2015/10/17 のログ
ご案内:「アケローン闘技場」にリーシャさんが現れました。
■リーシャ > (借金を抱えてからはや数日、少女は住処にしているマグ・メールの街を離れて、港湾都市ダイラスを訪れていた。借金主の酒場の店主からの斡旋で受けることになった、闘技大会の調査任務。依頼主はさるやんごとなき身分の方で、敵対貴族の弱みを握りたいのだとかなんとか。――正直無茶振りな気がするのだが、断る術を持っていないのも事実。その上、店主の手によって、勝手に闘技大会へのエントリーが済まされている、というおまけ付きなものだから仕方なく)
「……でもさぁ、貴族の調査とか絶対ヤバイ感じなんだよなぁ――」
(そして今、腰に愛刀を下げた少女はこっそりと控室を抜けだして、大会主催者やVIPが集まっている貴賓席の入り口に忍び寄り、聞き耳を立てている。中で行われているのは賑やかな談話。時折、闘技大会の舞台の様子が下世話な話とともに流れてくる。――どうやら出番までは未だ少しあるらしい。ならば、と懐から短冊状に整えてある羊皮紙を取り出して、聞き取った内容を要点だけ纏めて書き連ねていく)
「――ん、ぅ……奴隷商売に、薬物の売買に……試合結果の賭博に――?」
(闘技大会という皮を被った権力者の集まりは、実に様々な話が流れてくる。どちらの参加者が勝利するかを予想する賭けにのめり込む放蕩貴族の息子や権力者達の集まりに様々な怪しい薬物を下ろそうとする大商人、或いは舞台上で戦っているミレー族の奴隷を貴族に売る算段を立てる奴隷商人などが、それぞれに自分の欲望を満たすために其の舌を回す。今、目の前の貴賓席には、どす黒い様々な欲望がひしめき合っていた)
■リーシャ > (――闘技場内部の歓声が強くなると、騒音が増える分だけ貴賓席の中の声が聞き取りにくくなる。どうやら舞台の上では、戦いの決着が着いた様子。其れは即ち、敗者の陵辱が始まったことを意味している。無論、ルールとして降参を宣言すれば勝敗は決まるが、其れで終わるのは互いの勝敗を賭けた戦いのみ。その後の陵辱部分については、観衆の気が済むまで、或いは敗者が完全に意識を手放すまで続けられるのである。多数の卑猥な野次が飛び、僅かに女性の悲鳴が聞き取れる。しかし、其れは少女には関係のないことで)
「……ん、夢中になってる今なら忍び込めるかな……?――っと、気配を消さなきゃ、ね」
(小さく呪文を唱えて、感覚の鋭敏化と気配の散逸を自身に付与する。其れは隠れ潜むミレー族特有の術式で。足音すら喧騒の中に消すと、右手でそっと扉を開けて、中へと滑るように忍び込む。まさか自分の隠形を見破れるような熟練の護衛や魔族など居ないだろうと踏んでの算段で、更に詳しく上流社会の闇に踏み込もうとする)
■リーシャ > (第二試合もそろそろ佳境という頃。白熱する試合展開に、皆が手に汗を握る形で戦いを見守っていた。歓声も一瞬静まり返って、皆が目下の戦いに集中しているのがわかる。試合に出場する時間も迫ってくるから情報収集はこれまでだろうと判断し、そっと踵を返す。――刹那、魔力で隠された尻尾が近くの小さな陶器のカップを引っ掛けて、宙に跳ね上げてしまう。――しまった。と思った時にはもうカップの落下は始まっていて。それ故、慌てて扉に向けて駆けていく。かしゃん、という小気味のいい音とともに白磁のカップは砕け散り、音に気づいた皆が一様に振り向くのがわかる。見られずに扉を潜り抜けられたかは分からないが、ともあれそのまま、石造りの廊下を駆けていく)
「うぅ、さ、最後の最後でまずったっ……!捕まったら絶対尋問ルートだしやばいってっ――!」
(外に出てしまえばそれなりに人がいるものだから、追手の気配を測ることは難しい。とはいえここは、控室に飛び込むより一度隠れたほうが良いだろうと、そっと岩の柱の陰に身を潜める。見つかれば逃げ場のない袋小路だが、其れ以外は逃げる選択しかなかったものだから、やり過ごして呼吸を整えてから普通の参加者として控室に舞い戻る算段だった)
■リーシャ > (人の流れが進んでいく。そろそろ追手が居たとしたら撒けた頃合いだろうか。遠くから聞こえる歓声から、二試合目も勝敗が決したことを推測する。であれば、もうすぐ自身の出番。第三試合に出るならば、控室で準備を初めていい頃合いだろう。それ故、気配を消す魔術を解くと、周囲の人混みにそっと紛れようと柱の陰からふらりと出て行く。僅かに挙動不審な様子を見せながらも、深呼吸してどうにか落ち着こうとして。人の流れに紛れ込むと、足早に控室へと向かっていく。魔法使いや魔族であれば、尻尾や猫耳が後ろ姿に見えることだろう)
「ふぅ……これで、勝って戻れば任務完了だね。どこの貴族さんかは知らないけれど、ボクの借金の返す当てになってもらうんだよ――♪」
(小さく呟くと、少しずつ歩くスピードを緩めて人混みに紛れようとする。もう少しで控室。中に入れば、後は試合への参加を待つだけになる。関係者以外は立入禁止であるから、そこまでゆけばもう安全だろう。そんな憶測を立てながら、控室の扉の前までのんびりと歩いてゆく。歓声はまだまだ止みそうにない。どうやら舞台の上は中々派手に盛り上がっていることらしかった)
■リーシャ > (ようやく辿り着いた控室の前。そっと木製の分厚い扉を開けて中へと入る。次の試合開始も間近であることから、中には進行役の男が1人だけといった具合。どこに言っていたのかという問いには、一瞬体をビクリと跳ねさせながら)
「いや、その……け、見物に行ってきただけなんだよ?ほら、試合前にはちゃんと戻ってきたんだから良いじゃない!無効試合にはしないんだよー!」
(向こうも出場者の素性や行動には興味が無いらしく、追求はその程度で終了。『そろそろ前の試合の"ご褒美"も終わるから支度をしろ』と告げられる。其れに頷くと、腰の刀を確認して、その刃紋などをチェック。神様の加護を受けている刀に刃毀れなどないのだが、念には念を入れるついでに、いつもと同じ予備動作。これできっと落ち着くはず。明鏡止水とでも言うのだろう、平静とした心を取り戻すと、ついに自分の出番となる。前の試合の後処理が始まる最中、進行役の男から注意事項を受ける。所謂ルール説明だ)
「……ん、降参するか気を失ったら負け、なんだね?で、えーと……あ、やっぱり、その、負けたら何されるかわからない感じかぁ……」
(基本的な禁止事項は"敗北者の殺害、重大な欠損・障害を与える事"のみ。其れ以外は魔術だろうと武器だろうと薬物だろうと何を使用してもいいとのこと。そしてもう一つ、と言いながら男が少女の首輪に触れる。すると、何かの割れるような音とともに隠されていた耳と尻尾が現れる。
『――挑戦者の不公平が無い様に、一度あらゆる魔法を解呪するんだが……へぇ、あんたミレー族か。負けた時は覚悟するんだな。ミレー族には厳しいって噂だぜ?』
悪びれる様子もなく笑う男には、首を傾げながら)
「ボクが勝てばいいんでしょ?――っと、其れじゃいっちょ頑張ってこようっ!」
(大胆不敵な発言を残して、闘技場の舞台へと続く階段を登る。対戦相手はどのような相手かも分からないが、勝つ意欲は満々で。衆目の視線と歓声を浴びながら、対戦相手が現れるのを、待つ)
ご案内:「アケローン闘技場」にヨゾラさんが現れました。
