2015/11/10 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 路地裏」にカレンさんが現れました。
カレン > (港湾都市の治安維持のため、見回りに駆り出されている。
 しかし、心ここにあらずといった様子である。
 カレンの心には迷いや悩みがあった。
 一つは自分が魔物を見抜く力を持っていないこと。
 そしてもう一つは…自分が淫乱なのではないかということであった)

はぁ…

(知らぬ男に、男たちに、犯されてもそれを全て受け入れ。
 あまつさえ快楽を感じ絶頂までしてしまう。
 一度や二度ではない。
 気の知れた仲間と行為に及ぶならともかく、
 行きずりの男に腰を振っているようではまるで娼婦ではないか)

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 路地裏」にクロウさんが現れました。
クロウ > (歓楽街大通りの喧騒が少し遠くに聞こえる路地裏。
港町の歓楽街という土地柄もあって、違法薬物などの取引も多い場所である。
とは言え、今夜はまだ特に何という場面もない。
うろついているゴロツキや浮浪者も少ない。)

―――これはこれは。

(彼女の進行方向にも、依然として何もありはしなかったし、いはしなかった。
誰かが隠れるような物陰があったわけでもない。
だというのに彼女は、その男の前を通り過ぎるその時まで、その男を知覚できなかった。
否、正確には、その男の事はそもそも知覚できなかったかも知れない。
それよりも先に、眩暈のような感覚が襲う。
ぐらり、と地面が揺れるような。
ふと目の前の景色が遠のき、遠くに聞こえていた歓楽街の喧騒が更に遠ざかる。
見えているのに、聞こえているのに、知覚できない。
代わりにやけに鮮明になるのは、先ほどまでの悩み事。
まるで娼婦のようではないか。
自分は淫乱なのではないか。
ふと彼女は、世界が暗転したような感覚を覚えた。)

一晩いくらだ?

(そんな言葉が、彼女を世界へ引き戻した。
振り返れば、声の主は路地裏の壁にもたれながら腕を組んで立っている。
何の事はない、彼女は『客』に声をかけられたのだ。
この現実では、『淫乱な娼婦』という副業を持つ騎士である彼女は。)

カレン > (カレンは魔力に対する抵抗力を持っている。
 しかしそれは、あくまでも攻撃魔法に対して出会って、精神支配には無防備だ。
 よって、相手のねじ曲げた「現実」にあっさりと取り込まれてしまう)

あら、あらら、お客さん…

(娼婦というものがどうやって客を取るのかは知らない。
 しかしカレンは今は娼婦なのだ)

私は高いよ…
でも、私を満足させてくれたら、もしかしてタダになっちゃうかもね?

(言いつつ、片目をつぶり、男に近づいていく)

クロウ > (この世界では、彼女は娼婦だ。
淫乱な性質が高じて、騎士でありながら誰かにでも股を開くという後ろめたさに酔って、彼女はそうなってしまった。
彼女は自分がそういった決断をした事を覚えているし、そうやって幾人もの客を相手にした記憶もある。
いかんせん、本業ではないので普通の娼婦とは違うかも知れないが、彼女が思い描く娼婦らしいやり方で今まで副業をこなしてきた。
見とがめようとする同僚は、咥え込んでやれば黙った。)

ふふ。なるほど?
だが知っているぞ。何のかんの言って、結局金を取らずにセックスに興じる淫乱娼婦がいる、と。……騎士の恰好をしているそうだ。

(男は、面白そうに笑いながら近づいて来る彼女に答える。
その両肩に手をかける。)

気持ちよくなれさえすれば、魔族だろうと構わんという噂だ。
―――金の為ではなく、快楽の為に娼婦やっている、とな。

(そんな言葉を続ける。
王族や政治家、吟遊詩人、宗教者を思い出す独特のリズムを持つ口調。)

カレン > (そう、いつからか自分は娼婦になったのだ。
 ただ快楽を求めるため、騎士の副業として。
 ノーシス教徒としても騎士としても背徳的な行為である。
 しかしそれを覚悟で、「自分でそう決めたのだった」)

うふっ…お客さん、詳しいのね…
そう、私はお金に困っていないの。
ただいい男と寝たいだけ…なんなら魔族でもいいわ。

(両肩にかけられた手に、そっと触れる。
 まるで焦らすように撫でるのだ。
 瞳からは光沢が失われている)

