2016/06/26 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」にアリアさんが現れました。
アリア > 宿の確保を終え、今日は日が暮れるまでこの都市を歩き回った。
もちろん、初めての場所なのだから道とか、どういったものがあるとか、色々と聞いたりもした。
そこで一番興味が湧いたは、当然のようにカジノだった。
お楽しみはどんなものでも最後にとっておく主義。
なので、日も落ちて夕食を取った後、すぐにカジノへと向かった。

所持金が危うく尽き掛けそうなところだったから、ちょうどいい。
残り少ない資金を元手に、さっそく挑んだ。
その結果がどうなったかというと…

現在座っているのはポーカーの席の一つ、手にした5枚のカードと睨めっこをしていた。
対する席に座っているのは、なんとも表現をあんまりしたくもない、いかにもな金持ちっぽい坊ちゃんだ。
どうやら手持ちに良いカードがきたのか、勢い込んで大金を上積みしていた。
手元を見る、散々遊んだからか似たような大金はあった。
もっとも、相手にとってそれは全財産ではないだろうが、こちらにとっては全財産だ。
難しそうな表情をしてカードを見ていたが、意を決したように、言葉を紡ぐ。

「うちもギャンブラー、ここまで来て引き下ったりしたら名折れ…
のったろうやないか、コールや!」

アリア > 坊ちゃんの嫌みったらしい笑み、なんか見ていてムカツク。
これで負ければこちらは全財産を失う、きっとその後に色々と条件やら出して…なんて、定番のパターンでもしようって腹だろう。
念を押すように、今なら降りても許してやる、みたいな台詞まで吐く始末。
相手からみれば、もう頭に血が上っているように自分が見えるんだろうな、と思う。
…馬鹿な坊ちゃんや。心の中で毒付いた。
そして、カードの提示。
相手が手にしていたカードは、ストレートフラッシュ。
確かに自信満々でいた理由にはなる程に強い手札だ。
こちらのカードを見せる前に、ちらりともう一度だけ自分の手札を見る。
そんな動作を見せて、相手の有利な状況を演出し…

「…自分、勝ったと思たやろ?残念でしたっ!」

不意に顔をあげ、にまーっと逆に笑顔で返してやった。
ゆっくりとカードを並べていけば…ロイヤルストレートフラッシュ、ポーカー最強の手札だった。

それを見た途端、愕然とする坊ちゃん。
自分はというと、にやにや笑いながらテーブルの大金を掻き集めるのだった。

アリア > 「これで終いや、お家に帰りや、お坊ちゃん?」

シッシッ、と犬を払うように手を振ってみせる。
呆然としているも、みるみる顔を真っ赤にしていく坊ちゃん。
ふざけるな、インチキだ、そんな台詞まで飛び出し始める。
こちらとしては、そんな言葉をまともに聞く気はない。
掻き集めた大金を袋に仕舞いこみ、満面の笑みを浮かべていた。
無視されれば更にヒートアップする坊ちゃんは、事もあろうにこちらへと向かって駆け寄ってきた。
なんとも、打って変わった怒りの形相は、見ていて笑える。
きっと、このまま放置したままにしたら一発ぶん殴るくらいはしてくるかもしれない。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」にアシュレイさんが現れました。
アシュレイ > 女性の元へ駆け寄る坊ちゃんは、いきなり割って入った赤いドレスの娘と、娘の護衛である屈強な男に止められる。
ガチムチの護衛に両腕を掴まれ、それでも何か喚いているぼっちゃんであったが、娘が耳元で何か囁くと目に涙を浮かべ、肩を落として去っていく。
カジノから出ていくまでガチムチの護衛に付き添われながら。

「大変でしたわね、お怪我はございませんかしら?」
坊ちゃんの姿が小さくなるのを待ってから、ワンピース姿の女性の元へと近づき声をかける。

「それにしても、貴女随分とお強いのね。 横で見ていて感心いたしました。」

アリア > 坊ちゃんに素直に殴られる程、自分は落魄れてはいない。
殴り掛かって来るなら来てみろ、殴り返してやる。
そんな心持でいたのだが…それは割って入ってきた連中に阻まれた。
なんだかドレスで着飾ったお嬢ちゃんと、その護衛みたいな感じを受ける。
見た感じは坊ちゃんと似たり寄ったりって感じだが、どうやら自分を助けてくれたようだ。
あのやり取りを見た感じ、あの坊ちゃんよりも立場が上か、このカジノの人間か、だろうか?
そんな事を考えていたら、そのお嬢ちゃんが声を掛けてきた。

「ま、助けてくれたってんならありがとさん。
どっちかってと、助けられたのはあの坊ちゃんかもしれへんけどな?」

言葉から、思った通り助けに入ったのだと分かれば、礼くらいは言ってやる。
隠す事なく本音もしっかり言っておくが。
実際に殴りあったなら、坊ちゃん程度なら打ちのめせただろう。

