2017/11/12 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「ふむ…なるほど、妾から術や道具を失くせば弱いとでも思うておったか…ふむふむ」

アケローン闘技場、舞台の上に佇む少女。
今日の対戦相手はと言うと…床に大の字で倒れ、意識を失っていた。
少女の手には何もない、一見すれば言葉とは裏腹に術か魔法かを使ったように見える。
だが、見ていた観客のほとんどにも、それがはっきりとは分かっていないだろう。

戦いは、手を出さない少女を一方的に相手が攻める、そんな状態だった。
防御に専念をする少女に、そうそう攻撃は当てれない。
それはよく観戦に来る者達ならば、大体は分かっている事。
適当に攻撃をさせ、適当な頃合で何らかの道具を、力を、尻尾を使い相手を倒すのが少女のスタイル。

…だが、今日は違った。
疲労困憊となった相手、普段は相手に密着も許さない少女が、自らその相手へと密着。
次の瞬間…今のこの状態になっていたのだ。

「ほれ、もう終わっておる、さっさと連れてゆくが良い」

しっしっ、と追い払うように手を振り、審判員に。
その指示によって、相手は担架で運ばれていった。

タマモ > 「ふふ…さて、今日はこれでもう終わりか?」

これもいつもの事で、己が参加した日は、相手が居らずとなって終わる。
まぁ…そう言った意味で楽しめるのは、極稀だ。
ここで楽しむとの場合は、大体は…うん、別の意味での楽しみが多かった。

それを運営が望むなら、そういった相手を宛がうだろう。
普通に強者を求める方針であったなら、ここで終わりとなる可能性は高い。

「まぁ、妾は貰えるものが貰えれば、それで良い。
続けるも終わるも、お主等次第じゃろう」

袖から扇子を取り出し、ばさりと広げ、ぱたぱたと扇ぐ。
そう激しく動いてないとはいえ、動き回れば少々熱も上がるもので。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にエイブラさんが現れました。
エイブラ > 「少しは面白いかと思って出てみたのですが。
想ったよりも強い方がお相手みたいですな…やれやれ、出番ですか」

(出番です、そう言われて闘技場の舞台へと上がっていく。
自分と入れ違いに担架で運ばれていく男を横目に見ながら、舞台へと上がっていけば不思議な衣装をまとった少女へと一礼をして)

「どうも、連戦になって申し訳ございませんが、次のお相手を務めさせて頂きますエイブラと申します。
宜しくお願い致します、タマモ様」

(闘技場には似つかわしくない執事服を身にまとい、対戦相手へと挨拶をして。
こちらも武器は持っておらずに徒手空拳。
一礼をしてから自分からは動かず、相手の様子を見る様に自然体で佇んでいる)

タマモ > ぴくん、と耳が揺れる。
運ばれていく相手、それと入れ違いに、何者かがやってくる足音。
どうやら、どちらにしても、今日は相手が居たらしい。

まぁ、どんな相手だろうとは思う訳で、そちらに視線を向ける。
そして、入れ違いにやってきた相手に、かくん、と首を傾げた。
次いで、すん、と鼻を鳴らす…そこでまた、首を傾げる。

「ほほぅ…?」

この世界でよく覚えのある、しかし、それに混じり、どこか懐かしい…そんな感覚。
ぱたり、扇子を一旦閉じる。

「いやいや、別に良いぞ?…ふむ、エイブラか。
今回は呼び易い名のようじゃ、助かった…まぁ、よろしくのぅ?」

さて、この手の相手は本当に素手でくる肉体に何らかの特徴があるか、武器を手元に呼び出すタイプだ。
少なくとも、人間でないと分かれば…扇子は仕舞わないのが妥当だろう。
人間に対しては素手だが、それを止めた。
その意味、相手が察しれるかどうかは相手次第だ。

相手と同じく、今はまだ、こちらも動く気配はない。

エイブラ > 「はい、宜しくお願い致します。
…お互い、見た目通りの存在ではないようですね?
余り、見つめ合ってのお見合いをしていてもお客様方には不評になってしまいますので…参りますよ?」

