2020/11/12 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」に八蛟さんが現れました。
八蛟 > 背には山脈 前方は大海
夕暮れの逢魔の刻 八蛟はサンダルの音をガランッと鳴らし、船着き場を歩く。

近くの荒くれが集まる酒場で酒を呑む気分ではなく、縄で括られた一つの大きな壺酒を手に入れた。
口は小さく 腹は太く作られたそれはまさに酒の壺。
船着き場で連なった船、海辺の淵とも呼べる場所は歩きながら大海と並ぶ船が小物から奴隷船まで幅広い。。
八蛟は体格に見合った壺酒を傾けながら、並ぶ船を眺め壮観する。
その間に、口の中に消えていく透明な酒に舌を打つだろう。

流石港だ。酒もいろいろな種類があり、舌に馴染むものから、新鮮な気分になるものまである。
この酒は使った水がいいのだろう。ほのかに甘く感じるのに、喉を通り抜ける味が辛い。
壺を退きもどすだけで、大きく波打つ音が壺の中で廻り、響いていく。
壺をゆっくりと回し、その音ですら楽しむ。

「……くはぁ。」

傷の奔る貌が、目を細め、喜色に歪む。
好い酒は、貌を、気分を良くさせる。たとえそれが鬼であっても変わらない。
潮風と夕暮れの景色はいい肴ではある。

もうすぐ訪れる宵闇は、さらに鬼を馴染ませるだろうか。
倉庫街や奴隷市場が近場にあるらしい。
地獄めいた其処に鬼が近づくのもまたいいだろうと思った。