2023/07/26 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にレベリオさんが現れました。
■レベリオ >
夜も更け始めた頃合いの船着き場。
いくつも並んでいる倉庫のひとつの入口から灯りが零れる。
入口には『コンスキウス』という名義。
以前は活発に取引を行ってはいたが、今は半分以上休止状態の倉庫だ。
この倉庫の中には、主に交易で得たものが仕舞い込まれている。
主は滅多に訪れることはないが、管理を任せている人間と時折こうして打合せに訪れることがある。
―――例えば、今夜のように。
「ご苦労。確かに、目録に問題はないようだ。」
定例の在庫の確認。
こればかりは、欠かす訳にはいかない“仕事”のひとつ。
羊皮紙のリストに目を通してから、管理人の老人の瞳を見る。
誤魔化していないか、嘘を吐いていないか――“確かめ”れば仕事は終わる。
早く終わらせたいと思いつつも数時間はかかる。
幸か不幸か、今回の管理人はここしばらく、問題なく仕事をしてくれている。
“処分”の理由も無ければ、必要もない。
だから、「夜間手当だ」などと添えて、いつも通り駄賃程度の額を握らせる。
そして、酒場に向けて去っていく老人を見送りながら倉庫に鍵をかける。
古びた金属の錠がかかる音が響く頃には、周囲には人気のないどこか物寂しい倉庫が並んでいるだけだった。
――さて、どうしようか。
近くの酒場に行くのも良いし、取ってある宿にさっさと引っ込むのも良い。
思案するともなく、目的を決めるでもなく歩き始める。
足音のない、暑気の間をすり抜けるような静かな歩調で。
■レベリオ >
微かに、唇から鼻歌のようなものが零れる。
もう誰も知ることのないような古い歌声だ。
それを夜に混ぜながら、深夜の散歩はゆっくりと過ぎていく――。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からレベリオさんが去りました。