2020/12/18 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にミルトニアさんが現れました。
ミルトニア > 船着き場で一人の兎人が中折れの白い兎耳を潮風で揺らしている。
風に瞳が少し細まるものの、表情をほぼ変えることがないそれは、まるで表情筋が死んでいるかのようですらある。
黒い身なりに身を包み、“一つの大きめのヨット型”から降りてきた。

コツンと船着き場の道に踵が鳴る。
周囲を見回すと誰もいないことに、無表情で確認をし終えた兎人は中折れの耳の先をつまみ、クシクシといじって見せる。
ヨットはロープでつながれているものの、縄をナイフで切り落とし、後は並みの満ち引きと風で勝手に流れていくだろうか。

「……。」

主から受けた作業も終わり、自由時間。
終わりの印である証拠 それをハンケチで包み、ベストの内側のポケットへと収める。
やや風が冷たいものの、この周囲にあるのは冷たい月明りと海の音 潮風くらいなもの
ふと、頬に赤い飛沫が一つついていたことを知ると、指先を舐め漬け、唾液でグイ、とぬぐい取って見せた。

周囲には魚のおこぼれにあずかる海鳥すらいない。
コツコツコツと歩きながらも、黒い身なりに身を包んだ兎人は見つけにくいかもしれない。