2017/09/03 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」に天姫さんが現れました。
■天姫 >
通りすがりに聞いた場所
珍しく迷わずに着いたその場所は闘技場
「ヌルいぞヌルいぞ。魔物程度では相手にならんな!」
大包丁を振り回す鬼が居座るは闘技場の中央
辺りにはけしかけられた魔物が転がり、闘技場内はざわめきが起こっている
「──なんじゃな、つまらん。
勝者にはもっとこう、歓声と拍手が降ってくるもんじゃろうが」
ドスン、と得物を肩に乗せて観客席を見回す
客が白けるのは当然のこと
本来この場に訪れる貴族達の大半はこういった戦いを望んではいないのだ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にシドさんが現れました。
■天姫 >
ふと、見渡す喧騒の中に一角、違う雰囲気を感じとる
自慢ではないが耳も良い
魔族…がどうのという言葉が聞こえる
「ふむ」
得物を地面に突き刺し、するりと自身の角を撫でる
「角くらいは隠しておくべきかのう…」
正直面倒であるし、魔族に間違われたとしても特に不都合もないのだが…
■シド > 闘技場が熱気が増し異様な興奮を見せている。
妖艶な女妖魔が嬲られるを楽しみにきた無粋な観客達は期待通りならぬ光景に野次を投げかけ雑言がけたたましく鳴り響くのだ。
調教師達は魔物をけしかけるも恐れをなして動くをしない。
見果てた者達が帰ろうとした矢先。アリーナより飛び立つ影が……銀髪を靡かせて踊り立ちては件の妖魔へと恐れなく歩み寄り。
「お見事。なかなか強いじゃないか。魔物たちももう戦う意思をなくした。
どうだろう?幕間劇として私と戦ってみないか?」
■天姫 >
「──ほう」
突き刺した得物に背を寄りかけ、次の魔物を待っていたところへ舞い降りた影
なるほど此処は闘技場、こういった趣も在るかと笑みを浮かべる
「善き哉。
こーゆーのを待っておったんじゃよ、呵々。
華奢な人間であったとしても妾は加減をしらぬぞえ」
笑みは獰猛な笑顔へと代わり、隻腕が地に刺さる大だんびらを軽々と引く抜く
■シド > 「随分と体に見合わぬ武器を使うのだな。
そりゃ魔物でなくとも大の男だって裸足で逃げ出す。」
訥々と語りかける声音に、血を吸って重たくなった砂を踏みしめる。
その凄惨な笑みが見える距離まで。
和風なる言葉遣いに眉をほんの少し蠢かしつつも。
帯から取り出したるは相手の獲物より数段貧弱な細剣。
戦いに振るというより指揮棒の如く虚空に揺らし遊ぶ。
「さぁどこからでもどうぞ。」
■天姫 >
「其れは其れ。人の身と同じと思われては困るというもの。
この国に蔓延る魔族とやらとは違うが、妾も人ではない」
見れば解かろうか、と笑みを深め超大な得物を大きく振り上げる
「貴様こそそんなひょろりとした得物で良いのか?