■ヨゾラ > (暇なので、と言う理由で闘技場で一悶着。金も入るらしいから実力を売りつけて買われてみた。
ただし、本来の姿としてではなく、変幻した別の姿で。)
―――。
(彼女が登った階段の、逆側に位置していよう階段を、音もたてず登る異形。
軈て闘技場側が用意したと思われる、悪魔族の様な魔物が見えるだろうか。
男とも女ともつかない体つき、天の川の如き黒い髪。
全て青と黒を混ぜたような単純すぎる肌の配色。
赤黒く煌めく、呪縛の様な瞳。下級悪魔に似つかわしくない、異世界の高級な衣服。
そして、嗜虐性を秘めた笑み。)
―――。
(軈て見える、本日の相手。
猫耳。確かこっちの世界ではこの連中をミレーとか言ったか。
割と公然的に奴隷とされるそんな扱いの種族だったと認識している。
例にもれずと言うべきか、まぁまぁ可愛い。
「殺さなきゃ、腕と足切らなきゃ好きにして良い」だとの事。
良い目をしている。希望に溢れた黒曜石が日光を反射するかの眼差し。
まぁまぁ興が乗った。少し壊してみるのも、楽しいかもしれない。
薄っすらと神力を感じた様な気がするけれど、気のせいだろうか。)
―――。
(所定の位置について、少し。
試合開始の合図が行われれば、観客の声が一層沸き立つか。)
■リーシャ > (やってくるのは如何にも魔物といった様相の魔族だった。肌の色も眼の色も、人間とは浮世離れしている。顔に張り付いた嗜虐的な笑顔には一瞬背筋が震えるも、そのくらいの修羅場は少女も経験済み。一瞬感じた恐れを振り払うと、深呼吸を一つ。――強そうだなぁ、という感想を抱くが、別に人型の魔物を相手にしたことがないというわけではない。見たことない服を着ているのは気になるが、それはそれで、魔物の礼装だったりするのかもしれない。ともあれまずすべきは)
「……対戦相手には何であれ礼を、だね」
(刀を抜き放つと、目の前に構えて一礼。剣を習う時に父親に習った仕草。――乱戦でないならば、戦う相手に、戦いそのものに敬意を持って刃を振るえ。昔の言葉が懐かしく思い出されてくるのがわかる。目を瞑り、再び開くとそのまま剣気を相手にぶつける。純粋な剣術使いとしての威圧。並以下の相手ならこれだけで気圧される、気合の圧力。その上で鳴る、試合開始の銅鑼の音)
「――名前は知らないけれど、いざ勝負……!」
(音と共に少女は動いた。剣を右斜め下に下ろすと、そのまま体勢を低くして前へと跳躍。開始の合図とともにかけた身体強化の術式で、目にも留まらぬ踏み込みを行う。そしてまずは相手の反応を見るべく、単純な逆袈裟の一撃を振り上げる。一直線に左上へと抜ける剣閃。それと同時に、体も左側に流して魔物の横を駆け抜ける。次いで急制動からの方向転換で様子を見る。手応えは、正直あまり自信がない。かの体に刃は入ったのだろうか――?)
■ヨゾラ > (一瞬、恐れの念を抱いた様に見えた。けれど、それでも彼女は恐れを振り払ったらしい。
やはり、こうでなくては楽しくない。)
―――。
(軽く、軽くではあったけれど、こちらも頭を下げた。こういう所は、妙に潔い。)
ンッ…フフ…。
(戦意、威圧感。そう言ったものが感じられる。
これが、仕組まれていない闘技であったなら、そして、この異形が見た目通りの下級悪魔だったら、
身じろぎくらいしただろう。残念ながら、この異形は普通ではなかった。
健気で元気な威圧は、「可愛らしいわね」と内心でごちながら、笑みが嗜虐性を深める。
響く音。そして―――)
―――アッハッハハハ…!!
(―――それとほぼ同期とも思える速度での飛び出し。
反応できなかったわけではなかったが、強いて言うなら反応する必要もなかった。
たかが剣で何が出来よう。そんな風に思っていたし、現に思っている。
男とも女ともつかない、奇妙な笑い声が上がる、口角が歪む。
それから仕掛けてくるのは、人間離れした一撃。斜め上に斬撃の軌跡を作るのが見える。
成程通りであんな自信たっぷりな表情だったのだ。
ぐにゃり。姿が歪み、気色の悪い色合いに発光する。彼女が剣を振るうまでにしたのは、視覚的にはそれだけだ。
腐った肉を貫いた感触に、高粘度スライムがまとわりついた様な弾性力が刃に伝わり、
そして横を駆け抜ける時には、魔物の方へと刀が引っ張られている様な、そんな風に感じるだろうか。
異形の体に刃は、入った。但しそれは比喩ではなく、そのままの意味で。
様子を伺うなら、中途半端に逆袈裟の通過点で刃がねっとり引っかかっているのが見えるかもしれない。)
■リーシャ > (駆け抜ける瞬間に感じた手元の違和感、その正体に目を丸くする。手応えを感じたのも束の間、速度の慣性で刀がすっぽぬけてしまったのだ。そして、その刀の本体はといえば、目の前の魔物の、ひしゃげた筈の胴体にくっついている。――まるで硬質なスライムを切るような、刃の通らない感覚。流石に刀を持っていかれるのは予想外だったが)
「――それなら仕方がない、かな。おいで、払暁!」
(真名を呼ぶと、刀は其れに呼応するかのようにして独りでに動き始める。魔物の肉を、振動を以って断つことを目的とした微細な揺れ。――異なる世界線では存在したかもしれない、高周波ブレードの要領を魔術によって実践する。下級の魔族にありがちな感情に任せた行動は見られない。其れは目の前の存在がそれなりに高位であることを意味している。冷や汗が伝うとともに、ズキリとした痛みが掌を駆け抜ける。どうやら先程剣をもぎ取られた時に、皮を裂いてしまったらしい。鮮血が流れ落ちる掌。其れを古き神、アイオーンの加護で癒しながら)
「……むぅ、抜けないみたいだし……それなら――!」
(先程よりも疾く、残像を写しながらの高速起動。タン、と足音を三方から同時に響かせて、真後ろ、右前、左前から同時に手を振りかぶった掌底をつきだしたその全てが対面に抜けるように、正六角形の対角線を描くかのようにして、中心点にすえた魔物を攻め立てる。右手に宿すはアイオーンの加護――ヤルダバオート信仰によって失われたはずの、正真正銘の祓魔の力。其れを乱打とでも言うべきほどの密度で、魔物めがけて叩き込む――!)
■ヨゾラ > ―――カユイカユイ。
(確かにスライムには効果的なものだった。刀を貰った。気色の悪い肉塊が少し地面に吹き飛んでいるだろう。
確か、武器は奪っても良いルールのはずだが、こいつを相手にするのは面倒くさい。
剣を虐めて楽しい事なんて、何もないのである。
何せ使用者の意思で動くのだから。故に、このまま抜けることがなければ異形はそこに口があるかのように、その剣を体にそのまま呑み込もうとする。)
………ンッフッフフ…。
(神力。それに加えて速い。だが見えている。「ラプラスの悪魔」はそれらを見せる。
うそ偽りのない、速さが作り出した残像。
三方向からの、正三角形の打撃。折角頑張っているみたいなので最初の1発は貰っておいた。
肉塊が飛散し、何だかぬるんとした感触が手に感じられるだろう。
2発目は空を切った。まるで、その打撃が命中する瞬間だけ無かったかのように。
もしかしたら、その瞬間だけ異形の姿が消え失せていることに気付くかもしれない。
今、異形はスライムの様なものだから。祓魔の力は、そこそこ効いたが、活きが良いものだと思っておくことにしよう。
真後ろ、右前―――次は?)
