2018/04/20 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にヴィルヘルミーナさんが現れました。
■ヴィルヘルミーナ > 地下闘技場での試合を持ちかけられ、ギャラの良さに首を縦に振った。
金でも賭けているのか、異様に熱気渦巻く観客たちに見下ろされるステージへ上がる。
「うぉぉぉ!!」
蛮族は手にした斧を持ち上げ、力を誇示している。
顔は兜に隠れており、蛮族が何者かは試合をセッティングした者しか知ることは無い。
■ヴィルヘルミーナ > 最初の試合はすぐに終わってしまう。
顔の良い優男風であったが、鉄兜の頭突きですぐさま気を失ってしまう。
「ウォ、ウォ、ウォォ!」
蛮族は敗北者を踏みつけ、再び斧を掲げる。
今度は観客席から一斉にブーイングが巻き起こる。
蛮族は腕を買われたのではなく、引き立て役で呼ばれていたようだ。
一部の客は大穴を当てたようだが、ほとんどの客は大金をスった模様。
■ヴィルヘルミーナ > 「もっと強い奴は居ねえのかよ。
これじゃつまらな過ぎるぞ。」
気を失った優男はタンカで運ばれていく。
蛮族は係りの男達に不満を口にする。
男たちはこちらを一瞥し、引っ込んでいった。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 『えっと、その。勝利者の方。その、ですね。
お相手が、ご不満だった、ということで』
場内放送で、アナウンサーが勝利者に向けて問いかける。
その声は、明らかな動揺を隠せずに居た。それはそうだろう。
引き立て役の噛ませ犬と聞いていた選手が勝利したのだ。
なんとか、この場のムードを収めないと。大負けをした客たちが暴動を起こしかねない。
『そのですね。次の挑戦者が、え~……。
……! あ、現れました! 挑戦者が立候補しまして!
アナタと戦いたいと!』
明らかにバックヤードがばたついている雰囲気を隠せぬまま、アナウンサーが大きな声を張る。
客たちは苦笑したり、怒号飛ばしたりと様々な反応。
そんな中、闘技場入り口に一人の男が立っていた。
戦場に似合わぬバトラーコート。鎧のひとつも装備していない細身の中年男性だ。
「……」
男は、入り口に立ったまま、人差し指をクイクイ、と曲げて相手に見せている。
どうやら、挑発のつもりらしいが。
『挑戦者曰く、オレは負ける気がしない。
どうせなら、互いの身体を賭けて勝負しないか、とのことですが……。
いかがでしょうか!?』
アナウンサーが告げれば、客席はこれまた反応様々。
執事に用はねぇ、すっこめ、という怒声。
おもしろそうだ、挑戦受けろ、とはやし立てる声。
客席ではチケット売りが賭けのレートを掲示板に書き込んでいた。
■ヴィルヘルミーナ > 「あ~、俺はどっちでもかまわねえぞ。
その代わりギャラは上積みしてくれよ?
予定外の相手をするんだからな。」
蛮族は金に汚かった。
もともと予定など碌に聴いていなかったのに、この態度である。
蛮族は鉄兜越しに男の顔を睨み付ける。
こいつもまた優男か?
蛮族は楽に金儲けが出来そうだと口元を吊り上げていた。
「ほら、早く来いよ。
身体も賭けた方がここの客も喜ぶんだろ?」
蛮族は血の気が多い。
その場で地団太を踏み、男がやってくるのを待っている。
■セイン=ディバン > 『軽っ……で、ではなくてっ!
受けました! 試合成立です!』
実に軽やかに挑戦を受けた勝利者に、アナウンサーが絶句するも。
すぐさま気を取り直し、勝負成立の放送を入れる。
沸き立つ観客、地鳴りの如き雄たけびと共に、チケット屋に人が殺到。
思い思いの金額を賭けていく。現在のレート。
蛮族2.3:執事18.2。
「いやぁ、よかったよかった。
飛び入りだったからさ。断られたらカッコ悪いことになるところだった」
男はそう言いながら、とことこと相手に向かって近づく。
両手を広げながら。まるで、懐かしい知人にあったかのように。
あるいは、劇場の役者が客に挨拶するときのように、だ。
「改めて名乗らせてもらおう。セイン=ディバン。冒険者だ。
そうさな。俺が勝ったら……キミの身体をたっぷりとっくり味合わせてもらおうかな。
もしもオレが負けたのなら。オレを好きにしていいぜ。
奴隷として扱おうが、公開処刑ショーで殺そうが。
なんならキミが勝ったらギャラを払ってもいい。10000ゴルドくらいでどうだ?」
互いの距離、おおよそ10メルトルまで近づきながら。なお男は構えない。
それどころかそんな軽口を叩いている始末だ。そこで男は立ち止まり。胸に手を当てての完璧な一礼を見せた。
「先手はそちらにお譲りしよう。レディファーストだ」
それは、ある種挑発のような言葉であった。
■ヴィルヘルミーナ > 「何が軽いだ。
熟考した上での結論だろが。
言い直せ、この野郎。」
蛮族は地獄耳だった。
おまけに細かいことを気にしたりもする。
直近の試合で圧勝しただけあって蛮族の方がレートが低い。
蛮族はニコニコだ。
「俺はヴィルヘルミーナ・クーラ。
お前ら風に言うと北の蛮族だ。
お前の言い方だとどっちにしろやる感じじゃねえか。
公開処刑をやるなら可愛い女か少年の方がいいだろ。
10000ゴルドの方を貰うとするか。
金持ちだな、お前。」
自分から大金を言い出すとは、余程腕に自信があるか。
それとも道楽狂いの金持ちか。
蛮族は気を引き締め、相手の一挙手一投足を真剣に観察する。
「知らんのか? レディーファーストってのは本来女を一段下に見た言い方だぞ。」
兆発ならば合っているだろう。
蛮族は先ほどとは違い、接近戦を控えた。
代わりに、大きく息を吸うと、炎のブレスを吐き出す。
■セイン=ディバン > 『は、はいぃ、申し訳ありません!!
