2015/10/19 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にフィリオソリスさんが現れました。
■フィリオソリス > 眠らない街は夜にもかかわらず活気に溢れ熱を持っている.
みながみな熱に浮かれ猛り無我夢中で呆ける
だが今夜の街は実際に物理的に暑かった.
街の外周部,少し離れた地面が赤く熔解し陥没する.
見るものが見れば火山の火口のようだと思っただろう
■フィリオソリス > そこからひょこっと小さな頭が顔を出す.
褐色の肌に黒髪の少女.
その身体には一糸も纏っていない.
火傷の跡も一切見当たらないのはいかなる奇術か,流石に見るものに違和感を与えることだろう
「お?外に出たか
ここはどこじゃろう?」
そんな状況とは裏腹に素っ頓狂な声を上げる.
きょろきょろとあたしを見回し九頭竜山脈を確認する.
「思ったよりも遠くに出てしまったようじゃな…
人里も近いようじゃしこの入り口はふさいでおかなければの.
……しかし」
ぽーっと街を眺める
その目に宿るのは好奇心だろうか
■フィリオソリス > おもえば人里に紛れることはあったがこのように大きな街というのは初めてである.
幸い今はこのような体躯だ.
ちょっとくらい遊びに出ても罰は当たるまい.
そう思ったかは定かではないがその足は舗装された石畳をミシリとふみしめ街の中へ向かう.
裸でキョロキョロと辺りを見回す姿は田舎者が追いはぎにでも遭ったか……ひどく頼りなく見えるかもしれない.
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」に□□□さんが現れました。
■□□□ > 「……! ……!」
ソレが異変に気付いたのは、全くの偶然であった。
波にさらわれ、浜辺に流れ着き……何とか町まではたどり着いた。
だが……港町では、十分な満足を得ることが出来ないでいた。
このまま、飢えに悩まされ続けるのか……
そんな苦しみにうなされていると…………
不意に、大きな大きな……とても大きな、満足の気配を感じた
■フィリオソリス > 「ほう,ほほう」
キョロキョロと辺りを見回し通りを歩く.
自分が今まで見た市などよりも貼るかに巨大で異質な街.
多くのものが新鮮で興味深い.
心なしか自分が見渡す以上に視線が集まってきている気がするが自分のようなものがそんなに珍しいのだろうか?
不躾で不穏な視線も混じっているようでなにやら気が立つ.
少し体温と共に熱気が上がるのを感じる.
「…(……いかんいかん.我よ落ち着くのじゃ.ヒトの雄めがわれの美貌に酔っておるに相違あるまい……)」
などと自分をなだめてみる.
だが視線は増える一方だ
■□□□ > 「…………」
男にも女にも、あるいは人形の様にも見える顔。
海から上がった時にも熱を宿さなかったその瞳に、
静かな……しかし、確かな熱が宿る。
周囲には多くの……しかし、小さな熱がある。
だが……その中の1つ。
やや小さな黒いそれが放つ熱は、明らかに違っていた。
格好も少し違っていたが……そんなことよりも、
確かに伝わり、そして今も上がり続けている熱が、何よりも重要であった。
ふらり、ふらり
ゆっくりと、しかし、確実に、引き寄せられる
■フィリオソリス > 「ええい.処女【おとめ】の肌に気安く触る出ない」
娼婦のパフォーマンスか何かと思ったのか,気安く触ってくる男を適当に放り投げる.
男はきりもみしてゴミ捨て場につっこんでいった.
「(うむ,よく我慢したぞ,われ!.)」
なにやら満足気にうなずく.
一応街に溶け込んでおこうという気はあるにはあるのだろう.
できているかと言われれば微妙だが
■□□□ > 「 ! 」
視界の中で、小さな熱が1つ、勢いよく飛んでいった。
小さな熱は動かなくなったが、それはどうでもいい。
だが……小さくて黒い大きな熱は、かなり乱暴であるらしい。
乱暴であるなら、どうするか。
どうするか。
どう。
……お腹が空いた。
悲しいかな、未だに未熟な……あるいは、空腹に支配された頭には、
細かく考える余裕は残されていないようだ。
思考ともつかぬ思考を紡ぎつつ……
とりあえず、大きな熱の動きを止めるために、
ゆっくりと正面に回り込もうとするだろう。
■フィリオソリス > まわりがどよめく中,目の前に立ちふさがる人影が一つ
「何じゃ?……こうも売女と一緒にされてはわれも終いにはおこるぞ?」
先ほどの男と同類と思ったのか,フンと鼻息荒く仁王立ちで応える.
