2016/04/25 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にイアさんが現れました。
■イア > ハイブラゼールの一角にある酒場。首輪に鎖を繋がれた少年奴隷の姿があった。
王都でいつまでも買い手が付かぬ為、はるばるダイラスまで奴隷商人に連れられて来たのである。
当の商人は、セールストークに忙しく、あちらこちらで顔馴染みらしい相手へと奴隷の売り込みをしていて、少年は放置されている。
とはいえ、鎖がテーブルに繋がれていて、そうそう自由に出歩くこともできない。
「……ったく、俺みたいな面倒なのを、誰が好き好んで買うんだよ。一夜のお遊びならまだしも」
そう興味なさげに呟いて、少年はぐるりと周囲を見回す。
カードゲームに興じる者や、酒に溺れる者、様々な人がそこにはいて。
■イア > 酔っぱらいが寄ってきて、鎖に繋がれた少年の髪をぐしゃりと掴んで顔を上げさせる。
にやけた顔で、下卑た言葉を投げかけるが、少年は眉間に皺を刻んで視線を逸らす。
生意気な態度に、あっさりと頭に血を登らせた酔っ払いは、どすっ、と鈍い音を響かせ、少年の腹部を殴る。
苦痛に呻く声が零れ、髪を掴む手によって辛うじて立っているような状態となる。
「ぐっ……くっそ」
反射で浮かんだ涙を目尻に滲ませ、酔っぱらいを睨みつけると、放り捨てるように床に叩きつけられた。
板張りの床に寝そべる形となると、ついでのように軽く頭を蹴りつけて酔っぱらいは立ち去っていく。
どこにいっても、ろくでもない。
少年はそう思いながらゆっくりと身体を起こす。
■イア > よろりと片手で腹を押さえながら、立ち上がる。
と、折り悪くと言うべきか、商人が肉襦袢を着込んだような女性を連れてやってきた。
話半分に聞いていれば、どうやら購入を検討するとかで、試しに一夜過ごすこととなって。
少年は鎖を引かれて、嫌そうな表情を隠しもせずに連れられて。
酒場を後に、何処かへと……。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からイアさんが去りました。