さ、さすが勝利者の貫禄と余裕! 堂々と勝負を受け入れました!』
見事な圧に負け、アナウンサーが本当に言葉を言いなおす。
男は内心呆れるが。まぁ、アナウンサーがヤバ事慣れしている訳もないし、仕方ないか、とも思う。
レートを見れば、男は肩をすくめる。全うな装備をしていない男では仕方ない結果だが。
この闘技場にはやはり良い思い出は出来そうにない。
「へぇ、格好良い名前だな。じゃあ、ヴィルちゃん?
それかクーラちゃんかな。
北の……。なるほど、強いわけだ。
オッケオッケ。オレが負けたら払ってやるよ。
ま、こう見えても稼いでるんでね」
相手の名前を聞けば、いきなり失礼にも愛称呼びしようとする男。
だが出自を聞けばその表情が引き締まる。北の蛮族、と称される地域の人物などは、総じて強い。
厳しい環境に鍛え上げられたからだろう。とにかく逞しく、雄雄しく。マグメールの人間の中には、尊敬の念を抱くものがいるほどだ。
「いやぁ、そんなつもりはないんだけどな。
……あまりがっついちゃ、男を下げそうだからね。
……っ!? ちぃっ!!」
ケタケタ、と笑っていた男だが。相手の行動を見れば、反応は早かった。
接近戦を挑まれると思っていたのに、実際はファイアーブレスが襲い掛かってきたのだ。
男は一度短くバックステップをすると、疾風の如き速さで横に飛び、ブレスの範囲外に逃げる。
「芸達者だな! こりゃあ、ちょっと侮ってたかもしれん!」
コートのすそを微かに燃やしながら、男はそう言い、懐から武器を取り出す。
右手には小口径リボルバー。左手にはダガーを逆手に。そのまま、じりじりと相手との距離を保ちつつ相手の周りを旋回する。
■ヴィルヘルミーナ > アナウンサーが本当に言い直すと、蛮族は溜息をつく。
いちいち真面目に対応しすぎだろう、大丈夫か。
蛮族の眼はそう言いたげであった。
対戦相手の男も似たような心境のようだ。
「好きに呼べ。
ちゃん付けってタイプでもないんだがな。
稼いでるのか。 良い武器使ってきそうだな。」
初対面の男にちゃんで呼ばれ、首を傾げる蛮族。
見た目の所為か舐められている気がする。
男の表情が変化すると、蛮族は再度男の顔を睨み付ける。
冒険者だけに色々と知っているようだ。
「初対面の俺をちゃん付けで呼んでる時点で軽い男に見えるがな。
早く逃げないと丸焦げだぞ。」
蛮族が言う前に、男はブレスの範囲外に居た。
素早い上に状況判断も適格の様だ。
「銃か。 金持ちらしい良い武器を使いやがるな。」
蛮族は足元に斧を捨てると、どこからか新たな武器を取り出す。
イチイの樹で出来たロングボウと矢。
弦を力強く引き、強力な一矢が男に向かって飛んでいく。
■セイン=ディバン > アナウンサーの醜態はともかく。会場は大盛り上がりであった。
負けを取り返そうとする者。今度こそ凄まじい戦闘が見れると喜ぶ者。
蛮族が女性だと今更に気づき、男の勝利を願う者。男が無残に敗北するのを望む者。……声援的には、一番最後の声が多いのは、男の日ごろの行いのせいだろうか。
「じゃあヴィルちゃんだな。いやぁ、お顔はまだ良く見えないが。
多分その声色は年下じゃないかな、っと思って。
ならちゃん付けで間違いないだろ?」
首を傾げる相手に、男は笑いながら言うが。
良い武器を使いそうだ、と言われれば。一瞬表情が固まる。
男は決してタイマンの戦闘に強いわけではない。奇策を使い、相手を罠に陥れるタイプなのだ。
武器に対して警戒されるのは、男にとって正直美味しくないことであった。
「美人にはちゃんとかさんとか、そういう風に呼ぶのさ、俺は。
呼び捨てはさすがに踏み込みすぎだろ?」
相手の指摘にしゃあしゃあと言う男だったが。さすがに炎のブレスは直撃を貰えない。
すんでの所で回避した男は、いったん呼吸を整える。
「ふぅっ。対燃焼処理もしてあるコートなんだがな。
さすがにブレスの炎には耐え切れなかったか。
……もしかしてヴィルちゃん。良い武器を好むウェポンコレクター的側面でもあるのか?」
相手が斧を捨てるのを見れば、男は僅かに腰を落とす。
次の一手もまた、男の予想外な行動であった。
いったいどこから取り出したのか。ロングボウが男に向けられ。
凄まじい速度の一矢が飛来する。
「ちいっ!!」
上半身をひねりながら、その矢をダガーで弾く男。左腕に強い痺れを感じるが、男はそれを気にせず。
右手の銃を相手に向けると、一呼吸で6発全てを発射する。
雷鳴の如き早撃ちだ。
■ヴィルヘルミーナ > この男は有名人なのか?
