2019/12/20 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 大勢の観客で賑わう闘技場。
其れを見下ろす貴賓席は大概豪商や貴族が金に物を言わせて占有している事が殆ど。
しかし、今宵の賓客が何時もとは違う事を、観客達は薄々感じ取っていた。
物々しい警備。慌てふためく様に走り回るスタッフ。会場の外に鎮座する巨大で豪奢な馬車。

王国有数の大貴族にして膨大な富を持つホーレルヴァッハ家の嫡男にして次期当主。要するに金の生る木が足を生やしている様な来賓が、優雅に闘技場を見下ろしていた。

「はてさて。時間を割くに値する催し物であれば良いのだが」

今宵の一戦は、莫大な賞金が用意されていた。勿論、全額ホーレルヴァッハ家――というよりも少年個人の――からの資金である。
少女と見間違う様な風貌の少年は、ぷかぷかと舶来品の甘ったるい葉巻を吹かしながら試合の様子を見守っていた。
賞金が桁違いである事以外は特に変更点は無い。ルール無用。他者を屈服させて頂点にのし上がる者が誰になるのか。或いは、敗退しながらも己の興を満たす者が現れるのか。
何の成果も無く、無益な時間を過ごす事になるのか。

何方でも構わないか、と紫煙を吐き出しながら試合を見守るのだろう。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > その膨大な賞金がどうなったのか。激闘を目にした観客だけが知る所となるのだろう。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。