2015/11/30 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にリーシャさんが現れました。
リーシャ > 久しぶりに体を動かしたいから、と主不在の間に闘技大会にエントリー。愛刀を引っさげて船に乗り、少女はひょっこりと港湾都市ダイラスまで来ていた。
周囲の席はほぼ全て埋まっており、男女問わず熱狂の声を上げている。先程の試合で、剣士の少女が魔犬の魔物に敗北し、陵辱の限りを尽くされていた名残だろうか。男たちの血走った眼と怒号、女性たちの悲鳴にも似た歓声が壇上を埋め尽くしている。

「で、この中で戦うわけ?――五月蝿いのすきじゃないのになぁ」

苦笑しながら、階段を登る。姿を見せれば、観客達は湧き上がりを見せる。――またも少女が剣を振るうのだ。先の少女と同じような顛末を、あるいは少女が魔物や強者を倒す姿を、そのどちらもを期待しているからなのだろう。巨人殺しは闘技の花で、敗北からの陵辱は闘技の常だ。そのどちらもが彼らにとっては娯楽にすぎない。――戦う側は真面目だというのに。ともあれ、少女は言われた通りの立ち位置で、対戦相手を待っていた。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にカレリアさんが現れました。
カレリア > 風のうわさに聞いた趣味の悪い闘技大会の噂
なんでも勝利か凌辱か、女性が挑み負ければその場で凌辱の限りを尽くされるらしい

「…思ったよりも可愛らしい方が相手ですのね?」

特に深くは考えずエントリーした大会、あわよくば対戦相手―女性以外―を全て八つ裂きにしようと思っていたが…
今目の前に居るのは剣を握る少女

リーシャ > 眼前、やってきた相手は可憐な少女だった。場数のお陰か、彼女の只ならぬ気配を察知した。
見かけによらず強そうだ、と事前の評価を立てながら、とりあえず刀を腰だめに構える。

「ん、ボクはリーシャ。名前くらいは教えておくよ。君は、まぁ、答えたくなきゃなしでも良いや」

相手が可愛らしい女性であるならば、とりあえず両断するのはやめておく。負けたら?――その時はその時だ。
最近は擬態を見ぬかれることも多いから、そろそろ耳と尻尾は隠さなくてもいいかなぁ、などとぼんやり考えながらも、意識は前へ。
隙を見せないように意識しながら、様子を見る。彼女の準備が整えば、開始の鐘が鳴るだろう。そうすれば、後は刃を交えるのみ。
久しぶりに暴れるぞ!と意気軒昂な少女は、戦いの始まりを今かと待ち侘びていた。

カレリア > 「…私はカレリア、メイド冒険者でございます。」

スカートの裾をつまみ優雅に一礼
相手の構えを見やる…刀、斬ることに特化した刀剣で主な攻撃用途は斬撃と刺突
冷静に相手を分析しながら一言

「棄権してくだされば、お互い楽に終わりますわよ?」

言ってはみるが結果は読めている
意気揚々な戦闘を楽しむという目、こういった事が大好きなのだろうと小さく笑い
自分も戦闘準備に入る、魔力形成で現れたのはシンプルな…されど血の様に赤い槍
軽々と片手でそれを構え、少女と相対する

リーシャ > 「へぇ、メイドさん?――道理で、可愛らしくて、だけど強そうだ。なんで使用人っていうのは大抵、武勇も秀でているんだろうね?」

自分が知っているメイド――と言うのは主のお付のメイドだ。しかも伝聞調である。なんでも、むちゃくちゃ強くて、家事はからっきしだとか。
―― 一度刃を交えてみたいとは考えているものの、なかなかそんな機会もなくて。とは言え眼の前の彼女も、優美にして繊細にして、それでいて力強さがある。

「……それじゃここにいる意味が無いよね。それに、君はその言葉をそっくり返したら同意する?」

しないよね、なんて独りごちると、彼女の獲物――血塗られたような赤い槍を見る。長物は厄介だ。間合いが測りにくいし、入りにくい。
だが、そんな困難すら今はスパイスだ。深呼吸して、前を見て、破顔一笑、その後で。