―――アッハッハハハ、フミコミガアマイ。
(因みに格闘術なんて知らないので適当を嘯いているだけである。
目にも止まらないなら、残像すら残すなら、後は予知するしかない。
ぬめった青黒い拳が、程よく人間の骨を適度に折れる具合の苦悶させる程度に手加減された運動エネルギーを持って、
三発目を放たんとして現れた彼女の腹部を、先んじて殴り据えようと迫った。)
■リーシャ > (三つの衝撃がほぼ同時に届く。一撃目は綺麗に当たり、二発目は全くの手応えなし。そして三発目を放った最中、刀が少しずつ目の前の魔物の体へと飲み込まれていくのが見えた)
「うぇっ、そんなのありっ!?」
(今まで色々な戦いを経験しては来たものの、神刀を取り込まれるというのは流石に初めてだった。神の刀はそこにあるだけで祓魔の力を撒き散らすが、どうやら目の前の魔物の体は、其れを相殺出来るだけの実力や瘴気を放っているようで。其れはつまり、場合によっては完全に刀を失うことを意味している。――流石にまずい、と思った刹那、考えるより先に刀へと手を伸ばしていた。本来ならばそのまま駆け抜けるはずの体が、魔物の目の前で急に動きを止めたのだ。其れは、魔物にとっては付け入る絶好の隙となる。刀の柄に手をかけたその瞬間、その薄い腹を拳が強かに打ち据える。とっさの判断で挟み込んだ左手はごきりと鈍い音を立てて在らぬ方向に折れ曲がり、其れでも殺しきれない衝撃が、拳ごと腹に深々とめり込んだ)
「お、ごぉっ!?――ぁ……んぶっ!?」
(一瞬の静寂、後に苦悶の声とともに胃の腑の中身を吐き出した。べちゃべちゃ、と石の床に当たった其れは弾けて、酒場の裏の路地と同じような饐えた臭いを散らす。アイオーンの加護のおかげで骨や内臓への被害はどうにかなったものの、完全に折れ曲がってしまった左腕をすぐに治すのは流石に厳しい。焼けるような痛みが走り、冷汗と涙が溢れてくる。それでもふらふらとした足取りで立ち上がるのは、心が折れていないから――否、正確にはアイオーンの加護によって、心を折らせてもらえないのだ。神の刀は死亡を賦活し、体力と精神力を正常に整える力を持っているし、アイオーンの加護は魔力の無尽蔵な回復と強力な身体強化を常に行ってくれる。それは、ある一定のラインを超えないかぎりは最強の力。だが同時に、その力及ばぬ敵が現れた時には、最高の玩具にしかなり得ない能力で)
「――ぐ、ぅぅ……その程度じゃ、まだ、まだっ……!」
(明らかにやせ我慢とわかるような声。刀を持つのは右手のみで、左手は肘と手首の間でくの字に折れ曲がって外を向いていた。これは加護の力で癒やしても、少なくとも一日は使いものにならない。経験則から判断しながら、考えるより疾く、感覚で動く。容赦加減一切ない、全魔力をそそぎこんでの奥義。今できる最大の八つ身の分身から、駆け抜けざまに切り刻む。予測されたとしても、其れを超える。そんな意志を込めた、"不可知・不可視のモノすら切り裂く一撃"。本来ならば、これを受けて立っていたものはいない、という絶技だった。――そう、左手が十全であれば、もしかすれば目の前の魔物を捉えられる可能性があったのかもしれない。そんな全身全霊の技だった)
■ヨゾラ > ―――アハハハハハ!!!
(肉塊が、左手を押し退けて、少女の腹部に抉り込むのを感じる。
気分が良い。良い音、良い声、良い顔だ。
堪らない。苦悶する表情、腐った牛乳か酒の様な嘔吐物の匂い。
普段なら、こんなもの嗅いでもいささかも気分が良くならないけれど、今回は違う。
自分がこの手で、それをさせてやったという実感が、心地良い。
刀を抜き取られてしまったが、無問題だ。
尚も折れない。異形の魔物にとって、それは本当に最高に楽しい玩具にしか見えなかった。
その加護は、或いは呪いなのかもしれない。
どれだけ、負の感情を与えれば、壊れるのだろうか?
もっともっと、苦悶に歪む表情は見せてくれないだろうか。
まぁまぁ興が乗ると思ったが、これはとても興が乗る。
絶叫させてやりたい、壊してやりたい、泣かせてやりたい、折ってやりたい。
嗜虐性を秘めるどす黒い線の入った赤い目が、三日月を描く。
汗と涙に濡れて、湿り気を浴びた、健気な少女は、未だに負の感情に満たされていない事が分かる。)
―――アッハ―――?
(「ラプラスの悪魔」が、ぬかった。
確かにその攻撃は見えていた。見えていたけれど、予想以上だった。
ミレーについては良く知らないが、予想外の一撃だった。ミレーとは、単体でここまでやれるのか?
8方向からの連撃、絶対なる斬撃。異形が、肉塊が爆ぜる。
次から次へと切り刻まれる、異形はそれに反撃をする事もしないまま。
その肉塊は、文字通り八つ裂きになった。その攻撃が終わった後、そこに、立ててすらいなかった。
虹色の血肉が、嘔吐物と同じ様にグチャリとバラバラになって、潰えた。
観客が呻く。「異形が負けた。」多くの者が、そう思いこんだだろう。)
―――ふふ。ダメじゃない。貴方、今の殺す気でやったでしょう?
あーあ、今のでお化粧、台無しだわ。後、残機が一個減ったかしら。
(肉塊が蠢く。残骸とも取れる、その肉片が。
様々な斬撃と打撃によって飛び散った、数多の肉片が。
それぞれ個別に石を持っているかのように、集まる。肥大化する。形を変える。
すらりとした女の姿と、女の声。嗜虐性を感じさせよう笑みを浮かべたかと思えば、
また最初の、下級悪魔を模した姿に変わった。観客はまた沸く。)
―――ソレデ、モウ"全部"ツカッチャッタワケネ?
(もしかしたら、魔力だってすぐ回復出来るのかもしれない。
けれど、流石に二度も同じ技を喰らう程愚かではない。
これからやることは闘技でも戦闘でもなく、ただの蹂躙。)
―――。
(稲光が起こった。電気の魔法。ピリッと良い感じに痛覚を刺激する、小手先調べの技。
速さにのみ重点を置いた、大凡普通の視覚であれば、みることさえ叶わないだろう一閃。
手加減している―――だが、この少女、黒焦げにしてやっても、ボロボロにしてやっても、
起き上がってきそうだと内心では薄々分かってきた。さて、次は何をして遊ぼうか。
悠長にそんな事を考え始めた。)
■リーシャ > (そう、実を言えば本気で殺す気の一撃だった。なにせ相手は魔物。"反則負け"でも人や奴隷相手よりは罪が軽くて済む。そして何より"そうしなければ絶対に勝てない"という実力差に気がついてしまったから。振るった剣の速度は人の目になど見えなかったことだろう。一瞬で生まれた無数の剣戟は一瞬で真空を作り出し、其れがさらにかまいたちという形で斬撃を生む。しかし其れも、やがて聞こえた女性的な声によって無力であったことを知る)
「ぁ、ぅ……これで、だめ、なの……?――く、ぅ……これ以上は、きついってのにっ!」
(正直な所、ただのミレー族ではここまでの戦闘能力など持っていない。父親から受けた剣術の鍛錬に、母親から受けた魔術の鍛錬、2人が亡くなってから旅をして培った経験と技術、そして、母親が自身を守るために与えたアイオーンの加護と父親の愛刀の力。その全てを吐き出して、足し算に足し算を重ねたうえでのこれである。勝てない。そんな心境を抱くも、普段と違ってここは闘技場。間違っても逃がしてなどもらえない)
「……く、ぅ……二度同じ手は、使えそうにないし――」
(魔力については無尽蔵、体力も精神力も同じ。損傷を治すのは厳しいが、"生きている状態に戻す"だけなら、刀に触れて一秒あれば事足りる。問題は、力を振るうことそのもの絵はなく、その手数。先の一撃こそ本来は使わない大技中の大技で、しかし其れすら耐え凌がれてしまった。それは、まさしく新技をひらめくかどうかという領域。
――そんなに都合よく行くわけがない。其れが世界の真実だった。空間に弾けるような音が走り、同時に少女の体を強烈な電撃が貫いた。加護の魔術抵抗で本格的に焦げるまではいかなかったが、服が焼き切れて、肌に赤いやけどの筋が走る。彼女が上手く調整したからか、体には殆ど傷を与えず、的確に痛覚だけが悲鳴を上げる。痛みのあまりに奥歯がぎしりと不快な音を立てて)
「い、ぎぃいいっ1?――あ、ぅぁ……ぁ、ぐ、ぁ、ぁあああぁああっ!?」
(汗が、涙が、唾液が、電流で蒸発する。肉の焼ける嫌な臭いが僅かに広がる。僅かに白い煙を纏った少女は、剣を杖にしてどうにか膝を着かずに居た。降参といえば敗北だし、言わなくてもジリ貧。――ならばまだ、勝ち目がある方が良い。弱気な言葉を飲み込むと、もう萎えきってしまった足をどうにか立たせて)
「……ぐ、ぅ……さす、がに……拷問は、きつ、いよ……」
(力の抜けた体で、しかしまだ歯向かうという意志を見せるように刀を振るう。迷いのない一刀は、先ほどの威力はない。しかし、祓魔の力と魔力は十分で、当たれば断たれるという予感は与えられるかもしれない)
■ヨゾラ > (ぐっちゃぐちゃになって吹き飛んだ着物も、また元通り。
異世界の、風変わりな下級悪魔の姿が、また嗜虐性のある笑みを浮かべる。
どす黒い線が走った、赤い血の池の様な深淵を模す、瞳がさぞ楽しそうに愉悦の三日月を描く。)
ウウン―――イイワァ…ソレ。スッゴクイイ…。
(ここは、凌辱と蹂躙の場だ。正義が剣を振るう場所ではない。
蔓延る悪辣な人間と、魔を名にもつ異形が愉悦する場所だ。
折れない意志によって振るわれた斬撃。まだ、諦めていないのだと思うと、それはそれで楽しい。
だが、もうあの速さは無い。
この剣は、何やら不思議な力を彼女にもたらしているらしいし、取り上げると興がそがれると思ったので、
斬撃を避けた。避けた、と言えるのかは分からない。消失。転移。ワープ。
その場から一瞬にして霧散したかと思えば、距離という概念さえ持たず、闘技場の別の場所、隅っこの方に顕現した。)
フフフフ―――!!