何故だか個人的に負けることを期待されている気がした。
蛮族はとんでもない相手が出てきたものだと苦笑いする。
「とんでもない醜女だったらどうするつもりだ。
俺は蛮族だぞ?」
美人だの年下だのと、もう勝った後ばかり気にしている気がする。
その割には油断することなく、ブレスはあっさりと躱される。
全く、やりにくい相手だ。
「俺にそんな趣味はねえよ。
あったら今頃伝説の剣だの出してるだろうが。」
蛮族が用いる武器は全て使い捨て可能な量産品。
ただ、イチイの弓は量産品であろうと猛威を発揮する。
「くそがぁぁぁ!!」
蛮族は銃弾を気にすることなく、矢を連射する。
その数、5矢。
鏃は鋼鉄で出来ており、板金鎧でも簡単に貫通する。
そして、相手も早打ちの名手だったようだ。
蛮族は人間でない為に耐久力も回復力も尋常ではないのだが、
流石に6発も弾を撃たれると無傷ではいられない。
胴体こそ命中を免れたが、左腕、右腕を撃ち抜かれていた。
弓を持つことが出来ず、足元に落としてしまう。
男はどう動くか。
蛮族は一時的にだが両手が使えない。
魔法での攻撃はまだ出来るが。
■セイン=ディバン > 怒号の如き。っていうか怒号そのものの観客の声。
恨みを買っているのは確かだが。あまりにも酷くないか、と男は額を押さえる。
せめてもう少し応援してくれればいいのにとも思うのだが。まぁ、やむなしである。
「? ……やぁ。それは考えたことはなかった。
今まで出会った『強き者』はみんな美人か美形かだったもので」
相手の言葉に、少し考え込むようにするのだが。
男はあっけらかんとそう言い放つ。しかも回答自体はしていない。
その時はその時だ、くらいにしか考えていない。
「ははは、違いない。
とはいえ……、だっ!」
そう。とはいえ、なのだ。武器など、ランクに関わらず人を殺せる。
殺傷能力が十分なら、量産品も伝説の武器も変わらない。
「うそおおぉぉぉっ!? そこは、回避か防御、あるいは弾丸を叩き落すがセオリーだろぉ!?」
早撃ち6発。その弾丸を身体で受けながら、同時に反撃してくる相手に男は驚く。
飛来する矢、5本。男は横に回転しながら回避しつつ、懐から取り出したクイックローダーを口に咥え。
実に器用にリロードを終える。ずざ、と砂煙上げながら構えを取り直す男。
「……。ギブアップするなら今だけど?」
銃を相手にポイントしながら、男はそう問いかける。
相手の負傷は、両腕。致命傷ではないだろう。
もしも相手が戦闘を続行するのなら、男としても応戦しなくてはならない。
だが、男は問いかけるのみで、追撃などはしない。
侮っているわけではない。だが、無用に相手を傷つけたくはなかったのだ。
■ヴィルヘルミーナ > 「そういうものなのか?
強さと見た目は関係するのか。」
その割にはさっきの挑戦者は弱かったが。
蛮族は頭突き一発でのしてしまったことを今更後悔している。
「お前こそ、全部綺麗に避けやがって。」
渾身の弓連射を全て防がれてしまう。
両腕からは血が滝のように流れる。
男は咄嗟に弾を込め直し、蛮族に銃口を向けていた。
「ふざけるな。 大金目の前にして俺が諦めきれるかよ。
撃ちたきゃ撃ってこい。」
穴だらけになった両腕からはじんわりと痛みも走る。
もうじき再生されるとは言え、普通の試合ならとっくにギブアップしてもいい。
しかし、今日は大金のかかった試合だ。
おまけにその大金を賭けたのは目の前の相手なのだが。
蛮族が吠える。
すると、蛮族の足元から周囲に向けて巨大なツララが生えてくる。
波の様に広がるツララの群れは客席の手前まで生え、一部の客が避難する始末。
■セイン=ディバン > 「かもしれない。だろ?」
にやり、と笑う男。まぁ、過去の出会いからの経験のみなので。
それが正しいかは分からないけど。
「……っ。はぁぁぁ……」
相手に褒められこそしたものの。男の表情は明るくない。
回避は成功したが、余裕はない。
もしもほんの一瞬でも油断すれば。身体に穴が開いていたのは男のほうだからだ。
「……いい気合だ。じゃあ……。
後悔するなよ!!」
相手の気迫に、男が笑みを強める。
だが、ここまでまっすぐな相手に対して、同情や手加減は失礼に当たる。
そう判断し、男は銃を正確に構えたのだが……。
「!?」
またもや、男は驚くことになる。
相手の咆哮と同時に、ツララが襲い掛かってきたのだ。
思わず、男は跳躍し回避するのだが。
すぐさま男は舌打ちをする。あまりにも迂闊。
いまや男は、空中で無防備を晒していた。
