2021/12/25 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にバッカ・ドゥーカさんが現れました。
バッカ・ドゥーカ > 闘技場と言う看板に偽りはないが、どうにも裏があるらしいこの場所。

剣の腕を磨く放浪の旅の道中で出会い魔物から成り行きで助けることとなった闘技場の関係者から最初こそ畏れられたが意志疎通が可能と知った事で自らの目的を伝えると闘士が集うこの場なら腕に覚えがある者達がこぞって参加するし、何より賞金もでるから旅の資金稼ぎもできる。ついでに、場合によってはそれ以外だって手に入るという事で詳しい説明は後回しに連れられた次第。

ただどうやらこの闘技場において誇り高き部落の剣士、闘士としてでなく魔物枠として登録されている節があると気付くのはまだ先の事。
その為、自身と対峙する者は魔物との死の危険を伴う戦いに参加してでも名声や金が欲しいという強欲な命知らずや、飼われた魔物など恐るるに足らずと腕に覚えがある者、もしくは自分同様上手く口車に乗せられてしまい命を落とすより悲惨な目に遭うかもしれないというリスクを背負った雌であったりとどうにも通常の対戦カードとは違う傾向にあるらしい。

最初こそ嬉々として闘士として誇りを賭けて実力者と闘えると悦んだものだが、魔物との戦いにより人と魔物双方の血が流れるかもしれないとスプラッタショーを匂わせる言葉で煽る司会や観客、体格は悪くないが闘う者というより拷問や一方的に嬲る事しか知らなそうな見かけ倒しの巨漢の対戦相手の登場に彼我の力量差に一気に萎え、司会や観客が望む方向性の期待を裏切り速攻の二文字で片付けられる派手さの欠片もない瞬殺劇で対戦相手として出てきた弱者を剣を用いず盾の一撃で昏倒。

観客からのブーイング、司会もこのままでは不味いと今のは魔物の力を観客の皆様にアピールする為の余興で次からが本番だと対戦相手を裏でトークによる時間稼ぎをしながら集め。
蜥蜴の剣士は不機嫌にちろちろと先割れた舌を覗かせながら期待を裏切られたのは他ならない自身であると苛立ち、魔物と誤解し好き勝手言っているが観客のクレームや司会の煽り文句に戦わない者達の身勝手さに辟易し。

次の対戦相手が報酬を釣り上げるから試合に出場してほしいと頼まれた実力者か、それとも実力者を確保できないならいっそと最早贄にも等しい女性参加者を口車に乗せて試合に挑ませるか。

気絶した巨漢は連れ去られ、独り闘技場の中心に残された蜥蜴の剣士はとんとんと結局振るう事がなかった剣の背で自身の肩を軽く叩き、連戦ではあるが一切消耗していない為問題などあるはずもなく次の対戦相手として現れる者を待ち。

バッカ・ドゥーカ > 待たされた時間はそう長くはない。
司会が即興トークで繋ぐのも限界があったというのもあるかもしれないが、この闘技場にて条件さえ満たせばどんな相手であろうとも試合に出るという選手は少なくないのかもしれない。

一度は閉じられてしまっていた正面の扉が再度開かれ、観客達の不満を抑えていた司会がスタッフから耳打ちされれば急遽用意された対戦相手の名前を読み上げると共に登場。

次はまともな戦いになることを祈り、蜥蜴の剣士は対戦相手を見据え剣と盾を構え――

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からバッカ・ドゥーカさんが去りました。