アハハハ!!ソウネ、ソウダワ!ドウセナラ裸ニシテアゲマショウカ!!
コレハ"ショー"ダモノネ!
(苦しんでいる、痛めつけている、焼けている。
苦悶する「くぅ」という声を聞くたびに愉悦の感情がこみ上げる。
声が昂ぶる。興奮しているのがすぐ分かる揚げ調子の声。
可愛らしい顔が歪み、可愛らしい体を痛めつけられているのを見る度に楽しくなる。
気分が高揚する。体に衝撃が走る様に楽しい。とても楽しい。
何か、あるじゃないか、子供が積み木を並べてぶち壊してわーいわーいって言ってるの。
あれに似た様なものだ。ただ、やってる事は控えめに言っても凄く悪趣味だが。
この感覚が溜まらない。希望と絶望だけの世界で葛藤するのが。
それが可愛らしいものであれば、美しいものであればなおいい。
こうやって、この手でぶち壊すのが、楽しくて仕方がない。
聞いたか。「ぐああああ」って。よっぽど苦しいのだろう。ああ、この感覚。この感覚だ。
壊して、壊して、壊して。尚も壊れない玩具を余すところなく弄ぶ。
そして飽きたら、壊れたら捨てる。
バリバリバリ。無機質で、情け容赦のない雷鳴。その速さ故に、雷の音が届くのは、雷そのものが届いた後だけれど。
死なない程度に、傷が治る程度に。されど、的確に痛めつけられるように。
服の色んなところを焼けこげさせようと、10本程の電気線が、逐一ずらしたタイミングで襲って行く。)
■リーシャ > (刃が空を切り、足元の石を切り裂く。力の抜けきった斬撃は無駄なく硬質な石畳を切り開き、その下の土を露わにさせる。距離を離されたと分かると、僅かに諦めの感情が浮かぶ。今の体では、この距離を詰めるための跳躍など出来はしない。行けて半分が関の山。速度もかなり遅くなってしまうものだから、最中に電撃が当たれば目の前が真っ白になるのは必須のように思えた。乱射される雷撃。その数は10。わざとタイミングと着弾点をずらした其れが、手を、足を、腹を、胸を、均等に焦がすように飛来する。何かこだわりがあるのか、顔にだけは雷撃がこなかった。流石に電撃の速さはよけきれない。動けずにそのまままず一撃目の電撃を食らうと、その後は、ただの虐めに違いなかった)
「い、ぎっ――ぁ、ぁ、ぁああっ――!?……か、はっ……ひぎっ、ぃぅっ――んぃ、ぃぅううっ――!?」
(特に左腕に受けた電流が強烈な痛みを放つ。折れた骨のせいだろうか。苦悶の声しか出せず、意味ある言葉を紡げない。しかし電流は崩れ落ちることすら許さずに、少女を空中に縫い止めたまま徹底的に焼きつくした。布でできた服はすっかり燃えてなくなってしまい、腹に紫の痣を浮かべた裸体が顕になる。腰の革帯も焼き切れてしまい、電撃を防げるだけの力を持った鞘が足元へと転がった。細身の足を雷撃が打つ。感覚が一瞬でなくなって膝をつく。色濃い痣に中心、臍のあたりを追撃のように焼き焦がす。内臓が、子宮が、腹の痣が、気が狂いそうなほどの痛みを生み出して少女は体を壊れそうなほどに痙攣させた)
「あ、ぐっ、ぅううっ!?――あ、ぁ、あぁああぁっ……く、は……――ぅ……」
(10発の雷撃を受けきった体は顔以外にやけどのない部分などなく、目の前は真っ赤に染まっている錯覚すらある。生命的に危険域な状態に、自然と刀の力が発動して、体がみるみるうちに治っていく。左腕の骨折だけはそのままに、腹の痣が色薄くなって、やけどの赤い跡が消えていき、そして)
「……ま、だぁっ……!」
(不意に足の力が戻った。そう、この刀は"体力を満たす"のだから、当然、活力も賦活する。弱々しかった少女が不意に掻き消え、先ほどの稲妻と同じような速度で彼女に迫り、刃を立てようとする。とは言え、先程までのような工夫のない、ただの直線的な一撃。捉えるにはもってこいの機動かもしれない)
■ヨゾラ > ―――ンフフフフフ、ヤッパリ。
エェ、エェ。ワカッテイマストモ…ンフッ、
アハッ!!アハハハハハッッ!!イイワァ、ソレ、最ッッ高ヨ。
(狂わないって、壊れないって、分かっていたもの。そもそも、壊すつもりもないのだから。
裸体が晒された。傷と、火傷の痕だらけの体が。先程ぶん殴った腹に、早くも鬱血してできた紫色の痕が。
尚一層、楽しくなってきた。
にったりとした、粘つく様な泥濘を思わせる、悦に浸った笑み。彼女を指差す、青黒い指先。)
ドーォ?…イタイ?イタイ?イタイワヨネェ…!ンフフッ…ンフフフフフ…!!
イタイッテイイナサイヨ?ナンデモスルカラヤメテクレッテ言いナさイヨ…ウふフッ…!
(聞くまでもない。痛くしているのだから。痛いから、苦悶して、痛いから膝をつく。
けれど、苦悶の声しか漏らせない彼女を、煽る。喋って御覧なさいと。
悦に浸り始めた声は、段々と先の女性的な声色になってくる。本性が顕れるともいうべきか。
因みに、やめる気は全くない。)
―――アら…マダヤれルのね?