■ヴィルヘルミーナ > 「となると、それだけの相手を抱いて来たのか。
俺もここに来て正解のようだな。」
北でも綺麗所は居たが、それよりは個々の方が多数居そうだ。
蛮族は戦闘中にも関わらず、にやにやと嬉しそうにしていた。
必殺を狙ったはずが全て外れる。
蛮族の怒りは相当なものだ。
相手の力量を図り損ねた自分に腹を立てている。
男が引き金をひくよりも先に蛮族の起こした氷柱の波が迫りくる。
蛮族は相打ち覚悟で起こした攻撃であったが、男はまたもや身軽に飛び上がり回避。
しかし、流石の男も中空では身をそらすことも難しかろう。
蛮族はいよいよ本気を出すことに。
男の周囲に多数、魔力の渦が発生し、無数の剣が姿を見せる。
そして、次の瞬間剣は男めがけて飛び掛かる。
致命傷になる心臓や顔こそ狙わないものの、両手両足、胴などは貫こうとするだろう。
■セイン=ディバン > 「残念。そう良いことばかりじゃないんだなぁ。
ははははは。それは……間違いないぜ。この国ぁ、きっとキミを退屈させない!」
男が無双の強さを持っているのなら、そんなラッキーにもめぐり合えるのだが。
残念ながら、痛い目も見てるし、そもそもエロいことができなかった相手もいるのだ。
相手の笑顔に、男は凶悪に笑う。相手の内心の考えが。何か、分かる気がしたから。
男にとっての武器は、策と速度。その二つだけは、研鑽積み、自慢できるレベルにしてきた。
だが、相手の矢はその男ですら、回避がやっとというもので。
「芸達者っていうよりは……マルチプレイヤーだなぁ、ヴィルちゃん!!」
空中で男が叫ぶ。下を見れば、広範囲が氷に覆われていた。
直撃を貰えば、おそらく良くて氷漬け。悪ければそのまま砕けて死んでいたかもしれない。
そして、男は自分の迂闊さを呪う事になる。
「……っ! これ、は……!」
自身の周りに感じる膨大な魔力。そして、現れる剣。
それらは即座に男に向かってくる。身体を刺し貫かんと。
そこで男は、歯軋りをし、相手を睨む。
だが……それは怒りではなく。相手への尊敬。そして、共感であった。
「……ちっきしょぉ。こんな大勢の前で切り札使う羽目になるとは」
「な」
苦悶の声が途切れ。最後の一音は、相手の背後から聞こえるだろう。
先ほどまで男が居た空中には人影なく。男は次の瞬間、相手の背後に居た。
手にしているのは、どこから取り出したか不明の散弾銃。それを、相手の背中に押し付けている。
「まさか、キミも似たような術を使うとはなぁ」
そう。似たような術。男もまた、武器を魔術によって取り出すことが出来るのだ。
そして、相手の背後を取ったのは、空間転移の呪文によるもの。
男は全身を汗まみれにしながら笑っていた。危機一髪。まさしく視と隣り合わせの一瞬だった。
■ヴィルヘルミーナ > 「は、そりゃあこれだけ嫌われるってもんだ。
とりあえずはお前さんをぶちのめしてからだけどな。」
余程色んな女に手を出しているのだろう。
中には女を取られた者もいるのかも知れない。
漸く、この男に向けられた怒号の意味をしった。
「俺もここに来るまで色々あったんだよ。」
マルチプレイヤーを呼ばれた蛮族は
血まみれの両腕を垂らした状態で空中の男を見上げていた。
空中で相手を滅多刺しにして終わる所の筈。
しかし、現実はそうはいかずに。
いつのまにか男の声が蛮族の兜のすぐ後ろで聴こえる。
おまけに長い銃身…おそらくライフルか散弾銃を突き付けられていた。
「ち…、今日は俺の負けだ。」
蛮族は力が抜け、地面に膝をつける。
氷漬けになりかけた観客たちは一斉にブーイング。
また金を失ったのだから仕方がない。
「惜しい所まで行ったんだがなあ。
儲け損ねちまった。」
■セイン=ディバン > 「おいおい、そいつぁ誤解だぜ。
そもそも……モテない男が悪いんだ」
相手の言葉に、男は心外だ、というような表情になるが。
続く言葉に会場大激怒。ブーイングは地響きの如く、であった。
「みたいだ……ねっ!」
空中で姿勢を制御しようとする男だが。当然そんな心得なんて無い。
本当に間一髪。魔術の詠唱が間に合ったから良かったが。
もしも気づくのが一呼吸遅れていたら、血まみれのオブジェになっている所だった。
「……ふうぅぅぅぅぅぅ……。
いやあ、ヴァルちゃんマジ強いな。多分、次はオレは勝てないだろ」
相手の敗北宣言に、男も膝をつき、息を吐く。
無茶な魔術の連続使用に、内臓が悲鳴を上げていた。
会場のブーイングなどどうでもいい、とばかりに。男は相手に手を差し伸べる。
