2020/02/19 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは港湾都市ダイラスにある、アケローン闘技場。
今日も今日とて、何らかの試合が開催されている訳で。
今、また一つの試合が終わった。
舞台の上に立つのは少女、倒れているのは戦士風の男。
それなりに、強さを持っていた相手らしく、少女は満足気な様子だった。

「………まぁ、良くやった方じゃろう。
少しは…うむ、本当に少しは、楽しめたぞ?」

ぽんぽんと、着物に付いた埃を払うように叩く。
実際、僅かに掠ったり、受け流したりと、触れる機会がちょくちょくあった。
触れもさせず、軽く相手をしていた少女にしては、珍しい光景が見れた事だろう。
もっとも、その結果だけは、変える事は出来なかったようだが。

最近、こうした強者に会う機会もなく、ある意味で飢えていたところはある。
その為、それなりに満たされたからか、機嫌は良さそうで。

「ふふ…良い良い、出来る事ならば、後は別の意味で楽しめる相手も欲しいところじゃ。
さてはて、あれを見て、挑む相手は、挑まされる相手は、居るものなのかのぅ?」

倒した事は倒したが、相手は誰かの肩さえ借りれば、退場する程度は出来ていたみたいで。
舞台を降りて、場を後にする相手の姿を、そう呟きながら、のんびりと眺めていた。

さて、対戦者が潜る向かいの扉、それが開かれる事は、この後あるのだろうか?

タマモ > 来るも来ないも、待ち時間は暇なものだ。
先の対戦相手の消えた舞台の上で、ぐぐっ、と軽く伸びをする。
袖の中に手を入れれば、ごそごそと、なにやら漁る。
そこから取り出されたのは、数枚の折り紙。
その一枚を摘めば、もそもそと何かを折り始めた。
曲げて、折って、畳んで、それは、そう経たずして、折鶴となって。

それを、指先でぴんっ、と弾けば、その折鶴はふわりと浮かび上がる。
そうすれば、次の一枚を摘み、また折り始めるのだ。

ふわふわと、一つ、また一つと増える折鶴。
気が付けば、少女の周囲には、いくつもの折鶴が漂うように浮かぶ、そんな光景となっていた。

「対戦相手も居らぬ、つまらぬ暇潰しには良かろう?
今日は気分が良いからのぅ、滅多にやらんゆえ、刮目せよ」

すっ、と手を振れば、それに合わせ、折鶴が舞う。
右へ左へ、舞うように手を揺らし、己の舞いと、飛び交う折鶴で、観客の目を楽しませて。

そうしながら、待ち時間を過ごすのだ。

タマモ > まぁ、結局のところ、相手が来なければ、それで終わり。
いつものように、賞金を手にして少女は帰る事となるか。
そして、またいつものように、式に巻き上げられるのだ。

そろそろ、贅沢したい、そんな事を考える少女であった。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からタマモさんが去りました。