2020/03/29 のログ
■ホアジャオ > しばらく陽光に照らされる人々を眺めている。
行き交う人々の喜怒哀楽悲喜こもごもはボ―――ッと眺めるのに苦ではない。
それでも内心
(あいつは見かけだけでダメ…あいつも……ちょッとちがう…)
なんて思っていたりはしたけれども。
兎も角もそうしていると、足元のほうから聞き覚えのある声。
視線を移せば、見覚えのある黒い姿。
紅い唇がにまーと笑って、頬杖をついていた片手をひらっと振って見せる。
「ヤッホー 黒須。好久(久しぶりィ)!」
箱の山からぽんと飛び降りて、看板の上に着地。
ばきっ、と軽い板が二つに割れる気味のいい音つきだ。
「何してンの?ひまならまた喧嘩してく?」
相手のいささか冴えない(?)表情に対して、満面の笑顔で問いかけを。
■黒須 > 「あぁ、久しぶりだな…。」
(元気よく降りてくる少女を見る。
勢いよく割れる板を見ては、破片を軽く避けながら対面する。)
「おめぇは出逢えば必ず喧嘩だな…他にすることねぇのかよ?」
(ふぅっとため息を漏らす。
相変わらず喧嘩をふっかける相手に呆れながら、答える。
今はそんな気分では無いが、断っても見捨てられる始末。
そうなる前に他のことを聞いた。
無いならそのまま喧嘩をする。)
■ホアジャオ > 男の返答を訊くと女はけらっと笑う。
「たまには散歩したりバイトしたりゴロツキをカツアゲしたりもしてるよ!
アンタこそ、アタシと他にしたい事でもあンの?」
そういってまたけらけら笑っていると、くぅっとお腹のなる音。
途端に眉が上下ちぐはぐを向いて、三日月に笑っていた紅い唇は尖る。
「……ご飯おごりたいってェなら、おごられたげても良いケド」
細い目の視線は、男の手元を捉えている。
手にしているのはすぐ食べられそうなものではない様だが…まあ近々男も食事をとるというのなら、ついでにご相伴に預かってやろうとでもしているらしい。
あとは単純に男の手にしているものが珍しかったというのもちょっと、ある。
そうやって片手を薄い腹に置いて、伺う視線を男に……
■黒須 > 「なんだ、他にも趣味があるじゃねぇか。」
(喧嘩以外にも散歩やバイトをする様子もあるようだった。
たまたま出会っても喧嘩をすることなくてそれなりに安心した。)
「ん…。
丁度いいな?今度俺も彼女と出かけることがあるからよ、おめぇのところのうめぇ飯でも行くか。
奢ってやるよ。」
(自分も腹は減っている。
今度出かける用事もあるので、うまいなら紹介しようと思い、同行しようとした。)
■ホアジャオ > 本当は散歩もバイトもカツアゲも喧嘩のついでに等しいのだが、まあそこは黙ってにっこり返しておくことにして。
「アタシんトコのごはん?
シェンヤン料理ってェこと?」
おごってくれると言うなら否やはない。
真っ二つの看板から足をどけて、ぽんと飛ぶように男の隣に並ぶ。
「アンタ変に気前いいよねー
なァに?彼女ってェのも一緒に来ンの?」
相変わらず平らな腹をさすりさすり、そこら辺にいるんだろうかときょろきょろと見回す。
結構な人波だ。迷子にでもなってたりしないかしらん?
■黒須 > 「シャンヤン料理?
聞いたことねぇが…ま、それでいいな。」
(シャンヤンを聞いた事無いため、なんだそれは?っと片眉を上げる。
とにかく上手いんじゃ無いかと思い、同行しようと。)
「勘違いすんな。俺は彼女にも教えれるように場所を知るためだ。俺は知識すくねぇからよ。」
(自分も知識は少ないため、知れる場所があるなら知ろうと思っていた。)
「いんや、今日は来てねぇ。
仕事の方が忙しぃのか、家に来てなかったしよ。」
(今日は同行しておらず1人だけで行動していた。
もし一緒に行くとなれば、自分のそばに常に居させるたね、毎度になることはまず無いだろう。)
■ホアジャオ > 訊いたことが無い、と言われると細い目を数度瞬いてけらっと笑う。
「真的(うそでしょ)?