(どこか懐かしい気配を感じながら笑顔を浮かべたままに礼を軽くして。
ゆっくりと少女の方へと足を進めながら無造作に右腕を奮う。
明らかに間合いの外であるにも関わらず、何か赤い、人間の腕サイズのぬるりとした物が少女を襲う)

「手加減や遠慮をして勝てる相手でもないようですし、最初から少し本気で参ります。
ふふ、タマモ様に楽しんで頂けると良いのですが」

(言いながら左腕も間合いの外から振り、赤いモノが伸びていく。
左右から伸びた人間の腕の太さほどもある、蛸の触腕が少女を絡め取ろうとする)

タマモ > 「うん?…妾はほれ、見た目通りの存在じゃぞ?
まぁ、その意見には同意じゃな…では、始めるとしよう」

ほれ、ほれ、と耳を、尻尾を揺らして自己主張。
ここではミレー族と妖の区別はつきません、あしからず、そんな残念な状態だが気にしない。

油断無く、向けた視線は相手を捉えたまま。
その視線の中、男の腕が見せる妙な動き。
右手だけでない、左手も袖の中に伸ばせば、二本目の扇子を取り出した。

「では、妾も少し真面目にやらせて貰おうかのぅ。
業には業で、術には術で…さぁ、来るが良い…っとぉ!?」

二本の扇子を広げ、身構える。
と、どうやら目の前の相手は、前者のタイプだったらしい。
その腕が急に伸びてこれば、伸びる腕を扇子で軽く押すように受け流す。
その動きに合わせ、その身を一歩、二歩とずらすように動かし、二手目の動きに警戒し避ける。
予想が正しければ、この腕は伸びる方向を変えて襲ってくる、そう思ったからだ。

エイブラ > 「ふふ、そうですか?
それは失礼を…おや、流石にこの程度の不意打ちでは通じませんか。
では…こういうのは如何でございましょうか?」

(左右の触腕を離れた場所から伸ばして鞭のようにしならせて打ち据えようとしたのを、センスを使い受け流されればその触手は少女の予想通り向きを変えて。
片方は地面すれすれから少女の太ももに絡みつくように。
もう片方は頭上から少女の首筋に絡みつくように動いて)

「さて、これだけではまだ隠し芸程度…これは如何でしょうか?」

(言いながら少女へと向かい走って間合いを詰めていき、途中で執事服を内側から突き破って更に4本の蛸の触腕を現して。
それを更に少女の両腕、胸元、お尻に伸ばしてそこへ絡みつけていこうとする)

タマモ > 「ふふんっ、当然じゃ。
お主のような存在は、妾の知っておる中にも居ってな?
ゆえに…えぇいっ、話の途中にっ!」

滑らせる腕の内側側面に当てた扇子、軽く力を込め、弾き飛ばす。
これで、上下からの腕は対処したのだが…

「お、おぉうっ!?…八本、やはりそうきたか…!
むむむ…使わざるを得んな!」

次の攻撃に身構える、そこへと突っ込んでくる相手。
服を破り現れた残り四本の腕に、その存在が何かをほぼ確信した。
己の世界でも居た、それに近い存在、それを知っているからこそこれは予想出来た訳で。

更に両の腕、胸元にお尻へと伸びる残りの腕。
ゆらり、九本の尻尾の内の八本が揺れると、延びる腕を四本が弾き、残り四本が体を打ち付けるように上下斜めと薙ぎ払う。

エイブラ > 「おやおや、私のような存在が他にもいらっしゃいましたか。
世界は広いですね。これはこれは失礼を…ですが話ながらでも貴女なら捌けるでしょう?
実際に…くっ、捌かれてますしね」

(元からの腕に加えて4本の腕。合計で6本の触腕を用いて少女を捕獲しようとしたものの、器用に尻尾を使って払われてしまえばそのままゆらゆらと触腕を揺らして)

「余り、こういう手法は取りたくなかったのですが…どうやら貴女は一筋縄ではいかないようですね。
遠慮なく色々とさせて頂きますよ?タマモ様」

(再び6本の触腕を少女へと向かい伸ばしていく。
前回と違うのは触腕の表面からどろどろと粘液を滴らせており、雨あられと少女へと向かい粘液を振らせていって。
粘液の成分は強力な媚薬、発情効果と感度向上効果を持ったもので膚に張り付けばそこから。気化すれば呼吸することで内と外から侵入していこうとする)