(速いスピード、それを、先天的第六感、「ラプラスの悪魔」が予兆した。
何のひねりもないただの力と勢いに任せた斬撃。魔物を斬るには十二分のパワーを持っていようが、
それでは足りない。そのただの斬撃でこの死を司る化け物を止められるものか。)
いらっしゃい…。
(肉塊がまた奇妙な色合いに光ったかと思えば、粘性の強い液体になった。
異形の形が崩れる。一様に、全て虹色の液体。軈て、色が半透明になる。
刃が立てられれば、それを先のスライムの様な手合いで食い止めた後、
彼女を呑み込まんと、肥大化して、顔面に覆いかぶさるようにと、ネバリと伸びて襲いかかった。
何処かの狂暴なスライム宛らの攻撃手法だ。)
■リーシャ > (全裸でも、戦いの場だからこそ羞恥など感じずに突き進む。神速の一刀はしかし、先と同様に読まれていた様子。今度は彼女が半透明な虹色の液体のように変わっていくのが見えた。切っ先が滑り、そのまま粘液の塊の中に入り込む。そしてそのまま手も飲み込まれて、剣を手放せない状態のまま固定されてしまう。――液体は流石に勢いなく切ることは出来なくて、鳥もちについた小さな鳥のように、体中を粘液に絡め取られていく。腕が、足が、自由の効かない状態で固定されてしまうと、其れはまさしく蜘蛛の巣にかかった蝶のようで)
「う、ぁっ……ぬ、抜けな、いぃっ――んぶっ!?」
(そして今度は顔に粘液が降りかかってくる。こうして少女の全身は、彼女というスライムの水球の中に完全に捉えられてしまった形になる。がぼ、がぼ、と蠢く度に空気の泡が漏れ出る。困難な呼吸が少女の思考を少しずつ奪っていくのが分かる。それでもまだ意志の色が濃いのは、少女の胆力のなせる技だった。隙を伺い、ぬけ出す。其れをまじめに考えているものだから、呼吸を最低限にして、精神を研ぎ澄ませていく)
■ヨゾラ > ―――ウッフッフフフフ―――。
(さて、原理はよく分からないが。確かこの剣、この猫耳少女が喋ってから動いたのだったか。
名前は…忘れてしまった。兎も角、黙らせておいた方が良いのだろう。
どうせなので、このまま愉しもう。遊びに計画なんてない。
行き当たりばったりで、やりたいと思ったことをすればいい。
こいつは玩具だ。良い玩具。腕、手足、それらを掴む粘液が、軈て粘度を増して凝り固まる。
これまた気色の悪い拘束具の出来上がり。)
―――アッハ、アハハハ…!もっと…苦しんで頂戴…?
(だが、それでも尚も、少女の精神は折れない。どうやったら折れるのだ?
寧ろ、手加減する必要もないのか?もっとやっても良いのか?
こうして、突然体が作り変わって取り込んでも、一向に焦りを見せない。
今に至るまで、ずっと冷静で、狂いも壊れもしない。
未だに冷静に、この場で最も賢く呼吸を止めているのだから、驚きだ。
両手両足を縛りあげられて、顔は水に浸けられて。
尚、精神を統一しているのが分かる。
だが、それがどうしたと言うのか。最早抜け出せるまい。
徐々に呼吸も苦しくなろう。
このまま、放って置くのも興が乗る。いずれ我慢の限界が来るはずだ。)
■リーシャ > 「んぐっ、ん――」
(次第に呼吸を止めるのが辛くなってくる。自分が自分でなくなるような、窒息特有の感覚。もがこうとすると左腕の痛みが走り、その分だけごぼりと泡が出てしまう。流石に苦悶の悲鳴を上げる。それも気泡になって消えてしまうが、苦悶の表情だけでも観衆には十分な肴になるのだろう。『もっとやれ!』『いや、もっと鳴かせろ!』『俺はエロいほうが良いぞー!』などと野次を飛ばしてくる。其れも何故か別の世界から聞いているような感覚になりながら)
「ん、んんぅっ――ん、ぶっ!?」
(ようやっと限界が訪れて、がぼがぼ、と多量の酸素が漏れでてしまう。嗚呼、流石にそろそろ無理かな、と諦めかけた中、少しずつ意識が薄れて暗くなっていく。このままではきっと、そのまま闇に飲まれてしまうはずで)
■ヨゾラ > ふふ。
そろそろかしら。はい休憩。
(もがきが止む、目が閉じていく。意識が遠のきかける、ギリギリの境界で、そのスライムがはじけ飛ぶ。
何か、さっきから、あの全力攻撃の時も違和感があったが、左腕を折っていた事を思い出した。
観客に喜んでもらえれば、金も貰えるし、自分も楽しいからいいことづくめだ。
窒息の苦悶など知る由もない。ただただ苦しめることに悦するだけ。)
ううん。次の手は。
(左腕、どうしてやろうか。取り敢えず締め付けよう。それから考えよう。)
■リーシャ > 「ぷはっ――あ、ぐっ……えふっ……けふん……し、ぬかと、おもった……」
(酸欠による消耗は流石に辛いものがある。回復はできても苦しさが変わるわけではないし、今の状態では下手すると酸素がないままで生と死を何度も繰り返す羽目にすらなる。その刹那、ぎちりと閉まる左腕の拘束具。其れもわざわざ折れた部分を的確に。ゾワゾワと背筋が泡立って、強烈すぎる痛みに脂汗が吹き出てきて。切り傷や刺し傷にはある程度の免疫があっても、この鈍くじんじんとした、悪寒の走る痛みには耐えられなかった)
「いぎっ!?い、だいっ、いだいいだいいだいっ――あ、ぎぃいいいっ!?」
(万力のような締め付けが、元々複雑に折れていたそこをさらに圧縮、中の骨が筋肉や血管に突き刺さって焼け付きそうな痛みが走る。折れた部分は徐々に紫に腫れて鬱血し、熱を持つ。徐々に指先の感覚が失われていく。徐々に傷を治すために必要な日数が増えていきそうなほどに左腕は壊されてしまっていて、ぎち、ぎち、と緩急をつけて占められる度に、痛み悶て苦しむのだった)
■ヨゾラ > …あっははははは!良いじゃない!
(声を出す口は無いけれど、何処からともなく声だけは出てくる。
取り敢えず、という貧困なアイデアでやった締め付けだったが、
これだけでも結構な痛みを与えることが出来るのだから、面白い。
何度も何度も水責めする事も、楽しいと思ったが、こっちも楽しかった。
放して、締め付けて、放して、締め付けて、放して、締め付けて、締め付けて―――。
たったこれだけ…締め付ける方からすれば、たったこれだけの繰り返しを、何度かやってみた。
最終的に腕の痛覚がぶっ壊れてしまったら、或いは同じことの繰り返しに飽きたら、はいおしまい。)
ううん―――そうねぇ、でも、もっと楽しみたいわ…。
(伸びる粘液が一点で固まる。
下半身が、彼女を縛り上げる粘液の触手の束の集合点となって。上半身だけ、最初の下級悪魔の姿。
それでも、何故か着物は着ている。ただ、下半身部分は破けているが。
精神は満身創痍、肉体は疲労困憊であろう彼女に寄って、
その汗まみれで歪んだ幼げな顔に近寄って、触手とも、人間の手ともつかないナニカが顎をクイ、と持ち上げた。
物欲しそうな、赤黒い濁った目が、覗く。可愛らしくも、歪む童顔、全裸に焼かれた肉体、色白の肌。
それらを品定めする様にじっとりと見遣る。魔物が奴隷で弄ぶ余興の様な振る舞い。)
■リーシャ > 「ぃ、ぁ……あ、ぅ……」
(完全に左腕の肘から先の感覚が無くなる。恐らくは神経が先にダメになってしまったのだろう。ちぎれていないから回復こそできるものの、これでは三日と言わず一週間ほどは治るまでに掛かりそうだった。なにせ鋭利な骨の欠片でずたずたにすり潰された筋肉や神経を繋ぎ直さなければいけないのである。――最早左手の指は痛みによる筋肉のひきつりで僅かに動くのみだった。
そして、すっかり時間を経た頃、周囲の野次に導かれるようにして目の前の魔物が自身の体を犯す準備を整える。今もなおスライムの拘束具は両手両足を縛り付けていて抜け出せそうにない。左腕は既に感覚もないし冷たいから、恐らくは血も通っていないのだろう。右手に持った神刀の力がなければ、そのうち壊死してしまうかもしれない、そんな領域にあった。顎を持ち上げられると、流石に痛みと苦しさで憔悴しきった表情を隠せない少女の顔が見えてくる。眼の色だけ未だに強い意志の光を秘めていて、しかし其れに体がついて行かないのだ。慢性的な疲労の蓄積は、回復してもその回復分を丁度食い潰すようで、精神が肉体を凌駕した状態――一種のランナーズ・ハイになりつつあった。死ねないし、折れることも出来ないし。そんな窮地に立たされながら、少女はただ、彼女の姿を見つめるだけだった)
■ヨゾラ > (締め付けて、放して、締め付けて、放して。
その都度その都度、痛覚に走る衝撃で悶えるのが見えたけれど、
それもだんだん衰えてくる。激しい叫び声も、今ではご覧の通り、
弾き出る様に闘技場に響いた音声は、今は口から漏れると言った程度。
ここにきて、気が動転している。それを、しっかりと見た。やっと見えた焦り。
苦悩と激痛に歪んだ、表情。けれど、それでも。気持ちだけははっきりとしている。それが嫌と言う程分かる。
絶望的状況であると、分かっている筈なのに、尚も折れない。)
…やめられないわぁ、これ。あっははははは!
