2020/05/05 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にマルズヴェインさんが現れました。
■マルズヴェイン > 船着き場に着岸した大型のガレー。その舷側から、なんとも異風な衣装に身を包んだ、大柄な男が降りてきた。
口には長煙管を咥え、煙たなびくそれをぴこぴこと揺らす。
「ほほう!」
眉に掌をかざし、賑わう大都市を男はじっくりと眺めまわした。早く降りてもらわねば後がつかえる。後ろに続く者としては困ったことこの上ない。が、後難を恐れてか、誰もその異風の男に文句をつけるものはいない…。
が、そこで、男は己の背後につっかえる荷駄と人の列に気づいたものか、これはこれは悪かったと笑うと、なんとも身軽に舷側から降りてゆく。
シェンヤン風の、豪奢な衣装を身に纏うものの、背にはなんとも物騒なほどに大きな剣を背負っていた。
そんな、異装の男は船着き場に降り立つと、くんくん、と空気ににおいを嗅ぐような、そんな仕草をしてみせる。
『高鼻を使う』と言う、優れた猟犬がやる仕草に、妙に似ている。
どうやら、美味いものの匂いでも嗅ぎ分けたか。
男はぺろりと舌なめずりをし、きらきらと瞳を好奇心に輝かせて、船着き場をダイラスへと向けて歩き出し…。
■マルズヴェイン > 大股ではあるが、ゆったりとした歩調で男は歩んでゆく。
ひらひらと海風に揺らす極彩色の衣装は、どうやらシェンヤン宮廷の文官達の正装だ。
途中立ち寄ったシェンヤン。
その国の習俗風俗慣習をたっぷりと楽しみ、ここマグメールへと流れついた。
この国ならではの美食をぜひ、味わい。
この国ならではの腕っぷしの者と喧嘩をし。
この国ならではの美姫と恋をして。
そして…莫逆の友の一人くらい、できてくれたなら。
旅の楽しみ、これに過ぎるものはない。
そのようなことを野放図に、男は呑気に想いつつ…。
風に乗って届いた、屋台の美食へと向けて歩きゆき、そのままダイラスの喧騒へと飲まれていった…。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からマルズヴェインさんが去りました。