「いや、実際あと一手あったら負けてたぜ。
……さて。じゃあ約束どおり。ここの控え室辺りでしっぽりと、ってのはどうかな?」
見栄だけで持って立ち上がる男。相手に手を差し伸べたまま、にこり、と笑顔を向ける。
それは、健闘を称える剣闘士のそれであった。
■ヴィルヘルミーナ > 「お前、その辺の身辺整理はちゃんとしろよ。
そのうち賞金首になるぞ。」
いや、こいつの場合はもうなっているかもな。
事情を知らない蛮族でも分かる位に嫌われ…恨まれていそうだ。
「まさかワープまで使うとは思わなかったぞ。
次は大金は賭けてこないのか?」
目の前に巨大な餌がぶら下がっていたので、いつもよりも本気で食らいつこうとしたが
美味い話はそうそう来ないようだ。
蛮族は手を出されるが、首を横に振って足の力だけで立ち上がる。
両手両腕はまだ血まみれなのだ。
手を取れば汚してしまう。
「別にどこでも俺は構わないぞ。
屋外でも控室でもな。
だた、ここは流石に不味いだろうな。」
蛮族が発生させた氷で埋め尽くされている。
巨大なツララは直ぐには消えることもないだろう。
蛮族は男の指示する場所へと向かうだろう。
■セイン=ディバン > 「うっ、耳が痛いっ! 賞金首はともかく……。
修羅場にはとっくになってたりして」
たはは、と苦笑する男。事実相手の言うとおり。
身辺整理なんてしたこともない男なので。それもまた、痛い目を見る理由だったりする。
「ははは、秘中の秘。切り札も切り札だからな。
え゛? えー、だって次は負けるぜ、多分。
もうオレ、鬼札も切り札もないもーん」
少し得意そうにいう男だったが。事実持てる技量はほぼほぼ使い切った。
あとは必殺技が一つあるが。それも似たようなスキル持つ相手には通用しない可能性が高いだろう。
そして、相手が自力で立ち上がれば。男は何もいわず手を掴み、回復呪文を詠唱し始める。
「ははは、そりゃいいね。でもまぁ確かに。
ちょっと寒いくらいだし……キミみたいなステキな女性を客どもに見られるのは気分が悪い」
未だにあるツララを見ながら男は笑う。大量の氷は冷気すら産んでいるが、解ける気配は無い。
そうして、男は相手の手を引くと、闘技場から姿を消し、控え室へと相手を連れ込んだ。
「ほいじゃあ、ヴィルちゃんのお顔、見せてもらおうかな~?」
■ヴィルヘルミーナ > 「お前、そういうの遠慮なさそうだもんな。
よく訴えられたりとかしねえんだな。」
恐らく、経験している修羅場は一度や二度ではないのだろう。
最初からやばい奴と出くわしたものだと蛮族は口の端を吊り上げた。
男は既に切り札は尽きたと言う。
それを鵜呑みにすることは無いが、次に戦う時は必ず勝とう。
蛮族は血まみれの手で拳を作る。
「おう、気を遣わなくてもいいんだぞ。」
蛮族の両手が光ると、腕や手に出来ていた傷が癒される。
二人がかりで回復魔法をかけたのだ。
治癒効果も当然2倍掛けだ。
蛮族は黙って男に連れられ、控室へ。
まだ闘技場では大騒ぎのようだが後の事は蛮族の知ることではない。
負けた以上、この男に身を委ねるのみ。
蛮族は血濡れの手で兜を掴み、机に載せる。
傷だらけの兜を脱ぐと、少々汗ばんでいるがブロンドのストレート、
白い肌、青い瞳が露わになる。
「どうだ、お気に召したか?」
蛮族は汗ばんだ髪を掻き揚げる。
■セイン=ディバン > 「あー、いやぁヴィルちゃんは鋭いなぁ。
訴えられたりはしないけど、路地裏でケンカ売られたりはちょくちょく」
遠慮できる性分なら人間関係こじれたりしていない。
この男は、どんな物事でも楽しさを優先する。仕事も、女も、必要ならわざわざスリルの中に飛び込むのである。
少なくとも、男にこれ以上の切り札は無い。
手札を晒しきった以上、次は負けるのは当然だろう。
男は拳を握る相手を見て、もっと鍛えないとなぁ、という感想を抱く。
「……へぇ。ホントにマルチだな、キミ」
自身のものとは違う回復魔法の力を感じた。
男は改めて、相手の戦闘能力の高さに敬服する。
回復、近接戦闘、弓、ブレス、氷による攻撃。
ソロで十分戦果を上げられるスキル群だ。
そうして。控え室で相手が兜を脱げば。
その顔立ちに、男は驚いたような表情になる。
「お気に召すも何も……。
すっげぇ美人じゃんか! いや、これはラッキーだわ!」
髪を書き上げるその仕草に、男は色気を感じた。
そのまま男は相手に近づくと、優しく身体を抱きしめようとする。
「……キスをしてもよろしいかな?