タマモ > 「あー…まぁ、妾の世…いや、住まうところに居った、それだけじゃ。
世界は広く、幾多に存在するもの…妾のような存在も、どこかに居よう、そんなものじゃ。
むぅ…ばとるあんどとーく、難しいものじゃが…それが良い」

とんっ、と床を蹴って距離を置く。
さて、こういった相手となると、力も使わないと勝つのは難しいか…しかし、今は力の許容量が減少している。
余り多用は出来ないが…仕方ない。

「お主のような相手では、これを使うしかないか…
大技は使えないんでのぅ、たまには派手に、さっさと終わらせて貰うぞ!」

すぅ…深呼吸をし、意識を集中する。
伸びてくる六本の腕、それにも注意を払いながら、念動力を身に纏う。
内から外へと向けさせる力、要するに全身を覆う見えない鎧みたいなものだ。
効果は高いが…やはり、燃費が悪い。

とん、と再び床を蹴れば、今度は逆に一気に距離を詰める。
念動力の力も加わり、人間の目に追うのは不可能な程の速度。
粘液を弾き、男の懐へと現われる少女の姿。
本当は投げ飛ばしたいところだが、これが発動してるとそれが出来ない。
そのまま、己が身を叩き付けるようなぶちかましを仕掛けてみた。

エイブラ > 「なるほど…?良く分かりませんが、そういうものなのですね。
幾多に存在する世界に私のような存在もいると。
ええ、ただ黙って戦うなんて、詰まらないでしょう?」

(距離を置いた相手を追いつめるように追いかけていき、少女が何か仕掛けてくるのを少女の纏う空気から感じれば何をするのかを見極めようと目を凝らして)

「結界…のような、違うような…くぅぅっ!?
凄いですね、全部を弾いてこちらに一気に仕掛けてくる。
良く見てなかったら受け止められませんでしたよ?
しかも、かなり私の正体を露わにしなくてはいけなくなるとは思いませんでした」

(一瞬で近づいてくる少女の、ぶちかましを体で受ければ身体が衝撃で広がって。
広がって人間の形状の限界を超えれば8mの巨大な蛸の姿を露わにして。
6本の触腕に加えて地面についていた脚も触腕に変えては不可視の鎧ごと、粘液の滴る8本の触腕および触腕の間の襞も使って包み込むように絡め取ろうとする)

タマモ > 「うむ、そういうものなのじゃ、妾もよく分からんがな。
余り難しい事を考えたところで、何がどうなる訳でも無いしのぅ?
むむむ…否定は出来んのが…」

納得してくれて助かった、変に説明を求められても、答える自信がなかった。
それはさて置き、唸りながらも、それを肯定するしかないのが何か悔しい。
気にしたら負けなのだが、うん、そこはあれだ、あれ。

「いやいやいや、ここでそれは駄目じゃろう!?
せめて人の形は保ってないと………おや?」

体当たりの反動で再び距離を置くも、その姿が明らかに人のものでなくなった相手。
これ良いのか!?なんて審判員に視線を向けてみるも…しっかりと、舞台上から逃げていた。
場所が場所だ、観客も自分達に被害が来ないからと、驚きと歓声が飛ぶ始末。
ちくしょう、これは酷い。

「うぐっ…これが四面楚歌と言うものか…えぇい、やるしかなかろう!」

己が掛けた封印を解けば、負ける事はないだろう。
だが、それをやると、ほぼ確実に周りに被害が及ぶだろう…それは間違っても出来ない。
そうなると、このまま続けるしかないのだが…果たして、力が持つだろうか?疑問だ。

ともあれ、やるしかない。
力を身に纏ったまま、尻尾も使い、八本の触手のようになった腕や足を弾いてゆく。
まだ本数的にはこちらに余裕があるも、あちらは本領発揮、持続時間とか関係ないだろう。
それに対し、こちらは制限付きの力だ、ずるずると長引くと…まずい、それは分かりきっている事だ。

さて、この戦い、結末は…

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からタマモさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からエイブラさんが去りました。