クロウ > これでも情報通で通っていてな。
しかし、本当にお目にかかれるとは思わなかった。

(男は尚も渡ったまま、彼女に答える。
焦らすような手つきに、少しだけ応えるように彼女の肩を撫でた。
光のない瞳を、男の瞳が見返す。深い深い、海の底よりも尚昏い蒼い瞳。
彼女の自意識の中に、狂気と想像を掻き立てる瞳。
そしてそれと同じように、言葉が向けられる。彼女の中の狂気を煽る言葉。
魔族でも良い、などといった彼女は一体、どんな事を想像したものやら。
どん、と不意に男は彼女の肩を押してその身を突き放した。
そして自ら、がちゃがちゃとズボンの前を肌蹴て、いきり立った肉棒を差し出す。)

鎧を脱がすのは面倒だ。この場で全部脱げ。

(少し高圧的な口調。
股座には、いきりたった肉の塊。ふと彼女には一瞬、それが何ともグロテスクな形状と色合いの肉塊に見えた気がした。まるでゴーヤだか何だかのようにブツブツと表面がイボに覆われた、真っ蒼な肉の塊。
しかしどう見ても、今は随分と立派なただの男性器。
黒く色素が沈着して、表面には太い血管が浮かぶ、長くて太い肉棒だ。カリの開き方も派手で、きっと挿入すればぐりぐりと膣内を抉ってくれるであろう形。)

カレン > そうなの、私有名になっちゃったのね…

(気持ちよければ相手が魔族でもいい。
 それは先日魔族の触手に嬲られたことから出た言葉。
 触手の媚薬に酔わされ、何度も絶頂を感じた経験。
 それが今言葉となって、現実となった)

きゃっ!
乱暴ね…でも…
立派なものを持ってるみたいだから、許してあげる。

(触ってもいないのにそそり立っている肉棒。
 それは、何人もの男に抱かれたカレンの目には、
 魅力的に写った。
 鎧を脱ぎ捨て、肌着、サラシと、人目もはばからず脱いでいく)

お客さんなら、私を満足させてくれるかもね?

(言いつつ、ズボンと下着とブーツを脱ぐ。
 秘所は熱を持っているが、まだ男を受け入れる準備はできていないといったところだろうか)

クロウ > もうずいぶんと有名だ。
アンタと会う為に、路地裏をうろついている奴もいるそうだぜ。

(嘘か真か、そんな言葉を男は返した。
触手に嬲られた経験が、彼女の脳裏へと思い描かれれば、またぐにゃりと、現実が揺れる。
快楽を感じたという経験から彼女は、それを受け入れるという選択まで言葉にしたのだ。
彼女の狂気は確実に世界を蝕んでいく。)

すまんな。育ちが悪いものでね。
―――……いい脱ぎっぷりだ。ふふ、確かにただ騎士をやらせておくには惜しい身体だ。
娼婦はなかなか天職だったかも知れんな。いっそ、本業にしてしまえば良かろうに。
男のチンポを見て、それだけで脱いでしまうなら猶更か。
だが……魔族でも良いとまで言うなら、娼婦よりもその苗床の方が適切そうだ。

(完全に全裸となってしまった彼女を見ながら、男は愉しそうに告げる。
ずずずずずずずず。
それもまた気付けば、そこに既にあった。初めからずっとそこにあったように。
地面に、壁に、それは這いずっていた。
大量の触手。
彼女の記憶を元にしてこの世界に顕現したその無数の触腕は、男のその言葉を皮切りにしたように、一斉に彼女に襲い掛かった。
そう、かつて彼女が体験したのとまったく同じように。)

カレン > それは初耳…都合がいいわ。
いい男と出会える機会が増えるものね。

(現実が変化していることには気づかない。
 現実はあくまで現実であり、己を支配するもの。
 自分では改変することはできないのだ)

ふふ、お客さんのチンポが大きかったからよ。
そうねえ、本業にしちゃうとお金を取らなきゃいけなくなるから…
ああっ!?