「ま、お互い命のやり取りはせず、立てなくなったら終わりってことでどう?その後はまぁ、勝った人に従うって感じで。――そんじゃ、いっくよーっ!」

とん、と足音が鳴る。同時、少女の姿が掻き消えた。――視覚では到底捕らえられない速度での跳躍。彼女が眼と耳を頼りにしているならば、まず不可知の一撃だ。
一瞬で間合いを詰め、正面を通りすぎて斜め右後ろから、反転して一閃。腰の刀を居合の要領で抜きながら、足元に鋭く切り込んでいく。

カレリア > 「褒めていただけるのは嬉しいですが…何を言っていますの?」

メイドだから強そうだと言われて首をかしげる
何か彼女の中でよく分からない理解が進んでいるのかもしれないと考えながら続く言葉を聞けば頷く

「ですわね…残念ですわ♪」

命のやり取りはせず…そう聞いて油断しているのかも思うがその認識はすぐに塗り替えられる

「くっ!」

相手の姿が消える…転移なのかはたまたただ速いのか
分からずとも自分の行動は一つ、ただ前に跳ぶ
皮一枚の所で薄く足を切り付けられたが筋の断裂までには至らず反転する

「ふぅ…どうして皆さん誰も彼も背後からの一撃を狙うのでしょうね?」

クスリと笑う、今の回避は運が良かっただけ
次はない…そう思えば体中に魔力を循環させる
手を抜いて勝てる相手でもない、全身全霊で屠る
二つの瞳で少女を見つめながら再び構える

リーシャ > 「――んー、ボクの場合は、可愛らしい顔に傷つけたくなかったからかなぁ?間違いがあっちゃいけないし」

他の相手はともかく、少女としては隙を狙った、というのもあるが、何より体の前面に傷を付けたくないなぁ、という考えによるものだった。
胸元や顔に傷が付いては、彼女の可愛らしさが損なわれてしまう。それは、女の子も好きな少女としてはあまり面白くないことなのだ。
だが、隙を突いた一閃は、しかし間一髪で避けられている。手応えとしては皮一枚か、そこから少し深い程度。
どうやら読みも良い様子。これは楽しめそうだ、と上機嫌に鼻歌が交じる。

「っと、凄いなあ。肌にチリチリ来る。――普通の人間に見えたけど、その魔力は普通、とは言いがたいよね。まぁ、事情を深くは聞かないけどさ」

刀を構えて、そっと手招く。――打ち込んだから、次は打ち込んでこい。そんな意図を持った仕草だ。彼女が自分のペースで放つ一撃というものを受けてみたかったのだから仕方がない。さぁ、どう来るか。相手の一挙手一投足を楽しみにしている自分が居た。

カレリア > 「あら、それはご丁寧に…嬉しい気づかいですわね♪」

待ってばかりも居られない、腰を少し落とし足に力を込める
スピードでは負けているのだからこちらはパワーを前面に…

「私に勝ったなら…教えて差し上げますわ!」

ダンッ!と地面を蹴り少女の真正面から刺突を放つ
狙いは肩に近いとはいえ胸部、少女の一撃目までのスピードとまではいかないがそれでも常人では初速が目で終える速度ではない
矢よりも速くしかし威力は騎馬の突撃並みの刺突、だが少女にとってはまだ遅いだろうか

リーシャ > 「足や腕を一時的に、軽く削ぐくらいはするけどね。――君は君の信条で戦うと良いよ。ボクは気にしないからっ!」

腰が落ちた。槍が引き絞られた弓矢のように奥にずれる。――突進、と言うには重いプレッシャーに心が踊る。

「――なら、教えてもらう気で頑張ろうかな!」

踏み込みが、飛来する。槍の先がぶれて、胸元目掛けて風を切りながら迫ってくる。
剛槍だ。少なくともまともに受ければ、一撃で心臓が吹き飛ぶだろう。――ましてやそれに、彼女の技量が伴っている。
無駄なく伝導する力。体のバネが靭やかだからだろうか。少女は目を細めると、風の気配を肌に感じながら、刺突に刃を合わせる。
そのまま刀の反りを利用して、体の横に受け流そうという考え。問題はその威力だ。騎馬突撃と同等ともなれば、受け流そうとしても無事では済まない。
火花が散るのを間近に見ながら、ゆっくりと体を回す。彼女がこのまま突き進むならば、少女の脇を槍が掠める算段である。

カレリア > 「削ぐ、ですか…」

身体を使った回転、このままでは体は狙えない…だが

「では私は、穿ちます♪」

刀身と槍が擦れる瞬間
魔力爪に変化が生じる、表面にごく小さな無数の棘
まるでネコ科の下の様にリーシャの刀、その刀身を削り取ろうとする
躱されても獲物は奪う、転んだだけで起きるつもりはない

