2020/04/11 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは港湾都市ダイラス、アケローン闘技場。
今日も今日とて、何らかの試合が行われている場所だ。

そんな場所の舞台上、そこにあるのは少女の姿。
着物と言う見慣れぬ衣裳、狐の耳に、九本の尻尾。
ここでは、まぁ、それなりに知られているだろう。
常勝出来る実力を持ちながら、時に、気紛れをみせて敗北を喫する。
その戦闘スタイルは多種多様、もしかしたら、扱えられぬ術はないのではないか、と言われている程に数多い。
そんな少女の、今の戦闘スタイルは…

「………ふむ、やはり、こうした場は、楽しめねばのぅ?」

ぐ、ぐっ、と軽く体を解し、次の戦いに備える少女。
その手には何も持たぬ、徒手空拳の形だ。
ルール的には、何を使っても良いはずなのに、にも関わらず。
だが、すでに何戦目かを終え、連勝を重ねていた。
ただし、その内容は、普通に考えれば決して褒められたものではない。
初手から数手まで、そこまでは、ちゃんと戦うのだが、途中から悪戯に変わってゆく。
しかも、降参や場外による敗北を許さず、気が済むまでやり続けている感じで。

とは言え、観客からすれば、一部を除くが楽しめているようで。
なかなかの好評振りである、一応は。

とりあえず、今現在は、次の対戦相手待ち。
ある程度の時間を待ち、相手が居なければ優勝で、多額の賞金か、常識範囲内で希望の物を貰える事となっている。

タマモ > 「とは言え、少しは風も見せてやらねば誤解を招くか。
華も良いが、華ばかりも…じゃろうて」

ぐるぐると腕を回してから、軽く、深呼吸。
呼吸を整えれば、少女の周囲の空気が、ゆっくりと鎮まる。
分かる者にしか分からない、氣の流れの変化。
戦闘技術の指南役、その者から教えられた術だ。

「ある種、華と言えよう。
人を魅了する程に、華麗なる技の数々、果たして見る時は来るものか?
その辺りは、まぁ、あちらに期待じゃろう」

準備は整った、視線を、相手側の扉に向けて、そう呟いて。
その流れを保たせたまま、静かに待つ。

タマモ > 「む………おや、珍しい…」

ぴくん、と耳を揺らせば、ぽつりと呟く。
視線を向けていた扉が、ゆっくりと開き、次の相手が入って来たのだ。
片手剣を携えた、剣士風の…冒険者?だろうか。
見た感じ、それなりの実力者、とも感じられる雰囲気を持っている。
…まぁ、人間のレベルで言って、だが。

「良い良い、なかなかに、楽しめそうじゃ。
すぐに決めず、時間を掛け、遊ぼうではないか、のぅ?」

ゆらり、身を揺らし、相手を見遣る少女。
開始の合図をしようと動く、審判員を一度見詰め、半歩身をずらしながら。

「いざ、参ろう。
たまには、真面目な姿も見せねばな?」

瞳を細めながら、そう言葉を続け…
審判員の、開始の声が響き渡る。

その結末は、どうなったのか。
それは、この場に居合わせた者達だけが、知る事となるのだ。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からタマモさんが去りました。