アンタ知らないだけで、幾つかはたべたこと有るはずだよ」
そういい置くと男の先に立って歩き出す。ぽんと跳ねるように歩くのは、少し癖なのかもしれない。
行き交う人々を相手に商いをする露店には、当然のこと食べ物を商う店もある。
女はそのうちのひとつ、湯気の立つ蒸篭がいくつも山を作っている店の前に立ち止まった。
「まーちゃんとした店じゃァ無いケドさ、簡単に買って、簡単に食べれるようになってンの…アンタの彼女が気に入るかどうかは解ンないケドね。
叔叔(おじさん)!春雨入りのやつ、ふたつ頂戴!」
女は律儀にちょっと説明をしてから、露店の親父に声を掛ける。
ナマズ髭を蓄えた小太りの男は、こちらも細い目を糸の様にして笑って返して、蒸篭からふたつ、大き目の包子を紙に包んで渡してくる。
女はそれを受け取って、代金をせびる手を伸ばす店主には、連れの男を目で指してやる。
店主はずい、と黒須のほうへと、意外と大きな掌を差し出してくる。
にこにこと笑ってはいるが、目の奥は『ダメ、食い逃げ!』の光を宿して笑っていない。
■黒須 > 「あーそういうのか…。
俺は基本酒場の飯しかくってねぇし、時折食べ歩きはしているしな…そうかもな?」
(いつか食べたのは覚えていない。
ただ何とか料理としてのカテゴリでは考えたこと無いため、おそらく一度口にはしたと思う。)
「ふーん…ここか…。」
(不思議な道具を揃えている店の前、少女が注文をした後、目の前に店主がやってくる。
目や雰囲気で察した。
自分も金銭関係の仕事に務めていた、そこら辺のやり取りには自分もうるさい質であるため、きちんと支払いを済ませた。)
■ホアジャオ > 「ヘーエ?彼女の手料理とかってノロケられンのかと思ッてたよ」
けらけら笑いながら代金を渡す男を眺め、片手の包子を手渡す。
湯気が立ち見るからに暖かいが、紙袋越しに手にするぶんには問題が無い程度だ。
「ここのやつ、中身も皮も色ンな種類があるから飽きないンだよ……
好香 啊(おいしそう)-」
女の片手には余るくらいの大きさの包子に、ぱくりと噛み付く。
中身は中華風に味付けされた、少し辛味のある春雨と柔らかいチャーシューだ。ごま油の香りがふと鼻に抜ける。
「滚热的(熱ッ)……」
はふはふ、と湯気をこぼしながら口を動かすこと暫し。
そうしてすこし噛み切れなかった春雨を紅い唇の端から覗かせたまま、さて、男はどんな反応をするだろう、と細い目の視線がそちらへ漂っていく。
■黒須 > 「そいつはしねぇよ。
あいつの飯の上手さは、俺だけで満足してぇからよ。」
(身の回りの事は惚気ないとした。
彼女との嬉しい日は自分だけで満足しようとした。
しかし、彼女の知り合いなら話そうとした。)
「ふーん…どれ…。」
(少女に見られながらも大口を開けてバクりと食べる。
熱々の皮と中身が口の中に入ってくる。
ごま油のいい匂いと、春雨やチャーシューが美味しかった。
平気な顔をしながらもぐもぐとふくらませた頬をもごもごと動かして食べる。)
「ん…うめぇ…。」
(口の端に付いた油を拭きながら、美味そうに食べる。
約2口半ぐらいで手に持った包子を食す。)
■ホアジャオ > 「へー、料理上手なンだ。――……良かったね!」
一瞬、どう返すのが正解なのか考え込んでから返答をする。
取り敢えず女としては喧嘩関連のことでなければ得に羨ましさなど感じないので、ほぼ完ぺきにお世辞だ。
どうやら包子は男のお気に召したようだ。
それを見届けるとずるっとはみ出ていた春雨を飲み込んで、自分も残りをやっつけにかかる。
その女がまだ半分くらいしか食べていないのに男は早食べ終わってしまったようだ。
ならば……
「気に入った?他にもね、小籠包の美味しいヤツ置いてる店もあるよ!」
こっちこっち、と片手には包子、空いた手で男を手招きして次の屋台へと誘う。
(次はカニ入りのちょっと高いところ連れてっちまお)
にんまり笑いながらそんな事を思いつつ、にぎわう人波の合間女は跳ねる足取りを進めていく。
そうやって何軒か連れまわしてたぶん
最終的にはまた、喧嘩もせびるんだろう。
男がそこまで付き合いの良さを見せるかどうかは、果たして。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」から黒須さんが去りました。