2020/01/31 のログ
シルク > 「はひっ!!」

彼の言葉が威圧にも聞こえ、小さく跳ね上がりながら情けない返事を返す。袋に手を突っ込み、ドライフルーツを掴み取り出せば、袋の中の甘い香りが辺りに漂う。

「いただきますっ。」

男の話を聞きながらそれを口へと運び。どうやら彼は私が食べ終わるまで傍に居るらしく。もっちゃもっちゃと弾力のあるフルーツを噛み砕きつつ、無言なのもなんだか気まずいような気がしてきて。

「んくっ。お兄さん、名前はなんて言うの?どうして私に?...あ、えっと、私はシルク。シルク・ヴェーユだよ。こんなんだから、姓はてきとーだけど。」

新しい果物を口へ運びながら、質問攻めにする。が、私のことを先に伝えるのが礼儀だろう、と付け足す。一応、彼には丁寧に接するべきだろう。

黒須 > 「あ?俺か…?
…黒須・狼。適当に呼べ…。」

(質問を聞けば答える。
名前を教えるぐらいはどうッということもなく、それで自分の過去を知っていようがどうでも良かった。)

「なぜだと?
さっきも言っただろ?お前の腹の音が聞こえたから、見捨てるとめんどくせぇし、助けただけだ…。」

(ぶっきらぼうに言うも、その言葉には心配をする様子があった。
無視すれば、後に思い出しそうであり、腹が減っている所に何かあれば、見捨てた自分を恨むため、助けたに過ぎなかった。)

シルク > 「じゃあ、黒須...お兄さん。ありがと。このフルーツ、美味しいよ。ほら、黒須お兄さんも。」

名前を知ることで、なんだか親しくなれた気がして、笑みがこぼれる。それが恥ずかしくて、フードを深く被り直しながら、袋から取り出したフルーツを1つ、差し出してみて

「めんど...?そ、そっか。」

めんどくせぇ、と彼は言うけれど。そんな理由で見ず知らずの野良に食べ物を分けたりしないだろう。きっと、根は優しい人なのだろう、なんて分析。フードから覗く口元には笑みが浮かんでいて

黒須 > 「ん…。」

(フルーツを渡す少女をジト目で見る。
しばらくの沈黙を作ると渡されたフルーツを受け取り、口に入れる。
ムグムグと食べれば、酒と一緒に飲み込む。)

「ああ…俺にとって面倒事は一番嫌いなことだからよ、わかってても喧嘩売る奴や姑息な事、言い訳に逃げ…全部面倒事だ…。」

(頭の後ろで手を組みながら少女とは逆の方を見て、そんなことを言う。
面倒なことは面倒だから嫌いであり、何があっても終わらせたくもなる)

シルク > 「ふーん...う...そう言われると耳が痛い...。悪い事って、分かってるんだけどねー。でも大変だし...ってこれも言い訳だー...!」

黒須お兄さんの話を聞いていると、彼の言葉が突き刺さる。言い訳に逃げ。真っ当にお金を稼ぐ事から逃げて、盗み等の悪事に手を染める事もあるからだ。
ぽりぽりと頬を掻いて、目を逸らし。

「黒須お兄さんは逃げたりしないの?逃げたい時はどうしてる?」

真っ当に生きる。すぐに揺らぐ決心だとわかってはいたけれど、それでも一度は決心した。故に、逃げない、強く生きる方法があれば知りたい。そんな都合がいい方法、あればいいんだけど。

黒須 > 「…そう言うのが、俺にとってはめんどくせぇものだ…。」

(まるっきり少女のやった行動は全て自分の思うめんどくさいに繋がっていた。
だが、特に深く説教する気もせず、言った後は一口酒を飲んだ。)

「…そうだな…。
俺は逃げないよう、立ち向かえれる訓練をされたが…いざ、逃げたくなったら…まぁ、大声で泣き叫んで、後悔してから気持ちを入れ替えるかもな?」

(思い出すかのように少し遠い目をして言う。
今までの中でそんなことがあった。
その時が、自分にとって初めて逃げたいと思った日々であり、逃げるための自分のやり方だと思っていた。)

シルク > 「黒須お兄さんが泣くなんて、想像出来ないけど...うーん」

じーっと見詰めたあと、目を閉じて想像する。...やはり彼が泣いてる姿なんて想像できないや。

「でも、そうだね。私、すっごく後悔してる。次こそは、次こそは、ってね。また逃げたくなったら、その後悔を思い出そう、かな?」

そう告げたあと、ふぅ、とため息ひとつ。先程までのため息とは違い、幸福のため息だ。

「お腹いっぱいだよ。黒須お兄さん、ありがとうね?...あと、わがままだけど、飲み物、ある...?」

渡された袋の半分も食べていないが、満腹だ。乾き物をお腹いっぱい食べれば、今度は喉が乾いてきて。申し訳なさそうに呟く。

黒須 > 「次こそは…っと思っている野郎どもにやってくる日はねぇ…。
変わろうと思った時にしねぇと、いつまでたっても同じだけだ。」

(何度もそう言う人間を見て来た。
そのため、変わろうと思っているだけのやつに変われる人間はいないと思っていた。)