一太刀振るえば枯れ枝のように吹き飛んでしまいそうじゃぞ!」
相手が踏み込んだそこはもう間合いである
天姫の闘争本能の抑えが効かず、自然と身体は攻撃へ移った
片手で大上段に振りかぶった大だんびら
それをただただまっすぐに距離を詰め、振り下ろす───
■シド > 「ああ、妖の類とは幾度も出会ってきたからな。
小娘とは思って無様にやられはしないさ。」
相手の顔先にと剣先で円を描きつつに躙り足で間合いをつめていく
互いの刃圏に入ったが直後。風を斬るかに放たれる凶刃。
突くには余りに繊細な枯れ枝はその剣先に微かに触れるのみ。
だが相手の剣戟がただまっすぐに振り下ろすのみならば――
その刃は僅かに銀髪を掠め斬るのみで体に当たりはしない。
小さく息をつめると共に放たれる一撃は相手の武器持つ手の甲。
■天姫 >
「!」
キラリと光の反射を残し散ったのはほんの僅かな銀色の毛髪のみ
大だんびらは深々と地を割き刳る
その柄を持つ左手へと剣閃がきらめき───
火花が散る
その一撃はまるで鋼に向けて放ったかのような音と衝撃をシドへと返す
鬼の少女の四肢──右腕は存在しないが──は、黒鋼のように変色し、硬度までもそれに模したものへと変貌していた
「呵々。
帝都の兵たちもよく同じ手をやりよったわ。でぃ、ざーむ…?等と言ってな!」
大だんびらの切っ先を掘り起こす勢いのままに、大きく円弧を描くように水平に薙ぎ払う──
■シド > 「おおっ。」
感嘆の声が溢れる。手応えは柔肌を僅かに斬るのではなく。
鉄を突くかの手に響く感覚。
軸足を変えて飛び移りて改めて変容する肌の色合いに目元を細める。
「これを見るのは初めてだ。これでは私の刃じゃ通じるかどうか?」
危惧も裏腹に楽しげに喉をさえずらせて……引きずった。
身の丈ほどもあろう鉄塊が水平の煌めきをもって放たれるのに。
長駆とは思えぬ素早さで転がりゆきて相手の背後に立つ。
■天姫 > 「存外に素早い───じゃが!」
刃を振り切った後、
勢いをそのままに背後に向け、左脚を振り払う
「くふふっ、刃ばかりが武器とではないぞ!?」
脚も同じくして太腿の途中あたりから黒く変色し、
その爪先は刃物の如く振るわれる
■シド > 「どうも。ディザームとかは知らんがな。
戦場で脚は命だよ……ッ?」
後ろ足払い。受けようかと腕を差し出そうとした刹那。
見えた黒色に長駆をずらして胸のプレートで受け止める。
どう、と肺腑にまで響く衝撃に踏ん張る脚から粉塵があがる。
「ぐぅ……お見事。」
僅かにのけぞったのは衝撃――……ではなく身を横ずらしに。
突きの姿勢に入るため。刃先が狙いを定めるのは胸元。
そのあられもない乳房を隠す布を切り裂こうと突き上げ。
一気に振り上げた。
■天姫 >
「呵々、その素早い身のこなしを褒めたまでのこと──む?」
左脚を振りきり、再び大だんびらを振り上げた──そこへ
"ビッ…"
剣先が薄布を咲き、
身の丈からは随分と大きな、乳房が揺れながらまろび出る
一部の観客が湧いたような声をあげる、が───
「惜しいの!
あともう一足、踏み込んでおれば傷となったろうに!」
ほんの一瞬動きが止まったものの、
特に恥じるでもなく大だんびらを再び振り下ろした
■シド > アリーナより歓声があがるのにほんの僅かに安堵の吐息を一瞬。
相手を見据える眸に僅かな陰りを帯びるは一瞬ならず続く。
「いやいや。ここの闘技場の者たちを喜ばせるために乱入したんだ。
服を破って成功なんだが。 ……ふぅ、もう少し恥じらいをだな。」
湧き出る汗に張り付く前髪を掻き上げて一息。
……を付かせぬばかりの連撃に咄嗟に後方へ転がり回って間合いを保つ。
体中に纏う砂土埃を払いつつも。ゆっくりと剣先を青眼に構え。
「得意げな妖魔様に恥じらい……ならずとも悔し顔をさせるには。
こっちもそれなりの覚悟をしないといけないな。」
重心を後ろに剣先に手を添え……そして跳躍。
風斬る音さえ響くかの渾身の突きを放った。
■天姫 >
「…?」
よくわからなさそうな表情を浮かべる
此処は闘技場、血湧き肉躍る闘争こそが客を沸かせるのだ
……と、目の前の少女は思っているようだ
「肌を晒した程度で恥じらい隙を晒すなど下の下ではないか」
戦士の理論である
──とはいえ、相手も動きは軽やかである
このまま大だんびらを振り回していても当たる気はしない
…だったところで、この鬼のやることと言えば、
再び大上段に得物を構え、まっすに飛び込むだけなのだが──