ヴィルヘルミーナ嬢?」
優しく囁く男。それは、少しキザだと相手に思われてしまうかも知れない口調だった。
■ヴィルヘルミーナ > 蛮族ですら閉口してしまった。
気を付けるどころか全く気にもしてないとのたまう。
再戦時のことはまた今度考えよう。
今の蛮族はこの男の所有物なのだから。
マルチと言われるが、それに勝ったお前はどうなんだと蛮族はいいかけて止めた。
これ以上口にするのもなんだか悔しい気がした。
「…こうなるから普段は兜を外さねえんだがなあ。
はしゃぎすぎだお前。 もう少し落ち着け。」
抱きしめられると、見上げる姿勢になる蛮族。
こうなるとやはり己は女体なのだなと意識させられてしまう。
「好きにすればいいだろう。
それより、ヴィルちゃんでいい。
嬢は俺のキャラじゃない。」
気取った事があまり好きでない蛮族。
ムスっとした表情だが動くつもりはなく。
唇を奪われれば素直に応じるだろう。
他にも命じられれば従うつもり。
■セイン=ディバン > 相手の呆れる気配を感じ、男は慌てて頭を掻く。
気にしていないわけではないのだ。だが、翌日にはすっかり忘れているのだ。
……余計タチが悪いかもしれないが。
移動しながら、相手から悔しさ滲み出す気配を受け止めた。
しかし、男は何も言わない。勝ったのは男だ。
これ以上、敗者に言葉を投げかけては逆に失礼だろう、と。
男はそう考える。
「そりゃそうだろうな。ヴィルちゃんほどの美人を見たら。
男だったら黙ってねぇだろうさ」
抱きしめながら言う男。身長はちょっと男の方が高い。
鼻息荒くはしゃいでいたのをたしなめられ、男は深呼吸をする。
やはり美人は強い、ということで間違いないのではないか?
なんて持論を勝手に補強しつつも。
「……じゃあ、遠慮なく。
可愛いぜ、ヴィルちゃん」
おや、言葉の選択をミスったかな、と判断し。
男は再度相手をちゃん付けで呼び、軽く触れるだけのキスをした。
抱きしめた腕で背中を撫でながら、少しずつ、相手の構内を解していく。
その間に、男の股間は充血し始め、ズボンを押し上げ始めていた。
■ヴィルヘルミーナ > 「良かったな。
そんな美人のヴィルちゃんを抱けてよ。」
小柄な蛮族も真っ赤に染まった両手を伸ばし、男の身体を抱きしめる。
汚したら悪いような気もしたが、相手から抱きついて来たのだ。
お返し位はしてもいいだろう。
「ああ、ヴィルで良い。」
互いの唇が触れる。
それぞれが抱き寄せあうことで、体は密着していた。
そんな状態でズボンを押し上げる程の巨根が立ち上がると、蛮族のズボンにも熱が伝わる。
「でかくなってるぞ。 俺はどうすればいい?」
具体的なことは男の指示をまつことになるが。
とりあえず、蛮族は男から伝わる体温を感じていた。
■セイン=ディバン > 「そりゃあもう。嬉しくって飛び上がりそうさ」
相手の一言を素直に受け止め、笑う男。
美人を抱けるなら、命も金も惜しくない、とかいいだす男である。
どうやら本気で本心なようだ。
「ん……あぁ、いいなぁ。
戦った相手とこうできるってのは、ステキだ」
殺しあわなくてすむ。互いを理解し合える。
そんな気すらする抱擁とキス。男は相手の柔らかさを感じながら、興奮しつつあった。
そのせいで、股間が相手に当たってしまう事になっているのだが。
「……こいつは失礼。えっと、だな。
じゃあ、お互い裸にならないか?」
自己主張激しい息子。相手に申し訳なく思いつつ、そう提案する。
とにもかくにも裸にならなきゃ始まらない、という按配。
男は、ゆったりと服を脱いでいき……そうすれば、すぐさま20サンチを超える巨根が露になることだろう。
■ヴィルヘルミーナ > 「くそ。 俺も買ってたら金の前で飛び上がってたはずなのに。」
一晩好きにされると言うのも悪くはないが、やはり悔しい。
どちらかと言うと蛮族は好き放題する方が好きだった。
「…何言ってやがる。
負けた相手を好き放題してるだけだろうが。」
どうもこの男はロマンチストな気がする。
今も何やら甘い幻想でも広がっていそうだ。
「仕方ないな。」
このまま抱きしめられたままだと、男の巨大な肉棒を擦り付けられ、焦らされて終わりそうだ。
男の提案に蛮族も同意し、服を脱ぐことに。
毛皮のベストに、布の服を脱いでしまうと少し大きな胸が露わに。
戦いで火が灯っていた蛮族の股座は潤んできており、触れると湿った感触が伝わるだろう。
「こんなデカイのを入れさせるのか?
…負けたから仕方ないか。
で、体位はどうすればいいんだ?」
凶暴な男性器が露出すると、蛮族は顔に汗が浮かぶ。
■セイン=ディバン > 「あはははは……」
そいつは悪いことをしたな、と内心思う男。
どうやらずいぶんとお金が欲しいらしい。男はそこで一度思案するが。
「あたた、手厳しい。でもさぁ……。
命のやり取りレベルまでいかなくってよかった、っては思うよ」
もしも闘技場ではなく、戦場で出会ったら。ぞっとする話だ。
実力差は明白。男は相手に真正面から勝つのは今回だけだろうから。
「いや~、すまんね。着たままってのもスキなんだけどさ」
やっぱり行為をするなら全裸だよね、とか笑顔で言う男。
本当にエロ事にはだらしがない。
そうして相手が服を脱げば。男はその裸体に視線釘付けとなる。
美しかった。スタイルも良かった。何よりも、既に濡れはじめているそこが、酷く魅力的だった。
「そうだなぁ……じゃあ、四つんばいになってくれるかい?
