2021/03/29 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > 月夜の船着き場。
ぽつんぽつんと街灯は灯っているものの、黒い空にしらじら浮かぶ月明りは辺りに白く降り注いで夜の闇に潜もうとするものを炙り出すよう。
波音に混じって、ぎぃ、ぎぃと桟橋が軋む音。
係留された船も光を落として、もうこれから入港する船も無いのだろう。人気も疾うに無くなって、遠く繁華街の方から音曲が漂ってくるだけになったその場所に、するりと現れる女がひとり。
足を踏み入れた後周囲を伺って、誰もいない事に対して漏らされた鼻息は不満げなもの。
「嗳(ちぇっ)……やっぱり当たらないなあー」
公主の護衛を交代して、繁華街をうろうろして路地裏まで喧嘩相手を探し回って、結局ありつけた相手はカツアゲ屋が一組。
ものの数秒でぶちのめし―――正確には蹴り倒して―――すごく中途半端に準備運動だけ終わった気分。
人気のない船着き場はたまに徒党を組むタイプが屯しているものだが、月が明るい今宵はそうそう見つかりやすい所にはいないらしい。
当てが外れてぶすっとしながらも、ぽんぽんと弾むような足取りで端の方、貨物の空き樽が積まれている辺りまで。
辿り着いたところでぽんと一つに飛び乗って腰掛け、後ろ手を付くとぶらぶらと足を揺らして人待ち顔。
波は穏やかに月光を照り返して、時折遠くにぱしゃんと魚が銀色の鱗を光らせている。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にソラムさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からソラムさんが去りました。
■ホアジャオ > そのままぼーっとしていても腹は減る。
喧嘩をしたからだろうか。
いやあれは喧嘩の内に入らないはず。
とか思っている間にも腹はへる。
「…―――公主のおつまみかっぱらおうかな…」
確か美味しそうな包子があったはずだ。
平らなお腹をひと撫ですると樽から飛び降りて
帰路の途中も油断なく喧嘩相手を視線でさらいつつ、女は繁華街の光の方へと呑まれていく…
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からホアジャオさんが去りました。