2021/06/08 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にルビィさんが現れました。
■ルビィ > 「――――――ねぇ、ソレって、どういうつもり?」
生温く湿った空気の吹き溜まりめいた、暗い倉庫街の一角。
行き止まりの袋小路を背にして、場違いなドレス姿の女は一人、
傲然と顔を上げ、鳩尾辺りで両腕を組んで、『相手』をじっと見据えていた。
背後へ通り抜けの出来る道は無く、正面には細い道を完全に塞ぐ形で、
見上げる巨躯の男――――『相手』が佇んでいる。
『相手』の狙いは金か、それとも女自身か。
前者だとしたらつまらないが、後者だとしたら面白そうだ。
睨む眼差しは危うく紅く、口許には自然、鮮やかな笑みが浮かんでくる。
「あたしに用があるなら、早くおっしゃいよ。
其れとも、悲鳴を上げて、ヒトを呼んで貰いたいの?
結構、声の大きさには自信、あるんだけど……?」
ただし、呼ばれて来る人物が何方の味方をするかは分からない。
海にも近く、得体の知れない荷が運ばれることも多い街。
理屈どころか言葉すら通じない闖入者が現れる可能性だって、
全く無い、とは言い切れないだろう。
其れなら其れで――――――などと、内心舌舐めずりしてしまう辺り、
誰より何より度し難いのは、女自身であるかも知れなかった。
■ルビィ > コツン―――――――
一歩、此方から踏み出してみる。
後先考えずに動き出した其の結末は、神のみぞ知る――――――――。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からルビィさんが去りました。