荒々しくしたい気分なんだ。……あぁ、そうだ。
もしも、オレよりも先にイかなかったら……5000ゴルド、なんて勝負はどう?」
自分勝手に体位を指定しつつ、男はにやにやと笑い勝負を持ちかける。
この相手なら、乗るかもな、なんて思いつつも。受け入れられなかったらそれまでだが。
■ヴィルヘルミーナ > 「はぁ? 命のやりとりをするから面白いんだろうが。
お前は腕がたつ割にはその辺のロマンにかけるなあ。」
不意打ちでもなんでも勝ってくれた相手だが、どうも蛮族の価値観とは違うようだ。
都会になじむとこうなるのだろうかと、蛮族は青い瞳を丸くする。
「服に皺が出来るし、どうせ最終的には汗だくになるだろ?
脱いだ方が良いと思うぞ。」
どうやら、男にとって割と好みの身体であったようだ。
蛮族は露骨に向けられる視線に苦笑し、とりあえず胸元は両手で隠してしまう。
濡れたクロッチまでは手が回らないが、こっちは今から限界まで
抉じ開けられてしまうからどうでも良かった。
「そこはいらん金額交渉するなよ。
勝ったんだろ? 頬でも一発平手して命じればいいんだよ。」
蛮族の価値観では負けた相手は無条件降伏で嬲られるべきとの考えのようだ。
男の気遣いは嬉しいが、それは乗らずに。
控室の床に両手両足をつけると、特に両足を限界まで広げる。
「これでいいか? ほら、好きなだけ犯せよ。」
首を曲げ、下から見上げる蛮族。
視線の先は男の巨大なペニス。
これから犯されてしまうのだと思うと、恐怖と好奇心でないまぜになる。
■セイン=ディバン > 「そこに関しては否定はしない。けど……。
キミみたいな女性に殺されるならまだしも、殺すのはゴメンだ」
相手の一言に、男は肩をすくめる。命のやり取りは、決して嫌いではない。
だけど、美人を殺すなんて死んでもイヤだね、と。男はそう言う。
それは、男の主義であった。
「世の中にはコスチュームに興奮する場合もあるんです。
キミもやってみればわかるさ」
実際、様々な観点から見れば服を脱ぐのは間違いではないが。
それも時と場合による、と男は嘯く。胸元を隠されれば残念そうな表情になるが。
あまりじろじろ見ても良くないな、と男は視線を微かに逸らす。
「……あのねぇ。女をセックスの最中に殴るとか。
オレ、そういうの嫌いなんだよ。セックスは楽しく気持ちよく、だろ?」
とんでもないことを言われ、男は苦い顔をする。
命令することはあるけど、暴力はよくない、と伝える男。
相手が命じたとおりの姿勢になれば、男は唾を飲み込み。
「……いやぁ。すっげ……ヴィルちゃん、身体柔らかいのな。
じゃ、遠慮なく……!」
広がった足。下から見上げられると、その姿勢苦しくないのか、という思いが頭に過ぎる。
普通の四つんばいを想像していたから、ちょっと驚いた。
だが、男は臆さず、相手の秘所へとペニスの先端を宛がうと……一気に腰を前に突き出した。
凶悪な肉の凶器が、相手の体内へと侵入していく。
「くおぉぉぉ……こりゃあ……いいなぁ……!」
みちみち、ぎちぎちという感触。相手の膣内は、相手の戦闘能力や経験に裏付けられた、キツい締め付けであった。
鍛え上げられた肉体の持つそれを、肉槍全体で味わいながら。
男は、奥までを犯し、一度動きを止める。
■ヴィルヘルミーナ > 「いや、せめて殺す気でいろよ。
どうもその辺が合わんなあ。」
他の女にも似たようなことを言っているのだろうかと首を傾げる。
やはり文明圏と蛮族では考え方が違うのだろう。
「そういうことはこの街の女にしてもらえ。
俺はやらんぞ。」
妙に変態じみてるような気がする。
具体的に何をするかよくわかってなくてもそんな気がした。
その後、暫く蛮族は無言となる。
喋る余裕がなかったと言うべきか。
巨大な肉棒が自分の身体の中を突き入れてくる様子に、ゴクっと喉を鳴らす。
犬の格好をしていた蛮族は自らが貫かれる瞬間を目の当たりにした。
ミチミチ、と引き裂かれるような感触がする。
蛮族の眼にも思わず涙が浮かぶ。
「くぅぅぅ。 くそ、早くイってくれ。」
強靭な下半身の筋肉は男の巨根に食らいつき、結果として蛮族はより強い痛みを味わうことになる。
いくら濡れているとは言え裂かれる感覚は強いのだ。
しかし、それもしばらくすると身体が適応してくる。
蛮族は首を戻すと、両手両足で床を掴み自ら腰を振り立てる。
全身からは汗を浮かべ、だらしなく開いた口からは荒い吐息。
自ら串刺しになると言う状況を味わうべく、蛮族は体全体を前後させる。
襞肉は強く締め付け、巨根の全てを適度に扱きあげる。
■セイン=ディバン > 「必要なら。最悪そうする事も頭には入れてあるさ。
……可能な限りその事態は全力で回避するけどな」
男だって、女を殺すのは死んでもイヤ、とは言っていても。
最悪の事態になれば、殺さないわけでもない。ただし、それは本当に最後の手段だ。
「あら残念。じゃあもしも次に戦って勝ったのなら。
ヴィルちゃんにメイド服でもきてもらおうかな?」
次は負けるから戦わない、とか言っていたのに。そんなくだらないことを口にする男。
本気半分、冗談半分の言葉だ。多分そんなことになったらこの相手は激怒するんだろうけど。
「は、ぁ、ぁぁ……。悪い、痛いか……。
落ち着いて、しっかり呼吸しな……」
相手のつらそうな声に、男が優しく語り掛ける。
苦痛を相手に強いることは男にとって本意ではない。
まずは馴染むまで、動かないでいよう。そう思っていた矢先。
「お、おぉぉぉぉおっ!?」
まさかの、相手から動き始めるという事態だ。
男は情けない声を上げるが、負けじと、相手の腰をしっかりちょ両手で掴む。
そのまま、相手の動きにあわせ、腰を強く、長く振り始め。
「く、はっ、あおっ、し、締まる……っ!
