体には頓着しない。
実は真逆の天使だったとしても、外れた、以外の感想は持ち合わせないだろう。
グラスが傾いて、明かり乏しく見た目にはほぼ真っ黒の葡萄酒が揺れる。
それも一瞬。葡萄酒はそのまま飲み口から溢れ出て、床に滴るか、
距離次第では相手の白いシャツを染めるか、それとも彼がそれらを阻むか。
全ては相手の反応次第だ。
―――――何故ならこれはうっかりではない。女の悪戯心だから。