(迷いの言葉を口にしたところで、触手に両腕両足を縛り付けられる。
 まるで磔にされたように、大股を開いた状態で固定される)

あっ…ああっ…やだっ…

(否定を口にした。
 しかし脳裏には、この触手がもたらす感覚が蘇っている。
 尿道、膣、尻穴を同時に犯され、女として最高の快楽を得た記憶。
 触手が三本、その穴を狙って蠢いている)

クロウ > ハズレを引く機会も増えるかも知れんがな。

(おかしそうに言葉を続ける。
動作も、肩を竦めて見せたり、体を揺らして見せたり、何というか大仰でどこか陽気だ。)

チンポのデカい奴などいくらでもいるだろうに。
しかし、筋金入りだな。……そんな事悩んでいるならいっそ本当に、魔族の苗床にでもなればよかろうに。

(彼女の脳髄を犯すように、言葉が染み込んで行く。
迷い、想像、狂気、選択。
彼女の脳裏が揺れれば揺れる程、この世界は不安定に揺らめき続ける。
触手によって貼り付けにされた彼女を少し見上げながら、尚も男は笑っている。
そうだ、態度は大仰で、声も情緒豊かであるのに、貌だけは、まるで張り付けたような笑みのまま。)

やだ?
さっき、魔族でもいいと言っていたろうに。

(自分で望んだんじゃあないか。
言葉は、目前の男の口からではなく、彼女の脳内に直接響いた。
高くなく、低くなく、響かず、こもらず、通らず、大きくなく、小さくなく。
不思議な声。
唄うように響く口調。
媚薬など不要。
彼女が『その時』の事を思い出したなら、その効果は既に適応されている。
そして彼女の未曾有の体験そのままに、尿道に、尻穴に、膣に、触手が迫った。
まずは尻だった。浅く穿るように、づぶりと先端が入り込み、ぐぼぐぼと音を鳴らしてその穴を弄ぶ。そしてゆっくり、づぶぶぶぶぶっ、と侵入していく。
尿道には細い触手。本来外から何かを受け入れる事など想定されないそこの入り口をぐりゅぐりゅと甘えるように擦り上げた後、やはりこれも無遠慮に侵入を始めた。
最後は膣。ぐぢゃっっぢゅっぐぢゅっ、と先端が執拗に執拗に浅い抽出を繰り返す。あるいはそればかりは、彼女のかつての体験と違うかも知れない。まるで焦らすように、浅い部分だけを出入りするのだ。それはなかなか、彼女が知る「女としての最高の快楽」を与えてくれない。もう目と鼻の先にそれは見えているのに。与えてくれない。)

カレン > 魔族の…苗床…

(それは聞くに恐ろしいが、この世ならぬ快楽を受けるのだとも聞く。
 しかし苗床になって帰った者は知らない。
 だから信じ切れない)

んんんんんっ!
おし、おしりはぁっ…ぐうぅっ…!

(男の言葉が脳内で響く。
 ごく自然に、あたかも当然であるかのように染みこんでいく。
 排泄するための穴であるそこに触手が入れば、
 通常の性感とは違う感覚がカレンを襲う)

お、おしっこ、出るっ…!

(尿道も同じく排泄するための器官である。
 そこに侵入されれば、恐怖感と隣り合わせの快感が襲う)

あ、あ…挿れて…挿れてぇ…
おくまで、もっと奥まで…おまんこの奥の…中にっ!

(膣口の浅い部分だけをなぶる触手に、懇願するような声を上げた)

クロウ > 興味はあるのかな。
想像してみるといい。体中を訳のわからない薬だの魔法だのでぐちゃぐちゃに蕩かされて、ただ産むだけの肉の塊だ。
義務は、産む事だけ。それさえしていれば、あとはずっと全身の孔という孔で快楽を与えられ続けるのだそうだ。

(伝聞系。
まるで彼女の想像を掻き立てるかのように、男はその様を言葉にする。
彼女がもしそれを想像したなら、それもまた狂気の引き金。
狂気とはあくまで、その脳内で醸成される想像を温床にしたものなのだから。)

どうした?
それが君の望み。君がかつて得た快楽だろう?

