2016/04/22 のログ
リリア > ――軽い。その程度では、この身には届きませんわ。

(ぶん、と軽く槍を払い、挑戦者として現れた戦士を槍の穂先から振り払う。どさり、と地面を滑り呻く戦士をつまらなそうに見つめるは魔術師風のローブを身にまとった少女。――予想では、真っ先に敗退するだろう、と予想されていた少女だ。華奢な身体に、とても戦い慣れているとは思えない白く、柔らかそうな体つき。槍を振り回すよりも、部屋で本でも読んでいた方が余程似合うような・・・そんな、少女が今や無数の返り血を浴び、黒いローブを真っ赤に染めながらこの闘技場にて覇者として君臨していた。)

――つまらない。もっと手応えのあるものを期待していたのですけれど。

(ただ、なんとなく参加した特に目立った所のない武闘大会だ。報酬の方も割と一般的な大会である。そこにそんなもの期待してしまっては酷なのかもしれないが・・・それでも、自分を楽しませてくれるような、猛者を期待して乱入したのだ。このまま終わるのも退屈だ。出来れば、自分を湧かせてくれる猛者が現れることを期待して、闘技場の入口。そちらの方へ視線を向けて。)

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にトリアさんが現れました。
トリア > 「ここなら思う存分、お勉強の成果を出せそう。もしも勝ったらお金ももらえるし。」

闘技場の入り口からぴょこぴょこといった様子で明らかに闘技場とは場違いな学生服の年端もゆかない銀髪の少女が予想外の活躍を見せおそらく観客から賞賛の声を浴びているであろう少女とは逆にあきれた声やからかい半分のヤジを背に闘技場の真ん中へと小走りで駆け寄ってきてその無機質な表情の奥にかすかな闘志を燃やして相手へと向き合って

「私、そこそこ強い。はず。トリアっていうの。よろしく、」

返り血を浴び、ローブと槍を真っ赤に染めている相手のい出立ちにも特に臆せず自己紹介をして見せるとそのままぴょこんと頭を下げて相手の様子をじっとうかがって

リリア > ――。

(実況、と言うのだったであろうか。観客席の最前列――魔導拡声器・・・声を大きく、拡大する、という機能を持っている、と聞いた――に向かって叫び、その声を周囲に拡散する綺麗な衣装を着た男性が、新たなる挑戦者の乱入を告げる。少女はその声を聞けば、ちらり、とそちらに目を向けて。)

あら。
(少し、驚いたように目を見開いた。先程まで相手をしていたのはむさくるしい男性が多かった。鎧や兜で防備を固め、完全武装です、と言わんばかりの男達が。しかし・・・今自分の目の前に立ちふさがったのは年端もいかない少女。正直、人目がなかったのならその白い首筋に牙を突き立ててみたい、と思う程度には見目麗しく、可憐な少女であった。その服装も鎧の類は見当たらず、衣装は・・・学生服、であろうか。明らかにサイズが合っていない様子で、戦闘行為を行うには不向き、と思われる服装だ。しかし・・・自分の前に立ちふさがったのならば、容赦はしない。 ぺろり、と頬についた血を舐め取って。)

では――その自信の程、私に見せてくださいまし。その自信が私の期待を上回るものであれば、重畳。そうでないのなら――せめて、良い声で鳴いてくださいな。

(そんな仕合開始前の声をかけ――少女はその槍を彼女に向ける。幾人もの血を吸ってきたその真紅の槍は、まるで呪槍・魔槍の類のように怪しく輝き・・・その真紅の槍を携えて、少女は彼女との距離を詰めるだろう。まずは小手調べ――大地を蹴り、一瞬にして彼女との距離を詰めれば、その槍の切っ先を彼女の胸へ向けて、勢いよく、突き刺すだろう。 何の捻りもないただの突き。ただ――その速度だけは常人を遥かに上回っており、一瞬・・・その姿が消えたようにさえ見えたことだろう。それ以外はただの突きであるが・・・さて、彼女はどう反応するか。それをまずは観察するとしよう。)

トリア > 「私、啼く練習してなかったから、いい声で啼けるか、心配…わっ」

驚いた様子はつかの間に少女の見た目に対しても容赦を見せるつもりのない相手が一瞬姿を消したかのごとき神速で肉薄し、一撃を入れてくると、一切反応することもできず、少しだけ目を見開いてその身体は貫かれてしまい。
しかし身体を貫かれた瞬間、少女の身体は霧のように霧散し、先ほどまで相手の立っていた地点の近くにひょっこりと立っており貫かれる前と変わり映えのない無傷の姿で観測するように相手の動きを見つめていて

「思ってたより、速い。攻撃、あたるか心配。次は私の番。」

どうやら霧に光の反射で虚影を作って目くらましをしていたらしく冷静に相手の戦力を分析しながらつぶやくと、少女のすぐ頭上に太陽を思わせる巨大な火の玉が出現し、そのまま少女が手を振りかざすと闘技場の地面をえぐり取りながら吸血鬼の少女へとまっすぐに向かって行って。