そのものが異質であると気付かない.
いや,そもそもこの場に居る人間の区別からしてまったくついていなかったのだが.
■□□□ > 「…………」
よくは分からないが、目の前の小さな黒い熱はまだ乱暴な……
気が立っている……怒っている……らしい。
売女、というのが何かは分からないが、
気配と動き、そして何よりその熱からそう判断したソレは、
僅かながらに動きを止めた。
「…………」
そのまま、じい……と熱を感じる2つに……瞳に視線を向けつつ、
ゆっくりと距離を詰めはじめた。
何もされないならば、眼前まで……触れる直前まで近づいてくるだろうか
■フィリオソリス > 何となく察する.不穏な視線はコイツだ.
そう確信し近づいてきた腕を取る.
ヒトごときに後れを取るはずがない,その力も自信もある.
とりあえずは腕力に任せ放り投げる,そのつもりであった.
「ぐにゃり?」
ヒトに後れを取るはずがないという慢心.
それが反応を遅くする.
気付いたときには手遅れというのは往々にしてあるのかもしれない.
■□□□ > どうやら、先程と同じ事をされそうになったらしい。
だが。
「…………」
掴まれた腕。それが、粘土細工の様に……あるいは、ねばついた油の様に。
ぐにゃり、という奇妙な手応えを残して、小さな手の中で【潰れる】
「…………」
その事実に対して、しかし僅かな躊躇いも見せず……
動きを止めたその間に、残った手を拡げ、そのまま抱きついてきた。
捕まったのならば……その体が妙に柔らかいことに。
そして、身をぎゅうとすり寄せながら、熱気をゆっくりと、
しかし確実に吸い取ろうとしているのが分かるだろう
■フィリオソリス > 「なんじゃ!?」
まさかヒトでなく魔物がこのような街中に潜んでいるとは思わなかった.
自分を差し置いてそんなことを思う.
大地に根を張ったかのような体幹で押し倒されるようなことはないが
完全にまとわりつかれてしまった
「こ,こやつ!熱を吸っておるのか?」
引きはがしても引きはがしてもその全てを取ることは難しい
何せ不定型である.
イライラが募り体温が上昇する.
それにつられまわりの気温もゆっくりと上昇する
周りの人間が暑くなっていないかと声を上げはじめるほどに
■□□□ > 「…………♪」
自分よりは柔らかくないが、どうやら黒く小さな、そして柔らかなそれは、随分と熱を帯びているらしい。
引き剥がそうとする動きを意にも介さず、
むしろさらに上がっていく熱量に満足感と充足を感じながら
さらにもまとわりつき、小さな体に身を寄せていく。
もっとも……何故熱が上がるのかについて気づいていたなら。
そして、何がそれを招いているのかを分かっていたなら。
曖昧なままでなく、明確に理解していたならば、
自分がしていることがどういうことか、分かったかもしれないが……
残念ながら、今のソレは、暖かな満足感以外には意識を向けていなかった。
■フィリオソリス > 「あっ!やっ!どこを触って!!」
苦しくはない.
ヒトであれば熱を奪われ尽くして死に至るのかもしれないがこの身にとってはなんということもない.
むしろぬめぬめとひんやりした感覚を少し気持ちいいと思ってしまう自分がいる.
だが,これは断固として許可できないのだ.
なにせ嫁入り前の身である.
この身体は未来のお婿さんのために綺麗に取っておかねばならない.
これは断固として許可でk
「ひゃんっ///」
■□□□ > もたれ掛かるような、あるいはしなだれかかる様な格好で
まとわりついていた黒い小さなものが、もぞもぞと変な動きをし始めた。
引き剥がす様な動きではないし……そもそもどう動いてもかまいはしないのだが、確かに何かが変わっている気がする
「……」
分からないまま、そのまま熱を貰い続ける。
ご機嫌なまま、まとわりついた肌からさらに熱を奪い、
ひんやりとした冷たさと柔らかな湿り気を押し付けていく
■フィリオソリス > 気付けばまわりは野次馬であふれている.
