2020/07/22 のログ
■シロナ > 扉を開き、その中を見れば―――。冒険者たちが酒を飲んでいる真っ最中だった、人の出入りの激しい冒険者の宿は、一人誰かが来たぐらいで騒ぎが止まることはない。
酒を酌み交わす冒険者、カードゲームをしている冒険者、何やら相談をしている冒険者。女の人に手を抱いて殴られている冒険者。
いろいろな人がいて、色々なことをしている、少女は赤い瞳をキラキラと輝かせる。
別に、冒険者にあこがれているわけではない、母親が、姉が冒険者だから、冒険者の事は良く知っている、なりたい、と言うのは違う。
強いのはわかるけれど、なんか違うのだ上手く言葉で言い表すことができないのだけれど。
自分が何になりたいか、それがよくわからない、強くなりたい、でも、と。
だから、色々なことをしてみたい、それゆえの自由で、叔母のような、基本的な性格が野生寄りの自由ではないのだ。
思考がそれていたので戻すと、楽しそうにしている冒険者。
自分が目を輝かせているのは、彼らの肌―――盛り上がる筋肉である。
健康的であり、力の象徴である筋肉、冒険者たちは、とりわけ前衛の人たちはそれはもうそれはもう。
うへへ、と乙女では零してはいけない声が零れてしまう、涎も垂れる。
とりあえず、酒場の邪魔をしてはいけないだろう、冒険者たちが一番よく見える場所に席を陣取り。
肉料理を沢山注文する。
お金は、お小遣いがそれなりにあるので問題はない。
■シロナ > 大量の食事を注文すれば、流石にウエイトレスの人は面食らう、とりあえず、一品ずつ持ってきてくれるように、お願いをしておく。
そうすれば、時間をかけて一杯食べることができるし、食事の量に関しては、人よりも健啖であることは自信がある。
時間をかけてゆっくりもっさり食べて、冒険者たちの主に筋肉などを眺めて居る事にする。
酒場の邪魔にならず、そして、自分の趣味を堪能する。
それともう一つ、冒険者というものを、知っていると言っても聞きかじる物だけ、実際に見てどんな物かをもっとよく知る必要がある。
「うーん……騎士、とか、そういうのも、在りなのかなぁ。」
少女はじぃ、と冒険者を眺めて考える。
何がいい、とか、何が駄目だ、とかそういう事は、家の人は言わない、自分で探し、自分で選ぶ。
それが一番難しいんだよなぁ、と溜息を一つ零すのだ。
それは兎も角、今は冒険者を眺めていることにする。
本当は、冒険者と実際に話ができれば最高なのだけど、それは難しそうだ。
なので、今日はこれで―――否今日も、これで、だ。
そんな風に、静かに食事をしてから、少女はダイラスの祖父祖母の家に戻るのだった―――
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からシロナさんが去りました。