(また脳内に言葉が響く。それは本当に彼女の目の前にいる男が喋っているのかも怪しい。
否、待て。
目の前の男、など。
―――どこにいる?
彼女の目の前には誰もいない。そこにあるのは、触手に犯される女だけだ。
男などどこにもいない。
最初からいなかったように。否、もしかしたらいなかったのかも知れない。
腸内へ侵入した触手は、どんどん奥へと突き進んでいく。それはその内、当然のように彼女が普通に生活していれば臓腑にたまるものと遭遇する。
排泄物だ。
尿道に侵入し、膀胱まで至ったものも同じ事。
ここからは、おそらく彼女には未知の感覚。
それが何を意味するのか、きっと彼女には最初わからない。
しかし不思議と、すぐに理解できる。できてしまう。
触手が、まるで触手がナニかのイキモノの捕食管であるかのように、―――彼女の老廃物を、彼女の内部で喰らっているのだ。啜っているのだ。貪っているのだ。
むしゃむしゃと。ずりゅずりゅと。がつがつと。)

本当に淫乱だ。
お前は恐れていたのだろう。
己が淫乱であるのではないかと。
―――だがそんなもの、貴様には既にわかっていた筈だ。自覚は十分にあった。
貴様は自分が淫乱であるかどうか恐れていたのではない。
貴様は自分が淫乱である事を認める事が恐ろしかったのだ。
そして、……それが露見する事が。

(脳内に声が響く。
その言葉は事実かも知れない。そうでないかも知れない。
しかし今の彼女の脳内には、不思議な説得力を持って響く言葉であった。
づりゅりゅりゅりゅっ、と膣の入り口をうろついていた触手が、ゆっくりと彼女の願望に答えるように奥へと進みだす。
ゆっくりだが、しかし確実に。づ、りゅ、りゅ、りゅ、りゅ、りゅ、りゅ。
決して止まらない。確実に最奥に近づく。子宮口へ。そして更にその奥へ。
彼女の視界で、ぐにゃぐにゃとまた世界が揺れる。)

カレン > 産むだけ…

(想像する。有無だけで快楽を得られるという苗床。
 しかし、それは永遠なのだろうか。
 カレンの心の奥底には、男と、あるいは魔族との心の交流も、
 快楽に含まれているのだった。
 ゆえに、「ただの快楽」にはそれほど心を動かされなかった)

あああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ…♥
食べられてる…飲まれてる…♥
おし、っこと、う、んち…♥

(それは排泄の快楽と挿入される快楽とがない混ぜになった感覚。
 経験を超える快楽。
 狂ったように白目をむき、口の箸から涎を零しながら)

そう、なの…認めるのが怖かったの…
でも私は…淫乱だったのぉ…♥
んっはあぁぁぁぁんっ♥

(膣の奥、子宮の中まで触手がたどり着くと、声を上げた。
 揺れる世界の中、愛液を垂れ流しながら絶頂する)

クロウ > ふむ……。なるほど。

(彼女の心をまるで覗いたように、男の声は小さくそんな言葉を漏らした。
響くのは大気にではなく彼女の脳内だが。
その男が覗いたのは、心ではなく狂気。
彼女のその情動を見て漏らした声はひどく、興味深そうだった。抑揚も声の質も、先ほどまで彼女を買おうとしていた『男』に比べれば全然なくて、人間らしさ、否、むしろヒトらしさすらないのだけれど。)

本当に快楽に弱い雌だな。
だが、まだそんなもの準備だろうに。

(声は響く。
体内というのは意外に音が響く。空腹時や、腹を下した際の音が妙に身体に響くのと同じ。
その咀嚼音や、すすり上げる音が、まるで彼女の鼓膜を無視して直接脳髄に情報を叩き込んでいるような奇妙な鮮明さで彼女の脳内に響き続ける。
おおよそ普通に生きていれば、絶対に耳にしない音だ。
いっそ、自分を中から喰われているような錯覚すら覚えかねない。)

そうだ。だが今それは、露見した。

(世界が暗転した。
それは、彼女が触手を子宮の奥まで受け入れ、無様に絶頂し、醜い貌を晒した瞬間の事。
そこは、王宮であった。
何らかの式典だろう。彼女が騎士に就任してから出席した中で最も大きなものと同等の規模だ。
王族が、貴族が、同僚が、部下が。
貴女を見ていた。
その場に居る夥しい数の、彼女に縁ある者達が、その様を唖然と見つめているのだ。
一瞬遅れて、悲鳴が鳴り響いた。)

カレン > (抵抗する術すらないカレンが心を、その奥を覗かれていることなど気づかない)

あ゛っあ゛あ゛っあ゛あ゛っ…♥
なかなか…なかから食べられてるぅっ…♥

(本来なら快感を感じることのない器官。
 音から察せられる体内の様子に、
 恐怖ではなく快楽を感じている)