(上半身の身の体が、肩を揺らして高笑い。)
あらあら…まだ、壊れないわよね?もっと楽しませて頂戴よ。
そう、それが良いの。その目。反抗的な目、見せて…?
(まだ、楽しい時間は終わらない。異形が真っ赤な舌を見せてべろりと舌なめずり。壊れないし、壊れる気がない玩具。
幾等でも、幾等でも好きなだけ遊べる様だ。
手足の緊縛はそのまま、顔―――最も、それが顔と言うべきものかは甚だ疑問ではあるが―――を至近距離に持って行き、その幼げな顔をじろじろと見遣る。
下半身から伸びた触手。太さで言えば、人間の人差し指くらいのソレが、しゅるしゅると撓る。
大分前から露わにされて、焼け跡が付いているやもしれない、幼気な少女の完全に曝け出されていよう肛門目掛けて。
ねとねとと、湿り気のあるソレが、先ずは一本潜りこんでいった。)
…んふふ。
(一様に異形の魔力を含んだ粘液。促尿、催淫、また、恥部の痒みを誘う様な呪縛が、僅かながらかけてみた。)
■リーシャ > 「……ふぅ、ん……犯す、んだ――」
(どうにか軽口を叩くと、もう左腕に意識などやらない。意図的に考えないようにしながら、深呼吸して痛みを振り切る。治すにしてもまずは目の前の魔物をどうにかしなければならないのは必至で、死ぬことは闘技場の規則上ないのだから、安心して悪態を吐ける。震える呼吸のままで、しかしどうにか笑うと)
「……参ったなんて、絶対に、言ってあげない――言わせ、たいなら、百回でも、ぶちころすこと、だね……!」
(死を与えた場合は流石に試合が終わるから、其れを見越した挑発である。そして自分が復活できることまで織り込み済み。中級魔族でも短気であれば、このまま踊ってくれるのだが、目の前の魔物はそうはいかないとわかっていて。未だに痛みを無視しきれない左腕。その疼痛に見をよじりながら、次いで尻穴に充てがわれた粘液触手を飲み込んでいく。尻穴は処女ではないがゆえにすんなりと其れを飲み込んでしまい、腸内から全身に呪いをかけられていく。秘所や尻は繁殖に関わる部分だけあってか、加護の効き目も濃く、あの雷の雨の中で綺麗なものだ。そして時間が立てば次第に、呪いの効果が顔を出す。尿道がひくついて何かを訴えており、顔は真っ青な上に上気した赤が乗るような形。――頭がおかしくなりそうな刺激を何度も受けながら、強すぎる刺激に歯噛みしていた。――尻穴をかき回す触手が、痛み以上に気持よかったのである)
■ヨゾラ > あら、喋れたの?愉快な事を言うわね。えぇ。俗に言う、ファンサービス、ってやつよ。
(軽口には軽口を。最早作った声も、性格も体を成していない。楽しみだしたらそれどころではない。)
アッハハハハ…!!良いわ、良い。えぇ、なら、絶対に言わないで頂戴?私との約束よ。
んふふふ、ごめんなさい、何回でも、例え垓を越える数でもぶち殺してあげたいところだけれど、
闘技場で殺戮は禁止なのよ。ああ、そういうおぷれいがお好みなら、後で幾等でもやってあげるけれど、如何かしら。
(やっぱり、乗らなかった。シリアルキラーでサディストな本性のヨゾラとしては、
それも悪くないと思っているのだが、彼女は今の愉悦を損ないたくない。)
…因みに、もしかして貴方、死んでも死なない感じなのかしら?奇遇ね、私と同じよ?
ああ、言わなくても分かるわ。お前と同じは嫌だって、言うんでしょう。
(語る口調の適当な気楽さは雑談さながらである。
意外と綺麗なままであった肛門、にょろんとしたソレが入るのにそう苦労はしなかった。
体内にレジストの術もないのでこれはもう易々と。割とすんなり入ってしまった。
快楽の色が仄かに滲んできた。擽ってみたり、擦ってみたり。
弄《いじる》る、弄《まさぐ》る、弄《もてあそ》ぶ。
あの穴、何本くらい入るだろうか?思い立ったら即実行取り敢えず、もう一本入れてみよう。)
■リーシャ > 「……そう。別に、良いけど――」
(もう処女でもないんだから問題はなかろう、と自分の中で感情を切り捨てる。彼女の奇怪さはわかっているし、そのサディスティックな正確もようやく掴みつつあった。こんな時であっても相手の情報を集めてしまうのは悪い癖である。そして、言葉の端からうっかり情報を与えてしまうと、無理やり口角を釣り上げて余裕そうな表情を作り)
「――そんだけやってれば億が一、その首掻っ切ることも出来るかもしれないね。ボクの体が壊れる覚悟で、さっき以上の粉微塵にしてやれば……可能性はありえるよね?」
(そう、剣での回復や加護での守りが追いつかないほどに、身体強化に魔力を込めればこの場の脱出も可能ではある。代わりに二度と、剣の力を借りた上で四肢を動かせない程度の損害を負うという話だからしないだけという話。体を構成する分の魔力や霊力すらつぎ込んだ、文字通り捨て身の一撃というやつなのだろう。そこまでをするつもりはないが、最後の手段はちらつかせておく。相手の動揺を買うためならなんだってするのだ)
「別に、あんたが尊敬できる良い奴だったりしたら、同じでも構わないけどね。ただ正直、殴りあうのは二度と、御免」
(どうせまたこうなるから。などと嘆息したその最中、尻穴に差し込まれる触手が増えていく。二本でもまだ余裕、三本でも四本でも柔軟に広がって、受け入れる。――その穴はまさしく性器に作り変えられつつある穴で、結局人差し指ほどの触手を十近く飲み込んで初めて、僅かに苦悶の声を漏らす。腸は先ほど殴られた時にずたずたになったのを剣で治療・浄化しただけあって綺麗なピンクを見せていて、汚濁も見当たらない様子だった)
■ヨゾラ > …ふぅん。
(釣れないものだった。この世界は、そういう風にできている。
力のある者が犯して、力のない物が犯される。そう聞いたから、わざわざやってきたのだ。
「別にいい」と言うのであれば、彼女も例にもれず、犯される側だったのだろうか。知る由もないが。)
アッハッハハハ…!ううん。残念だけれど。あまり思い上がらない方がいいわ。
首を切っても、生えちゃうもの。粉微塵に…、なんて。おかしい事を言うわね。
可能性はゼロよ。ゼロに億掛けても京掛けてもゼロなの。良いかしら?
…因みに、無限をかけた場合だけは不定形になるわ。貴方にそんな、無限の可能性なんて、あるかしらねぇ…?
