2021/08/08 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > ――――はっ
と気づくと夕暮れだった。
恒例の喧嘩相手探しに船着き場へ来て、あんまり日差しが強いものだから木陰が差し掛かった港の端のほうで猫と(「で」?)戯れていたら、そのまま眠ってしまったらしい。
ねそべっていた空の木箱の上に身を起こすと、周囲はすっかり茜色で行き交う人もまばら。いつも賑々しい屋台も店じまいの気配。投げ売りの声が波音に混じって届いて来て、そのおこぼれにあずかろうというのか海鳥達も騒々しい。
以降寄港する船は客船の深夜便が数便あるかないかくらいだろう。少なくとも漁師と喧嘩できることはなさそうだ。
「哎呀(しまったなあ)…」
ちぇっ、と内心舌打ちして空き箱の上に胡坐をかく。その膝に頬杖を付いて考える。
夏は知らない間に草臥れているので困る。こっちはやる気満々で出張っているのに、軽い疲労が眠気を誘うのである。
(ちょッと買い食いしたせいもあるケド…)
肉まんは構っていた猫と美味しくいただいた。
さて
もう少し此処でねばるか、ハイブラゼールへ戻ってゴロツキを晩飯前にどつくか。
頬杖着いて考え込むのは、寝起きでややぼーっとしているせいでもある。
■ホアジャオ > ――――はっ
潮風に三つ編みを嬲られながら、ぼんやりと水平線を眺めていたらいつの間にか夕闇が迫っている。
「よッ」
取り敢えず空き箱からぽんと飛び降りる。これからここで喧嘩となると大分視界が悪くなる。
今日も空振りだったが仕方ない。
女は潔く船着き場の出口へと踵を返し、大股で歩き出す。やがてその足は駆け足になって、不夜城へと―――
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からホアジャオさんが去りました。