えっ…

(そこは王城の式典会場。
 そしておそらくカレンが戦果を上げ、その表彰を受けているだろう場所。
 最も高貴で最も注目を浴びる、誉れ高き場所。
 そこで裸体を晒し、触手に磔にされ。
 下半身の3つの穴を犯されている。
 カレンの中には悦楽が湧いた)

あああああああっはあっあっあっ♥
見て、もっと見て、見てええええええ…♥
私は淫乱なのぉ…♪

(豊満な胸を揺らして、見せつけるように触手と交わるのであった。
 心の交流ではなく、露出の興奮に再び絶頂した。
 下腹部にある淫紋は、鈍く光って絶頂を知らせている)

クロウ > (そもそも快感を認識するのは脳だけだ。他のあらゆる場所は、あくまで脳に対して情報を送る場所でしかない。
だから脳が「そこは気持ちいいのだ」と認識してしまえば、実際その場所に快楽のもととなる刺激が与えられているかなど、まったく無関係である。
今の彼女は、ある意味それを体現していると言えるかもしれない。
臓腑の中で自身の恥の塊のようなものを貪られて、その音や感触に快感を感じているのだから。
そして程なく、触手は彼女の内側に存在する老廃物をそっくり平らげてしまった。)

もはや、恐れる事など何もありはすまいな。

(おそらく彼女が、その淫乱な性質の露見を最も危惧した場所で、彼女は己の性質を謳い上げたのだ。
絶頂と共に。
当然、そんな様を見れば他の騎士たちは黙っていない。
ここは都合の良い幻などではない。れっきとした、「現実」なのだから。
すぐに彼女を犯す触手は、剣で、魔法で、駆逐されてしまうだろう。
秒読みは始まっていると言っていい。
そこでまた彼女の耳元で声がする。)

いいのか?

(そうだ。まだ、彼女は気持ちよくしてもらっていない。
十分に快楽は得たけど。
まだ、ケツマンコもオシッコマンコも肉マンコも、ぐちゃぐちゃづぶづぶしてもらっていない。
内臓が壊れるくらいに肛門をかき回されて、今後小便が垂れ流しになるほどに尿道をこねくり回されて、子宮を飛び出させる程に膣を突きあげられる。
そんな快楽をまだ貰っていない。
づぢゅっ、とすべての触手が蠢きだす。
それは予兆。
しかし遅い。このままでは、それらの触手が駆逐される方が早い。)

やつらはお前の快楽を、邪魔しようとしているぞ。

(声は響く。
そう。そうだ。今目の前にいる全てのニンゲンは、今や彼女にとっては快楽を邪魔する存在。)

いやなら叫べ。主張しろ。

(狂気の誘惑が木霊する。)

カレン > (脳に与えられる刺激を間接的に操られ、快楽のみを与えられる。
 恥ずかしいということは、隠さねばならないということ。
 なぜ隠す?
 それは気持ちいいことを知られたくないから)

あえっ!?

(絶頂から目覚めたカレンを待っているのは、
 騎士や兵士たちが触手を叩き切ろうとしている現実。
 男の声が響く。
 いや、神の声かもしれない。
 だから叫ぶ)

やめてえええええええええっ!
まだ犯されきってないのおっ!
もっとおまんこを、おしりを、おしっこの穴を…
ぐちゃぐちゃに、めちゃくちゃにしてもらってないのおっ!
だからやめてえぇぇっ!

(頭を振りながら叫ぶ。
 誰に?
 騎士たちに対してである)

クロウ > (世界がやけにゆっくりだ。
彼女の眼には、世界がその瞬間、とてもゆっくりと動いて見えた。
触手に食い込む刃。叫ぶ騎士や兵士たちの声や表情。
あらゆるものがゆっくり。
まるで一枚の絵画をじっくりと眺めるかのように、彼女は目の前の光景をゆっくりと全て知覚する事ができた。
彼女の必死の叫びが響き、騎士らの中には僅かに動揺したものもいた。
しかし、何のお構いもなしに喜々として触手をツブしにかかっている者も多い。
そんな光景の中で、ふと彼女は異物を発見する。
殺到する騎士達の中に立つ、明らかに浮いた存在。

それは、フードを目深に被った一人の男。

表情は、陰に隠れて見えない。
彼女には見覚えがあるようで、ない男。
いつかどこかの路地裏ですれ違ったような、そんな気がする男。
その男を知覚した瞬間、彼女の身体を犯す触手全てが、その一部を彼女の体内に残したままに屍に変わった。
同時に、ぐにゃりと世界がゆがむ。)

―――どうかしたかな?

