2016/04/08 のログ
■ロザリア > 「うむ、わからないことをわからないままにしておくのは良くない」
聞きに行くその背中を眺めて満足げに頷く
疑問を放置しないのは魔術師あがり故だろうか、
そしてお付きの者がいるのであれば小間使いをさせるのは当然であった
クラウンが聞きに行っている間も、ひらひらとした下着を手にとってはウーンと小首をかしげている
■クラウン > 「……はぁ~~~~~……」
物陰に隠れ、すごい勢いでため息を吐いた。
しかし、このまま隠れているわけにもいくまい…意を決して立ち上がり、近くの店員に用途を聞いた。
『何言ってんだこいつ』という目で見られて、多少…いやかなり自尊心が傷付いたが、今この場においてはさほど重要ではない。
「………!」
その用途を(一応知っているが改めて)聞いて、妙案が浮かんだ。
『勝負下着』なのだから、『勝負の時に願掛けて履く下着』だと言えば、一応丸くは収まるだろう。この場は、だが。
……しかし、仮に……仮に主人がこの発言を真に受けたとして、恥をかくのは主人である。自分ではない。
従者として、そういうわけにはいかなかった。
「……ロザリア様。誠に申し上げにくいのですが、その……」
■ロザリア > 「む、聞いてまいったか?」
手元の下着と棚に戻しつつ、
少しばかりわくわくした視線をクラウンへと向ける
衣服の用途がきになるというよりは、
知らない情報のピースが嵌ることに期待を寄せているのだろう
■クラウン > 「……改めて、非常に言いづらいのですが。
情事の際に、女性が男性を昂らせるために身に付ける下着であるそうです。
この一体は、聞いた話によれば歓楽街……娼館や奴隷市などもあるらしく、そのようなものが売っていても不思議ではないかと。」
はぁ、と額に手を当てて首を振る。
言ってしまった。これで言い逃れは出来ないだろう。
……これで主人が顔を赤らめて退散してくれるようなタマなら、むしろ楽なのだが。
■ロザリア > 「ほう…そういう用途で着る…という文化もあったのだな。
思えば吾はそのようなものを知る齢になる前に人の世から去ってしまったものな…」
ふむふむ、と納得したように頷いて
ぴらり、と扇情的な下着を手にとって広げてみせる
「吾がこのようなものをつけたら…お前は高ぶるのだろうかな…?」
くすりと浮かべる笑みは実に意地が悪く、可愛げがあるもので
一目でからかっているとわかるのだった
■クラウン > 「………普通であれば知らなくて良い知識かと思われますが。
ええ、本当に。」
納得した様子に、また溜息をつく。
怒ったり狼狽したりした様子がない、ということは。
「……っ。だから伝えるのは嫌だったのです。
絶対にそうやって茶化してくるだろうと思いましたからね、ええ。」
顔に手を当て、やれやれと首を振る。
しかし、その顔は我ながら妙に熱い。
「……多少は。」
■ロザリア > 従者のこの少年はそう言うが、知らなくてよい知識などこの世にはない。
というのが魔術師脳である少女の見解である
よって少年の言葉はビタイチ掠らなかった
「……そうか多少は、か……。
では一つ購入して今度お前と遊ぶ時にでも試着してみようか」
にんまりと笑って、
手元に貴金属魔術でプラチナの粒を作り出す
十分に通貨代わりに通用するするそれと大分アレな下着を手に、鼻を鳴らして店員の元へと向かうのだった
■クラウン > 「……ここまで盛大な魔術の無駄遣いは初めて見ましたね。
跡継ぎに口伝しますよ?いかがわしい下着を購入するためだけに白金を生み出したって。」
無論そんなことをする予定はないのだが、ちょっと言い返したくなったのであった。
そして、店員の元へ向かうその背中を見送る。
「……まぁ、この店の実態を知った時点で多少なりとも覚悟してた流れではありますけど……はぁ。」
フードをぐいっと下げ、少しうつむきながら主人の元へ歩いて行く。
■ロザリア > 「ふふん。吾が不滅である以上跡継ぎなどはおらぬ。
キルフリートの分家の者共は知らぬがな」
なんだか得意気にそう言い返し、お会計
見た目に幼くは見られたであろうものの、
その手から出されたプラチナを見れば店員の態度は一変
丁寧に包装をしてロザリアに手渡してくれた
釣りなどいらぬといった面持ちで振り返り、クラウンへと向き直る
「フフフ、買ってしまったぞ。
お前の戸惑い昂ぶる様子を想像すると愉しいではないか?」
下げられたフードをぐいっと持ち上げてそのお顔を拝見
■クラウン > 「……ええ、そうですね。」
『不滅であるかぎり』。その言葉に、少しばかり胸が痛む。
顔には出さないが、そんな感傷に浸るほどの心は持ち合わせているのは、幸か不幸か。
「あ、ちょっ……」
不意に、ぐいっとフードを引き上げられる。
そのフードの下の顔は、あいも変わらず仏頂面だが……少しだけ朱が差していた。
「………っ、会計が済んだなら早く出ましょうか。」
■ロザリア > 「…ふふ、そうであるな!」
可愛らしい顔をしおって、と内心思うが口には出さずに
その表情に満足気そうにしてm手を引くようにしてクラウンと共に店を出る
店を出れば辺りの賑わいは僅かになりを潜めている
大勢で客引きをしていた娘達もそこまで見当たらない
見れば空がほんの僅かに白みはじめていた
「…少し時間を潰しすぎてしまったな。
あちらの店に行ってみるのはまた次の機会とするか」
何の店かは知らないが
中途半端に店に入っても満足に楽しめないかもしれない
それはそれでつまらないものである
■クラウン > 「………。まったく。」
満足気な顔に、仏頂面のままやれやれと首を振り、フードをかぶり直す。
外の様子に少し安堵したように息を吐けば、そのままその後ろについて店を出ていった。
「……ええ、そうしましょうか。
……次って…また来るつもりなんですか?」
ああ、次回は誤魔化しが効かない以上、どうしようかな……と、一人で心のなかで頭を抱えるのだった。
■ロザリア > クラウンの言葉に当然である、といったような笑みで応え、
白いできた闇を掴みヴェールのように、自分と従者を覆い隠す
見ている者がいたかどうか、
気にする様子もなく景色に溶けこむように二人が姿を消す
吸血姫の夜のお遊びは今宵はここまで
また次の幕が開けば、再び健気な従者は振り回されているのかもしれない
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からロザリアさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からクラウンさんが去りました。