「おう、満足したならいいんじゃねぇか…。
…めんどくせぇ」


(やれやれと言った様子で紙袋を漁ると、今度は牛乳瓶を取り出した。
よく冷やしてあるのか、表面は冷たく、うっすらと水滴がついていた。)

シルク > 「ありがと。えへへ...ん?黒須お兄さん、牛乳飲むんだ。」

余計な事に気付き、つい聞いてしまう。意外、というのも失礼だけど...でもやっぱり、意外だ。

「んく、んく...ぷぁ。冷たい...♪
うん。覚えておくよ。黒須お兄さんみたいに...はちょっと理想が高すぎる、かな?でも、頑張る。」

口元についた牛乳を舌で舐め取り、意気込んで。

黒須 > 「俺が飲むわけじゃねぇ…ミルクが大好物な奴が居てるんだよ…。」

(何か思い当たるかのようにそっと言う。
自分は基本的に飲まないが、彼だけが知る知り合いの為、買って来たのであった。)

「よせよ、俺みたいなろくでなしを目標にしたって意味はねぇ。
お前はもっと、良い奴を目標にしとけよ。」

(ここまで喋るも自分を下に見る様に言う。
元々は貧民地区で最強と言われていた男。
平民地区に居ようとも、自分は大した人間ではないのは確かなのであった。)

シルク > 「そっかー。腰に手を当てて牛乳飲んでる黒須お兄さん、想像したら少し面白かったのに。んく...あっ。」

少し残念そうに呟き。残り少なくなってきたミルクの瓶を傾け、顔も上に向ける。その拍子にフードが外れ、薄緑の髪や、エルフ特有の長い耳が顕になる。
まあ、良い人みたいだし耳は見られてもいいかな。

「そー?私みたいなお腹空かせたかよわーい女の子にご飯を恵んでくれるお兄さんの何処がロクデナシ、なのかな?」

黒須 > 「うるせぇ。そう言うのは一人でいる時に一人で思え。
ん?」

(フードが外れて見える少女の姿。
エルフと言われる種族の様であったが、黒須はエルフを知らず、人間とは違う種族なのだと思っただけで収めた。)

「元は貧民地区の金貸し屋だ。ろくでなしに変わりはねぇ。」

(そう言うとそのまま立ち、尻に付いたホコリを掃う。)

「さて、そろそろ夜だ、お前も適当な所に隠れた方がいいんじゃねぇのか?
後からめんどくせぇことに巻き込まれる前にな?」

シルク > 「はーいっ♪」

反省の色を少しも出さずに返事を返して。黒須お兄さんとお話するのは面白い。けど、あまり調子に乗るとあとが怖そうだ。

「...っ。んぁ、改めて、だけど。フルーツとミルク、ご馳走様っ!助かったよ。
やっぱり、このへんも治安はあまり良くないのかな?お兄さんの言う通り隠れることにするよ。」

金貸し、と聞いて息を飲む。あまり、この事は聞かない方が良さそうかな。
辺りにちらばった短剣や砥石をツールベルトに詰め込んで。黒須お兄さんにつられて立ち上がる。

黒須 > 「治安も悪くねぇだろうし、喧嘩好きのヤンチャ娘も嫌がるから、めんどくせぇぞ?」

(そのまま、船着き場を出る様に歩く。
思い浮かぶ少女の顔を思い出しながらはぁっとため息一つ。
今になってあのめんどくさいのが来なければっと願いながらも歩き続ける。)

「んじゃ、俺は平民地区に帰る。
お前も気を付けてな…。」

(最後まで少女を心配する様に言って、入り口までくればそのまま、背中を向けたまま手を振り、目の前の馬車に乗っては帰っていこうとした。)

シルク > 「はーいっ。黒須お兄さん、またねー?」

大きな背中に向かって手を振り続ける。無愛想な彼だったけれど、私のことを終始気にしていた事は分かる。また会えたらいいな、その時には彼の言った、『めんどくせぇ』から脱せられればいいな、なんて考えつつ。

「よし、じゃあ、寝床探さないと。明日も頑張るぞーっ」

なんて、今までに無いくらい清々しい気持ちで活動を始めるのだった

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