2020/03/31 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場闘奴鍛錬場」にヴォルフさんが現れました。
ヴォルフ > 今宵もまた、闘奴鍛錬場に少年の姿がある。
先日来、槍の鍛錬にこの少年は余念がない。
本来片手で用いる槍を、両手で用いたらどうなるか。その着想をかたちにできるのではないか。
昼間、教官が見ていてはできぬ鍛錬を、少年はこの夜間に積んでいた。
夜気を裂き、空を断って槍の穂先が突き出される。
少年の踏み込みがその一撃に、鋭さと重さと速さを加えてゆく。
単純な動きだ。
突き出し、払い、戻す。
まずはその単純な、けれど最も多用する動作だけを、倦まず飽かず、そして微塵の惰性もないまま、少年は己に強いてゆく…。

ヴォルフ > 槍の穂先は、もっと重く大きくてよい。
石突もまた、もっと重くしてよいだろう。そうすれば、大きくした穂先と釣り合いが取れるようになる。
そして、槍の柄そのものを、もっと太く重くしてよい。
穂先にて突き、斬り払うことも重要だが、柄そのものを重くして、薙ぎ払い叩きつけることそれ自体に、殺傷力を持たせたい。
次第に、少年の動きは薙ぎ払うことを意識したものへと変じてゆく。
突く。突いたそのままに大きく払い、払いつつ戻す。
それは明らかに、多人数との戦いを強いられることを、少年が意図していること明白だった。

ヴォルフ > 滝のような汗を、春まだ浅く冷気厳しい中に流して少年は、今宵もまた厳しい鍛錬の時を重ねてゆく…。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場闘奴鍛錬場」からヴォルフさんが去りました。