可憐な少女?が襲われているというのに野次馬根性たくましいというかゲスなヤツらである.
「う…ぁ…この…っ!いい加減にせんか!」
何とも言いがたい怒りをほんの少し解放する.
カッとまばゆい閃光.
髪が赤く輝き陽炎が立ち上る.
スライムのフィリオソリスに触れる部分が一瞬にして泡立つ.
水分が一瞬にして気体に変わりまわりの空気を押しのける.
爆音.
超高温の物体に大量の水をぶつけたときに起こる現象.水蒸気爆発
まさにそれであった.
■□□□ > 「!?」
突然のことに、反応することさえも出来ない。
黒ではない、赤色の輝きを文字通りに焼き付けて……
野次馬もろともに、その体の何割かが盛大に吹き飛ばされた
■フィリオソリス > 爆発後の霧が立ちこめる中思案する.
あのスライムは熱を奪い成長をしているようであった.
今ので死滅していれば良いのだが,そうでない場合
今の熱を奪いさらに襲ってくるかもしれない.
そう判断するやいなや.
一息に竜の姿へと化生する.
街のものからすれば霧の中からいきなり巨大な竜が現れたように見えたことだろう.
悲鳴を上げるもの.神に祈るもの.気絶するもの.街の中は混乱に包まれた.
当然の反応である.
歩く災害が目の前に現れたのだ.
まだ元気な街人が気絶していた野次馬を抱え,我先にと逃げまどう.
ヒトを襲う気など全くないのだが
こちらとてそちらにかまっているような暇は無い.
ぐっと脚と翼に力をこめるとその身体を上空へと舞い上がらせた
■□□□ > 引っくり返るような騒ぎになった町の中。
逃げ惑うもの。あるいは状況を確認せんと走り回るもの。
それらの慌ただしい動きの【下】で……それは
音もなく雑踏を離れ、路地裏に身を隠していた。
それは、爆発で弾き飛ばされたスライムがより集まったものであり……
大きさこそ半分程になっていたが、それ以外は特に問題がないように見えた。
体の残りの大部分は、龍の熱量を喰らいながらへばりついているようで……町の中には、この小さな欠片だけが残されているようだった。
「…………a……あ、ち?」
聞くものの居ない路地で呟かれた、小さな声。
それだけを残して……その影も、静かにその場を後にした
■フィリオソリス > 「(やはり死滅はしなかったか…)」
街の上空を旋回しながら眼下と自身にへばりつくそれを確認する,
「アレで吹き飛ばぬならこれしか手はあるまい?」
そうしてスライムを振り落とすべく九頭竜山脈に向かいながらきりもみ飛行を続ける.
■□□□ > 飛翔によって巻き起こされた猛風と、
殴り付けてくる様なきりもみ飛行の圧力。
最初は鱗にへばりついていたスライムの残りも、
やがてはその力に屈し……その体躯から引き剥がされ、
大地へと振り落とされていった
■フィリオソリス > 通常の緩やかな飛行に戻り一息をつく
「ふぅーーー.こちらには変なものがおるんじゃのう……スケベスライムとはー気をつけねばなるまい.
しかし,危機に瀕しても起点で回避.流石にわれじゃ.ふふーん♪」
とりあえずうまくいったことに機嫌を良くし鼻歌を歌いながら自分の巣を目指す.
【街側にできた入り口】を埋めることまですっかり忘れてしまっていることには気付かない.
間抜けなのではない.いろいろあってついうっかりしてしまっただけなのだ.
そういうことにしておいて欲しいところである.
■□□□ > 「…………」
そんな龍の呟きを……僅かながら、しかし隠れてへばりついたスライムの欠片は、ただ静かに聞いているのだった。
■フィリオソリス > そんなことはつゆ知らず巣へと戻っていった
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からフィリオソリスさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」から□□□さんが去りました。