(強さと言う面においては、絶対的な自負を抱いている。
それは、自信か慢心かも分からないし、もしかしたら、あるかもしれないが。
その辺の奴隷階級如きがと内心で毒づく、ヨゾラはそれを些か不愉快そうに思った。見縊られるのは気分が悪い。
実際にそれが否定しきれず、本人もそう思っているのだから腹立たしい。
腹立たしいが故に、もっと壊して虐めたいと思う。こうして反抗してくれるからこそ、甲斐がある。
ので、取り敢えず感覚が残っているだろう右腕に電気を流しておこう。些か強めに。
諭す様な、呆れる様な言い草は、相手から見れば、どのように映るだろうか。)
あらごめんなさい。良い奴の定義がよく分からないのだけれど。
私は私をとってもいい奴だと思っているわ。悪い奴に見えてしまうかしら?是非その理由をお聞かせ願いたいわ。
(何本も入れたが、意外に入る。拡張済みなのだろうか。
十数本の触手が、また同じ呪縛を放った。媚薬、催淫、促尿の効果。ただ、これもちょびちょび調整をして、
一気に決壊しない様に手加減、並びに調整されている。
壊すことも良いが、壊れていく段階を見るのが、良いものだ。壊れたらつまらないから。
破れても千切れても居ない、寧ろ健康そのものな、異物さえない腸内を這い回って。
これなら汚れずあっちこっち弄れそうだ。)
ううん、そう。残念だわ。ごめんなさいね。私もこういう仕事だもの。好きでやっているんじゃないのよ。
(真っ赤な嘘を添える。)
■リーシャ > 「……仮にあんたは、虫に刺されたからって気にするのかい?――そういう、事だけど」
(つまり少女にとって、犯そうとしてくる輩の大半は、くびり殺せる連中にすぎないという事を示す揶揄。その上で、過日の魔王のような、自身を超えてくる輩を相手にした時のみ、少女はただの玩具になる。そう、目の前に入る彼女も同じくそうであるように。そしてそのまま、彼女の様子を見てニヤリと)
「へぇ……饒舌なのは、余裕が無い印だよ?――ボクを追い詰めたのは良いけど、心の底から安全だとは思えていない、って所かな。流石にそのくらいは分かる。――うん、良いよ、構わない。ボクを傷めつけでもすればいい――い、ぎっ……ぐぅっ……また、電気?其れで折れると思うなよ……?」
(ようやっと剣の力で体力が満ちてきた。話せるだけの体力になったのであれば、言葉端を捉えて苛立たせることも出来る。もし仮に相手が怒りに身を任せたなら、ルールの逸脱など余裕だろう。そうすれば、反則勝ちというやつだ。ご愁傷様ざまぁみろ、と胸を張って言える。もし其れがダメでも、降参を自ら封じた以上は気を失う以外の条件はない。――気を失うのは其れこそ本当に死の淵に貧した時だけだから、ある種の千日手に変わる。――彼女が根負けするか、少女がボロ布のようになるか。その二択をこちらから迫る)
「んぁ、ぅ、ぁっ――くっ……へぇ、お尻にご執心?――ぁ、ぐっ……んぅ……随分と、趣味が、悪い――」
(逼迫する尿意と、秘所の疼き。その二つに苛まれながらも、まだもう少しだけ強気。右手はまだ言うことが聞くから、彼女の心を揺らすことに苦心する)
■ヨゾラ > …成程、そういう考え方もあるわね。
いやぁ、ごめんなさい。ちょっとクールさ、失っちゃったかしら。
(ふぁさり、無駄に艶のある黒い髪を、手の様な触手の様なナニカがかき上げた。どうでも良いところで人間的だ。)
あー、ごめんなさい。最近冷静さを失う事、多くって。
大丈夫よ、お姉さん怒っちゃった。もう貴方の口車には乗ってあーげない。へーえ、じゃあもっと遊んであげるわ。
(正直、頭に来ていたかと聞かれれば、そうかもしれない。揚げ足を捉えて、イライラさせられるのだ。
だが、考えは見えている。下手な手を踏ませようとしているのだろうと。
それこそ、虫の鳴き声と思えば痛くも痒くもないないのだが、残念ながら目の前の虫は"毒"を持っている。
祓魔だとか、何だとか。どこまでやったら屈服させられるのか。電気で屈服しないのは、本当なのだろうか。
もう一回、ばりっと雷撃。勿論これも手加減はしている。危うく潰してしまいそうだが、
闘技場のルールが逆に、こういう話の場では不利に働く。口も上手いらしい。
下手な事を言ったらまた揚げ足を取られるだろう。やっぱりもう一回水責めして黙らせようか。
兎角、腹立たしい、…が、これも余興だ。熱くなって良い事などないのだから。)
うん?いやなに。どこぞの観客がケツアナ云々言ってたからよ。他意はないわ。
(少々イラッと来たが、何となく冷静さを取り戻した。そうだ、最初から遊び遊ばれる関係なんだから。
入れた触手を、全部一気に引き抜いた。)
さぁて、そろそろ、かしら。
(そして、抜いた触手を彼女に痣を付けた部分、腹部にまずは軽くと言った感じに宛がってみる。
悪趣味、そう言われて仕方がない下衆そのものの表情。
結局悪に貴賤はない。悪は誰だって、こんな腐りきった顔をして悦に浸る為に悪道を行くのだから。)
■リーシャ > 「……ここまで言われても怒らないんだ。少し尊敬したよ」
(目の前で髪の毛が舞い散る。其れが無駄に綺麗なのが若干いらっとくるのはなぜか――答えは単純。自分より強いからだ。再び走る電流。今度は悲鳴すら堪えてみせる。徹底抗戦するなら、最早苦痛では鳴いてやらない。そんな意志が見て取れた)
「――これは本格的に、不味いなぁ……流石に、逆転は無理っぽいし」
(彼女が完全に理性的になったのがわかると、背筋に冷や汗を伝わせる。何を考えているかはわからないが、少なくともまともじゃないのは確実で。どうしたものかと考える最中、原中触手を思い切り引き抜かれる。排泄に似た快楽は、むしろ少女の弱点を晒す結果にかわる)
「んぃいいっ――♪ひ、ぁぅ……は、ひぁ……」
(尿道は懸命に小水をこらえている。今腹を押されれば出てしまうのは確実で。尻穴の感度も伝えてしまった少女は、不覚を悟りながらもどうしようもない状態だった)
■ヨゾラ > ふふ、思い出したのよ。私は、絶対に負けないって。それだけ。
ありがとう。もっと褒めてくれてもいいのよ?
(艶のある黒い髪を、青黒い手が撫で下ろす、着物と言い、こう言った己を美しく保つ願望があるのは、あくまでヨゾラも女だったからだ。今はもう、女とは到底言えないが。
少し、驚いた。電気を通したのに、悲鳴も上げないから。苦しむ声も漏らさないから。
神経がイかれたわけじゃなくって、あくまでも、折れないと、そういう意思がまだあるらしい。
全く、何処から何処まで壊し甲斐のあるおもちゃを手に入れてしまった。闘技場でぶち壊すには手に余る代物だったのかもしれない。)
んふふふ、気持ち良かったかしら?もう一回やってあげるわ。
(猥雑、混沌。そんな言葉が似合いそうな、万色を含んだ触手が絡まり合って、また肛門へと吸い込まれるように飛んでいく。
一本二本と数えられようもない、枝分かれや融合を重ねた、不気味な虹色。視覚的にも生理的嫌悪感を煽りそうなもの。)
ああん、ダメよ。我慢しなさい。ふふ…、まるで躾みたいだわ。
ハマりそうね、これ!
(外尿道口へと、取り分け太めの、それでいて尚も徐々に肥大化する、栓をするのには十二分な大きさの触手が、
彼女の尿意を苛むように、尿道を防ぎにかかった。)
■リーシャ > 「……うわぁ、仮に次会う時があったら、戦場じゃないほうが良いなぁ」
(げんなりとした表情で右手を握りこむ。まだ動くし感覚もある。だから行けるはず。そう思っていた。次の一手を受けるまでは。尻穴に継いで差し込まれるのは先ほどの細い肉の棒ではなく、其れを撚り合わせた極太の一本で。それが、ぞりぞりと腸壁を凶悪に削りながら、差し込まれてくるのだ。苦痛には声を出さないと決意したのだが、それでも快楽は全く別の方向で。思わず息がこぼれてしまい)
「ひ、ぐっ――んぅうっ♪く、ふぁっ――ぁ……いぎっ!?」
(そして最後、尿道に差し込まれる一本。強烈な痛みが膀胱までを駆け抜けて、漏れ出ない小水がタプリと揺れる。息んでも出ない、出せない。そして、更に呪いが進行して小水が瞬く間に増えていく。段々と涙目になって、切羽詰まって、腿を擦りながら)
「は、ぐっ……んひっ……ぃぅ……」
(徐々に増大する尿意に唇を噛みながら、必至に我慢し続ける。そしてそのうち、我慢ができなくなったのに出せないという状態に陥って、歯の根が合わない状態になりながら、必死になって言葉を抑えこむようになる)
■ヨゾラ > そうねぇ、こんな所で会ってしまった所為で。こんな事になっちゃったけれど、戦場以外じゃ仲良くしてくれると嬉しいわ。
(無理があるだろうが、こういう所は割とドライである。別に純潔を奪ったわけでもないのだし。
闘技場で闘技して、闘技場の雇われの身として観客を沸き立たせているに過ぎない。
興が乗ったらこうして甚振って嬲ることも出来る、実益を兼ねる、そんな職業。
ピンク色の腸を、無理矢理押し広げて、太めのそれを突きさして。)
アハハハハハッッ!!どうしたの?!子猫ちゃん。
もうさっきまでの揚げ足取る力も残ってないの?ほぉら!
