2017/06/29 のログ
■レア > 女の視線の先、舞台の上にはいくつかの人影がある。小綺麗な格好の男達が数人と20人程のボロ布をまとった女性。
彼女達は男らの声に従い、怯えるようにしながら舞台を歩いていく。
6〜7歩程進んだ辺りだろうか、歩かされていたうちの1人、ミレー族と思しき少女の四肢が地面から生えてきた鉄腕に捕まれ、未動きが取れなくなる。
「へぇ……あの体格あの体重でもしっかり感知するのね」
その様子を見て塀に座った女は表情すら変えず1人呟く。
女、魔導商納品したものは闘技場用の対人トラップであり、今はその設置への立会の場であって。
■レア > 体重や魔力を感知して動くトラップ。これらは元々無名遺跡で発見されるものだ。
しかしそれらはトラップ単体での制御が聞かず、肉体や精神を壊すまで掛かった物を逃さないなど悪質なものも少なくなく、故にそれらを模して作られ、調整されま罠というのはニッチな需要が存在していて。
「闘技場(ここ)はともかく、自宅とかカジノに置く貴族はどういうつもりなのかしらね…?」
まぁ自分売った罠には自分で掛かるかんてことはないからいいけど、などと再び独り言を呟き、噛み殺すように笑って見せて
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にルーザリアさんが現れました。
■レア > もう一度視線を舞台へ戻すと、先程囚われたミレー族の奴隷のまわりを男達がなにやら取り巻くようにグルグルと回っていて。
よく見ると拘束状態での映像記録の写りを調整しているようだ。
「あぁもう、それは検品終わってからでもいいんじゃないかしら…?」
男達が手にした記録機械とスクリーンを、交互似、見ながらせわしなく動く様子をみて女は若干退屈そうにあくびをみせて。
■ルーザリア > と、あなたの隣にどっかと腰下ろす者があった。ボンデージのような革鎧を身にまとった戦士風の装いをした、平時のこの場で斧を振るっているのが似合いそうな風貌の女だ。
たしか、自宅にこのトラップを導入するべく今回の設営を見学に来た物好きな貴族の護衛ではなかったか。
「……そんなのきまってるじゃないか。拷問だよ。拷問、アッチのほうのね。」
女はあなたと同じく、ミレー族がトラップにかかる光景を暇そうに眺めて。
■レア > 声の方を振り向くと1人の女性が自らの隣に腰を下ろす姿が見えた。鍛えられ締まった身体に大胆なデザインの革鎧、そして炎を背負ったかのような真っ赤な髪。
「拷問、ね…やっぱり物好きの考える事は分からないわね。まぁその人達のお陰で食いっぱぐれることがないのも事実だけれど」
戦う者の格好からして闘技場の関係者だろうか、などと内心で考えながら商人は女の答えに自らの感想を述べて
■ルーザリア > 「くいっぱぐれがないってのは、今回ばかりはどうだろうね。」
女はくつくつといやらしく喉を鳴らして笑う。
「どうやら、私の雇い主――■■■卿は、迷ってるみたいなんだよ。
よくいうだろ? 同業他社ってやつさ。あんたのとこと似たような商品を、
おろしてる魔道具商……そっちの商品と迷ってる。」
例の貴族のほうへと目を向けてみれば、たしかに手帳を見ながら悩んでいるようにも見える。
それなりに大口の取引、ここは成立させておきたいところだが……。
「で、だ、私が何でこんなことを教えたと思う?
あんたと、取引がしたいのさ。あの■■■卿とは……そうだね、何度か寝てやった仲とでも
説明しておこうか。そういうわけで、アレもちょっとはこっちに甘い。」
ここで女はにぃ、と犬歯を見せ……。
「あんたが私のちょっとしたお願いを聞いてくれるなら、■■■卿に口利きをしてもいいぜ。」
■レア > 「…なるほどね、それでわざわざこんな場所で話を持ちかけにきた、と」
女の脅迫じみた言葉に商人は柔らかい表情を崩さずに応える。
確かに大型の魔導具であるトラップの類はニッチな需要ではあるがその分貴族など富裕層からの大口の発注が多く、逃したくない美味しい仕事だ。
しかし、女の話を聞く限りこの持ちかけには雇い主とやらの意向ではなく女の独断での持ちかけ、それ自体が罠の可能性もある。
「……ちなみに、貴女は何を望んでいるのかしら?」
額に一筋の汗が垂れるのを感じながら、商人はなるべく平静を保とうとしながら女へ質問を返す。
■ルーザリア > 「あんたがね、ほしくなっちまったんだ。」
訝しむあなたと打って変わって、女は何の気も無しに会話している風。
それが演技なのか、それとも素の行いであるのかはいまのあなたにはわからない。
「……『一晩』アタシに抱かれな。そうすりゃ、あんたの商品を買うように私から説得してやる。」
そういって、女は商人の手に自身の手を重ね、具合を確かめるようにこりこりともみほぐす。
何分、確証もない話だ。リスクもあるだろう。断るべきか、それとも利をとってリスクに踏み込むか……。
■レア > やや固く角ばった手が商人の手を包み込むと同時に商人の身体から強張りが抜ける。
目の前の女に穿った策謀もこちらを貶めようとする思惑もない、ただ己の欲望に忠実なだけだと。
そのことを理解すると背中に掻いた強張った汗も流れ落ちて思わずため息が溢れ
「…はぁ…分かったわ。ただし、もしこれが嘘だったら覚えておきなさいね、貴女の主の大切な物を“奪い去る”から」
念押しに強気な姿勢を見せて言葉をまくし立てると商人は腰を下ろしていた塀の上へと立ち上がり、女に付いていく様子を見せて
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からルーザリアさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からレアさんが去りました。