一寸、疾く
シドの放った突きは鬼の左肩を穿ち、その手に鋼ではなく肉を貫く感触を返す
「──む、ぐッ!」
その直後、鬼の手から離れた大だんびらは大きな音を立てて後方の地に突き刺さるのだった
■シド > 「……返す言葉もない。」
欲望深く根ざす街。純粋な闘技などで興行にもならず。
高額の勝利報酬によって女戦士を誘い辱めて観客から金をせしめる。
それ自体が歪んでいるのだから彼女の言い分は正しい。
初めての一撃にて会場が湧き上がるのに安堵をするもフクザツな気分に葡萄色の眸を眇める。
突き刺さる剣を抜かんと、腹部に脚をかけて蹴り上げようと。
…そのまま追撃許すならば首筋に細くも陽光に煌めく剣先を突きつけるだろう
■天姫 >
「やるのう、じゃが!」
刃を取り落としたとてこの身の三肢が武器となり残る
肩口への一撃を許したなら、相手もまた射程圏内
左手の爪を振るわんとする──
「がッ…」
しかし肩口に突き刺さった剣がその筋肉の動きを阻害し、シドの蹴りが先に届く
が、見た目よりは遥かに重いその小さな体躯は大男もかくやという体重を感じさせる
ほんの僅かに爪先が浮かび上がり、
そのまま後方へと尻もちをつくようにして…その首元に冷ややかな感触を感じる
「…素っ首斬り落とすつもりもないとは。
呵々、この国の剣士も中々に微温い」
そう言って笑うのだった
勝負はついたと思っているのか、攻撃を仕掛けてくる雰囲気はもはや消え失せていたが
■シド > アリーナから響くは乱入者の貴族が見事に妖魔を打ち倒したことのアナウンス。
湧き上がる歓声に殺せとの声が聞こえるのも露知らず。
僅かに血糊がついた白刃を振り回し、輝線の弧を描きながら獲物を鞘に仕舞い込んだ。
「これが戦場なら殺している。飽くまで戦うための闘技だからな。
なかなか楽しかったよ。
で、これからは相談なんだが。」
ゆるりと手を伸ばし。
「色事は好きか。昂ぶった気持ちを抑えるために別の一戦を交えたいが……。
どうする?」
戦場とは逸する悪戯な笑みを浮かべて小首を傾げる。
■天姫 >
「そうだな。此処が戦場なら妾も首一つになったとて貴様を噛み殺しにかかる。
…相談?」
はて、闘技場で倒した相手に何の相談があるいうのか
敗者である以上勝者が何かを求めるならば従おう、という気概はあるが
鬼の再生力があっても深い傷にはしばしの時を有する
この状態で何か手伝えと言われても困ったものだが……などと考えていたが
「色事???」
きょとんとした顔になり、差し伸べられた手を眺める
しかしシェンヤンにおいては妖仙蔓延る山で長らく生まれ育った身
すぐにその意味に理解が及ぶ
「呵々ッ…貴様、正気か。鬼と睦時を交えようと言うのか?
喰らわれるであるとか、そういった畏怖や恐怖心などはないのか」
■シド > 「正気さ。戦いでは全くもって雄の優位を示せなんだ。
褥では圧倒してみたいと思うのが男さ。
……それに気難しく強いご婦人の女の部分を晒し上げるも面白い。
喰うか喰われるか、上等だ。」
いつまでも握らぬ掌。未だに殺せとの歓声が響くのが鬱陶しいと眉間に皺を浮かべながら、軽々と相手を抱き抱えて会場を後にする。
控室通路にて。従者から受け取った消毒薬と包帯にて肩口の応急処置を済ませつつ。
葡萄色の眸はじっと見据える。了承とも拒絶とも取れぬ鬼の眼差しを。
「さぁ、どうする?嫌ならば無理には追わんよ。」
■天姫 > 軽々と抱え上げられ、あげくに治療までも受けてしまった
これは所謂、恩である
しかし色事とはまた…
「──喰らわれてもよいというのなら、塒に案内するがいいぞ。
ただし、妾が本物の鬼であるということ、夢々忘れぬことじゃ」
■シド > 「ああ、忘れないさ。これもまた戦い。
……褥といったが。互いに汗臭いな。
湯で洗い流しながら二回戦と行こうか。」
汗と土埃に塗れる互いを揶揄するように肩を竦めながら共に肩を並べて闘技場を後にした。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」から天姫さんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からシドさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にシドさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からシドさんが去りました。