2017/12/25 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にカレンさんが現れました。
カレン > (カレン・クラフトは貴族にして女騎士である。
 ゆえに、こうしてその力を見せつける、
 いわば「接待闘技」のようなものにも参加させられる。
 闘奴たちはあからさまに力を抜き、
 カレンも苦戦はするものの、傷一つなく勝利する。
 賭けの動きも観客の声援も大した動きはない。
 見世物以下のプロパガンダである)

はあ…勝つより演技するのに疲れてきた…

(時折飛び入りも参加するが、
 勝敗の分かったこの試合に参加するものは稀である。
 そうこうしているうちに5連勝してしまう)

カレン > (6人目。
 大きな棍棒を持った筋骨隆々の男が襲い掛かってくる。
 しかし、その眼差しに殺気はない。
 むしろ、「殺さないでください」と言わんばかりだ)

我が名はカレン!
正規騎士団の名のもとに汝を討とう!

(マントを翻して棍棒を躱し、
 長剣で棍棒を叩く。
 流石に一撃では取り落とさないようだ)

…どうしよ…

カレン > (大振りの棍棒を幾度か躱し、
 仕方なしに男の肘の内側を軽く切り裂く。
 それなりに血はしぶくが、
 筋肉や腱に大きな損傷はあるまい)

見たか!
騎士団の正規騎士の強さをー!

(うずくまる男に背を向け、
 勝鬨をあげる。
 観客もあまり盛り上がりはしない。
 しかし、6連勝ということで、
 そろそろ相手もいなくなってきた頃だ。
 まだ続くのか、それとも終わりか)

カレン > (木組みの柵が上がり、7人目が出てくる。
 流石にこれで終わりであろう。
 左腕にショートボウをくくりつけた、
 いわゆるスカウト風の男)

行くぞ!!

(一気に距離を詰める。
 ショートボウから遠距離戦を挑まれては勝ち目が薄い)

はあっ!

(左右に跳んで狙いをずらす)

カレン > (スカウト風の男は、
 それでも冷静に矢をつがえ、狙ってくる。
 一射は覚悟せねばなるまい)

…間に合わないか?

(仮にも鎧を着込んでいるカレンは俊敏さで少々分が悪い。
 男が矢を射る。
 とっさにマントを翻す。
 それほど威力を持たない矢はマントに突き刺さり、止まる)

取った!

(一気に駆け寄り、男の顔に剣先を向ける。
 男にとっては渾身の一射だったらしく、
 苦笑して降参を認めた)

カレン > (無傷の7連勝。
 明らかに八百長とわかっていても、
 目の肥えた観客にはカレンの実力が見て取れたようだ。
 それなりに観客席が湧いた)

…ふう、面目を保つというのも疲れる…

(声援に笑顔で答えながらそんなことを思う。
 本気を出さず、手を抜いた相手に勝つ。
 ある意味、命がけで戦うより難しいかもしれない。
 観客席に手を振りながらそう思う)

カレン > (魔物や敵国兵士と戦うだけではなく、
 こうしたイベントにも参加しなければならない。
 騎士としての仕方のない仕事であった。

 あるいは、本気で来てくれる相手がいれば…

 そう思っても詮無きこと。
 連勝記録は作らず、かと言って無様に負けるでもなく。
 適度なプロパガンダは終わりを告げた)

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からカレンさんが去りました。