リーシャ > 「――げっ、マジで、刀折られるのは困るっ……!」

目の前、槍の柄が鋸状に変化した。金属同士の擦れる音が甲高く響く。
火花は二人の間を跳ね跳び、周囲を明るく照らす。周囲の観客も湧き上がる。
――叩き折られるわけにもいかない。ならば、と少女は自ら力を抜いて、横に倒れるように身を崩す。
そのまま、刀をわざと棘に引っ掛けて、刺突の勢いを借りて後方へ。それは突き飛ばされるに近い。

「わぶっ……すっごいなぁ、もうっ――!」

後ろ向きに宙を飛ぶ最中、右手の刀に魔力を込めると、そのまま勢い良く振るう。
剣気を遠当てして、相手の隙を作り出すのが目的。かまいたちのような斬撃が2条、空間を割くように突き進む。

カレリア > 「判断が早いですわね…面倒ですわ♪」

ニコリと笑顔を浮かべる
飛来する不可視の斬撃、通常であれば食らうしかないがそれを目で見る事ができる者にとってはまさに時間稼ぎだろう
同じく純水に魔力でできた槍、それを振るい斬撃を打ち払う

「ふむ…一進一退ですわね。」

追撃はでき無かったが欲張って自滅してはただの間抜け
もう一度槍を構え、力を込める
距離を詰められる前に仕留める、それを念頭に置きながら

リーシャ > 「そっちこそ、その速さでその火力は十分に厄介だよっ!」

少女の一閃も負けてはいないが、攻撃範囲の点では確実に劣る。長物の突進には勝てない。
ましてやそれが2発目の準備をしているのだから厄介だ。魔力製の槍は切れないらしいのも面倒である。
普通の相手ならばここまでで4人は倒せるはずの、濃密な攻防。遅れれば彼女の仕手が飛んで来る。

――其れならば、と刀を納めて、壁に足を着き、跳躍する。全力を込めた、空を裂くような突撃。
槍が自分を捉えるのが先か、彼女を刃に収めるのが先か。そんな刹那の応対を、彼女に強いる。

カレリア > 「火力…確かに、そうですわね!」

構えからの刺突…ではなく自身の得物をリーシャに向けて投擲
魔力で生み出せるからこその捨て身の技、だがこれで確実に隙ができる筈

「あら、近づいてみれば可愛らしいお顔ですわ♪」

空中での回避は恐らく不可能
なので槍を切り払った隙に自身もリーシャの懐に潜り込み抉る様に腹部に一撃を叩きこもうとするだろう
だがカレリアも得物がないせいかここでカウンターが決まれば決して軽くない傷を負うだろう

リーシャ > 「な、ぁっ!?――やり投げ、とか、其れ有りなのっ!?」

其れは正しく破城槌。唸りを上げて殺到する槍には、仕方なく少女もまた秘めていた一刀を放つ。
空間を断ち、彼女の投げた槍をそのまま飲み込むが、代わりに刀は完全に自由。振りぬき切った隙を、そのまま捕らえられた。

「あ、ぐぅっ――!?」

ごぶん、と肉を打つような音と共に少女の腹部に拳が突き立つ。刹那、刀を振るわなかったのは、彼女の正面だったから。
かは、と呼吸が漏れでて、がく、と膝から崩れ落ちる。びく、びく、と体が震えて、それでも倒れないのは無様を見せないためのプライドだった。

「――こ、れは……やばいの、もら、っちゃった……なぁ……」

嘔吐しそうな不快感を堪えながら、呟く。うずくまった少女に追い打ちをするならば、そのままされるがままにやられてしまうだろう。
刹那の判断を鈍らせたのだから、負けたのも仕方がない。強者同士の戦いは、決着も一瞬だった。

カレリア > 「試合に勝って勝負に負けた…ですわね。」

最後の瞬間自分の拳を受けたまさにその瞬間
斬り払わなかった彼女…油断でもなんでもなく矜持なのだろう

「引き分け…それでいいでしょうか?」

周囲からブーイングの嵐が飛ぶがそんなものどうでも良い
いあ自分が問う相手は実際に自分と戦った彼女のみ、文句がある輩は実際に戦ってから文句を言えば良いと切り捨てる