「当然や、うちはギャンブラーやからな。
あんな娯楽気分のボンボンなんかに負けへんで?」

自慢げに言いのけ、とんっと自分の胸を叩く。

アシュレイ > 女性の腕っぷしはともかく、こんな所で騒ぎを起こされては困る。
娘が止めた理由はそんな所。
割と自分勝手な理由であった。

「礼には及びませんわ。 私は私のやりたいことをしているだけですの。」
ワンピースの女性に笑みを向ける。 視線から己も先程のぼっちゃんの同類と思われているだろうとは気づくが、
事実その通りなので何とも思わない。

「なるほど、プロの方ですのね。 なら、私とも一勝負お付き合い頂けないかしら。
そうね、勝負内容は貴女が決めてかまいませんわ。」
自慢げな様子に、小さく拍手を叩いて見せる。
余程腕に自信がありそうな相手。 
どうしても勝負がしてみたくなった。

アリア > 「あっそ、ほならええんやけど。
自分も物好きやな?争いごとにいちいち首突っ込むなんて、うちなら遠慮願うところやわ」

お嬢ちゃんとは違い、こっちは呆れたような表情を浮かべる。
理由はどうあれ、面倒事に関わるなんて変わってるものだと。
なので、思った事をそのまま言う。
別に相手がどう思ったって、気の利いた嘘を付くのは趣味じゃない。

「は?うちと勝負?自分、あんま強そうに見えへんのやけど…ビギナーズラックでも頼ろう言うん?
それはそれで楽しそうや、だけどタダで勝負しようなんて言わへんやろな?
うちの手持ちの半分くらいは賭けて貰いたいところや」

どう見ても同職には見えない相手だ、腕が必要なギャンブルなんてこちらが有利な真似はプライドが許さない。
運の強く左右するギャンブルを、そして、後はしっかりと賭ける物は賭ける事を言っておく。
何はともあれ、どんな相手だろうとギャンブルの上では関係ないのだ。

アシュレイ > 「さきほどの方のお父様とはお友達ですの。 ですから私から声をかければあの方は簡単に収まりますわ。
それに私、今日はまだ一度も遊んでおりませんの。 それなのに騒ぎが起きて中止なんてそちらの方が問題ですわ。」
呆れた表情の女性に対し、娘の方は楽しそうだ。
仕事の合間を縫ってのギャンブル。 多いに遊ばないと損だと言わんばかりに。

「それはそうでしょう。 私、全くの素人ですわ。 
別に貴女に勝とうとかは思ってませんわ。 私にとって今日は遊びなんですもの。
半分でよろしいのですか? 私なら、貴女の手持ちと同額はすぐにでもご用意できますわ。 その方が貴女も盛り上がるのではなくて?」
口の端を伸ばし、ニヤニヤと女性を見つめる。
これだけ言えば、全額勝負に乗るだろうと。

アリア > 「なんや、知り合いやったんか?ならしゃーないわな。
ふーん…確かに遊べないままで、ほなさいなら、ってなるのはご免やね」

今の発言で考えを少し改めた。
こんな場所に遊びに来る坊ちゃん嬢ちゃんにも、少しはマシなのも居るのだと。
結局は金持ちの道楽という事自体は何も変わってないが。

「なんか気に入らんな、それ。
負ける気満々で大金を溝に平気で捨てるってのがほんま気に入らんわ。
ええよ、自分の勝負受けたろうやないか。
いざ自分負けたら文句言うような真似しくさるやないで?」

別に怒っている訳でもないが、気に入らないものは気に入らない。
全額勝負を受ければ、その手元に2個の6面サイコロをいつのまにか取り出していた。

「勝負はこれや。テーブルの上に、真上からこのサイコロを落とすだけでええ。
出目が奇数か偶数か当てるんや。もしどちらも当てたり外したりして半々になったら、最後は大小で勝負。
これで決着付くやろ、この条件、受けるな?
受けたらもう誤魔化しは利かへんで、注意しーや?」

そこまで伝え、お嬢ちゃんの答えを待つ。
正々堂々の勝負のみ、反故は出来ない運命を決めるギャンブルだ。

アシュレイ > 「全くですわ。 折角遊びに来たのにこんなつまらないことで追い返されるなんてお断りです。」
要は気が済むまで遊んで帰りたい。
根っこの部分では先程の坊ちゃんとそれほど変わらない。

「随分と気が短いギャンブラーさんですのね。
ありがとうございます、私の勝負受けて下さって。
貴女こそ今日の儲けが無くなっても怒らないで下さいね?」
相手が勝負を受けてくれたので、目を輝かせる。

サイコロが現れるとそれを瞬きもせずに見ている。 
サイコロ事態に何かあるのだろうかと興味津々。

「えっと、サイコロを受け取って落とせば宜しいのですね?
よく分かりませんが、楽しそうですわね。 お受けいたしますわ。」
やる気はあるが、知識も経験もない娘。
眼をパチクリさせながらサイコロを一つ受け取ろうと。