(高笑い一つしながら、彼女の揺れ動く表情を見遣って、引き抜く。変な物が出てこないと知っているから、愉しめる。快楽の声も、苦悶の声も、ヨゾラの嗜虐性をそそる。)
じゃあレベルアップよ。はぁい、どーん♪
(新たにまた、別の触手が、その太い触手に融合されて、絡まって。更に太くなった。
にたりと口角を歪めれば、それと同じくらいに、また肛門の口を目掛けて異物が突っ込んでいく。)
ん…ああ、そうそう。
アレがあったわね。はい、どうぞ。
(尿意を促す薬品が混入された、抹茶オレの紙パックが、最初からそこにあったかのようにして、
異形の掌の上に顕現する。唇噛みしめた彼女の口を、これまた気味の悪い異形の手がぐいと乱暴に、
されど傷が付かない様に引っ張り上げて無理矢理こじ開けて、緑色のまろやかな味わいが注ぎ込まれるだろうか。
この状況で味わいが気になるかといえば、それはそうでもなさそうだが。
水を注ぎこんで、その上で更に尿意を促して。その癖、堅牢な触手が尿道を防ぐ。悪趣味。)
ああ…やっぱり良い顔だわ。熱くならなくって良かったわぁ…。
(我慢を強いて出来た、潤んだ瞳が見える。必死というのが伝わってくる。
もっとよく見せて御覧なさいと、また顎をくいと上げて笑いかける。
そのよそで、ぐ、と軽く露呈されたお腹を押してみた。)
■リーシャ > 「……味方になるなら考える。傭兵も経験してるから、そういうのも慣れてはるし」
(流石に、面倒な遺恨を仕事に持ち出す気はない。生理的には苦手だが、悪くない付き合いも作れるかもしれない――無論、色々紆余曲折を経る必要はあるだろうけれども。
肉穴を割り広げられると、快楽が激しくなる。そしてその表情を見せれば見せるほど触手は太く強靭になって、遠慮呵責なく尻穴をほじくり返すのだ。ぎち、ぎち。限界の締め付けを見せながら、肛門を、直腸を裏返されて引きずり出されるような感覚に、声にならない悲鳴をあげていた。差し込まれる甘ったるい液体についても、ただ嚥下するだけになってしまうと、急激に強まる尿意に、次第に体の震えが激しくなって、尿道の触手を吐き出そうと行き見続けるようになる。出したいのに出ない。そんな中、押された途端に)
「ぃ、ぎっ――も、むりっ……ぃいいっ、で、でにゃ、ぁ、ぁあっ……お、おしっこっ、さ、せてっ……こわ、れるっ、こわれるぅっ、おなか、はれつしちゃ――ひぃいいっ――♪」
(膀胱は限界点を超えていて、つつけば割れてしまいそうなほど。頭がおかしくなりそうな、常人では味わえない尿意に思考と理性を押し流されながら、衝動をそのまま口にする)
■ヨゾラ > あら意外。そうね、面白い事があって、面倒くさい事がなかったら、是非味方になってあげようかしら。
(何とも抽象的な交換条件。気紛れそのもので、一点に留まったりはしないから。
何度もやり続けたが、今度は堪えたというより、声にすらならないと言った様子になっていた。
快楽に満ちた表情が、嗜虐性を煽って。そして、触手もまぁこれが太く太く。
それから、太くなったものを一旦止めた。)
ううん?何ですって。聞こえないわ、はっきり言いなさい?観客の皆に聞こえるくらいに、ね。
(色濃い嗜虐性は、ここにきて、一番強烈になった。控えめに言って悪魔的な表情。
この表情を感じて、観じて、楽しんでいる。わざとらしく首を傾げて、笑う。
今更だが闘技場のルールで膀胱破裂させたら負けと言うルールはあったろうか。なんて思い返しつつ。
これも今更だが、ここにきて羞恥を煽った。もうそんなどころではないろうけれど。)
■リーシャ > 「そ、う……それなら、そのときは、よろ、しく――」
(もう尿意が辛くて限界気味、考える余裕すらない。尻穴は気持ちよくて尿道はもう小水を出したくて仕方がない。排泄という原始的な欲求故に、我慢など出来なくて。本来無理なところまで押し上げられていたものだから、そこから堕ちるのは早かった)
「お、しっこっ……おしっこぉっ、させて、くだ、さいぃっ!」
(結局、どんなに意思が強くても体の反応には勝てないのである。涙を零しながら大きな声で宣言する。膀胱が破裂すれば其れこそ、死亡際まで行くだろう。なにせ内臓破裂である、そうならないわけがない。ここで小水を出させるにしろ、破裂させるにしろ、どちらも行く先は一つ。少女の陥落と気絶――即ち敗北だった)
■ヨゾラ > こちらこそ。
(沸き立つ観客。満更でもないと言わんばかりに笑む異形。
そして、スポットライトがあるとすればそこに立っているだろう、虐げられて、泣いて放尿を乞う、落ちてしまった少女。)
ウッフッフフフフ…。よーくできました。
(このまま放っておいて破裂させて悲鳴を聞くのも興があるが、折角よろしくしたので、気前よく解放しよう。
尿道の栓を引っこ抜けば、もうそこまで来ていた排泄物の液体が間髪入れず勢いよく噴出するだろうか。)
■リーシャ > 「ひひゅ、ぅ、ぁ、ぅううっ――♪」
(じょぼじょぼと音を立てながら勢い良く吐き出される小水。其れはまさしく小さな滝のようだった。足元の床に湯気立つほどの熱さの尿があたって、そして池を作り出す。排泄の気持ちよさには何度も振るえて、そしてついにくったりと疲労に任せて、崩れ落ちてしまうのだった。体力は回復しても損傷などは蓄積するもので、そのまま意識が薄れていくのが分かる。其れはまさしく少女の敗北を意味していて)
「ぁ……ぅ……」
(もう声すら出ない少女はそのまま、深い闇に落ちていく。次に起きた時には全身の痛みに泣きそうになるのだが、きっと其れはまた別の話で――)
■ヨゾラ > …あらあら。やりすぎちゃったかしら。…壊れちゃった。あーあ、つまんないの。
(尋常な放尿の量ではなかった。水の音が、きつく打ち付ける太い線が、滝となって放たれる。
大分ため込んでいたらしく、長く沢山放尿しながら、彼女は崩れて倒れ伏した。
つんつんと腹部やら乳首やら突っついては見るが、もうピクリとも動かないだろうか。
歓声が沸く。天地が転覆する様な歓声が。
ヨゾラの体が虹色に煌めけば、元通り、最初の下級悪魔が着物を着た姿に戻った。)
―――ハァイ、勝者、丙型下級悪魔。
(これも今更だが、ついつい疎かになっていた変声の魔法をついでに使い直した。
後ろでを振り上げて適当に程々に、観客に答える。
さて、今日はこれでまた金が入る。観客も沸かせてやったし臨時収入だ。今度は何を買おうか。
とりとめもない思考を初めながら、歓声を背中に登ってきた階段へと切り返した。)