2019/12/15 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にグレンダさんが現れました。
■グレンダ > ウオオオォォォォォッ!!!
拍手、足踏み、歓声、ブーイング…ありとあらゆる感情が入り混じった大歓声がコロシアムの中央部、たった今決着した試合の勝者へと向けられていた。
炎のように波打つ赤髪をかきあげ、龍の翼膜と魔獣の毛皮を合わせて作られた戦闘用スーツに見を包んだ勝者の女性は地面に蹲る敗者を小さく蹴って転がす。
ゴロリと仰向けになった敗者…ボロボロになった軽鎧を身に着けた女剣士は丹精な顔つきを涙とヨダレで塗らし、時折背中を痙攣させながら蕩けた表情を晒していた。
「ふふ、気分はどうさね…?」
現在、この闘技場では特殊なルールの元賭け試合が行われている。
舞台に施された特殊な魔術により、あらゆるダメージは性的快感に変換されて女性選手へ襲い掛かる。女性挑戦者はその快感に屈するか失神し戦闘が継続出来なくなったら負けというもの。
一見すると悪趣味でしか無いそのルールだがそれでも挑戦者がいるのには理由があった。
■グレンダ > 1つ目は単純に賞金の配当が高い事。男性を中心に集客率の高い人気の試合故か並の勝ち抜き戦と比べても倍近い賞金が出る。
そしてもう一つ――
『それでグレンダ選手、これで3人抜きとなりますがどういたしまますか?』
「あぁ、私はまだまだやる気さね。だからこの子も…頼むよ?」
闘技場スタッフが継続の意思を確認するとコクリとうなずき、敗者の少女を出入口まで引きずっていく。
数分後、闘技場の上部にある大型モニターには先程の敗者が移し出される。
トラップに使われるであろう大型の魔導機械に四肢を拘束された少女はもはや絶叫に近い喘ぎを上げながら機械の腕によって責られ更なる痴態を観客へ晒していた。
この敗者の映像は同時にコロシアム内の売店にて取引され、その売上の一部は賞金同様勝者の懐へと入ってくる。
その膨大なファイトマネーに夢を求め、沢山の女性が挑みに来ると言った仕組みになっていた。
「ふふ、今回の相手は全員中々のお金になりそうさね…」
コロシアムに映る3人の敗者の映像を見上げ、皮算用に口を緩ませながら勝者は更なる相手を待っていて。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にグレンダさんが現れました。
■グレンダ > 結局続く試合もその後の試合も女に土を着ける者は現れず、その戦績を見た挑戦も参加を取り下げた為に女の挑戦はここで終了となった。
「私としちゃまだまだ行けるんだけどねぇ……まぁこれだけの金貰って文句言うのも贅沢かね」
ズシリと重量のある麻袋を手にさげ、赤髪の女は悠々と闘技場を立ち去っていく。
並の人間なら数カ月は楽しく暮らせる程あったその賞金の殆どは3日も経たずにハイブラゼールの高級カジノへと呑み込まれる事になるのだが彼女の脳内には当然そんなことは頭の片隅にすら無く――
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からグレンダさんが去りました。