(そこは路地裏だった。
港湾都市ダイラスは大歓楽街ハイブラゼールの路地裏。
彼女はその一角に立ち尽くしていた。
そう、彼女は治安維持の為の見回りの最中だった。
いや、それは口実で男を漁りに来たのだったか。
何だか、肛門や尿道、膣、そして子宮が熱く疼く。
あとはしっかり食事をした筈なのに、まるで体が空っぽになったような空腹感があった。

かけられた声は男のものだ。
振り返ればそこに、立っている。
いかにも海の男、否、海賊といった風体の男である。)

カレン > (やめて。
 触手を斬らないで。
 それは私に快楽を与えてくれるものだから。
 もっと快楽に浸っていたいから。
 だから―――)

やめて…

(小さく言葉にしたことで、「現実」が移り変わったことに気がついた。
 いや、先程までの記憶はない。
 ただ身体に刻まれた快楽の余韻は、淫紋が鈍く光っていることで示された。
 しかし今は服を着て、鎧をつけている。
 自分でも気づくことはなかった)

どうも、していない。

(振り返りながら男に答える)

王国騎士団だ。
最近治安が悪いと聞いて見回っている。
ところで、貴様に後ろ暗いところがなければ教えてくれないか…
この辺りの食堂かどこかを。

(あくまで高圧的に、しかし不自然なことを聞いた。
 平民以上の生活をしているカレンにとって初めての感覚。
 それは完全な空腹と乾きであったから)

クロウ > (現実と現実は地続きだ。
故に、この現実と先ほどまでの現実は不可分。
決してなかった事にはならない。彼女の肉体には、そして脳には、確かにあの経験と快楽が刻まれている。
それを、彼女の自意識が認識するかどうかは別問題だが。)

それはそれは。こんな時間までご苦労な事だ。
急に呆けたように立ち止まるからどうしたのかと思ったが。
―――食堂?まぁ、こんな街だから、何なりとあると言えばあるな。

(声は、高くなく低くなく、こもらず、響かず、通らず、しかし不思議とすべてがキチンと聞き取れる。
口調は、王族や政治家、吟遊詩人、宗教者を思わせる独特のリズムを持っている。
彼女の脳は、その声を知っている。)

構わないよ。後ろ暗いところはないでもないがね。
ついて来るといい。

(そう言って、男はゆっくりと歩き出した。
まるで影に引きずられるかのような異様な歩き方……ではなく、それは悠々と、堂々と、肩で風を切る海の男の動きだ。
そこでふと、男が思い出したようにこう付け加える。)

―――そうだ、ところで

(振り返る。)

さっきも聞いたのだが。

(口元には薄い笑み。
表通りの声が妙に遠い。)

結局一晩、いくらなのかな?

(さて彼女は、何だっただろうか。
それは彼女がどんな現実を選び取るかでしかなく。

彼女はこの現実に何を選び取るのか。

どこからか娼婦の喘ぎ声が響いていた。)

カレン > (確かに下半身には快感の余韻が残っている。
 しかしこんな所で疼くはずはない、という「理性」が、無意識に押し込めているだけだ)

ちょっと高圧的な物言いだったかな、すまない。

(食堂を案内してくれるという男にそう言って。
 聞き覚えのある声に、名前を聞こうと思ったが、やめた。
 この街にあまり来たことはないし、勘違いだろうと判断したのだ)

ぁ―――――

(娼婦の声が聞こえる。
 思い出してはいけないことが思い出される。
 鎧の下の下腹部に淫紋が浮かび上がる。
 しかし)

…名乗っただろう、私は騎士だ。
娼婦と間違えているんじゃないのか?

(己を定義し直すことで、いやすがりつくことで、
 己の「現実」を保った。

 カレンは貴族であり騎士である。

 どんなに淫乱だろうとも、
 どれほど魔物に犯されても、
 何度快楽に堕ちようとも、
 それが「現実」だと己で定義する。
 そして歩み始めた。
 男に続いて、食堂へと。
 そこは海風の吹く街の一角であり、決して魔界への扉ではないのだ――――)

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 路地裏」からクロウさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 路地裏」からカレンさんが去りました。