いいぜ、ヴィルちゃん……キミのマンコ、最高に気持ちいいぜ……!」
相手同様、呼吸を乱しつつ。男は相手の身体を味わっていく。腰を掴み、相手の身体を引き寄せ。
背中をなで、その感触に溺れていく。極上の快楽。喰らい合うかのようなセックスだ。
■ヴィルヘルミーナ > 殺す殺さないの言い合いになりそうだったので、蛮族は口をつぐんだ。
負けたのだから勝者の言うことに今日は従おうとの考え。
「メイド服ってのはあのやたら面倒くさい服だよな?
そういうのこそ他の女に着て貰え。」
また負けたら何を着せられるか分からない。
ある意味、命の恐怖以上に恐ろしくなってくる。
「この状態だとな、何しても痛いのは痛いんだ。
それよりも早くイってくれよ。」
気を使われると、余計に情けない。
蛮族は男の気遣いに腰を振り立てることで応えた。
「あん、…あ、ひぃ♪」
腰を掴まれ、男のストロークが始まる。
蛮族も犯されることはまんざらでもないのか口から甘い声が漏れる。
「だろう? ほら、早く出せよ。
でないと、ひ、イィィ!」
頭や背中に玉の様な汗を浮かばせ、激しいセックスを続ける。
背を撫でられるとゾクゾク、と快楽の波が上がり肌が粟立つ。
もうじき、蛮族は絶頂を迎えるだろう。
願わくば男も同じタイミングでイってくれることを期待しよう。
■セイン=ディバン > 黙り込むものの、その気配からは納得はしていないという様なものを感じる。
男はため息を吐き、そっぽ向く様にする。主義主張の違いはいつだって埋め難い。
「面倒くさいって……。キミ可愛いんだからお洒落くらいしなよ。
多分男たちがホイホイ釣れるぞ?」
まぁ、実際面倒な服ではあるのだが。
きっと可愛らしい服も似合うだろうに、もったいない、と言う男。
「そりゃまぁ、そうだけど。オレも経験あるし……。
イヤ、こればっかりは快感次第ってやつで」
ぽろっと。以前呪われ、フタナリになった挙句犯されまくったことをちょっと語ってしまう男。
聞き様によってはアナルを掘られたのか? と勘違いされかねないだろうか。
「お、いい声……。ふへへ、ヴィルちゃんの中も、絡み付いてきてるし。
感じてくれてるんだな?」
漏れる甘い声に、男の中の嗜虐性が刺激される。
そうして、男はどんどんストローク速度を増していく。
「は、ひっ……あぁ、こりゃ極上だ……!
……? でないと、なんだい? ……ってか、これ、マジやべぇな……!」
互いに汗をかきながら、貪る様に行為を続ける。
相手が一際高い声を出せば、男もまた、同時に強い快楽を覚える。
きつくも全体を責める締め付けに、男の射精欲が一気に高まり……。そして。
「く、おぉぉぉおぉおぉっ!!」
男が一際強く腰を叩きつけると同時に、ペニスが震え、ぶくり、と膨らんだ。
勢いよく、大量の白濁が溢れ。相手の体内を穢していく。
一般成人の数倍はあろうかという精液の量。それが、どんどん相手の膣内へと注がれていく。
その間、男はだらしない表情のまま、全身を震わせながら射精の快楽に溺れていく。
ぐい、と相手の腰を持ち上げ。射精しながら、更に腰を振る。
まるで、自分の種を、相手の膣内にしっかりとマーキングするかのような行為だった。
■ヴィルヘルミーナ > 「それじゃ意味がねーんだよ。
屈服させてまた開かせないと面白くねーだろ。」
尤も、今は自分が股を開かされているのだが。
蛮族はそっぽを向いてしまう。
「お前…。」
蛮族はそれ以上追及せず。
別にアナルを犯されてたとしてもなんとも思わない。
蛮族も犯したことがあるからだ。
「俺の方がイキそうだって言ってんだよ。
も、もう、我慢が…。」
相手より先に達してしまうのは不味かろうと、唇を噛み締めて堪えていた。
膣内は射精を促すように襞肉がビクンビクンと締め付ける。
自らが負けた相手の種、おまけに色々と呪いを受けた身となると
蛮族にとっても決して悪い事ではない。
「ィク、ィクゥゥゥ!!」
蛮族は背を逸らし絶頂を迎える。
腹の中が痛くなるほどに射精されていると言うのに、その表情は恍惚としていた。
口からはだらしなく涎を垂らして。
その後も、勝者である男に気が済むまで犯されていった…。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からヴィルヘルミーナさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からセイン=ディバンさんが去りました。