リリア > 何も気取ることはありませんわ。あなたの、その可愛らしい素直な声を聞かせていただければ、それで良いのですっ

(槍を向け、貫いた瞬間に違和感に気付く。――手応えがなさすぎる。肉を突いた感覚がない。槍が血を浴びた感覚がない。さすれば、相手のこの顔を歪めた姿は虚像であるのだろう。霧化するのを確認するまでもなく、くるり、とターンをして、相手の姿を再び捉える。そして、太陽の如き炎の玉が自分に向かってくれば)

あら怖い。日焼けしてしまいますわ。

(手をかざし、意識を整え、精神を集中させる。そうすれば、少女の掌の先に何かどす黒いモノが殺到し、少女が作り出した火の玉と同等程度まで膨れ上がるだろう。その正体は何か、と問われれば・・・それは、少女がこの血でその槍で突き刺した戦士達の血である。それを魔力で自らの制御下におき、コーティングし、彼女の小太陽にぶつけよう。見事、彼女の小太陽にヒットしたならば、世を照らすその太陽とどす黒く脈動する血の太陽は互いに削り合い、凄まじい衝撃はを発しつつも、その小太陽を作る魔力を削り、消滅させようとして。 ――それが叶ったならば、ニィ と笑顔を浮かべ)

――素敵でしたわ。小さな魔法使いさん。

トリア > 「それなら負けた時も心配ない。…可愛らしさは、ちょっと自信ないかも。…怖がってもらえてよかったの。日焼けは乙女の敵だから。」

相手の言葉に冗談とも本心とも取れない返しを送ると突き進んでいく炎の玉が魔力を伴った血液の塊で相殺されてしまい、その衝撃波が闘技場を削り取るも少女はとっさに防御壁を張ったため無事らしく。相手の身を焦がすことなく消え去った小太陽にも特に悔しさは感じられずニィっと笑いを浮かべる相手に首を傾げながらきょとんとしてみて

「素敵でした?まだ終わらせたつもりはなかったけど。」

笑顔を浮かべる相手に間髪を入れずに今度は先ほどよりも大き目の炎の玉を無数に召喚し始めて、さらに少女の頭上には黒々と蠢く嵐のような雲まで現れており軽いこの世の終末を思わせる様相になっておりそのまま闘技場を埋め尽くすほどの炎の玉と雷鳴を帯びた暗雲から飛び出す雷が吸血鬼の少女へと矢のように肉薄していって

リリア > 不安がることはありませんわ。あなたはそのままで十分・・・愛らしいですもの。

(もっと自信を持って良いですのよ、と可愛らしい少女へ賛辞の言葉を送るだろう。今は戦士として敵対する身であるが――まるで軟派するような軽口を彼女へ送り。美しいものを美しい、と愛でる想いは例えどんな立場であろうとも秘するつもりはない。)

――これ、は。

(そして、その世界の終末を思わせるその大魔術の展開に、先程まで騒がしく言葉を連ねていた実況者も流石に言葉を失うだろう。ヤジを投げかけていた観客も同様だ。そして――それを受ける吸血鬼の表情はくすくすと楽しげであった表情は真剣な表情へと変貌するだろう。流石にこの量捌けるか、といえば少々きついというのが本音であるが――だが、ここまで見せてくれた彼女だ。その魔術に応えようではないか。)

――ふふふ、楽しくなってきたわっ・・・・!

(とん、とん・・・と軽くジャンプするようにして身体を解す。そうすれば、身体を低く獲物を狙う肉食獣のように。そして、彼女の魔力が雨のように殺到すれば、それに合わせ闘技場を飛ぶように駆けるだろう。避けられるものは、その足と目で持って見極め、飛ぶ。どうしても無理なものは槍で打ち払う。それでも無理ならば、防御壁を貼りながら弾丸のようにそれに突っ込み、その勢いで打ち破る。 ――この魔術を打ち破る可能性があるとすれば、術者を串刺しにすることただ一つ。彼女の元へ辿りりつく頃には、そのローブはボロボロに煤け、千切・・・廃城に住まうまさしく吸血鬼のようになっていただろうけれど――それでも抗う。最後の一歩まで――。無数の雨を超え、身体に無数の傷を負い、お気に入りのローブもボロボロにしつつも・・・彼女を槍の届く距離まで吸血鬼は意地でもってたどり着くだろう。さぁ――あとはこの槍を突き出し、その柔らかな肌を突き刺せば私の勝ちが見えるが――それが間に合うか否か。)

リリア > (――さて、この勝負がどちらに傾いたにしろ・・・吸血鬼は満足して帰ることだろう。血湧き肉踊る・・・刺激的な戦いであった。お気に入りのローブが駄目になってしまったのは手痛いが・・・まぁ、また新しいのを新調すればいい話だ。魔術師トリア・・・その名と顔は覚えておくとしよう。次に出会った時、その血をいただく為に)
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からリリアさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からトリアさんが去りました。